「山びこの会」は総勢70数名、うち33名の参加であるから立派な動員力だ。大広間に集まった夜の懇親会はにぎやかで楽しい。
恒例により全員が発言する。山に登れない私は、山の事がしゃべれないので、『智恵子抄』の中の「樹下の二人」の一部を朗読した。何と言っても、ここは高村光太郎と智恵子の世界だ。
あれが阿多多羅山
あの光るのが阿武隈川
ここはあなたの生まれたふるさと、
あの小さな白壁の点々はあなたのうちの酒蔵。
それでは足をのびのびと投げ出して、
このがらんと晴れ渡った北国の木の香に満ちた空気を吸おう。
あなたそのもののようなこのひやりと快い、
すんなりと弾力ある雰囲気に肌を洗おう。
………
東北はまだ梅雨のさなかで、智恵子が「本当の空」と言った安達太良山の上に広がる青空は見えなかったが、それなりに智恵子の世界へ浸った。
翌日は岳温泉の周辺を散策した。鏡ケ池、緑ケ池をめぐり、温泉街をぶらついた。
鏡ケ池と緑ケ池
これは何という花なんだろう?