🌸きまざまな死のパターン3
☆文字ばかりで恐縮ですが
*医師側から見た『看取り』の内容なので
☆何か『人間のライフクロック』を感じさせられます
⛳⑤江戸時代のような看取り
☆在宅医療は継続的な訪問で、症状がなくても診察に行く
☆在宅医療は継続的な訪問で、症状がなくても診察に行く
*高齢、麻痺があったりで、医療機関に行けない患者さんが大半
*がんの末期で自宅で最期を迎え在宅医療を選ぶ患者さんもいる
☆病院や外来で治療を受けている患者さん
☆病院や外来で治療を受けている患者さん
*治りたいと思っていますから
*当然のことながら治療にこだわる
☆がんはある時期を超えると
*治療しないほうが生活の質を保てるようになる
*治療の副作用で苦しんだり、体力を落としたりして
*せっかくの残り時間を有意義にすごせなかったり
*場合によっては寿命を縮めてしまったりすることがある
☆治ることをあきらめていない患者さん
☆治ることをあきらめていない患者さん
*この説明をなかなか受け入れてくれない
*治療をしないということは、死に直結すると考え
*医者から見捨てられたように感じるからでしょう
☆筆者は、治ることにのみ執着して
*人生の貴重な残り時間を無駄にしてきた患者さんを
*若いころからイヤというほど見てきた
☆自宅で最期を迎えるために在宅医療を選んだ患者さん
☆自宅で最期を迎えるために在宅医療を選んだ患者さん
*ある種、達観したところがあります
*病院で処方された抗がん剤などはやめたほうがいいと言えば
*素直に応じてくれます
☆治療をやめることで
*副作用で落ちていた食欲が回復し食べる量が増え
*身体のだるさが消えたとか、よく眠れるようになった人もいる
☆治療をしなければがんは進行し
*人生の最期の日が近づいてきます
*本人はもちろん、家族にとってもはじめてのことが多いのです
☆筆者は何度も死を看取っていますから
*病院での死に比べて、在宅での死が
*いかに穏やかかつ自然かということを知っています
☆筆者が受け持った肺がんの男性Tさん
*60歳の後半でしたが、病院での治療があまりに効果がないので
*最期を自宅で迎える決意をし、退院して、抗がん剤の治療中止した
*奥さんは、病院にいたほうが安心だったのでしょう
*奥さんは、病院にいたほうが安心だったのでしょう
*筆者は彼女の不安を取り除くため
*在宅での看取りについて少しずつ説明しました
*最期が近づくと、食欲がなくなり、次第に水分も摂らなくなりますが
*それは自然な経過であること
*点滴などすると却って血液が薄まり、内臓にも負担をかけること
*酸素マスクなどもほとんど意味がないことなどです
*Tさんは自宅にもどって、1月半ほどで寝たきりになりました
*Tさんは自宅にもどって、1月半ほどで寝たきりになりました
*ついに意識を失って昏睡状態になりました
*連絡を受けて駆けつけるとTさんは下顎呼吸になっていました
*周囲には、家族が集まり、心配そうに男性を見守っています
☆筆者は奥さんに導かれて、Tさんの枕元に座りました
☆筆者は奥さんに導かれて、Tさんの枕元に座りました
*下顎呼吸は喘いでいるように見えますが、本人の苦痛がないことは
*前もって奥さんには説明しておきました
*家族はみんなTさんの死を受け入れているようす
☆筆者は医者としては何の働きもせず
☆筆者は医者としては何の働きもせず
*ただその場に控えているだけで、江戸時代の看取りのようだなと
*筆者はあきれながらも、これでいいと納得する気分でいました
*最後は、研修医時代の先輩の教えに従って
*最後は、研修医時代の先輩の教えに従って
*十分な時間を取ってから、Tさんの枕元に座り直し
*瞳孔散大と、呼吸音、及び心音の停止を確認して、臨終を告げました
*奥さんはじめ、家族はみなさん、落ち着いていました
*これが在宅での看取りです
*これが在宅での看取りです
*白い壁に囲まれて、不可避な死に抵抗して
*さまざまな医療機器が無駄なことをする病院の看取りより
*はるかに好ましいことはだれの目にも明らかだと思います
⛳⑥在宅での看取りの失敗例
☆在宅での看取りも常にうまくいくわけではありません
*失敗しないコツは、まず本人と家族に
⛳⑥在宅での看取りの失敗例
☆在宅での看取りも常にうまくいくわけではありません
*失敗しないコツは、まず本人と家族に
*前もって十分に納得してもらうことです
☆がんの患者さんの場合
*自分の身体のことをある程度わかっているので
*本人は病院でつらい検査や治療を受けるより
*家で穏やかに亡くなりたいと思っている人が少なくありません
☆しかし、家族は不安だったり
☆しかし、家族は不安だったり
*病院での治療をあきらめきれなかったりで、気持ちが揺らいでいます
