慶喜

心意気
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⑤江戸時代のような看取り⑥在宅での看取りの失敗例

2024年09月04日 | 医療
🌸きまざまな死のパターン3

 ☆文字ばかりで恐縮ですが
 *医師側から見た『看取り』の内容なので
 ☆何か『人間のライフクロック』を感じさせられます

⑤江戸時代のような看取り
 ☆在宅医療は継続的な訪問で、症状がなくても診察に行く
 *高齢、麻痺があったりで、医療機関に行けない患者さんが大半
 *がんの末期で自宅で最期を迎え在宅医療を選ぶ患者さんもいる
 ☆病院や外来で治療を受けている患者さん
 *治りたいと思っていますから
 *当然のことながら治療にこだわる
 ☆がんはある時期を超えると
 *治療しないほうが生活の質を保てるようになる
 *治療の副作用で苦しんだり、体力を落としたりして
 *せっかくの残り時間を有意義にすごせなかったり
 *場合によっては寿命を縮めてしまったりすることがある
 ☆治ることをあきらめていない患者さん
 *この説明をなかなか受け入れてくれない
 *治療をしないということは、死に直結すると考え
 *医者から見捨てられたように感じるからでしょう
 ☆筆者は、治ることにのみ執着して
 *人生の貴重な残り時間を無駄にしてきた患者さんを
 *若いころからイヤというほど見てきた
 ☆自宅で最期を迎えるために在宅医療を選んだ患者さん
 *ある種、達観したところがあります
 *病院で処方された抗がん剤などはやめたほうがいいと言えば
 *素直に応じてくれます
 ☆治療をやめることで
 *副作用で落ちていた食欲が回復し食べる量が増え
 *身体のだるさが消えたとか、よく眠れるようになった人もいる
 ☆治療をしなければがんは進行し
 *人生の最期の日が近づいてきます
 *本人はもちろん、家族にとってもはじめてのことが多いのです
 ☆筆者は何度も死を看取っていますから
 *病院での死に比べて、在宅での死が
 *いかに穏やかかつ自然かということを知っています
 ☆筆者が受け持った肺がんの男性Tさん
 *60歳の後半でしたが、病院での治療があまりに効果がないので
 *最期を自宅で迎える決意をし、退院して、抗がん剤の治療中止した
 *奥さんは、病院にいたほうが安心だったのでしょう
 *筆者は彼女の不安を取り除くため
 *在宅での看取りについて少しずつ説明しました
 *最期が近づくと、食欲がなくなり、次第に水分も摂らなくなりますが
 *それは自然な経過であること
 *点滴などすると却って血液が薄まり、内臓にも負担をかけること
 *酸素マスクなどもほとんど意味がないことなどです
 *Tさんは自宅にもどって、1月半ほどで寝たきりになりました
 *ついに意識を失って昏睡状態になりました
 *連絡を受けて駆けつけるとTさんは下顎呼吸になっていました
 *周囲には、家族が集まり、心配そうに男性を見守っています
 ☆筆者は奥さんに導かれて、Tさんの枕元に座りました
 *下顎呼吸は喘いでいるように見えますが、本人の苦痛がないことは
 *前もって奥さんには説明しておきました
 *家族はみんなTさんの死を受け入れているようす
 ☆筆者は医者としては何の働きもせず
 *ただその場に控えているだけで、江戸時代の看取りのようだなと
 *筆者はあきれながらも、これでいいと納得する気分でいました
 *最後は、研修医時代の先輩の教えに従って
 *十分な時間を取ってから、Tさんの枕元に座り直し
 *瞳孔散大と、呼吸音、及び心音の停止を確認して、臨終を告げました
 *奥さんはじめ、家族はみなさん、落ち着いていました
 *これが在宅での看取りです
 *白い壁に囲まれて、不可避な死に抵抗して
 *さまざまな医療機器が無駄なことをする病院の看取りより
 *はるかに好ましいことはだれの目にも明らかだと思います

