光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
こちらはメインブログのアーカイブとなります。

鉄コレのキヤE991

2020-02-29 05:02:58 | 車両・気動車
 鉄コレの埋蔵金車両のネタから
 今回は第28弾のJR東日本キヤE991をば。


 本機はJR東とJR総研の共同開発による2003年デビューのハイブリッド車。デザインは結構今風だと思っていましたが実はもう17年も前の車両という事になります(驚・・・というか歳をとると時間の経過が早く感じるという現実を再認識させられる事実ですね汗)
 ディーゼルエンジンを発電用のみに用い、発電した電気をバッテリーに蓄電、モータを回すという形式は言ってみれば「蓄電機能の付いた電気式ディーゼル機関車」みたいなものですか。いわゆる「シリーズ方式」とよばれるこの手法は最近では日産車なんかがハイブリッド乗用車で出しています。

 ステンレスの車体にアクセントラインをいくつも組み合わせた塗装(メイクアップ?)は「万博の未来車」みたいな雰囲気もあります。
 電車まつりの様なイベント向けに他のイベント車に混じって側線に並んでいるといった用途が似合いそうですね。
 その意味では特に動力化しなくてもよさそうな気もします。

 前と後ろではカラーの配色も異なりますし、これも結構個性的。

 実車の方は後に燃料電池車に改造され(これもメルセデスやBMWなんかが以下略w)クモヤE995と改称。扱いも気動車から電車にバージョンアップしました。こちらのモデルは28弾の「懸賞シークレット品」として出ているそうですが、入手にはかなりのくじ運が要求されるモデルなだけに私は入手どころか現物を見た事もありません。

 そのクモヤE995も昨年暮れに長野に廃車回送されたそうですが、わずか17年で「模型でしか見られない」車両の仲間入りとは儚さを感じさせられますね。

16番レンタルレイアウト(期間限定)に行って来る

2020-02-27 05:59:58 | 旅行・探訪・イベントなど
 先日の平日休を利用して、以前紹介した鉄道民宿の16番レンタルレイアウトを利用してきました。



 こちらのレイアウトはNがメインですがこの冬場は期間限定で16番のエンドレスを中心にしたレンタルレイアウトをやっています。
前回は車両を持ち込まなかったのでその敵討ちも兼ねて(笑)昨年来当鉄道で増備が著しいフリーの小型蒸気モデルなどを持ち込みました。


 編成が組めるほどのトレーラーを用意していなかったこともあって単機回送や単行運転が主となりましたが、それでも複線エンドレスを駆使して2機のすれ違い運転をシーナリィ付きの景色で運転できるというのはそれだけで結構な贅沢な所業といえます(笑)
 殊に、今回持ち込んだ自由形の小型蒸気たちの大半はおそらく畳の上か長押の上以外の線路を走ったことがないのではないかと思いますので、いわばシーナリィ付きの花道での運転という事になったのではないでしょうか。



 走行面でも、お座敷の不安定な線路に比べるとベース上に固定された線路の走行性は上々。これも自宅では十分味味わえないメリットです。

 御店主とモデル談義に浸りつつ単機回送の繰り返しでしたがそれだけで1時間があっという間に過ぎました。


 ただ、御店主の話だとこの16番レイアウト、思いの外利用者が少ないそうでせっかく泊まりがけで運転できるのにもったいない気もします。 どこの地域でも16番やHOを走らせたい潜在需要はあると思うので、もう少し知名度が上がれば或いは、とも思うのですが。


 ともあれ、趣味のひと時というのは時間の経つのが早いものです。

懐かしのバックマンのストラクチャーから「貨物駅」

2020-02-26 05:57:57 | ストラクチャー
 以前紹介した昔のバックマンのNゲージストラクチャーのラインナップから

 昔ナインスケールのカタログでバックマンの建物をチェックしていて一番困ったのが「和風のレイアウトに使えるものが少ない」事でした。
近代的なものならまだどうにかなりそうなのですが、どこから見てもアメリカ風にしか見えない建物はレイアウトに使うにはかなり躊躇させられるものがありました。



 中でもその最右翼だったのが「貨物駅」です。

 日本ではまず見ないであろう真っ赤な本屋。建物の造り自体がアメリカの田舎しか連想できなかったですし雑然とした雰囲気は何となく「西部劇みたいな荒くれの空気」すら感じさせるものですw


