光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
こちらはメインブログのアーカイブとなります。

「きかんしゃトーマスのバス」を拾って(笑)

2021-03-31 05:04:45 | アクセサリー
 先日近所のハード●フで見つけた中古トミカから

 ジャンク品が並んでいた袋詰めトミカの棚の隣には「きかんしゃトーマス」関連のこれまた袋詰めジャンク品が並んでいました。
最初はこちらの棚はただ見流していたのですが、その中にひとつだけ妙にプロポーションのほっそりしているトーマスのミニカーが混じっているのを見つけたのです。

 手に取って見ると物は最近幼稚園バスなどで使われている「トーマスのコスプレをしたバス」
 実際のマイクロバスにトーマスっぽい擬装を施した、いわばテレビ劇用車のヒーローカーと同じ
文法で作られた車です。

 これも最初は「ほお、こういうミニカーもあるのか」くらいの認識だったのですが車体を裏返してみたらそこの表記に
「1/87」とあったのに手が止まりました。

 つまりこのトミカ、海外のHOゲージ鉄道模型の標準スケールだったのです。
となると手を出さない訳には行きません(笑)
 幸いお値段もくたびれ具合相応に1台300円でしたし。

 帰宅後、実車の写真を検索してみたのですが造形は思った以上にちゃんとしている様です。
 サイドの窓が妙に引っ込んだ「金壺眼」だったのが少々気になっていたのですが、実は実車も同じ仕様でした(但し実車以上に目立つ造形ですが)

 トミカではごくたまにHOスケールに準拠したミニカーが出ている事があり、知られている所では1/77のキャディラックフリードウッドとか1/80のいすゞTX消防車なんかがあるのですが、割合造形も好ましい事が多く、HOゲージャーには重宝すると思います。

 え、今回のトーマスバスをどう使うかって?
 もちろんメルクリンHO列車の沿線風景に使うにきまっています(爆笑)

「交通博物館のすべて」

2021-03-30 05:02:43 | 書籍
 今回は鉄道書籍ネタから。
 JTBキャンブックスの「知られざる歴史と魅力 交通博物館のすべて」

 ここで言う「交通博物館」と言うのは万世橋駅の跡地にあった頃のものを指します。
 わたしが初めてここを訪れたのは昭和50年。
 機関車や電車はもとより、鉄道施設や各種車両の模型展示、あの当時でも扱いがぞんざいだったものの車や飛行機、船の展示も見られる場所として当時随一だった場所でした。
 こういう場所は故郷にはありませんでしたから、当時の田舎者のファンにとってはまさに「聖地」といってもいい存在だったのです。
 今でも思い出されるのが今の鉄博とは対極ともいえる「建物の手狭さ」だったのですが、同時に「あの狭い空間にこれでもかという勢いで様々な展示が並んでいる」様は、一種おもちゃ箱をひっくり返して凝縮した様な華やかさすら感じたものです。
 


 以後も何度か交通博物館には出かけましたし、機芸出版社の本を初めて買ったのもここの売店でした。
 (当時出たばかりの「レイアウトモデリング」でしたが、故郷の本屋ではこういう本自体が置かれていなかったので凄いカルチャーショックでしたね)

 最も昭和の終わり頃以降は博物館よりも隣接する「秋葉原の電気街」に足が向く方が多くなってしまいましたが(汗)
 今では同じ場所は「マーチエキュート」になってしまい交通博物館当時の面影も薄れてしまいました。

 そういえばあの界隈も暫く覗いていませんね。

 本書の初版は鉄道博物館への移転が本格的に語られ始めた2001年。
 最末期を迎えた頃の交通博物館の沿革と個々の展示品の魅力、さらには名物の「鉄道ジオラマ」をはじめとする展示の裏方の働きにもスポットを当てて「博物館そのものを主役に据えた一冊」になっています。

 ですから一度でも交通博物館に出掛けた事のある人なら、本書を開くことで今では再び見る事の叶わない交通博物館の思い出が浮かび上がるとともに当時を偲ぶよすがとして十分楽しめる、そんな一冊になっていると思います。

 また、巻末の昭和10年代〜20年代の鉄道記録映画のカタログは掲載されたこと自体が有難いものと思います。今でも鉄博などでこの種の上映会は行われているでしょうから一種のガイドにはなるでしょう。

 そして前後の見開きを飾るのは2001年と1973年の「模型鉄道パノラマ」の見開き。
 同じレイアウトの30年の変化がひと目で感じられ、興味深いものがあります。

 実は私が一番ぐっと来たのがこのページでした。
 交通博物館に行くときはこれを見るのが楽しみでしたから懐かしさも全開です
 (最も末期の頃は「いい大人が子供をかき分けて前に出る訳にはいかなかったのでwよく見えず印象が薄いのですが)

