ホテル・アルファ-ワン高岡 (富山県高岡市下関町)
令和6年6月16日日曜日。富山県高岡市に来ている。ホテルをチェックアウトすると万葉線の路面電車の軌道に沿って終点へと向かう。
米島口停留場の先で併用軌道から専用軌道となり道路と線路が分かれる。道路単独で氷見線と新湊線(貨物線)と立体交差する。万葉線も隣でこれらと立体交差している。能町口停留場の先で再び併用軌道に戻る。米島口で見掛けた電車がこちらが信号待ちの間に先に行ってしまう。新吉久停留場付近に保存されている昔の車両が見えるが車が止められない。吉久停留場の先の高岡市より射水市に入った辺りでまた道路と線路が分かれる。庄川沿いの道路に出る。踏切を渡るが先程まで並走していた路線電車の高岡軌道線が六渡寺駅より鉄道線の新湊港線と変わったものである。電車は軌道と鉄道を直通運転する。庄川に架かる新庄川橋を渡る。射水市の名に馴染みがないが平成の大合併で平成17年に旧新湊市、旧射水郡旧小杉町、旧大門町、旧大島町及び旧下村の1市3町1村で発足している。ここは旧新湊市だったところ。高校野球で聞き覚えがある。新湊市街地を走る。東新湊駅前を通る。ここは後で訪れる。海王丸駅付近で〔ドラえもんトラム〕を見掛ける。高岡駅方面へ向かっている。今回は乗る機会はないか。残念。更に進むと終点の越ノ潟駅をチラッと見て道路は公園に突き当たる。
新湊大橋(600m)
斜張橋が架かる。下調べでは橋の袂に駐車場があったはず。そちらへ車を停める。
駐車場より越ノ潟駅へ
途中で抜かれた電車を抜いていた
富山県営渡船 越の潟発着場 (富山県射水市堀岡新明神西浜)
駅前には船着場があるが先ずは鉄道から。
万葉線 新湊港線 越ノ潟駅 (富山県射水市堀岡新明神)
時刻表は確認していないが停車中の列車に乗ってしまおう。確認していれば1本前が〔ドラえもんトラム〕と判ったのだが。高岡市は藤子・F・不二雄氏(藤本先生)の出身地。
万葉線 新湊港線 普通列車 [MLRV1000形] (越ノ潟)
オシシ仮面…いや〔獅子舞トラム〕に乗車。
MLRV1000形の車内の様子
2両編成で乗客は数人といったところ。
ICカード読取機は準備中かな
万葉線ではICOCAを導入するのだそう。その一方、交通系ICカードを止めてしまう地域もある。利用者からすれば1枚のカードで北海道から沖縄まで使えて便利なのだが。
MLRV1000形の座席
整理券
ICOCAを導入すればSuica・PASMOなどの交通系ICカードが利用出来るが今日のところは現金で。
新湊港線で越ノ潟を出発
沿線の車窓 (海王丸-越ノ潟)
万葉線は高岡軌道線(高岡駅-六渡寺間)と新湊港線(六渡寺-越ノ潟間)から成るが、新湊港線は鉄道線で道路を走る併用軌道の区間はない。
海王丸停車中
降車ボタンを使う
万葉線 新湊港線 普通列車 [MLRV1000形] (東新湊)
越ノ潟より二駅、東新湊に到着。下車する。
新湊港線 普通 越ノ潟(10:37)→東新湊(10:40) MLRV1005-A 運賃200円
万葉線 新湊港線 東新湊駅 (富山県射水市八幡町) これまで令和6年6月16日撮影
東新湊で下車したのは、万葉線のうち東新湊-越ノ潟間に乗っていなかったから。昨年、乗りつぶしをすべく高岡駅から乗車したものの工事のため東新湊-越ノ潟間に乗る事が出来なかった。ウェブサイト等で案内はあったのだろうが何も調べないので区間運休に気付かなかった。これで新湊港線全線乗りつぶし終了。同時に万葉線全路線の乗りつぶしも終了。
前回はすぐ先でレール交換工事中 (東新湊-海王丸) 令和5年9月19日撮影
工場に直結の踏切 これより令和6年6月16日撮影
前にも書いたが鶴見線のよう。
万葉線 新湊港線 普通列車 [MLRV1000形] (中新湊-東新湊)
程なく下り越ノ潟行が到着。
新湊港線で東新湊を出発
先程の列車よりお客は乗っている
まもなく海王丸
海王丸で下車する人が多かった。
車窓の新湊大橋 (海王丸-越ノ潟)
上りも下りも車内放送でガイドする男性の声が聞こえていたのだが、立川志の輔さんだった。ガッテン、ガッテン。富山県出身という事は存じ上げていたが新湊の方だったとは知らなかった。
万葉線 新湊港線 普通列車 [MLRV1000形] (越ノ潟)
終点の越ノ潟に到着。下車する。
新湊港線で越ノ潟に到着
新湊港線 普通 東新湊(10:45)→越ノ潟(10:49) MLRV1006-A 運賃200円
車止め
今は1面1線だが、かつては2線あったようだ
渡船から乗り換える人あり
列車は高岡駅へ向けて出発
それでは渡船の発着場へ
渡船時刻表
朝夕は15分毎、日中は30分毎の運航。何と無料で乗船出来る。
次の便は11時07分