⛳⑥在宅での看取りの失敗例
 ☆在宅での看取りも常にうまくいくわけではありません
 *失敗しないコツは、まず本人と家族に
 *前もって十分に納得してもらうことです
 ☆がんの患者さんの場合
 *自分の身体のことをある程度わかっているので
 *本人は病院でつらい検査や治療を受けるより
 *家で穏やかに亡くなりたいと思っている人が少なくありません
 ☆しかし、家族は不安だったり
 *病院での治療をあきらめきれなかったりで、気持ちが揺らいでいます
 *その状態で一方的に話を進めても十分な納得は得られません
 ☆患者さんの死をどの程度受け入れているのか
 *どこに不安があるのかを汲み取り
 *病院での治療は効果が期待できないばかりか
 *本人を苦しめ、残された時間を無駄にする危険性が高いことを説明し
 *自宅でなら自由に暮らせて、自分らしい時間がすごせますよと
 *在宅で最期を迎えることのメリットをお話しします
 ☆ある程度、受け入れが進めば
 *次はいよいよ最期が近づいてきたときのことを説明します
 *最後の段階では、病院での点滴は効果がないだけでなく
 *心臓と腎臓に負担をかけ、患者さんを苦しめるだけです
 *あらかじめそう説明しておきます
 *酸素マスクも同じで、死ぬ前にあんなものを口にかぶせられたら
 *うっとうしいだけで、ほとんど意味はなく
 *単に家族を安心させるためだけのパフォーマンスです
 ☆70代半ばのMさんは、前立腺がんで入院治療を受けていました
 *転移が悪化して、家で最期を迎えるため、退院してきました
 *奥さんには在宅での看取りについて説明しました
 *はじめは不安なようでしたが、徐々に現実を受け入れ
 *熱心にご主人の看病をするようになりました
 *最後の段階になって、誤嚥性肺炎を起こし、呼吸困難になりました
 *聴診器をはずしたくなるほど、強い湿性ラッセル音が聞こえました
 *このまま下顎呼吸に移行して、臨終になる可能性がありました
 ☆筆者ができることは、強い鎮静剤を注射して苦痛を取ることくらい
 *苦痛を取るには、通常量の鎮静剤では意識が消えず
 *致死量に近い、それ以上の鎮静剤を使う必要があるやもしれません
 *それは実質的には安楽死です
 *家族に状況を説明して、決断してもらうことにしました
 ☆このときは息子さんが駆けつけていました
 *奥さんには在宅での看取りのことを十分説明してあったのですが
 *息子さんとは初対面です
 *息子さんは、「早く病院へ連れて行ってください」
 *息子さんとしては、当然の思いかもしれません
 *しかし、それは決して賢明な選択ではないのです
 *筆者はそのことを説明し、奥さんも止めようとしましたが
 *目の前で苦しむ父親を見ている息子さんは、聞く耳を持ちませんでした
 *仕方なく救急車を呼び、Mさんを病院に運んでもらいました
 *2週間後、奥さんからMさんが亡くなったという連絡がありました
 ☆奥さんによると、Mさんは病院到着後
 *肺炎の治療のために胸部Ⅹ線写真やCTスキャンを撮られ
 *血液検査、点滴、喀痰吸引など受けたそうです。
 *「そっとしておいてほしかったんですけど、そうも言えなくて」
 *奥さんはやつれたようすでつぶやきました
 *瀕死のMさんを、レントゲン室に運んで検査台に寝かせたり
 *点滴の針を刺したり、喀痰吸引を繰り返したり
 ☆やっているほうは医療でも、されているほうには拷問です
 *主人は酸素マスクをいやがって、朦朧としながらでも何度も取る
 *看護師さん元通りにして、主人が首を振ってもはずさせてくれない
 ☆病院から見れば論理矛盾です
 *来たからには治療せぎるを得ず
 *治療するためには検査もしなければなりません
 *亡くなる危険性が高いとわかっていながら
 *退院させれば、あとで″遠くの親戚″が現れ
 *「患者を見捨てた、追い出した」等、何を言うかわからない
 *だから酷い処置をした病院も、 一概に批判することはできません
 ☆Mさんが病院で生き延びた2週間弱の日々
 *いったいどんな意味があったのでしょうか
                       (敬称略)
⛳知識の向上目指し、記事を参考に自分のノートとしてブログに記載
⛳出典内容の共有、出典の購読、視聴に繋がればと思いブログで紹介
 ☆記事内容ご指摘あれば、訂正・削除します
⛳私の知識不足の為、記述に誤り不明点あると思います
⛳投資は、自己責任、自己満足、自己判断で
⛳詳細は、出典原書・記事・番組・画像でご確認ください
⛳出典、『人はどう死ぬのか』



⑤江戸時代のような看取り⑥在宅での看取りの失敗例
『人はどう死ぬのか』ネットより画像引用)

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