 今では聖地ともいうべき鉄道博物館は大宮に移転していますが、それについては次の機会に。

185系の引退を偲んで・・・

2021-03-28 05:13:41 | 車輌・電車
先日踊り子号の185系が定期運用を外れるラストランとなったというニュースを聞きました。

当日は私の所属するクラブではその話題で持ちきりだったのですが、80年代半ば頃に185系のデビューを体験した世代には特別の思いがあるのかもしれません。
(或いは「つい昨日まで普通に走っていた電車の引退」という事で何かが抜け落ちたような感覚になっている面もあるのでしょう)

その時の私はログインのタイミングが合わなかったのでその輪の中に入れませんでしたが、いい機会だったので昨日、私の手持ちの185系の編成を走らせて往時をしのびたいと思いたちました。

とはいえ、私の手持ちの185系ときたらどちらかというと曲者のラインナップしかないのですが(汗)

この趣味を再開した時に初めて購入した20M級の編成物がKATOの「185系新幹線リレー号」編成でした。
中古屋さんのジャンクだったので動力車なしの4連でしたが、その後10年くらいかけて足りない車両を補充したり動力ユニットを追加したりしてどうにか7連まで持っていきました。
・・・のは良いのですが増備の事情が事情なだけに追加されたのが「マイクロエースの3両」しかも「動力ユニットがバカになっていてモータが空転するだけで走らない」状態。
そこで動力を調達すればこれがまた「TOMIXの旧式動力」でその年代物の動力を無理やりKATOのボディに移植する羽目になりました。
おまけに中間車もモハ184しか都合がつかずパンタグラフだけ取り付けた「なんちゃって2M仕様」(爆笑)

しかも3つのメーカーで屋根板の色のトーンが異なっていたために上から見ると「寄せ集め編成の面目躍如」状態!

とまあ、ツッコみどころを探すときりがない位のモデルなのですが、時間と手間と足を使った編成だけに出来のひどさを別にすれば愛着はそれなりにあります。
そもそも、私が実車に乗った事のある185系はこの「リレー号編成」しかなかったのですから。

もう一つの編成は外から見る機会が割に多かった「200番台旧国鉄特急色」
こちらはラウンドハウスの特別仕様の編成をこれまた中古で入手していたものです。

実を言いますと私個人は踊り子号のアバンギャルド(死語)な塗り分けには違和感を感じている口でして、別なカラーリングの185系の方にばかり目が行ってしまう悪い癖があります(汗)
185系自体その性格が157系に似ている(というか157系の後継車臭い)車両なので「157系カラーの185系」というのは好きなカラーリングでした。
実車は主に大宮駅の近辺で観る機会が多かった記憶があります。

模型自体は「普通にKATOの電車」という非常に安心感のあるモデルで、特に書き加える事もありません(笑)

とまあ、このような「曲者の185系」ばっかり走らせても郷愁とはあまり縁がなさそうな感じですが、実際にはこの組み合わせの2ショットというのはなかったと思うので模型ならではのやり方で185系を偲ばせて頂きました。

実車の185系は快速電車の117系と同じモータを使っていたそうで高速走行時のモーター音が豪快だったそうですが、久しぶりに引っ張り出したモデルのリレー号の編成も旧式動力ゆえのブルドーザー並みに豪快なノイズを堪能できました(いや、そんなところまで似なくても笑)

ところでこんな記事を書いていた矢先に「純金製の185系のモデル」がリリースされるとの事。
サイズ的にはNゲージの様ですが「お値段が1000万円!」
もしそうなら恐らく「史上最高額のNゲージテツドウモケイ」という事になりはしませんか?
(たぶん自走はできないと思いますが)

一体どんな人が買うのやら、そちらの方に興味があったりします。

みにちゅあーとの「民家F」

2021-03-27 05:11:17 | ストラクチャー

 先日紹介の「のび太の家」の制作のついでに積みキット状態の他の住宅キットにも手をつけました。

 やはりあのキットは単体でポツンとあっても様になりません。他の住宅の中に混ぜ込んでこそ存在感を発揮しうる性質のものだと思います。
 つまり「その他大勢」の存在があってこそ主役も引き立ってくるだろうという一種の舞台効果の考え方でもあります。

 そしてそれはレイアウトの「線路際のリアリティ」の構築と走る列車との相乗効果においても同様と思えるのです。

 前置きが長くなりましたが、そういう訳で今回は「民家F」です。

 このキットの工作難易度は星5つ中の星4つ。
 確かにのび太の家に負けないくらいに間取りが複雑そうです。
 しかもこの民家は、下町なんかにある様な「敷地一杯に建てられたタイトな住宅」といったノリの建物です。

 完成写真を見ているだけで、何だか家が建てられた時の事情まで透けて見えそうなリアリティを感じさせる住宅と言えます(笑)

 間取りが複雑なだけに組み立ても一筋縄ではいきませんでした。
 特に玄関側のベランダ周りの張り出し屋根の工作では歪みが出やすく仕上がりに相当影響してしまった感じがします。

 以前のキットに対する改善点のひとつが「窓セルを貼り付けるためのガイド」がモールドされた事。
 構造の複雑さから「カットした窓セルが大きすぎて他のパーツの合いが悪くなってしまう」トラブルの予防になると同時に「パーツのどちらが表でどちらが裏か」が分かりやすくなりました。
 実際過去の製作で「表裏を間違えて組み立ててしまった」トラブルは案外多かったですから有難い改善点です。

