今月の鉄コレ「富山地鉄のサントラム」に驚く

今回は路面電車ネタで。
鉄コレでは以前より富山地方鉄道を中心に路面電車のバリエーションが拡大していますが、今回のはそれの最新バージョンです。

見ての通り鉄コレ初の「3連接車体」が最大の特徴であり売りでもあります。
この種の「中間車のある連接車の路面電車(くどい)」というと以前MODEMOの出したグリーンムーバーなんかがあります。実際併用軌道上では単車や2連接に比べるとかなり豪快な曲がりっぷりを見せてくれるのである意味スター的存在でしょう。

グリーンムーバーの時は先頭車体が不自然に上を向いたり、左右にずれたまま走ってしまう問題がありました。これが不評の原因の大半だったのですが鉄コレのサントラムでも小さいながら同様の問題がある様です。
動力を組み込んで真横から見た時先頭車が微妙に上を向いたのを見て「ああ、やっぱりな」とは思いました(汗)但しサントラム用の動力ユニットには2個のウェイトが付いておりこれを先頭部に組み込むと問題は多少緩和される様です。


3連接車の見どころはS字カーブの通行でしょう。まるで芋虫さながらの可愛らしいというか気持ち悪いというか(この辺は個人の感じ方で変わりますが)とにかく見事な曲がりっぷりで観ていて楽しいものがあります。
動力ユニット込みだと鉄コレとしてはかなり高価な部類ですがそれだけの事はあるモデルと思います。
2014年03月25日
ジオコレの「スーパー銭湯」に想像する(笑)
今月のジオコレから。と言ってもリリースは先月なのですが

温泉街シリーズの「日帰り温泉」こと「スーパー銭湯」です。
この前の図書館やスーパーマーケット辺りから建物コレクションのシリーズもかなり隙間狙いみたいなラインナップになってきましたがこれもかなり珍しいアイテムと思います。
少なくともストラクチャーがTOMIXとGMしかなかった当時にはこんな物まで出るとは想像もできませんでした(笑)

サイズは図書館と同様かなりの大きさで既に出来上がった既存のレイアウトの隙間に後から組み込むのは少し難しそうです。
外観は最近のスーパー銭湯なんかによくありそうな感じで悪くはありません。
面白いのは1階の銭湯部分の目隠しになっているブラインド壁が別パーツで外せるようになっている点です。


