旅日記

旅の記録と紀行文を紹介する事でしょう。
写真は私が撮影したものを使用しています。

九州列車紀行 熊本→八代

2008-11-16 16:00:46 | 列車の旅

鹿児島本線 普通 5335M列車 〔817系車両〕 (熊本)


鹿児島本線 熊本駅 (熊本県熊本市春日)

プラットフォームには2両編成の列車が入線していた。JR九州らしく座席は良いのだが、あいにく空席がない。補助席が空いていたので椅子を出して座る。熊本を出発。車両基地があり、東京から乗ってきた〔はやぶさ〕の車両が停まっているのが見える。暫く建設中の九州新幹線と並走する。各駅停車だが電車なので速い。〔はやぶさ〕より快適にすら感じる。憧れのブルートレインだったが、長時間同じ列車に乗っていたので、さすがに飽きていたのだろうか。ひとつひとつ駅に停まる各駅停車もまた味わい深い。日曜日だが宇土から高校生が多く乗ってきた。宇土からは三角線が分岐している。この線にはまだ乗ったことはないが、いずれ乗りに来るだろう。

千丁を過ぎ、〔リレーつばめ〕が走る九州新幹線への連絡線が右に分岐して新八代に到着。新幹線と在来線のプラットフォーム、改札は分かれているが、〔リレーつばめ〕は新幹線〔つばめ〕と同一のプラットフォームに乗り入れるので、乗り換えはスムースである。〔リレーつばめ〕以外の列車と新幹線の乗り換えは少々歩く事になる。新八代を発車した列車は、製紙工場を大きく迂回して、終着の八代に到着した。

鹿児島本線 普通 熊本(12:30)→八代(13:04) クハ816-12


最終目的地に到着! (八代)


鹿児島本線 八代駅 (熊本県八代市萩原町)

発券に難儀した乗車券に「乗車記念使用済」の押印をもらい、記念に持ち帰る。八代を旅の目的地としたのは、なんにも用事がないけれど、汽車に乗つて熊本へ行つて来ようと思ふが、更に足を延ばして内田百ケン(門構えに月)先生ゆかりの松濱軒のお庭を眺めて来ようという訳である。帰りの切符を作ってもらって、まずは八代城跡へ向かう。

産交バス 八代駅前(13:20)→八代宮前(13:29)


八代宮・八代城跡 (熊本県八代市松江城町)

肥後には八代城のほかに熊本城があるが、一国一城令にもかかわらず八代城があったのは薩摩を睨んでとか。肥後熊本藩筆頭家老で八代城主の松井家の建てた御茶屋が松濱軒である。旅館として営業されていた時期に百ケン先生は何度も泊まられている。


松濱軒 (熊本県八代市北の丸町)


唐破風の玄関!

建物は公開されていないが、お庭を散策できる。門をくぐって右にある驥斎という建物で300円の入場料を支払う。こちらの御婦人に実に丁寧な説明をしていただく。驥斎とは元は馬屋であったところで、松井家に伝わる文物が展示されている。陶磁器などを拝見してお庭に向かう。


国指定名勝 旧熊本藩八代城主浜御茶屋(松浜軒)庭園
※画像をクリックすると大きなサイズで表示します。


元禄元年(1688)の造園だそう
※画像をクリックすると大きなサイズで表示します。

百ケン先生が眺めたお庭を自分も眺める。やはり鴉が鳴いている。お池の水は枯れていない。花菖蒲の頃にくれば最高なのだろう。散策していて蚊に食われる。九州肥後はまだ夏の名残である。さて驥斎の他にも展示している所があるというので、また松濱軒の御婦人に伺う。百ケン先生のファンかと尋ねられる。実際にファンの方が訪れるらしい。自分は「阿房列車」くらいしか読んでないので、ファンですというのはおこがましい。カープファンですとは即答できるが。歴史に興味はありますかと、八代市内の他の見所も丁寧に教えていただく。とても八代には2時間しかいません、とは言えぬ。第二展示室も拝見して、松濱軒を後にした。 (つづく)


こちらは南門!
いずれも平成20年9月21日撮影