 出来上がった民家を他の住宅に混ぜ込むと結構存在感のある住宅街がベース上に現出したのには感動させられます(笑)

 この他にも民家やアパートの積みキットや新規購入品はあるのでそれらについても追々紹介すると思います。

 因みにこれまで製作した積みキットですが仕切りが多く、整理がしやすい事から「贈答品用の缶ビールの空き箱」に保存して適宜取り出して使っています(笑)

TOMIXのED75 0番台初期型「庇なし」

2021-03-25 05:09:53 | 車両・電気機関車

 再びのTOMIXのED75ネタです。
 前回紹介したのは、初期型でもつららきりの付いた「庇付き」の仕様でしたが、同時に初期型後期の庇なしの仕様も同時にリリースされています。

 どちらも私の故郷で見かけたタイプでもあるのですが2タイプ同時発売なんて来られたら2両買えと言われている様なものです(大汗)

 庇付き、庇なしと書いてはいますが、モデルの方はスカート裾の処理やら貫通扉前のステップ形状やら細かい部分の作り分けがされているので全くの同型という訳ではなく並べればそれなりに違いは楽しめます。
 (第一同じ場所に2両いても「クローン臭さ」を感じさせないですし)

 走行性は前回紹介のひさし付きとほぼ同じ。2両を同じ線路上に置いてパワーパックのスロットルを回して走らせても走りの個体差がほとんどなかったのが凄い。惰行やスローもサイズを考えると恐ろしいくらいに効きます。

 KATOと比較すると造形に関しては長短が交錯する出来と感じるモデルですが、走りについてはそれなりに個性の違いは感じられます。

 このED75が牽引するというとオハ47とか10系あたりの客車とか貨物のオムニバス編成というのが最も似合うところですが、これも当のTOMIXから東北本線仕様の客車と貨物列車のセットが出ています。
 特に後者はED75用のナンバープレートやら線路に設置するカーリターダなんてなものまで付いてくる豪華版ですが予算の都合上流石にそこまでは揃えられませんでした。
 ただ、私の学生時代までは地元で見かけた「ED75牽引の旧客列車」というとセットに入っていないオハ47とオハフ61が中心に編成された普通列車でしたし、貨物もKATOの「花輪線貨物セット」をはじめ、これまでに入線させていた貨車でも十分代用できる気がするので、近いうちに試してみようかと思います。

アンレールの名鉄キハ8500を動力化する(汗)

2021-03-24 05:05:48 | 車両・気動車

 前回、鉄コレの会津鉄道キハ8500系に付随したおまけ話で「アンレールの名鉄キハ8500」のはなしをしましたが、先日動力ユニットが入手できたのでN化、動力化を試してみる事にしました。
 以前これの中古を入手した時はタイミング的に鉄コレの20・5Mの動力が無かったのですが、会津鉄道仕様の登場に合わせて適合動力が入手しやすくなったことが大きいです。

 とはいえ、前回も描いたようにモデル自体の造形は鉄コレに比べてラフなものですし、会津仕様が出た事で同じ8500系の名鉄仕様が鉄コレから出ないとも限りません。
 なので今回の工作は全くの「個人の好奇心と達成感を満たす」目的にしか使えず、今更参考にしようという人もいないだろうとは思いますが…(大汗)

 モデルとしてのアンレールの構造は鉄コレのそれに酷似しており、動力車用の台車枠も付属しています。
 今回は鉄コレにない仕様の「中間車」を動力化する方針で臨みました。

 当時は動力として同じ鉄コレの20M級を想定していたようで前後の軸間は鉄コレTM-16よりも幾分短めでした(これはトレーラーでも同様でして、このため鉄コレよりも前後の台車が幾分台車が内側に偏位しています)
 何しろ10年位前のモデルだけに装着には不安が伴いましたが、TM-16をはめ込んでみたら

 「鉄コレよりも楽にはまりました」(笑)
 本当に「パカっと」入ったのですから拍子抜けです。

 台車枠はモデルに付属のパーツを接着。鉄コレの台車枠では三つのポッチを三点支持よろしく台車に差し込む構造ですが アンレールのそれはてっぺんにひとつポッチがあるだけ。
 一応刺さるとはいえ不安が強いのでここはクラフトボンドで接着しました。
 床下機器も鉄コレ様の差し込み式でしたが、一番端のポッチだけは寸法がTM-16に合わないのでカットしてはめ込みます。
 こちらも拍子抜けするくらい簡単に済みました。

 カプラーはTM-16付属のアーノルドを使用、カプラー延長パーツは長いほうを付けます。

 ここまでは割合スムーズに進み「これならトレーラー化も行けるのでは」と思ったのですが実はここからが大変でした。

 鉄コレのTT-04から車輪とウェイト、カプラーを引っ張り出して装着するのですが、アンレールの仕様はインテリアが全く無し。
 ウェイトも武骨を承知で床板に直接クリアボンドで接着する豪快さ(笑)