ここを外すと大きな掃き出し窓がふたつ露出するのでそれなりに雰囲気を変える事が可能な構造です。
こうする事でペンションやロッジ、あるいは市民センター系の公共施設にそのまま転用できる外観と思います。
(あるいは最近増えている「道の駅」と言うのも面白いかもしれません)
背面の壁をスクラッチすれば「少し小洒落た第3セクター系の駅舎」にも出来そうです。
最近の建物コレクションの建物を見ているとこの種の「別の建物に転用できそうな」良い意味で無性格な物が多いのでユーザーの考えひとつで好きな設定の建物に出来そうなものが多いですね。
また、その辺りでユーザーの個性を出す事も出来そうです(もちろん改造の素材にも好適でしょう)
ただ、それを差し引いても最近のこの種のアイテムも価格高騰が著しいのが辛いですが。
2014年03月27日
「模型」と「オモチャ」で思うこと
今回は酔っ払いのたわごと的な考察で行きたいと思います。
鉄道模型の場合、他の模型以上に「模型」と「オモチャ」の違いが強調されるきらいがあるのは専門誌や入門書を読んでいたり、あるいはネットでの論争などを見ていても感じます。
(大概の場合は「鉄道模型はオモチャではない」という文脈で語られるなかで特定のフォーマットを貶したり持ち上げたりする際の方便に使われている事が殆どですが)
ですがこの問題について考えてみると「鉄道模型」そのものが他のジャンルのモデルと異なる特徴、すなわち特殊性とも密接にかかわっているのではないかと思えます。
今回のはなしはかなり独断と偏見の入り混じった内容ですが、いつもの「酔っ払いのたわごと」と思ってご勘弁をば。
(正直、酔っています汗)
まず、模型と玩具を分ける一線とは何でしょうか。これを考えてみたいと思います。
この定義は人によって色々あると思いますが、私なりにごく大雑把な分け方ですが、
「飾る事を主な目的としてその外観をプロトタイプに忠実になぞっているもの」を模型
「動かしたり触れる事によってプロセスを楽しむ物」をオモチャ
と分けるのも一つの考えではないかと思います。
この定義は大雑把に考える限りにおいては比較的妥当なものではないかと思います。
実際、ブリタニカ等の百科事典で「模型」を検索すると博物館の展示品等を中心に書かれている物が多く「趣味の対象としての模型」はあまり触れられていません。
さて他のジャンル、例えば車の場合だとディスプレイ主体のミニカーやプラモデルとRCカーやスロットレーシングなどの走らせて楽しむモデルが同じ土俵で語られるという事は殆どありませんし、或いは飛行機模型のソリッドモデルと飛ばすためのRCプレーン、飾るためのフィギュアと抱きしめて楽しむドールについても同様です。
そして、不思議な事に専門誌などを俯瞰しても鉄道模型の場合「ディスプレイ専用のモデル」がメインに来る事は殆どないのです。
いつの間にか世界に冠たるプラモデル大国となったらしい日本でも鉄道車両のディスプレイ用のプラモデルは常に傍流扱いである一方で、鉄道模型の場合はブラス製のこれでもかとばかりにディテーリングに凝った細密モデルでも「必ずモータとギアが装備されレールに電気さえ流せば走行が可能なもの」が殆どです。
まずこの点が鉄道模型の特殊性のひとつではないかと思えます。
走らせるうえでの機能を無視してまで外見の細密度や素材の優劣を語るのなら思い切ってモータもギアも付いていないディスプレイモデルだけをやっていれば良さそうなものですが不思議とそういう方向に行かないのです。
同じ論法でそこまで走りに拘るならば鉄道模型でなくともプラレールを走らせても良い訳ですが大勢は不思議とそっちの方へも行かない。
そこまで考えて思ったのですが、鉄道模型と言うジャンル自体が「模型」と「オモチャ」の折衷的な性格を元々持っている鵺、又は両生類的な存在であると言えるのではないでしょうか。
つまりは鉄道模型の場合は同じモデルが「模型」と「オモチャ」の性格を同時に持っているとも言えます。
その目で見た場合、いわゆる「ガニマタ問題」やNやZで最近語られる「車輪の厚さやフランジのでかさ」の問題などは「模型とオモチャ」の両方の特性を持つ鉄道模型ならではの問題と言う事が言えそうです。
(もっと古くから言うならOゲージの「3線の線路」もかなりの違和感があった筈ですし)
これは模型と玩具の両面を持つ鉄道模型の特性が無意識にファンの中で認識されているからではないかとも思えるのです。
ですが飛行機模型を趣味としている人でも飛ばして遊ぶRCプレーンをやっている人の家に細密な展示用ソリッドモデルがあっても別に不自然ではありませんし、飛ばす楽しみと飾る楽しみがゾーニングされつつも同居しながら趣味として成立している事が多い気がします。
その辺りの割り切りがはっきりしているのが他の模型の世界であり、鉄道模型でよく見られるファインスケール論争やガニマタ論争に類する論議などとは無縁な理由のひとつではないかと思います。
鉄道模型のファンで「走らせる為にプラレール、それとは別に飾るための50分の1の精密プラモデル」しかやっていないケースはあまり聞かないですが強いて言うなら「飾るためのHO(16番)、走らせる為のN」というのがそれに近い気もします。
それでもHO(16番)には決まってモータとギアが装備されているのですが。
ただ、ここで誤解しないでいただきたいのは「あいまいで鵺みたいな性格だから鉄道模型が他のジャンルより劣っている」訳では決してないという点です。
鉄道模型の場合、その性格のあいまいさゆえにファンやマニアの間で少なからぬ混乱と弊害が生じているのも確かですし、「鉄道模型はオモチャではない」という論旨と同じ位「鉄道模型なんか模型ではない」と言う論にも説得力がある遠因にもなっている気がします。後者の場合は「鉄道模型=幼稚」と切り捨てる傾向にそれが出ているとも言えます。
ですが私自身の場合、「模型にもオモチャにもなれる」そのあいまいさこそが鉄道模型の重要な魅力のひとつではないかと思っています。
もしもHO(16番)やNゲージのモデルが全て走る事の出来ない展示モデルの工作ばかりだったら私はこの趣味に入らなかったでしょうし、そのシステム性の高さに魅力を感じ驚嘆していてもプラレールをやろうとは思わなかったと思います。
プラレールよりも実物に近いプロポーションを持ち、そこそこのディテーリングの施された車両をプラレール並みにシステマティックな運転・走行システムで走らせる事ができる。
これは鉄道模型がオモチャでも模型でもない、鵺的な性格だからこそ可能なものだと思います。
と同時にオモチャをも模型をも超える可能性を当初から持っていたフォーマットであることの証左でもあります。
どんなに精密なRCカーであってもNや16番並みのディテーリングのものはありません。
あったとしても実際の走行の繰り返しに耐えられずすぐダメになってしまうでしょう。
逆に実物とみまごうほどの精密なソリッドモデルの飛行機であってもそれ自体を実際に空を飛ばす事は出来ません。
でも鉄道模型ならそれができる。
もっと言うならレイアウトひとつとってもその中に「玩具箱」の楽しさと「ジオラマ」のリアリティを並立させうる強みがありますし、その過程で単に鉄道に留まらない、より大きな世界の表現も可能な趣味でもあるとも言えます。
とはいえ、それを十分に楽しむには非常に高度なバランス感覚が必要なのも確かです。
オモチャにも模型にも淫する事のない感覚を保ち続けて初めて100%堪能できるのが鉄道模型であり、それが実現できる人にのみ「鉄道模型は大人(あるいは紳士)の趣味である」と言う資格があるのではないかと思います。
とはいえここまでの論旨自体は非常に穴だらけなものである事も事実です。
この点については今後もう少し突っ込んで考察してみたいと思います。
まあ、屁理屈ばかりのはなしではありましたがホームズマニアの中のシャーロキアンや初期の頃のガンダムファンがよくやる様な考証大会の変形とでも思って読んでいただければ幸いです(汗)
実を言いますと今回の考察もきっかけは「模型」と「オモチャ」の境界の曖昧さを痛感させるアイテムを最近購入した事も関連しています。
それについては次回辺りに。
2014年03月28日
旧製品のEF81 300をいじくって大惨事(大汗)
今回はジャンク車ネタです。
但し先日紹介した模型とオモチャの境界例とは別のものです。
予算の不足とここ最近のジャンク車の入線頻度の高さがこういうネタを増やしている気もしますね(汗)

