


以前取り上げたことがある、トミーテックのジオラマキャラクターズですが、ラインナップにある科学特捜隊やウルトラ警備隊、現実にレイアウトに配列するには少し辛い物がありました。
何しろこれを大真面目にジオラマ化しようとしたら怪獣やウルトラマン、その他のメカまでも配列しなくてはならず、そこまでやってしまうとレイアウトとしては完全に破綻してしまいそうだったからです(怪獣一匹くらいならどうにかという感じです)
それでもこうした人形をレイアウト上で生かす方法を考えた結果、一種苦肉の策として思い付いたのが「地方レベルの同人誌即売会のコスプレコーナー」でした。
幸い、竹取坂のセクションには文化会館を想定した建物があり、そこの前の広場を利用して、それらしくでっち上げてみました。
複数のカメラマンや入場行列、取材のTVクルーなどを配列し、ミニカーも食玩などから拾い出した物を配置し、一部にプライザーの未塗装フィギュアをつかった別のコスプレも配列してあります。これらの人形はシチュエーションに応じて入れ替えできる様プラバンのベースに貼り付けてあります(例えば、演歌ショーのおばちゃん行列とか、物産展の屋外屋台村等も想定できます)
尤も、配列されているのは人形だけで、看板類、整理ロープ等のアクセサリは今後追加の予定です。



ある程度以上の規模の街なら駅前にはホテルがつき物と思いますが(最近はインターチェンジの近くも)Nスケールの建造物でホテルに転用できそうな物はなかなかない様です。
開運橋駅前にホテルを配置しようと考えた時に目を付けたのはTOMIXのラウンドビルでした。このビルの背面の窓配置がビジネスホテル風で使えそうに思えたからです。
一方、前面のラウンド部分は一部の面の向きを変える事で最上階によくある展望レストラン風に処理しました。
ところで、このラウンドビルは3方向から見るとそれぞれに印象が違う建物なのでスペースの制限の多いレイアウト用の建造物としては結構使えそうなビルと思います(姉妹品のスクエアビルは前面と背面の窓配置が余り違わない)


さて、映画館通りと電気街にはさまれる形となったトロリーのターミナル「開運橋駅」ですが前作の竹取坂のターミナルとの差異を付けるため(何しろ線路配置はもとよりホームまで同じ物を使っています)ドームを追加しました。
ドーム自体はファーラーの市販品を素組みしただけで、それ以外の工作らしい所といえば、ドームのわきに複線架線柱を接着して側線を跨がせた位です。
このドーム屋根ですが、一見すると日本風のレイアウトには不似合いな気もしますが、トロリーや地方拠点都市の私鉄ターミナル等になら案外アクセントとして効果的に思います。
実際このドームのおかげで駅自体が上から見た時にビル街に埋没する印象が薄れ、かえって都会らしく見える気がします。


車上駅の右側面にある出入り口はなんとなく、地下劇場の出入り口のようでしたので、成人映画専門館という想定で、それらしく作ってみました。(この種の映画館も絶滅寸前の状態で、私の田舎ではもうなくなってしまいました。現住地には辛うじて一軒残っています。実際の映画館では大体がタイトル文字だけの看板でここまで堂々と絵を出したりしませんがそこは模型の世界ということで妥協しています)


さて、余談ですが模型でビル街を製作する時、屋上の施設類の表現がリアリティに大きな影響を与えるのではないでしょうか?(実際上から見下ろすことが多いため)
配電盤や水タンク、配管類など、ある意味電車の屋根上や床下の表現にも通じる部分と思います。とはいえ、一々それらを再現するのは効果はともかく手間がやたら掛かりそうな気もします。
今回はビルの屋上でよく見かけるエアコンの室外機を試作してみました。
などというと偉そうですが、実際の室外機を真横から写真に納め、縮小コピーした紙をスチロールのかけらに貼り付けた物です。上にあるダクト部分は厚紙をパンチで打ち抜いた丸紙を貼り付けました。この程度の代物でもビルの屋上に二三個並べると結構それらしく見えます(実際には配管などもやらなければなりませんが)


いくら映画館通りとはいえ、映画館だけで町並みが成立する訳ではないので通りの他の二軒のビルについては少し違う建物にしてみました。
左のはTOMIXの高架駅店舗部分を改装した物で演芸場と焼肉屋が入っている設定です。実際大きな映画館の近所には必ず食べ物屋がありますし。
上屋の部分は以前も触れたとおり自作です。この建物を配置した時にどうもうえのほうが寂しい気がして追加した部分です。
右のビルはこれも自作ですが、こちらはビルというよりも「大看板を背負った建物」があったほうが盛り場っぽいと思い適当にでっち上げた建物です。 そのせいで、未だに何のビルなのかすら決めていません。
看板はビルの3面に渡っていますが、それぞれ全く違う雰囲気にして見る方向によって町並みの印象が変わるような効果を狙いました。


こうして並べてみると電気街よりも盛り場的な雰囲気です。
街コレから盛り場の雰囲気に沿った形の建物類が今月発売されるそうですが、これらも混ぜ込んでみたいと思っています。
ただ、そうなると街自体が拡大してしまい、場所が取れなくなる悩みもあります。


今回映画館通りなどという物を造ろうとした直接のきっかけは「街コレ」第5弾の映画館の発売でした。
このキットは私の田舎に昭和の終わりから平成の初め頃にかけて残っていた古ぼけた感じの映画館の雰囲気を良く捕らえた模型だと思います。これを見ている内に急に映画館の集まる一角を模型化したくなったわけです。
市販の建造物で他に映画館に転用できるのはTOMIXの中型ビルが挙げられますが、それとこの他にグリーンマックスの車上駅を二つ継いで映画館が複数入居した商業ビルを製作しました。又、映画館ばかりとなる単調さを避けるため、TOMIXの高架駅ベースで演芸場の入った雑居ビルを組み込みました。このビルの上屋部分は透明プラバンとスチレンペーパー等で製作しました。単純な形なら、市販品に混ぜてもそれほど違和感はあるまいと考えたのですが。
このビルの屋上部分はビヤガーデン、又はそれに類する雰囲気に作りこむ予定です。