 問題は台車とカプラーでした。
 前述した様にアンレール仕様は鉄コレよりも台車が内側にオフセットしており、標準のカプラーもかなりの長柄です。
 これを鉄コレ用のカプラーを装着すると長柄にしてもカプラーが半分くらい車体の下に隠れてしまうのです。

 それでも無理をすれば動力化した中間車の台車が幾分外側なので連結自体は可能でしたが。
結局鉄コレの走行化パーツに付属するカプラー延長パーツ(長い方)を二つ継ぎ足してどうにか連結間距離を伸ばしました。

 ですが次に問題だったのが車輪の装着です。
 内側の車輪は問題なくはまりそれなりに転がりましたが、カプラー側の車輪がどうにも動きが渋いのです。
 よく見たら、TT-04の車輪の車軸が太いためカプラー側の柄が干渉し車輪の回転を阻害している事が判明。

 車軸の当たる部分を急遽リューターで切削する羽目になりました。

 こうしてどうにか形になったアンレールキハ8500でしたがご覧の様に連結間隔は極端に狭く、また、トレーラー車では車体がシャシに深くはまっているため台車の首振り角も小さめです。
 折角動力化した中間車もTM-16の寸法のせいか幾分腰高になり、微妙に凹凸のある編成になってしまいました。
 もし手を加えるなら動力車の腰を落とすよりトレーラーの腰を上げて台車の回転を確保する方向の方が好いように思います。
 以前GMの営団300キットでやった様にボルトとナットを使いワッシャで腰をかさ上げするのが一番手軽な気がしました。

 あと作ってしまってから気づいた「しまった!」がインテリア。
 鉄コレの会津鉄道仕様を既に動力化していたので1両分インテリアが余ったはずなのに今回の工作が行き当たりばったりだったばっかりにインテリアのパーツを処分した後だったのです。
 まさに後の祭りでした。

 ただ、実際にレイアウト上を試走させると狭い連結間隔ながら最急317Rのカーブはどうにかクリアできたのが意外でした(笑)
 TM-16自体走行性には問題ないですし。

 今回のアンレールのキハ8500の加工は純粋に自己満足と「中古で安価だったとはいえせっかく買ったモデルを死蔵させたくない」というけち臭い根性によるものでした。
 マイクロの完成品と鉄コレの会津仕様まで出た今となっては今更アンレールをN化するようなユーザーもそうそういない気もしますし。

 ですが手間の割には(いや、手間がかかったからこそ?)達成感と言うか満足感は高かったと思います(爆笑)
 「冷蔵庫の余り物で晩御飯のメインディッシュを一品でっち上げた」ような感覚ではありますが。

3.11に思うこと

2021-03-23 05:01:29 | 小説
 今回はメインブログで3月11日に上げた記事の再録です。

 東日本大震災から今日で10年目。

 ひと昔の節目とはいえ、今思い出すとまるでついこの間の事の様に思い出されます。


 上の写真は震災の前夜撮影したものです。
 あの当時は自分の腕前のつたなさも何のその、TMSのレイアウトコンペに出品すべくレイアウトの改修に血道をあげていました。
 確か夜の10時過ぎくらいだったと思うのですが、そんな時間でも改修部分の進捗を記録する積りでカメラを構えたのを思い出します。

 その時は翌日に何が起きているかなど勿論考えもしなかったし、明日も今日の延長で日常が流れるだろうとか無意識に思い流していました。

 その次の日の夜、帰宅してみたら自宅に飾っていたモジュールがこんな状態です。
 現住地は被災地から軽く5~600キロは離れていたはずなのにこれまで経験した事のない大揺れ。近所でもブロック塀が道路に向かって倒れ菩提寺の山門が傾くくらいの状況でした。

 この写真の手前側にジオコレのマンションがありますが、モジュールの隅に配置してあったのが地震のはずみでモジュールと壁の間に落ち込みバラバラになっていました。3年後くらいにモジュールの改修をしようとして初めて紛失に気づき、サルベージして現在のモジュールに据え付けたのですが、要は「ビル一軒が消えてなくなっても3年位気づかなかった」くらいにあの当時の私は気もそぞろだったという事でもあります。

 それくらい、3月11日を境に日常の感じ方が大きく変わったことは確かです。特に災後の半月くらいは故郷の状態を問い合わせたり計画停電に伴う生活リズムの調整、少ないながらも被害のあった地元周辺の警戒などもありましたし、事実何をしても手につかないような心理状態が続いたものです。
 
 それでも現住地周辺は津波被害に直接あった地域に比べればはるかに恵まれていました。
 (故郷の周辺でも内陸部や山間部は揺れのひどさに比べると被害自体は軽微な部類だったと思います)
 あとで知りましたが沿岸部にいた親類は死傷者こそ出ませんでしたが自宅が流された処が一軒、残りはたまたま高台に居て難を逃れましたがインフラの崩壊や交通の障害が大きく長期にわたって不自由を強いられたようです。