 今回実物を手に取ってみるのは初めてですが、意外とコンパクトにまとまっていてアクセサリを含めた密度はなかなかのものです。
バックマンのいいところは表だけでなく裏側の造形にも意を用いているところで、唐竹割りして色替えすれば表と裏を別の建物に見せかける事も可能です。
 今回の貨物駅ですが実は「ビルのロウレリーフの1階部分に組み込んで店舗テナントに使えないか」と考えています。

 最近では某ハンバーグ屋さんとか某中古屋さんとかで店頭を荒くれたイメージに造形しているw店舗がちらほらあるので案外こういう建物でも違和感を少なく組み込めるのではないかと思えるのです。勿論そのままだとまだ違和感はあるのですがアクセサリの差し替え、サッシの追加などで今時の街角に使えないかと考えています。

鉄道ミステリとNゲージ 「信濃平発13時42分」と戸狩スキー2号

2020-02-25 05:54:26 | 小説
 久しぶりの鉄道ミステリとNゲージネタ

 今回は徳間文庫の「トラベルミステリー⑤レールは囁く」所収の下条謙二作「信濃平発13時42分」から
 先ずざっくりと物語のアウトラインを紹介すると

 昭和50年の春、スキー客で賑わう長野駅の飯山線ホームに滑り込んだ「戸狩スキー2号」の車内で男性の刺殺体が発見される。
 
 被害者は信濃平の民宿で合宿中だった律教大学ミステリクラブのキャプテンであった事から、合宿に参加していた部員とOBに容疑が向けられた。
 部員に犯人がいないと信じている顧問の白井竜太郎教授は地元の探偵やクラブのマネージャーと共に事件の真相と犯人の解明に乗り出すのであった。



 内容は時刻表トリックの典型ですが、本作の特徴のひとつは「立教大学のミステリクラブの同人誌で基本的に部員のうちわ受けを狙って書かれた」と言う点にあります。
 ですので登場人物の殆どが実在の部員のもじりだそうですし、主人公の白井竜太郎は江戸川乱歩の子息の平井隆太郎氏(余談ですがそのご子息は「とれいん」のエリエイ代表取締役の平井憲太郎氏です)がモデル。

 そのせいか殺人事件を題材にしているにもかかわらず、独特のからりとした雰囲気と部員たちのやり取りの描写が生き生きしているのが印象的でした。

 肝心の鉄道ミステリの部分ですが本作でのトリックでは被害者が乗っていた「戸狩スキー2号」の特徴が最大限に利用されています。
 (フェアプレー精神といいますか、冒頭の列車が入線してくる描写自体がトリック解明の伏線になっています)

 先日再読した機会に改めて調べてみたのですが戸狩スキー2号(戸狩スキー号)は飯山線をかつて走っていた季節列車でして、長野駅手前の豊野で妙高スキー2号に連結され一気に上野を目指す冬の看板列車のひとつでした。
 この列車、ネットで写真を検索するとデフ付のC12が牽引する3両編成の旧客列車ばかりがヒットします。
 白一色の雪景色を貫くタンク機と旧客のカラーのコントラストはどの写真を見ても様になりますし、編成自体がこじんまりとしていてレイアウト向けの編成と言えます。

 尤も本作が書かれた頃は飯山線と言えどもSLは引退していますが、後継としてDD16が同じ編成を牽引していたようです。
 幸いと言いますかC12もDD16もKATOやマイクロが製品化していますし、スハ43系らしい客車も旧製品から容易にそろいますのでNゲージでこれを再現するのは比較的楽だと思います。

 但し写真の編成はこっそりオハ47が混じっていますが(汗)

 実はもう一つ本作で特徴なのが容疑者とされた部員全員が稀代のミステリ古本マニアであり、キャプテン殺害の動機も彼が所蔵している数千冊のミステリ稀覯書だったという事。
 それゆえに10人以上いる部員やOBの全員が御同様のコレクターであったため動機の点で容疑濃厚という奇抜な設定となっています(笑)

 自らのコレクションの自慢とマウンティングに満ちた部員同士のやり取りは本作の中でも特に生き生きとしているところでして、私個人的にはここが一番好きな部分だったりします。
 ですが「容疑者全員が古本のためには盗みはおろか殺人すら厭わない」と言う設定はマニアの自虐性として笑い飛ばすのが正しい読み方と思います。

 尤も、この辺りは先日から考えているコレクターと工作ファンの違いについての示唆とヒントを与えてくれていますが(笑)