案内開始を待つ。昭和の雰囲気の感じられる待合室だが他の客もおられるので撮影は控える。
富山新港周辺案内図 TOYAMASHINKO Guide Map
各所の案内が日、中(簡)、露、英の四箇国語で書かれている。
富山県営渡船 〔海竜〕(44t) (越の潟)
出航の数分前に船に案内される。徒歩客の他に自転車利用の客も見掛ける。県のサイトに「自動二輪車(原動機付自転車を除く)は乗船できません。」とあるので原付までは詰めるのだろう。
船上より越の潟発着場を望む
船内の様子
船内の座席
越の潟発着場を離れる
向きを変えて船首を対岸に向ける。
対岸を望む
船上より新湊大橋を望む
日本郵船のファンネルの船が見える
富山新港内を行く
対岸の堀岡まで770メートル、所要時間約5分の船旅
まもなく接岸する
富山県営渡船 〔海竜〕(44t) (堀岡)
対岸の堀岡発着場に到着。上陸する。
富山県営渡船 〔海竜〕 越の潟(11:07)→堀岡(11:12) 無料
富山県営渡船 堀岡発着場 (富山県射水市堀岡)
発着場の前の様子
富山地方鉄道 射水線の廃線跡
万葉線新湊港線越ノ潟駅と同様に、こちらにも富山地方鉄道射水線新港東口駅があって渡船と連絡して新富山駅(富山市)とを結んでいた。しかし昭和55年に射水線は廃止。現在は富山駅前行のバス路線がある。射水線には乗れなかったが残存区間には先程乗っている。万葉線新湊港線はもともと射水線だった区間である。かつて線路は繋がっていたが富山新港建設の際に線路は分断。昭和41年に新湊(現六渡寺)-越ノ潟間は加越能鉄道(現加越能バス)に譲渡され新湊港線となった。平成14年に新湊港線と高岡軌道線は第三セクターの万葉線に譲渡され現在に至る。
風情ある街並み
この道路も越ノ潟側と繋がっていたのだろう。
現在は海に阻まれる
富山新港のある場所は放生津潟という潟湖、潟だったが、ここを掘削・浚渫して昭和43年に開港した。八郎潟(秋田県)は干拓して農地としたが、こちらは掘って港にしている。水深は深くなり、大型船も航行するので道路・鉄道は分断され、渡船利用または大きく迂回する事に。
富山県営渡船〔海竜〕が越の潟へ戻ってゆく
先程より港の奥の方に向かっているようだ。
分断されていた陸路に平成24年、新湊大橋が開通
平成25年には歩道も開通、これを歩いて戻る
海王丸パークの〔海王丸〕を望む
あいの風プロムナードと名付けられた歩道までエレベータで登る
エレベータで上昇中・・・
歩道の高さに到達
橋と隧道の違いがあるが、国道2号関門隧道を思い出す。
車道の下部に設けられた歩道を歩く
隧道と違い、外の景色が見える。東京港連絡橋(レインボーブリッジ)の歩道と違って硝子越しの眺めとなるが、冬の北陸の気候を考えると仕方がないか。吹きっさらしでは凍えてしまう。という事でこの後の写真は硝子越しですがご了承下さい。
日本郵船のファンネルの船が出航
渡船〔海竜〕が港の奥の方に向かったのは、この船の進路を塞がないためかな。
GLORIOUS JASMINE(43,823t)
後日、船名で調べると、木材チップ専用輸送船で久本汽船(岡山県備前市日生町)の所有船と判った。船籍はパナマ共和国。船の位置が判るサイトによるとGeelong, Victoria, Australiaに向かっており到着は7月5日となっている。知らんけど。
新湊大橋の下を通過する
こんな大きなものが動いているのを見るとぞくぞくする。悪い意味ではない。
港を出てゆく…
タグボートは離れる…
秀麗な〔海王丸〕もよく見える
歩道部分を渡り終えた
渡船〔海竜〕は越の潟へ戻っていた
それではエレベータで地上に降りる。
もう硝子越しではない
海上自衛隊の艦艇が停泊している
ここからでは艦名が判らない。後日、報道を調べると舞鶴地方隊のミサイル艇〔うみたか〕(200t)の一般公開が15日、16日の両日行われていた。
帆船〔海王丸〕(2,238.40t)
商船学校の練習船で兵庫県神戸市の川崎造船所(現川崎重工業)にて昭和5年2月14日に進水。平成元年に引退。平成2年より富山新港で、平成4年より今の海王丸パークにて公開されている。今日は海王丸パークは訪れないが行ってみたいところである。
この後は車で新湊大橋を渡る
黒松沙士(150円)
横浜で買っておいた沙士を飲む。ホテルで冷やしておいたがもう温くなっている。味はRoot Beerと比べてサロン…薬の風味を強く感じる。今日の午前中は万葉線、渡船、そして新湊大橋を歩いて渡る楽しい行程だった。昨年、東新湊-越ノ潟間に乗車出来なかったから再訪した訳だが、鉄道だけでなく渡船や橋も楽しめてよかった。この後は新湊大橋を渡り次の目的地へと向かう。 (つづく)