 それでも当日のニュース映像などで見る津波の災害は予想を遥かに上回る惨状でした。津波の先端を境目にして「日常の景色が一瞬で消滅する」恐怖という物は文章とかアナウンスとかよりもはるかに雄弁かつ残酷に現実を突きつけてきます。
 傍観者として映像を見るだけの立場に過ぎないはずの私たちにとっても、心胆寒からしめる思いだったのは間違いありません。

 あの記憶は10年やそこいらで薄れるような性質のものではありませんが、現に10年目を迎えた今はこれまでとは全く異なる厄災が私たちの生活を変えつつあります。
 世の中で常に安定しているものはない、常に変わりゆく現実に対する心構えを持ち続けることが必要という事を改めて感じています。

 そんな現実に(心理的に)押しつぶされそうになっていた折でもふと気が付くと「テツドウモケイをいじくりまわしていると不思議に気持ちが落ち着くのを感じた」のはほとんど唯一の救いでした。

 あの時期に仕上げたレイアウトは(出来の良否はさておいて)今でも鮮烈な思い出とともに残っています。

アンレールの名鉄キハ8500のはなしその2

2021-03-21 05:22:37 | 車両・気動車
 先日紹介のアンレール名鉄キハ8500にN化作業を施した時のはなしです。


 このモデル、取り付けの説明書は各パーツごとに写真付きですし各車番の違いもそれなりに解説されているのは鉄コレよりも気合いが入っています。
 今回はとりあえず鉄コレの会津仕様にない車番を選択し、付属パーツの取り付けを行いました。
 前面貫通幌や無線アンテナ、避雷器、電話アンテナなどを付けるとそれなりに細密な感じはしますがそれでも鉄コレとの差は如何ともし難い(笑)

 実際、片側の先頭車では信号炎管のパーツを飛ばしてしまい、手持ちのKATOの電車用パーツを流用したのですがこの程度のパーツですら細密度の差が大きい事を実感させられました。

 
 この編成が「名鉄のディーゼルカー」である事を雄弁に示せるのが前面の「北アルプス」の表記の付いた表示幕ですが、ここはデカール貼り付けで表現できる・・・のはいいとして肝心の文字が白地でなく(デカールではよくありがちな事ですが)クリアなので「正面から見たら文字が読めない」のは誤算でした。
 そのくせ斜め前から見ると時折文字が見える事があるので妙なストレスがたまります。

 このモデル最大のネックは異様なほどに厚ぼったい塗膜ですが、ネットで私が調べた範囲では車体の材質が極めてシンナーに弱く下手に剥離剤を用いるとボディまでもが手ひどく侵されるらしいのでここは我慢するほかないようです。

 さて、この8500ですが会津仕様では鉄コレの20.5M級動力を用いるのですが、今回鉄コレ仕様と並べてみた範囲では長さに関してはほぼ同じな様なので動力さえあれば自走できる可能性はあります。
 前述の様に鉄コレ動力に「合わせた様な」別パーツの台車枠も付いていますし。
 ただ、肝心の動力が品薄なのがなんともですが。

 ここまで見た印象ではアンレールの8500は模型としてはラフさが目立つ構造なのに説明書やデカール、インレタなどで妙に気合いが入っている所があり独特なアンバランスさを感じさせるモデルと言えます。
 鉄コレの8500と並べると造形の差は明らかなのですが、それでも遠目で観るとそれほど違和感はありません。

 たぶん、名鉄仕様のキハ8500も鉄コレからリリースされそうな気もしますし、今出物があったとして敢えてアンレール仕様を買う意味があるかどうかというと微妙な所です。
 
 ただ、初期の鉄コレにあった様な「手を加える愉しみ」を妙に掻き立ててくれる何かも持っているモデルではありました。昔のTMSでダイヤペットのEF66をN化した記事を見た事があるのですが、その感覚にごく近いものかもしれません。
 その意味ではわたしが買った当時よりもかなり安くなっていればそれなりに面白いモデルかもしれません。

 現に今回の記事は鉄コレのキハ8500のそれよりも長くなりましたし(笑)
 このキハ8500は動力化についてもひと騒動ありましたがそれについては次の機会に。

ファーラーの邸宅・或いは「スネ夫の家(笑)」

2021-03-20 05:18:21 | ストラクチャー
 積みプラキットストラクチャーネタから。
 今回はファーラーの「邸宅」或いは別荘?をば。

 実はこのキットは昨年の春先、今回のコロナ禍の初めの時期「自宅蟄居が長引きそうだ」という気がして行きつけのショップで買っていたものです。建物のキットは車両に比べると平時の消化率が低い事が多いですから、今回の様な機会でもなかったらなかなか作らなかったでしょうね。

 日本でもこの手の垢抜けた住宅を見る様になったのは1970年代半ば頃以降でしょうか。
 見るからに天井が高そうなデザインですが、最近の住宅の広告でも天井の高さを宣伝するものが増えていますし(或いは吹き抜け構造)今時の風景の中でも違和感はないと思います。