GMのバス営業所キットで思いついたこと

2020-02-23 05:41:03 | ストラクチャー
 今回はかつて作ったストラクチャーキットに絡む因縁話みたいなネタです。

 この趣味を再開して間もない頃、いつか使うつもりで買い入れたGMのバス営業所のキット。

 モデルとしては素組みで特に目新しいこともないのですが、看板だけはオリジナルにこだわりました。
 昭和50年代始め頃まで建物が存在していた盛岡の「東日本急行」というバス会社。実はある写真集でその建物を見た折、妙に懐かしい感じがしていたので、形は違っていても雰囲気くらいは近づけたいという思いから看板を差し替えたものです。

 その時はそれですみましたし、のちのレイアウト製作でその営業所が使われることもなく10年くらい記憶の隅に追いやられていました。

 その建物がわたしの中で再び注目されたのはつい先日の事です。
 たまたま故郷にかつて存在していた映画館(もちろん今はありません)について調べていた折、上記の東日本急行バスの建物の位置に昭和40年代のはじめ頃まで映画館があったという事を知ったのです。

(地方公論社刊 伊山治男著「この角を曲がれば」34Pより画像引用)
 改めて写真を見返して見ると建物の古ぼけ具合から見て映画館を取り壊してバス営業所を建てた様には見えない。

 つまりこのバス営業所は「映画館の建物を改修してバス車庫に転用した」と見るのが正しい様です。その目で見ると単なるバス営業所としては屋根が異様なほど高いのです。おそらくこのプロポーションがなんとなくGMのバス営業所キットに近かったので看板を差し替える気になったのではなかったかと思いつきました。

 ところでそのGMのバス営業所ですがこれまた後に出たジオコレやジオタウンのバス営業所に比べて異様に大きい。当のGM自身エコノミーキットと称するストラクチャーキットのセットを出した折におまけとしてこれよりふた周りは小さいバス営業所のペーパーキットを付けていたくらいですから、このキットの異様な大きさを認識していた節があります。


更に予告のみで発売に至らなかったストラクチャーキットの中に「映画館」というのがありまして、試作品の写真を見る限りバス営業所の屋根部分を転用している様です。

(クラッセ刊 鈴木文彦著「岩手のバスいまむかし」30Pより画像引用)
 恐らくですが「かつての映画館の建物がバス営業所に転用された」というケースは他にも結構あったのでしょう。GMの企画者がこの実例を踏まえて「映画館に転用できるバス営業所」を考えていたのではないでしょうか。
(実物とは逆のパターンですが)

 実はこの考察を生んだ「昔の映画館」の資料集めですが、建物の個性とか立地の特異性とか(昭和30年代の映画黄金期には「まさかこんな所に!」という様な場所にまで映画館があったという記録があります)なかなか興味深いものがありました。
 ただ、この形状と側板の鉄扉の多さからすると映画館よりも「映画の撮影所」の方がぴったりくる気もします。或いはこれまたGMカタログの予告で終わった「空港の格納庫」なんかも。

 レイアウトの中に「映画館通り」を作った事のある身からすれば「この世界もなかなか奥が深い」と思えます。

鉄コレの埋蔵金編成から 東武10000系

2020-02-22 05:38:54 | 車両・私鉄/民鉄

 鉄コレ埋蔵金編成から今回は第29弾の東武10000系から

 最近の首都圏の私鉄は車体の規格化が進んでいるのか、一部を除いてどの会社の奴も同じように見えてしまうのですが東武の10000系も(わたしが馴染みがあるからなのか)京王の7000系みたいに見えてしまって困ります(汗)

 実車はそれまでの主力だった8000系の後継として製造され、現在では伊勢崎線辺りで活躍中(但し製品化されたのは東上線に居た頃の更新前の仕様だそうです)ですが今回のモデルは2連なので基本的に8連とか4連とかの増結用で使うのが本来の姿のようです。
 たまに2連×3の6連と言うのも存在している様ですが、いずれにしても基本編成となるもっと長い編成が無いと実物どおりの編成が組みにくいという性格の編成です。
 そもそも鉄コレで10000系の4連とか6連が出ているのかと言う問題もありますが(GMからは出ている様ですが)

 つまり2連を単独で使うとなるとそれなりに割り切りが必要という事になりますか。或いは私がよくやる様に東武主体のレイアウトで「側線の飾り物」として使うのが案外自然な使い方かもしれません。
 モデル自体は最近の鉄コレらしくそつなく纏まっている印象ではあります。


秋葉の戦利品から「LITTLE PEOPLE IN THE CITY」

2020-02-20 05:37:15 | 書籍
 先日の上京の折に某中古鉄道模型店で見つけた古本から。
 物は洋書の写真集なのですが、わたし的になかなか面白かったので紹介させて頂きますw。

