昨年の『秘密の結婚』を終えて、「オペラは広まるか?」というブログを書いた。(2012.8.10) ある音楽評論家の「日本のクラシックファンは人口の1%で、オペラファンはそのまた1%…」という話から、日本にオペラファンは1万2千人しかいないことを知る。今回の『秘密の結婚』には240人の人が来てくれたが、これで数十人はファンが増えてくれただろうか?…という記事であった。
今回(『セヴィリアの理髪師』)はそれに倍する4百数十名の方々が来てくれた。そのうちの百名近くは、「親子無料招待」、今年は杉並区の後援を受けて親子招待者が増え、前述してきたように子供たちのいい反応で雰囲気は盛り上がった。
「去年は途中でちょっと飽きたりしたが、今年は最後まで集中してみていた」というお母さんの報告などが相次いだ。
特に驚いたのは、「最後にロジーナと伯爵が結ばれた時は、ホッとして涙が出た」とお母さんに話した子供がいたということだ。子供は、誤解からロジーナと伯爵がうまくいってないことにハラハラしていたらしく、最後に誤解が解けてホッとしたというのだ。
それで涙を流す子供がいる限り、オペラは広まっていくのではないか? 無料招待は、当面の営業収入にはつながらなかったが、将来のオペラファンに対する投資となったであろう。子供たちの豊かな感性に期待する.
舞台を終えて、おどけてみせる出演者たち