 なので今回は素組み。塗装も変えていません。
 一見モノフォルムのおにぎり状の塊の様に見える住宅ですが、サイドの大窓がバルコニー風に造形されているので意外にメリハリがあります。

 先日製作の「のび太の家」の流れからすればこちらは差し詰め「スネ夫の家」といったところでしょうか。

 ですがこれを「和風の住宅街」に紛れ込ませる上での問題点は

 これです。いくら何でも「プールが二つ(それも飛び込み台付き)ある様な家」というのは滅多に見るものではありませんw
 トドメにビーチパラソルとチェア、ブランコまでついて来た日にゃどこから見ても成金丸出しに見えてしまいますね(まだ付けていませんが笑)

 幸いこの部分は別体のベースになっているのでこれがなくても邸宅は成立します(笑)。個人的にですがプールの一角は「ビルの屋上」に使って見たい気がします。こちらの方がより成金ぽい上にレイアウトでは目立ちますから。

アンレールの「名鉄キハ8500系」

2021-03-18 05:16:31 | 車両・気動車
 先日紹介した鉄コレ第30弾の会津鉄道キハ8500。
 そのルーツが名鉄のキハ8500系にある事は会津鉄道仕様の時にも軽く触れました。

 その名鉄キハ8500系ですが「アンレール」というブランドで数年くらい前に鉄コレの様な完成品ディスプレイモデルとしてリリースされた事があります。
 実はこのモデル、何年か前に現住地の中古屋さんに出物があり購入した事があるのですが、当時はこれに適合する動力ユニットが無かった為に数年くらい埋蔵金化していました。

 今回の鉄コレリリースを機会にこのモデルを引っ張り出して比較、および手を入れようかと思い立ったわけです。

 モデルは一見して鉄コレにそっくりな構造。
 台車枠が別パーツで付属していたり床板及び床下機器の構造が鉄コレのそれに酷似していたりとある意味ツッコみどころが満載なのはいいのですが。
 でも似ていたのはそこだけ。

 造形は鉄コレに比べるとかなりラフで塗装も妙にぼってりしていて近くから見ると「駅のKIOSKなんかで売られているおもちゃの電車」みたいに見えてしまうのがなんともです。

 おまけに前面塗装の塗り分けが実車と微妙に違っておりリアル志向の向きにはストレスがたまること夥しいのではないでしょうか。
 それでいて当時の定価はなんと「現在の値上げが著しい鉄コレ30弾とほぼ同額だったらしい」というのですからたまりません。
 (実はこの事実を知ったのは今回の鉄コレ購入後ですが、中古屋さんでは半額程度だったので当時はあまり気にしていなかったのです)

 と、まあ悪口を言っていたらきりがないのですがその一方で後付けパーツはそれなりについていますし車番がインレタ化され5両しかなかった実車のひとつひとつを形なりとも再現可能です。
 前面幕や側面の行先幕はデカールでの貼り付け(実はこれ、後で別なストレスのタネになります)
 何より、現時点で鉄コレでは出ていない「中間車」が製品化されているのが取り柄と言えば言えます。

 実際に手を掛けてみた印象については次回以降にでも

三陸鉄道36形のはなし

2021-03-17 05:14:36 | 車両・気動車
 先日に引き続いてメインブログの3月6日分の記事で日付け語呂合わせネタから(汗)
 3月6日ですから題材もそれにちなんで「36形」です。

 1984年、日本初の第3セクター方式の鉄道として三陸鉄道が開業しましたが、それまでとんと「国鉄でない鉄道」という物に縁のなかった私の故郷にこんな形でオリジナルの鉄道が登場するなどそれまで想像もした事がありませんでしたからインパクトは抜群でした。
 2年前の東北新幹線の盛岡開通と併せて「岩手のような田舎にも鉄道の新時代が来た」というのを肌で実感したのが思い出されます。

 その三陸鉄道の開業当初から投入されたのがこれまたオリジナルの気動車、「三陸」の語呂に因んでその名も「36形」でした。

 開業当初は国鉄山田線を間に挟んで「北リアス線」「南リアス線」が運用されるという変則的な形態でしたが使われる車両は同じデザイン。
 少々気負いもあったのか単行で使うにはうるさすぎるカラーリングだと当時は思ったものですがその後開業された第3セクターの車両もカラーリングがこれに負けないくらい派手なものばかりだったので今では逆におとなし目に見えるのも不思議なものです。

 最初の第3セクター方式という事もあってかNゲージではかなり早い段階でTOMIXが製品化しており、岩手のオリジナル車両としては初めてのNゲージモデルとして記憶に残ります。
 36形自体はその後エンジンの換装などで性能は変わったものの基本的なデザインはほとんど同じままでバリエーションに欠ける印象が強いものでした。
 
 皮肉としか言いようがないのですが、36形にとって転機となったのは東日本大震災でした。
 震災に伴う津波で大きな被害を受けたものの、復旧、復興に伴う過程で様々なラッピング車両が登場して話題をさらい始めると同時に被災地域を力づけるかのような風景の彩として機能するようになりました。