 「LITTLE PEOPLE IN THE CITY」
 直訳すると「街中の小さな人々」とでも言いましょうか。

 (恐らく)1/87スケールの鉄道模型用フィギュアを使って「1/1の世界に紛れ込んだ1/87の人々」のミニシーンを写真集にしたものです。
 こう書くと単なる模型の写真集の様ですが、通しで読むと一般の読者が読んでも思わずニヤリとするシチュエーションが並んでいてなかなか楽しめました。

 幾つか例を挙げるとカタツムリの殻に落書きする不良、道端の1/1の犬のフンの周りに立入禁止の囲いを引き回すパトカーと警官、路上の水たまりの中でプカプカ浮いている水着姿の子供などなど。
 現実の事物とフィギュアのミニチュアの世界との出会いをこんな風にカリカチュアして見せた写真集というのは結構魅力的ではあります。
 どうかするとこういうのをレイアウトとかインテリアなんかで試してみたくなりました。

 (なお、一部に残酷描写や18禁カットもあるので誰にでもお勧めというわけにいかないのですがw)

 これらのミニシーンは彼の地で鉄道模型用として普通に市販されているであろう、例えばプライザーあたりの市販フィギュアではないかと思われます。
  実際この手の人形メーカーのカタログを見ると「まさかこんなのまで!」と驚かされるくらい様々な人物、職種やポージングの人形が製品化されていてこんな写真集が成立するくらいのボリュームを持っていることに驚かされます。

この写真集には鉄道の登場するカットは全くありません。にもかかわらずこれだけ豊かなミニシーンが作れる、撮り手であるカメラマンのセンスとセレクトでこれだけの物が出来てしまうのですから欧米のジオラマ文化の層の厚さを感じずにはいられません。

 (これは同時にレイアウトを中心とした鉄道模型の普及ぶりも関係はしていると思いますが)

さて、そんな訳で本書に興味を持ったのでネットで感想などを検索してみたのですが、その中で「ミニシーンを通して文明批判をl試みている」といった性質の評論に当たったのには上記のような無邪気な感想を書いた身としては少し困りましたが(汗)

「読むテツドウモケイ」のはなし その3

2020-02-19 17:33:07 | 思いつくままに・考察
 読む鉄道模型のはなしその3です。

 前々回、いまの鉄道模型の入門書についてケーキのレシピ本を例にして「手を使わない読むだけ」の使われ方への疑問を書きました。
 その時は「ケーキつくりのレシピ本」という例えを使いましたが、ケーキを楽しむにはもうひとつ「有名店のパティスリーのケーキを食べ歩く本」とか「世界の高級ケーキを俯瞰する本」と言うジャンルもまたあります。
 
 これを鉄道模型に当てはめるなら「完成品のコレクション」がそれに相当しましょうか。
 最近では入門書でもコレクターへのガイド的な性格の入門書がちらほら登場しています(特にイカロス出版系)

 恐らくこの方向が登場したのは70年代中頃からの「とれいん」のアメリカ型モデルの連載辺りからでしょうか。
DSCN6754b.jpg
 従来の専門誌がコレクターを取り上げるのは前に書いたように(それらが元々「工作誌」「作品展覧会誌」としてスタートしていることから)ほとんどなかった事です。

 この点では一般誌の「アサヒグラフ」「サライ」「ラピタ」などの方がコレクター紹介の比率が比較的高かったように思います。
 まあ「コレクター=強欲の権化」「拝金主義の相場師」というイメージが古くからの工作派や運転派に根強いのも確かなのですが、いずれにしろこれまで専門書の中ではコレクターは日陰の存在だったとは言えます。

 ですが現実のネットオークションなんかで中古モデルやキットメイク品が玉石混交とはいえ非常に活発に取引され「まんだらけのオークションカタログで鉄道模型の特集が組まれる」ようなご時世。
 恐らくネット上で同好のコレクター同士の横の繋がりも増えてきているのではないでしょうか。
 それを思うとそろそろコレクターだけを対象とした専門誌というのもあっていいのかなとは思っています。

  ただ個人的な希望を言うなら、もしそんなのが出てきたとしても闇雲なレア物の紹介に終始し「モデルの相場の吊り上げのお手伝い」として機能されても面白くないです。
 そこで紹介されるべきは「個々のコレクターが各自持っているポリシー」だと思います。

