ミャンマーチーク屋さんのわが道を行く

日々の出来事と旅と愚痴と文句を勝手に語る日記。

ホタテの貝柱

2009-12-11 14:21:58 | つぶやき
昨日はトンボ帰りで東京へ。

仕事を済ませた後、上野へ出て久しぶりに夕刻のアメ横を歩いた。
年末ほどの混雑はなかったが、それでも多くの買い物客で賑っていた。

大学生の頃、短かい間だったがアメ横にある乾物屋さんでアルバイト
をしたことがあった。ミリタリーショップで有名な中田商店のすぐ
近くにある店である。当時はご主人と奥さんと社員の従業員さんが2人、
そしてバイトである私ともうひとりのバイトの計6人であった。

当時も今も小さな店だが雨降りの日以外は、平日でもとても忙しかった
記憶がある。そしてこの店ではそれぞれ各自の立ち位置(持ち場)とい
うものがあり、これだけは絶対に守らなくてはいけないものであったの
である。

いわゆる、販売フォーメーションだ。

まず店頭の左側にご主人、右側に社員のひとり。そしてご主人から
2メートル下がった位置にもうひとりの社員さん、店頭右側の社員
さんの2メートル下がった位置にアルバイトの位置があった。
そして奥さまは、休みの人の持ち場や食事休憩などで持ち場を
離れた者の場所に陣取ることになっていたのである。

ここで働く者は、初日からまず、この立ち位置だけは徹底されるのだ。
なぜこの位置でないといけないのかは最後まで疑問であったが、
ある日、ひねくれ者の私はあえて規定の位置の半歩ほど下がった
位置で立っていたことがった。すると、ご主人からすぐに「三田君、
もうちょっと前ね…」と直ちに指摘が入るのであった。

やはり一筋縄では、このフォーメーションは崩せないのだ。

「現在、あのフォーメーションはどうなっているのだろう?」

昨日、ふと思いつき、店の前を通ってみると案の定、例のフォーメー
ションは健在であった。1人の社員さんは変わったようだが、ご主人
の位置も社員さんの立ち位置も、お店もあの頃のままで、何一つ
変わっていないように見えた。

ただ、随分老け込んだご主人と一人の社員さんの姿が、20年という
年月を物語っていただけであった。

屋根裏の在庫置き場に上がるたびに、つまみ食いをしていた
ホタテの貝柱の味を、急に思い出した次第である。


















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