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正月から折にふれて夢の大レイアウトの話を何度かしていますが、先週末を中心に(笑)「夢の大レイアウト」についていくつか実験と考察をしてみたので恥も構わず開陳させていただきたいと思います。
くどい話になりそうですがご勘弁を。
この趣味を始めた頃に買った入門書の長真弓著「鉄道模型レイアウト」。
最初は後半のポイント配線の分量の多さと分かりにくさに思わず辟易した覚えがあるのですが、最近になって読み返すとそれ以外の部分が非常に要領よくまとめられていてレイアウト作りに必要な基礎知識を得る上でよく使っています。
ここで最近特に興味を持って見ているのは甲線・乙線から簡易線までの線路の等級と必要なカーブ径・勾配の上限のデータです。
これによると特甲線(東海道・山陽本線、言い換えればC53やD52、EF66が爆走できるレベルの線区といえます)の場合標準のカーブ径は800メートル、最急で400メートル、勾配の上限は10‰(1%相当)だそうです。
これをNスケールに換算すると其々5・33メートル、2・66メートルとなります。
最も急カーブの丙線の場合の半径は標準300メートル、最急200メートル(ちなみに勾配は標準2・5%、最大3・5%)ですがこれでもNスケールでは半径2メートル、1・33メートル。Nゲージの市販の組線路でこれだけの大径のものはありません。
後から別な所で調べましたが簡易線の場合は最急160メートルだそうでこれだと1メートルちょっとのカーブです。
つまり実物の鉄道に準拠したカーブ半径のレイアウトをやろうとすると簡易線で奥行き2メートル以上、C53、C59牽引の特急列車や「あさかぜ」クラスのブルトレやEF66のフレイトライナーのフル編成を想定する特甲線に至っては単なる真円のエンドレスですら「標準的な駐車場の車6~8台分のスペース」を使う計算になります。
実物どおりに拘るなら「真の大レイアウト」を実現するには体育館どころかアリーナ級のスペースでも足りないでしょう。
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まあ、それは置いておいて、最近気になっている事ですが、最近のモデルは見た目は非常にリアルな物が増えてきました。
が、それらが実際にレイアウトなりお座敷運転のカーブを走らせると「オモチャ丸出し」の連結面の見え方、「くねくね」ではなく「かくかく」と曲がってしまう編成物といったチャチな走りになってしまうギャップにがっかりする事が多くなりました。
これは決して広いとはいえない(早い話が狭い)私のレイアウトにおいても同様です(笑)
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そんな事を考えていた折に驚かされたのがレイアウトテクニック所載の「雲助鉄道」の大径カーブが生むリアリティある列車の曲がりっぷりでした。
市販の組線路での曲がりが実物どおりにいかないのは仕方のない事で、これらの線路は現実的なスペースで運転を楽しむために急な曲線を使う事が多くなっています。
車両側では実物に比べてワイドトレッド、ハイフランジと悪条件下でも走行性を確保する様々な規格、構造でもあります。
だからこそテーブル上でも運転が楽しめる手軽さが実現している訳で私自身その恩恵に感謝し足りない位です。
とはいえ、実物の鉄道の走りが美しく見えるのは組線路ではありえない微妙な曲率のカーブと適切なカント、気付かない程度の勾配や凹凸で演出される「走りの質感」に依存しているのも事実と思います。
これをエンドレスまたは屋内のレイアウトで実現しようと思ったら標準的なサイズ(ここでは畳一枚・もしくは市販のレイアウトボードを指します)では実現が困難なのは当然でしょう。
ここでやっと結論になりますが、私なりに考えた大レイアウトのメリットとは、広いスペースにものを言わせて無闇に線路を引き回し増やしたり、色々な風景を幕の内弁当みたいに詰め込む事よりも「実物に近い大径のカーブと緩い勾配が実現できる事」にあるのではないかと思い始めました(この項続く)