今回はTOMIXのEF81 300番台。ステンレス仕様の旧製品です。
これもジャンク袋に入っていたおまけで確かKATOの京急800と一緒に入っていたと記憶しています(笑)
初期型と異なり窓ガラスが黒いプラスチックでなく(当時はそれほどでもなかったのですが今の目で見ると一番違和感を感じる部分でした)外見上はまあまあ見られるコンディションです。
パンタが両方とも欠落していますがそのおかげで実質3桁価格なのが取り柄でしょう。
さて、EF81の同形機はおなじTOMIXの新しいバージョンが既に入線していたので一時宙に浮いていましたが、これをローズピンクの常磐線仕様にすればいいかと思いレストアしました。
パンタは現行TOMIXのASSYを使いました。
取り付け方法が異なるもののパンタ自体の細密感は高いのでそれなりにグレードアップ感はあります。
ここからが失敗談(汗)
カラーですが当初は近似色として204系京葉線仕様のピンクを選びスプレーを買いました。

帰宅後さっそく塗装しようとして車体を台にセット、準備万端整えスプレーを向けた瞬間。
「水鉄砲みたいに塗料が一直線に噴射された」のに心底たまげました。
スプレーが長期在庫品だったらしく溶剤が蒸発していたらしいです。
お陰でせっかくの車体がべたべたです。

やむなく筆を引っ張り出して車体に掛かった所から引きのばす要領で塗り広げていきました。
それにしてもこれがローズピンク一色の81だったからまだよかった。
塗り分けが複雑な車体でこれが起こっていたら泣くに泣けません。

と言う訳で仕上がりは例によって大惨事です。
後はプレート等の色差しと一部手すりの別パーツ化位でしょうか。
動力に異常が無くとりあえずぶんぶん走れるのが殆ど唯一のとりえです。
2014年03月29日
KATOのDD16・増税前の駆け込み入線する(大汗)