*その状態で一方的に話を進めても十分な納得は得られません
☆患者さんの死をどの程度受け入れているのか
*どこに不安があるのかを汲み取り
*病院での治療は効果が期待できないばかりか
*本人を苦しめ、残された時間を無駄にする危険性が高いことを説明し
*自宅でなら自由に暮らせて、自分らしい時間がすごせますよと
*在宅で最期を迎えることのメリットをお話しします
☆ある程度、受け入れが進めば
*次はいよいよ最期が近づいてきたときのことを説明します
*最後の段階では、病院での点滴は効果がないだけでなく
*心臓と腎臓に負担をかけ、患者さんを苦しめるだけです
*あらかじめそう説明しておきます
*酸素マスクも同じで、死ぬ前にあんなものを口にかぶせられたら
*酸素マスクも同じで、死ぬ前にあんなものを口にかぶせられたら
*うっとうしいだけで、ほとんど意味はなく
*単に家族を安心させるためだけのパフォーマンスです
☆70代半ばのMさんは、前立腺がんで入院治療を受けていました
☆70代半ばのMさんは、前立腺がんで入院治療を受けていました
*転移が悪化して、家で最期を迎えるため、退院してきました
*奥さんには在宅での看取りについて説明しました
*はじめは不安なようでしたが、徐々に現実を受け入れ
*熱心にご主人の看病をするようになりました
*最後の段階になって、誤嚥性肺炎を起こし、呼吸困難になりました
*聴診器をはずしたくなるほど、強い湿性ラッセル音が聞こえました
*このまま下顎呼吸に移行して、臨終になる可能性がありました
☆筆者ができることは、強い鎮静剤を注射して苦痛を取ることくらい
*苦痛を取るには、通常量の鎮静剤では意識が消えず
*致死量に近い、それ以上の鎮静剤を使う必要があるやもしれません
*それは実質的には安楽死です
*家族に状況を説明して、決断してもらうことにしました
☆このときは息子さんが駆けつけていました
☆このときは息子さんが駆けつけていました
*奥さんには在宅での看取りのことを十分説明してあったのですが
*息子さんとは初対面です
*息子さんは、「早く病院へ連れて行ってください」
*息子さんとしては、当然の思いかもしれません
*しかし、それは決して賢明な選択ではないのです
*筆者はそのことを説明し、奥さんも止めようとしましたが
*目の前で苦しむ父親を見ている息子さんは、聞く耳を持ちませんでした
*仕方なく救急車を呼び、Mさんを病院に運んでもらいました
*2週間後、奥さんからMさんが亡くなったという連絡がありました
*仕方なく救急車を呼び、Mさんを病院に運んでもらいました
*2週間後、奥さんからMさんが亡くなったという連絡がありました
☆奥さんによると、Mさんは病院到着後
*肺炎の治療のために胸部Ⅹ線写真やCTスキャンを撮られ
*血液検査、点滴、喀痰吸引など受けたそうです。
*「そっとしておいてほしかったんですけど、そうも言えなくて」
*奥さんはやつれたようすでつぶやきました
*「そっとしておいてほしかったんですけど、そうも言えなくて」
*奥さんはやつれたようすでつぶやきました
*瀕死のMさんを、レントゲン室に運んで検査台に寝かせたり
*点滴の針を刺したり、喀痰吸引を繰り返したり
☆やっているほうは医療でも、されているほうには拷問です
*主人は酸素マスクをいやがって、朦朧としながらでも何度も取る
*看護師さん元通りにして、主人が首を振ってもはずさせてくれない
☆病院から見れば論理矛盾です
*来たからには治療せぎるを得ず
*治療するためには検査もしなければなりません
*亡くなる危険性が高いとわかっていながら
*退院させれば、あとで″遠くの親戚″が現れ
*「患者を見捨てた、追い出した」等、何を言うかわからない
*だから酷い処置をした病院も、 一概に批判することはできません
☆Mさんが病院で生き延びた2週間弱の日々
☆Mさんが病院で生き延びた2週間弱の日々
*いったいどんな意味があったのでしょうか
(敬称略)
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☆記事内容ご指摘あれば、訂正・削除します
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⛳出典、『人はどう死ぬのか』
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⛳出典、『人はどう死ぬのか』
⑤江戸時代のような看取り⑥在宅での看取りの失敗例
(『人はどう死ぬのか』ネットより画像引用)
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