湯沸岬(霧多布岬) (釧路管内浜中町)
平成15年6月23日月曜日。今回はドライブ旅行だが、鉄道の厚岸駅には駅弁の「かきめし」(氏家待合所・900円)があり駅弁フェア等で2度、食べた事がある。根室本線の列車に揺られながら食べたいのだが、まだ夢はかなっていない。ちなみに調製元の氏家待合所の「待合所」とは、駅に待合所を業者が設け、その業者が食堂をしたり駅弁を売っていた。北海道のような寒冷地では重要な施設だ。それで○○待合所という駅弁業者が北海道には多いと聞いた。今では氏家待合所以外にあるのだろうか。
国道に別れを告げ、再び道道へ。厚岸湾と厚岸湖を 分けるかのような厚岸大橋を渡る。ここで道を間違える。見晴らしが良かったので、とりあえず写真を1枚。この近くに厚岸の名所として国泰寺がある。初代住職が厚岸にやってきたのが文化2年(1805)というから、200年近い歴史がある。私が初めて厚岸の名前を耳にしたのは、日本テレビ系で放映されていた「黄金の犬」というドラマで、最初の方で厚岸の町が出ていた(気がする)。昭和55年(1980)のドラマというから、23年の(思い入れの)歴史がある。
厚岸道立自然公園を道道は行く。ここもあまり海が見えない。霧のせいもある。厚岸町から浜中町へ。この町には名所がある。でも見えないかも知れない。その名は霧多布(きりたっぷ)岬。正式には湯沸(とうふつ)岬というらしいが、名前だけ聞いて訪れたい地であった。道は岬へと続く。根室本線の浜中駅付近が町の中心かと思ったが、この岬付近の漁港が中心らしい。市街地を抜け、岬のある半島の坂道を登って行く。はたして岬は見えるのか・・・。駐車場に車を止める(無料)。岬の見える場所へ歩いて行く。
きりたっぷの名にふさわしい岬の風景が広がっていた。霧は出ていて欲しかった。むろん視界が無くならない程度に。岬を見に行って凡庸な風景にがっかりした事が多いだけに満足した。あとは根室を目指すだけである。岬付近では馬が放牧されていた。普段見なれている競走馬よりも大きい。
ここまで思ったよりも時間がかかった。午前中に根室に到着するつもりだったのに。根室市は浜中町の隣町なのに、まだ1時間はかかりそうだ。荒涼とした風景。まるで樺太か千島のようだ(行った事は無いけど)。
ついに日本本土最東端、根室市に入った。まだ中心部までは数十キロある。初田牛で根室本線に出会う。寂しいところを走ってきたので、これだけでホッとする。しばらくして落石へ。全シリーズのうち初めて見た「北の国から'95秘密」(フジテレビ系)で蛍が駆け落ちしてきたのが落石である。次の昆布盛の手前で踏み切りで停止。根室本線上り普通列車だった。落石駅で待っていれば写真も撮れたのに。花咲がにで有名な花咲きを過ぎる。この旅の目的はカニでもカキでもない。目的地はもうすぐである。ちなみに根室本線のうち釧路~根室間の愛称は花咲線。JR北海道の時刻表には根室線は滝川から釧路間で紹介されている。根室が根室線でないとは、いカニ。午後1時過ぎ、ようやく根室駅に到着した。 (つづく)