前の頃からこのブログでは時事ネタはあまり扱わないのですが今回ばかりは財布に直結しているのでさわりの所だけは我慢してお付き合いください。
来月から消費税の増税というのでここ2,3日は日持ちのしそうなものが店頭からめっきり少なくなりました。もちろん高額商品なんかも駆け込み購入が随分増えているようです。
Nゲージのモデルもその「高額商品」に入るのかはわかりませんが、例えば予約で取り寄せた様なものの場合、4月1日以降に引き取りに行ったら消費税が8%になっていたなんて事も(実際はそうはならないとは思うのですが)有り得るわけです。
そんな訳で予約品の引き取りに出かけてきたのですが、まるでこのタイミングに合わせたかのような高額アイテム揃いで(汗)

そんな訳でKATOのDD16です。個人的にはDE10を寸詰まりにさせた様なイメージも結構ある機関車なのですが、コンパクトながら破綻のないプロポーションは魅力的です。
前にマイクロから出た時は予算不足で買えず、中古屋でもあまり出物が無かった機種でしたので今回のリリースは渡りに船といった感じでした。


最近のKATOのロコの例にもれず、精密度の高さと印象把握の良さには驚かされます。
特に機器室側(ボンネットの短い方)周りの細密感ときたら凄いとしか言いようがない位です。
昨年のDD13の時は走行性にやや繊細すぎる所があったのが気になったのですが今回のDD16に関しては全く安定した走りで危なげない所がありません。それどころかこのサイズ(恐らくDクラスの機関車としてはKATO最小でしょう)でこんなにスムーズなスローができる上に140Rのミニカーブも余裕でクリアする小回りの良さ。
小レイアウトの近代化(笑)には全く打ってつけのロコと言えます。
さて、このDD16ですが実はヘッドライトが点灯しません。
というのも、ラッセルヘッドの付いた304号機を選んだからで(ノーマル仕様は点灯するそうです)このラッセルヘッドについては次の機会に取り上げたいと思います。
2014年03月30日
DD16のラッセルヘッドのはなし
先日紹介した通り、KATOのDD16はラッセルヘッド付きを選んでしまいました。
この間の豪雪で除雪車の頼もしさ(とは言っても他県のはなしですが)を目の当たりにしている身にすればある意味タイムリーなリリースではあります。
よく考えてみればこの種の除雪車のモデルというのはTOMIXかマイクロの得意ジャンルでKATOから除雪車のリリースというのは私の記憶の限りではこれが初めてではないかと思います(違っていたらすみません)
やろうと思えばDE10用のラッセルヘッドだけ出してDE15風にしてしまうのが(TOMIXから出ているとはいえ)最も手っ取り早い気がしますがDD16というバリバリの新モデルと一緒に出した辺りに最近のKATOの本気を見る様な気もします。

造形はマイクロやTOMIXのそれに比べるとやや繊細な感じでリアルさの点ではこちらに軍配が上がりますが反面最近のKATOのモデルに共通な一種の華奢さも感じられます。この辺りはモデル化のポリシーとリリース時期の違いもあるのでしょうが、実車の正確な縮尺というのとは別なレベルでもう少し力強さ、頼もしさを感じさせる造形も必要なのかもしれません。


このラッセルヘッドで(わたし的に)感涙ものなのがヘッドライト&テールライト。
機関車のライトが点灯しない代わりにラッセルヘッドに点灯機構が付いている訳ですが4灯のヘッドライトの輝きには独特のすごみが感じられてなかなかいい印象です。
周囲の明るい店頭でのチェックでは見落としていましたが(汗)テールランプも「この小ささでよくも」と言うくらいにきちんと点灯します。但しものが小さいだけによく見ないとわからないレベルですが。
最後にある意味どうでも良い話ですが。
この種の除雪車は機構が大掛かりなだけにあまり小回りが利かないのが常ですが、このモデルの場合連結にかなり長柄のアーノルドカプラーが装備されているせいかフル装着の状態でも140Rのエンドレスを悠々クリアできます(笑)
直線では見た目に連結間の間が空き過ぎるのですが、棚幡線(標準カーブ140RのミニSLレイアウト)の上をすいすい走れる魅力には抗しきれません。