遅れに遅れてやっと梅雨が明けると、一気に猛暑が来た。年寄りでなくても急階段の上下はきついのではないか? もう少しなだらかな季節の変化を味わいたいものだ。昔は、「目にはさやかに見えねども」いつの間にか季節が移ろっていることに自然の趣を感じたものだが、世はデジタル時代、ゼロか1かの世界になったようだ。
酒も、あわてて冷蔵庫の隅からビールを見つけ出して呷ったり、押し入れの奥の蒸留酒を思い出して、久しぶりに栓を抜いたりしている。夏はやはりサラリとしたものを飲みたいのだろうか?
私は夏でも主流は日本酒だが、それでも汗の体を冷やすためにオンザロックで飲むことが多い。純米酒を中心にした最近の美味しい日本酒は、アルコール度17、18度ぐらいの酒が多いので、少々の氷を浮かべても本来の味を落とすことはない。いろんな酒を楽しむのも夏の特権かもしれない。
このような話をしていたら、我が家に酒飲みに来たいというグループがいくつか出てきた。日本酒だけかと思ったら蒸留酒もいろいろあるらしい、というのがその理由のようだ。そして、その狙いの一つが沖縄の泡盛だ。
我が家には泡盛の名酒『久米島の久米仙』の三升壺が安置されている。私はこの壺を3年前のある酒の会の抽選会で引き当てた。それは3年物とその年の新酒をブレンドしたものと聞いたので、それから3年経って、よく熟成しておれば6年物に育ったはずだ。その後私は数回にわたり1升強は飲んだが、その都度、同種の新酒を「仕次(しつぎ)」(注)したので、今も3升を保っている。
それを一口でもいいから飲んでみたい、という者がいるのだ。もちろん、日本酒好きの者どもは、私の書斎にある酒用冷蔵庫に、「作(ざく)」や「亀の翁」のあることを知っておりそれを狙っているのだが…。
まあ、厳しい夏を乗り切るには、それくらいのものは要るだろう。
(注)年月と熟成を重ねた古酒の壺から、その一部をくみ出し飲んでも、その量だけ新酒を加えておけば、全て元の古酒に熟成する。泡盛の古酒の育て方。
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