旅日記

旅の記録と紀行文を紹介する事でしょう。
写真は私が撮影したものを使用しています。

箱根復路・大雄山線

2020-12-03 22:00:00 | 鉄道

箱根登山鉄道 鋼索線 普通列車 [01編成 ケ11+ケ21] (早雲山)

バス、船、ロープウェイと乗り継いできたが、この後は鉄道の旅である。ケーブルカーは混雑しておらず、座席に腰掛ける事が出来た。発車メロディは『箱根八里』。箱根の山は天下の嶮 函谷關もものならず♪ 若い人は歌を知っているのかなと思う。箱根と比べて、函谷關もものならずという事はあるまいが、函谷關には行ってみたい。鶏鳴で開門させねば。しかし、とても行けるご時世ではなくなってしまった。さて、昨日のケーブルカーは臨時の直通列車で途中駅は全て通過したが、今日の普通列車は各駅に停車する。途中駅での乗り降りもある。


箱根登山鉄道 鋼索線 普通列車 [01編成 ケ11+ケ21] (強羅)

10分で終着の強羅に到着。

鋼索線 普通 早雲山(11:54)→強羅(12:04) ケ21


早雲山方を望む!


箱根登山鉄道 鉄道線 強羅駅 (神奈川県足柄下郡箱根町強羅)

昨日と同じくらいの時間の強羅駅だが、今日は乗車待ちの列なぞない。


駅頭の様子!


サン・モリッツ

箱根登山鉄道とスイス連邦のレーティッシュ鉄道 Rhätischen Bahn は姉妹鉄道なのだそう。箱根登山鉄道が同鉄道のベルニナ線を範とした事から、昭和54年に姉妹鉄道となっている。大正8年に箱根湯本から強羅まで開業。昨年、開業100周年を迎えた。うんだばー。


今日は混んでないケーブルカー!

鋼索線(ケーブルカー)は大正10年の開業。来年が開業100周年か。


登山電車がやって来た!

ケーブルカーからすぐに接続する列車から1本ずらして、次の列車を利用する。


かぶりつき!(但し最後尾)

ケーブルカーが接続しないので空いている。かぶりつきに座れる。最後尾だが構わない。それは後で判る。列車は強羅を出発する。


車窓には彫刻の森! (小涌谷-彫刻の森)

昔、深夜に民放のテレビで見て、その名前は知っている。美ヶ原高原美術館のアモーレの鐘も知っているが、いずれも行った事はない。


箱根登山鉄道 鉄道線 普通列車 [2000形] (宮ノ下)

車内は空いているので、交換待ちの間にプラットフォームに出て撮影出来る。昨日は途中で席を立ってうろうろ出来なかった。


仙人台信号場(398m)

宮ノ下から大平台の間には二つの信号場がある。仙人台信号場では上下列車の交換が出来る。スイッチバックではない。


次の信号場では列車交換し、スイッチバックする! (上大平台(信))

左の線路が強羅方。右の線路が小田原方(小田原に直通出来ないけど)。強羅行の列車は右から坂を登ってきて、信号場で進行方向を変えて、左の坂を登ってゆく。


上大平台信号場(346m)


この列車もスイッチバックして出発!

箱根湯本行は左の線路から下りてきて、進行方向を変えて、右の線路を下る。進行方向を変えたので、先程まで最後尾だったのが、先頭車両でのかぶりつきとなる。


先頭車両でかぶりつきは楽しい! (大平台-上大平台(信))

車窓が後方へ流れ去る最後尾もいいが、やっぱり前面展望の方が迫力がある。登山電車の前面展望なので余計に楽しい。


箱根登山鉄道 鉄道線 普通列車 [2000形] (大平台)



ここは信号場ではなく駅。列車交換とスイッチバックをする。せっかく先頭車両だったのに、また最後尾となる。


出山信号所で三度目のスイッチバック!

アプト式などのラックレールを用いず、粘着式でこれほどの急坂をよく昇り降り出来るものだと驚く。そしてスイッチバックした事で、また先頭車両のかぶりつきとなる。もうスイッチバックはないので、箱根湯本まで先頭車両のまま。


出山の鉄橋(早川橋梁)からの眺め! (塔ノ沢-出山(信))


箱根湯本まであと一駅! (塔ノ沢)


箱根登山鉄道 鉄道線 普通列車 [2000形] (箱根湯本)

存分にスイッチバックと車窓を堪能出来た。混雑していると単なる輸送となるので、ある程度空いている方が楽しむにはありがたい。


metro 箱根登山鉄道で箱根湯本に到着symbol6


小田急電鉄の車両に乗り換える! (箱根湯本)

箱根湯本はロマンスカーの終着だし、これから乗るのは小田急の車両で、この先は小田急線のようだが、小田原までは箱根登山鉄道の路線である。


小田原方を望む!