 更に山田線の移管に伴い新デザインの700番台が増備されはじめ、車両のバリエーションも増え始めています。

 震災以前に投入された500番台も1両だけの存在ながらバリエーションとして面白い存在です。

 と、まあここまででもNゲージモデルとしては随分いろいろと登場している機種ですが「36形」という名称は基本変わっておらず形式名というよりは「三陸鉄道の車両全体の呼称」と呼んだ方がぴったり来る印象もあります(300番台なんかは元々が横浜のイベント用の車両だったので出自自体が異なりますし)

キハ35のはなし

2021-03-16 05:12:27 | 車両・気動車
以下の記事はメインブログの3月5日分のものなのでご了承ください

 時々他の方のブログとかLINE、ツイッターなんかを拝見していると「今日は●月●日で●●の日」という題材でその日付の語呂に因んだ車両のネタを出してくるのに当たる事があります。
 (例えば5月8日だからEF58とかC58とかいう具合に)

 私もそういうネタに乗ってブログ上に便乗記事を上げることが結構ありますが、そのひそみで3月5日に因んだネタをば。

 当然題材は「キハ35」です(笑)

 キハ35というと言わずと知れた国鉄の近代型気動車では唯一の3扉通勤タイプの車両であります。
 外吊り式のドアとか切妻の先頭部などそれまでキハ20系やキハ58系しか知らなかった田舎者の私なんかからすればキハ35はその存在自体がカルチャーショックを感じさせてくれるものでした(実車が運用されていた地域の人から見たらどういう印象かは知りませんが)

 殊にステンレス車体、コルゲート板仕様の900番台なんかはその印象をさらに強めています。
 何しろコルゲートの付いた車両というと他に東急の7000系しか知らなかった田舎者にすれば(以下同文w)

 私が最初にこのキハ35のモデルを入手したのは10年位前、故郷の中古屋でエンドウの900番台を入手したのが皮切りでした。
 まるで宇宙刑事の様な全身メッキの表現は、実車とは違うとはいえかなり華やかなものでしたし、エンドウらしいと言うか「台車が片方外れかかっていても押し切ってしまう動力の豪快さ」も強烈な印象を残します。

 その2年後くらいに今度はTOMIXの仕様の900番台も入線。いちおうTOMIXを名乗ってはいますがボディはブラス製で動力ユニットもエンドウ製という一見すると「TOMIXがエンドウキハ35のクローンを発売した」様な印象のモデルでした。
 ただしよく見ると窓のRの付け方が微妙に違いますしカラーリングもエンドウよりはリアル志向の落ち着いたステンレスシルバーになっていました。

 キハ35は後にMODEMOやKATOからも製品が出ていてプラ造形ゆえに細密感では先行メーカーのそれを凌ぐものになってはいます。
 ですがエンドウやTOMIXの仕様、殊に900番台に関していえば多少は細密ではなくても許せてしまえる、もっと言うと「細密で無くて何が悪い」とすら感じさせる勢いのある造形と思います。
 少なくともキハ35らしい印象把握の点では負けていないのではないでしょうか。

「駅舎再発見」とレイアウトの駅本屋のはなし

2021-03-14 05:39:12 | 書籍
今回は久しぶりに書籍のはなしをば。

 これまでいくつかレイアウトやモジュールを作ってきましたが、他の建物は市販品の吊るしで間に合わせる事が多いのに駅本屋だけはどこかしらにオリジナリティを加えることが多いです。
 (まあ、上手い下手は置いておいて、ですが)


 やはりレイアウトのランドマークとしての駅本屋の存在感は大切と思いますし、どこかに作者のオリジナルな要素は残したいとか無意識に考えるのかもしれません。
 それは模型だけのはなしではなく実物にしても同じ事でしょう。

 駅の本屋は地域のシンボルとしての自覚を持っている事が多いものですし、駅としての歴史が古くなるほど個性を重視しているケースも多いようです。
 JTBキャンブックスから出ている「駅舎再発見」(杉崎行恭 著)はそうした駅舎の個性を手軽に俯瞰するには楽しめる本だと思います。
 ここで取り上げられているのはいわゆる「個性的な駅舎」についてページを割いているのは無論ですが都市部のターミナル駅舎について「建て替えの歴史も俯瞰している」のが興味を惹きます。
 時代の変遷に適応するかの様に形を変えてゆく駅舎の変遷はそれ自体が一幅の絵巻の様で参考になりましたし、同時に楽しめる部分でした。
(そういえばうちのレイアウトの「竹取坂駅」も実は10年間で3回駅舎が変わっています。こちらも線路配置やシーナリィの変更に合わせた建て替えでした)


 レイアウトの駅本屋に鬼面人を驚かすような個性は必要はないかもしれませんが、リアリティは保ちつつも「自分だけの駅舎」には拘りたいと個人的には思いますし、それを志向するうえで本書に掲載の駅舎が参考、或いは一種の刺激になっているのは確かです。

 (ですが、何度も書いているように腕の方が追い付いていないのが悩みのタネですが)

