草を食む馬たち (日高管内新冠町)
平成15年6月22日日曜日。フェリーで苫小牧に上陸し、そのまま道東へ向かいたいところだが、昼食のために苫小牧市街へ。北海道の道路は立派だが、ここ苫小牧の道路は片側4車線もある。ラジオをFM NORTH WAVE 82.5MHzにする。CDは付いていなかった。予約時に指定しないと駄目なのか。San Francisco, CAのHertzで借りた車にはCDが付いていたのに・・・(使わなかったけど)。
ロイヤルホスト苫小牧店に入る。麺類が食べたかったのでちゃんぽんを食べる。長崎の料理を蝦夷地で食すとは。ロイヤルホストは福岡資本だから別によいのだが。ビールが飲みたくなるが、これから昼間は飲めない。Ginger Aleを飲む。
これから沼ノ端からR235、途中は暫定無料区間となっている日高自動車道を行く。日高道には昨年、新日本海フェリーを利用した時に苫小牧東港(胆振管内厚真町)から苫小牧駅までの連絡バスで通った。自分で運転するのは初めてである。広大な勇払平野を往復2車線の道路が伸びるが、こんなところに高速道路は入らないだろうと思う。無料だからいいけど。
厚真インターからR236に戻る。この先の高速道路も延伸開通するようだ。馬運車が多い。さすがは競走馬のふるさとである。この先の日高管内門別町にはホッカイドウ競馬の門別競馬場が、静内町にはWINS静内が、浦河町にはJRA日高育成牧場がある。放牧される馬たちを見ながら小休止。
海沿いのR235から、日高山脈を抜けるR236(天馬街道)に入る。平成9年9月に全通した国道だが、R274(日勝峠)経由より距離は伸びるが快適な道路だった。交通量も少ない。日高と十勝を結ぶ野塚トンネルは北海道最長の4,232mで、曇りがちだった天気もトンネルを抜けると良好だった。
十勝管内広尾町豊似で南からのR366(黄金道路、日高管内えりも町経由)と合流。R236は十勝の中心地、帯広を目指すが、R336を北東へ十勝管内浦幌町へ向かう。十勝の道路は気持ちよい。北海道一だと思う(つまり日本一)。しかしこの先、十勝川を渡る橋が平成4年までなく、国道は渡船で結ばれていて、自動車は渡れずに10キロ以上上流の橋まで迂回する必要があった。。十勝川河口橋の開通でこの旅来渡船が廃止されたのは11年前。その場所には記念の碑が建てられている。平成8年に私はそこを訪れたが、今日は十勝川河口橋を通過するのみ。
やがて釧路方面は左折してR38を経由するよう案内標識があったが、地図を見ると細い道が海沿いにある。そのままR336を北東に進む。立派な道だったが途中で道路は建設中となり、旧道らしき道となった。それは細い道ではなく、未舗装道路だった。砂利道であり、当然速度は出せない。なるほど、案内標識はそういう事かと思ったが、ここまできたら行くしかない。砂利が車を痛めつける。レンタカーなのに。幸い5キロ弱で舗装道路の道道になった。舗装の有難味を実感した。
海水の温度が低いのか、海から霧が漂ってくる。同じ海沿いでも日高ではこんなことはなかった。道東特有の気候なのだが、この冷たい湿った気候ゆえ、夏でも最高気温13℃だったりする。釧路湿原の自然もこの気候によるところが大きい。
寂しい海岸を走っていたが、集落が現れた。鉄道の駅もあって厚内というところだった。人里に出たので少し安心する。道道はやがてR38に合流した。十勝管内浦幌町から釧路管内音別町に入る。国道を快調に走る。夏至の長い日も暮れてきた。STVラジオを聴いてみる。東京ドームからの阪神・巨人戦だが、ダンカンが出演しており、うるさくて野球中継にならない。文化放送の制作だった。
やがて釧路市内に入り、今晩の宿を目指す。角度のきつい地下駐車場に入る。この宿はInternetで予約したが料金が安い分、建物の古さが気になった。建物が古いというより金をかけていないのである。気になる点が多いので特に名を秘す。朝食をつけて駐車料金も支払うと5,000円を少し越えた。最近は関西のまともなホテルに5,000円程度で宿泊しているので割高感がある。スリッパぐらい底の剥がれたものから新しいものに交換しろ。
それでも野球が終わったので気分良く食事に出る。ホテルへ来る時に「びっくりドンキー」が見えたので、少し歩くがそこへ行く。新松戸の自宅から「びっくりドンキー松戸店」へ歩いて行くより遠かった。途中に日本製紙釧路工場があった。門前の敷地に木々が多く北海道らしい。山パル(旧々山陽パルプ、旧山陽国策パルプ)も今では日本製紙岩国工場だが、入り口は殺風景ながら木は植えられていたか。
内地(では本州方面をこういう)の店舗でも食べられるものを食べ、飲めるものを飲んだ。ここのビールは自社小樽醸造所のものだが、大手メーカーより割高感がある。料理は割安感があるのだが。「びっくりドンキー」を北海道内で利用した回数を、内地で利用した回数がはるかに上回っているのだが、「びっくりドンキー」といえば北海道である。初めて苫小牧で合挽きのハンバーグのやさしい味に出会って10数年来のお気に入りである。
ホテルへの帰り道、セイコーマートへ寄る。「セイコーマート」といえば北海道である。ちなみにコンビニエンスストアで内地にも店舗があるようだが、近所にはない模様。オリジナル商品が多い。水500ml(88円)とバニラアイス(80円)を買って行く。共にオリジナル商品(価格は税別)である。
ホテルへ戻るとフロント氏が館内巡回中で部屋の鍵が貰えない。夜は一人で切り盛りしている様だ。アイスが溶けるのでロビーで食べようかと思うが、程なく戻ってきて鍵を受け取る。TVを見ながらアイスを食べる。半日で苫小牧から釧路へのドライブは厳しい行程かと思ったが、所要時間は5時間強、あまり疲れはないようだった。飯も食ったし、酒も飲んだので寝ることにする。 (つづく)