三線軌条が見られる!

右の線路も3本に見えるが、内側のは曲線に設けられる脱線防止ガードで、車輪が載るレールではない。左の線路から奥の本線にかけて3本のレールが見える。箱根登山鉄道の標準軌(1435mm)と小田急の狭軌(1067mm)に対応した三線軌条である。平成18年より小田原-箱根湯本間の営業列車は小田急の車両(狭軌)だけとなり、小田原からの三線軌条の区間は短縮されたが、入生田に車両基地があって、箱根登山鉄道の車両(標準軌)が通るので、入生田-箱根湯本間(1.9km)は三線軌条のままだそう。


※図の向きが写真と逆となっています。


箱根登山鉄道 鉄道線 普通列車 [小田急1000形] (箱根湯本)


metro 箱根登山鉄道で箱根湯本を出発symbol6

小田急の車両に乗り換えても、線路は単線でロマンスカーとの交換もあり、独特のローカル線の雰囲気がある。


箱根登山鉄道 鉄道線 普通列車 [小田急1000形] (小田原)


metro 箱根登山鉄道で小田原に到着symbol6

箱根に来て楽しかった。内田百先生の読者が箱根云々いうのもどうかと思うが、あくまでも列車の乗りつぶしをしているのであって、箱根に来るのが目的ではない事にしておく。

鉄道線 普通 強羅(12:23)→箱根湯本(13:02) 2005
鉄道線 普通 箱根湯本(13:13)→小田原(13:28) 小田急1060




かき揚げ天そば(420円)

小田原でお蕎麦を食べる。天玉そばにしたいところだが、黒たまごがまだ三個も残っているのでやめておく。ごちそうさまでした。


名代 箱根そば 小田原店 (神奈川県小田原市城山)

美味しかったけど、新宿駅の箱根そば 本陣の方が好みかな。




伊豆箱根鉄道 大雄山線 小田原駅 (神奈川県小田原市栄町)

小田原から大雄山線という路線がある。伊豆箱根鉄道の路線。静岡県にある駿豆線は乗ってきたが、今日は神奈川県にある大雄山線に乗る。駿豆線では交通系ICカードは利用出来なかったが、大雄山線ではPASMOを導入しており、Suica等の交通系ICカードが利用出来る。「箱根フリーパス」のエリアではない。


伊豆箱根鉄道 大雄山線 普通 83列車 [5000系] (小田原)


大雄山方を望む!

隣の線路は東海道本線。他に小田急線、箱根登山鉄道、東海道・山陽新幹線の駅でもある。小田原は神奈川県西の鉄道の要衝だと思う。



小田原で最後に乗る路線になったが、大雄山線に乗る。


metro 大雄山線で小田原を出発symbol6

小田原の市街地を抜けると、沿線には田畑もあるが、住宅や工場もあり、途中駅での乗降客も多い。近くを走る小田原線と似ているところもあるが、大雄山線の方が駅数も多く、小田原の近郊路線なのだなと思う。運転本数も多い。単線で、列車交換がある。21分で小田原からの小さな鉄道旅は終わった。


5000系の車内の様子!


伊豆箱根鉄道 大雄山線 普通 83列車 [5000系] (大雄山)


metro 大雄山線で大雄山に到着symbol6

大雄山線 普通 83レ 小田原(14:12)→大雄山(14:33) 5001 運賃280円

これで大雄山線の乗りつぶし終了。同時に伊豆箱根鉄道全線を完乗と言いたいが、同社の路線は駿豆線、大雄山線の他に、十国鋼索線(十国峠ケーブルカー)と言う路線がある。静岡県田方郡函南町にあって、他の鉄道と接続はなく、熱海駅からバスがあるそう。ケーブルカーに乗るのはまたの機会にしたい。ちなみに伊豆箱根鉄道は西武グループである。


車止め


出札口と改札口


駅構内には金太郎さんの木像が!


伊豆箱根鉄道 大雄山線 大雄山駅 (神奈川県南足柄市関本)


駅の外にも金太郎さんが!

まさかりかついで金太郎 熊にまたがりお馬の稽古♪

時は平安時代。金太郎、のちの坂田金時の故郷が現在の南足柄市だという。隣の静岡県駿東郡小山町にも金太郎伝説があり、出生地には諸説あります。


駅頭の様子!