TVドラマのレイアウトのはなし二題

2021-03-13 05:36:38 | 映画・テレビ
 最近観たテレビドラマからテツドウモケイ絡みのネタをば。

 ファンの方には今更感が強いとは思いますが昨年夏頃にスタートした「仮面ライダーセイバー」(ANB 東映)で主人公の小説家の経営する本屋さんの中にえらくファンタジックなレイアウトが鎮座しています。
 毎回ドラマの背景にちょこちょこといったレベルでの登場に留まるのですが、NゲージスケールでKATOのチビSL&ちび客車の編成がひょうたん型のエンドレスを疾走。
 全体の雰囲気は欧州風の風景をベースにしながらも真っ赤に塗られた日本の城郭、よく見るとジオコレの町並みなんかもこっそり混じっていたりしてファンタジックなシーナリィ構成となっています。
 しかも各店舗のテナントは過去の仮面ライダーシリーズに因んだ店名が使われているというお遊びも盛り込まれています。

 しかもレイアウトの置台はオサレな書棚も兼ねているといったインテリア志向の高いもの。


 リアル嗜好、細密志向というのとはちょっと異なるのですが、原鉄道模型博物館のレイアウトに似た様な雰囲気も感じられたりします。

 このレイアウトの作者が誰かは知らないのですが恐らくはドラマのスタッフが常設セットの一部として製作した物ではないかと思います。
 レイアウト専門業者とか鉄道マニアとは異なるセンスと発想を感じますから。

 もう一本
 実は私自身存在を知ったのがごく最近なのですが昨年の初めに放映されていたドラマ「純喫茶に恋をして」(CX)の一編にレイアウトが登場するものがありました。
 
 本作は戸塚純貴扮する売れないマンガ家が落ち込むたびに手近な純喫茶を見つけては店内で毎回異なる美人さんの客を見つけては妄想にふけるというフォーマットの「孤独のグルメ」の変形版という趣の作品です。

 その中の第11話で登場する吉祥寺の「ウッドストック」の店内にメルクリンHOゲージのレイアウトがガラス張りのテーブルの下に鎮座しているという趣向。
 (実はこのレイアウト、ゲストの美少女と意外な絡み方をする落ちが付いています)

 本作は実在の店でロケしているので劇中でご店主が語った様に「店主のご主人が自分の子供用に製作した」ものなのでしょう。

 メルクリンの良いところのひとつは「多少玩具っぽく見えるトラックプランでもセンスのいいインテリアとして成立させられる」点にあると思いますが、その点で喫茶店のインテリアにメルクリンというのはこよなく似合う気もしますね。

 (写真は手持ちの写真から雰囲気が似通ったものをセレクトしたもので本題とは直接の関係はありません)

鉄コレ第30弾の「会津鉄道キハ8500」

2021-03-11 05:34:41 | 車両・気動車
 鉄道コレクション30弾の編成から

 今回紹介するのは会津鉄道のキハ8500.
 これまでの鉄コレ離れした様な「垢ぬけた特急車」と言った趣の外見ですがそれもそのはずこの車両のルーツはかつて「北アルプス」号として高山に乗り入れていた名鉄のキハ8500です。

 JR線内ではキハ85系「ワイドビューひだ」を向こうに回して活躍していただけあって見た目からしてデラックス感が半端ありません。
 元々は中間車を挟んだ3連での運用もあったのですが会津へ譲渡の際に中間車をオミットして2連での運用に振り替えられています。

 ですが会津鉄道の管内ではゴーストップの多い低速運用がメインで名鉄時代の様な長距離高速運転での運用が少なかったせいか、一部部品の損耗が激しく比較的早い段階で引退しているそうです。

 さて、モデルですが垢ぬけた印象の前面部や特急型気動車そのままのボディ造形はこれまでの鉄コレを見慣れた身からすればかなり異色なものの、成形色のボディカラーや裾の絞り込みの造形に微妙に雑さを感じるところもあって良くも悪くも鉄コレらしいという印象でした。

 実はこちらも動力化しているのですが「大きな窓から動力ユニットが丸見え」という近鉄18200系と同様の弱点も露呈しています。

 さて、
 実は名鉄時代のキハ8500は既にマイクロエースから製品化されており、こちらは最初から動力内蔵、しかもヘッドライトが点灯するというアドバンスを持ちます。
 ですが、それとは別に赤い電車の企画で「アンレール」という鉄コレみたいなモデルのブランドでも3連編成のモデルが出ており、私もこちらを数年前に中古モデルを購入していました。

 このアンレール、インテリアがない事を除けば鉄コレによく似た構造。
 改めて今回の鉄コレと並べてみると造形がかなりラフなものになっていますが、一方で鉄コレにない中間車が入っている事とデカールや後付けパーツが充実しているという特徴もあります。

 多少ラフでも構わないのであればこちらの仕様を鉄コレ同様にN化できない事もなさそうです。
 (ただ、マイクロの完成品も既に出ている事を考えるとそうまでしてN化するメリットがあるかどうかは微妙ですが)