寂しいローカル線の終着駅なのかと勝手に思っていたら、違いました。大雄山線は曹洞宗大雄山最乗寺への参詣鉄道として大正14年に開業。駅からお寺へはバス便がある。天狗伝説があり、ちょっとお参りしてみたいが、今日は行かない。




伊豆箱根鉄道 コデ165形 (大雄山)



構内に古そうな電車が停まっている。省電(後の国電→E電…)として昭和初期に製造された電車。戦後、国鉄から相模鉄道、そして伊豆箱根鉄道へと譲渡された。現在は工事専用車で営業運転は終了している。平成30年に昭和初期の色に復刻したそう。


構内の様子!


車庫も隣接!


伊豆箱根鉄道 大雄山線 普通 85列車 [5000系] (大雄山)

列車が入ってきた。折り返し列車を利用する。


伊豆箱根鉄道 大雄山線 普通 94列車 [5000系] (大雄山)


metro 大雄山線で大雄山を出発symbol6


長閑な車窓… (塚原-和田河原)


狩川を渡る!


伊豆箱根鉄道 大雄山線 普通 94列車 [5000系] (小田原)


metro 大雄山線で小田原に到着symbol6

大雄山線 普通 94レ 大雄山(14:50)→小田原(15:11) 5503 運賃280円

小田原に帰ってきた。


車止め



小田急の駅に戻り、自動券売機で次のロマンスカーの切符を購入。自動改札に「箱根フリーパス」と特急券を投入して入場。


小田急電鉄 特急ロマンスカー〔はこね54号〕 054列車 [GSE 70000形
(小田原)



平成30年営業開始の新型車両だが、車体の色が昔のロマンスカーを思わせる。


metro ロマンスカーで小田原を出発symbol6


ホットコーヒー ロマンスカープレミアムブレンド
ビスケット付き(360円)

車内販売の売り子さんが回ってきたので、コーヒーを購入。ビスケットも付いていて美味しい。こんなコースターも貰った。走る喫茶室とは違うのだろうが、近年は車内販売のない特急列車も多いので、車内販売があれば嬉しい。必ず買う訳ではないけど。


箱根フリーパス」[新宿発着・2日間有効](5,700円)

2日間に渡って大活躍の「箱根フリーパス」。有料なのにFree Pass(無料の切符)とはいかに。以前、米国サンフランシスコ(San Francisco, CA)で1日乗車券を買ったら、1 Day Passportとなっており、成程と思った。


特別急行券 小田原→新宿(910円)

窓側はなかった。ほぼ満席だった。ところで近くの席に外国人のグループが座っている。今は訪日観光客はいないから、日本在住者なのだが、そのうち二人がずっと大きな声で話し続けるので閉口した。英語の他、知らない言語で話し続けている。アジア系らしいが、聞き覚えのある近隣国の言葉ではない。お酒も入っている。ほぼ満席の車内で外国語と赤ちゃんの泣く声だけが響いている。赤ちゃんが泣くのは当たり前で差し支えない。親御さんは頻繁にデッキにあやしに抱いてゆく。一方のおしゃべりはお構いなし。行楽帰りで寝ていたい人もいるだろうし、会話が喧しくて本も読めない。途中駅からの乗客の一人は喧しい客の近くの席の切符だったが、少し離れた空席に移動した。本来の席ではないので車掌が検札している。事情を話して空席に座るようである。ぼちぼち空席も出てきたので、自分も移動するのも手だが、それも業腹なので、意地でも動かない。小田原から新宿まで、うんざりして列車を降りた。


小田急電鉄 特急ロマンスカー〔はこね54号〕 054列車 [GSE 70000形]
(新宿)


いずれも令和2年9月22日撮影

楽しい旅だったが、昨日の大渋滞と、今の列車で乗り合わせた客がよくなかった。先月乗った〔ふじさん〕〔メトロはこね〕はガラガラで静かだったのに。 (おわり)

特急〔はこね54号〕 054レ 小田原(15:24)→新宿(16:47) 70152 特急料金910円
◆小田急電鉄小田原線、箱根登山鉄道鉄道線・鋼索線、箱根ロープウェイ、箱根観光船(箱根海賊船)、東海バス元箱根港-三島駅間は「箱根フリーパス」5,700円


丸ノ内線 普通 新宿(17:00)→新宿三丁目(17:01) 2105
副都心線 普通 新宿三丁目(17:05)→明治神宮前(17:09) 東急5251
千代田線 普通 1609S 明治神宮前(17:13)→新松戸(18:07) 16813
※綾瀬-新松戸間はJR東日本常磐線。
◆新宿-新松戸間のIC運賃534円