 本来ホビーというのは大なり小なりクリエイティブな物です。ホビーを通して実生活とは異質の視野、見識を広げることがホビーの重要な存在意義と思います。

(実際、そうでなければ「時間を使い、カネを払ってまでして苦労を買うような真似はできない」ですし)
 コレクターの場合、工作派の様に作品を通して語る事はできませんが、集め方のポリシーなら語ることができるし有用だと思うのです。
 その過程で工作派と共通する見識が得られるなら少なくとも今ほどの対立は減るのではないかと言う気もしています。
勿論個人レベルならネットやSNSでもそういう事はできるのですが、ここは「きちんとしたエリミネートを行い上質な上澄みをまとめた書籍」という媒体が向いていると思えますし。

 まあ、この辺は単なる愚痴と言うか希望ですが。

モジュール改修計画2020 その1

2020-02-18 05:29:07 | モジュール・2

 先日メインレイアウトの差し替えで「鉄道の街」モジュールと交代したモジュール。
 これは今から10年ほど前に2番目のモジュールとして製作したものです。

 真ん中に川を通し、更に当時出たばかりだったミニカーブレール140Rを使ったサブエンドレスを組み込み単体のレイアウトとしても使える(それでいて風景はあくまで普通)事を目指したモジュールです。

 サブエンドレスは運転会でモジュールに変化をつける意味で結構重宝したもので、鉄コレならば20M級2連くらいまではどうにか違和感なく走らせる事ができました。

 尤も運転会の方はここ5年くらいご無沙汰しているモジュールでもありますが。
(実は鉄博風モジュールも完成直後から5年くらい寝かせていますw)


 奥行き600のモジュールで鉄道、道路、併用橋で都合5本も橋が掛かっているのが特徴と言えばいえます。

 さて、今年のグランシップではこのモジュールを持ち込む予定ですが持ち込む以上はなんらかの改修またはモディファイをやるつもりでいます。
 差し当たり10年間でくたびれている部分を清掃し、主に植生や川面の表現に手を加えようかと考えています。
 また、この10年間でLED工作の普及に伴い照明類が組み込みやすくなっていますから、場合によっては照明も追加してみようかとも。

 何れにしても例年よりも取りかかりが遅いので、短期間で効果の上がるモディファイができればと思います。

鉄コレの201系H4編成を走らせる

2020-02-16 05:04:20 | クレイドルレイアウト

昨日(2月3日)はたまたま上京の折に「中央線架線支障に伴う運休と遅延」の影響をもろに受けまして、駅の人混みの中ぽつねんと突っ立っている1時間を過ごさせて頂きました(疲)

ここ最近中央線はいつにもまして支障が多く雪が降れば倒木、風が吹けば家の足場が線路に崩れ落ちると何かとご難続きな気がします。

そんな疲れ切った状態で帰宅していれば当分中央線の電車なんか見たくないなんて気分になりそうなものですが、何故かこの正月入線の鉄コレ201系「H4編成の10連」を動力化させている私がいたりします。

1両単位の車両の増備で余りが出ていた車輪とカプラー、パンタグラフも余り物でしたので、追加したのは足りない分の車輪セットと動力位です。6連と4連の連結部に当たる先頭車のスカートを外してカプラーを付ける位が他の編成と違うところですか。
1両1両はイージーにN化できると言っても物が10連なので意外に時間を食いました。帰宅後の疲れた状態でよくもまあこんな真似ができたものだと思います(汗)

これまで「長編成を走らせるとターミナル駅舎のところで視覚的に途切れを出してしまっていた」うちのレイアウト(線路の露出部が短くて列車が動いていないと長さを実感できない)の弱点でした。
今回の入れ替えで駅モジュールを端に寄せたので、10連くらいならどうにか端まで納まる程度の差し渡しの直線区間が露出したのですが、今回の編成は正にそのメリットが生かせる運転ができます。
ただ走っているのを眺めるだけでもそのメリットは堪能できました。やはり編成の端から端まで・・・とまでは行かなくても10連中の8両くらいまででも眺められるメリットは大きいですね。

これで適度に列車が身をくねらせられるくらいの緩曲線でもあれば完璧ですが、規格化されたモジュールを使っている故にそれがなかなかできないのが惜しいと言えば言えますが、前に比べるとこれでもずっと良くなっています。

鉄コレの103系3000番代 川越線クモハ102

2020-02-15 05:02:12 | 車輌・電車
 先日リリースされたJR東日本NewDaysの鉄コレから。
 今回引き当てたモデルの中にいつもと少し印象の違う山手線色の先頭車がありました。

 見た目は普通のクハ103みたいに見えるのですが、屋根上が妙に重厚に見えるのです。
 不勉強にしてこんな仕様の電車がある事を知らなかったのですがモデル名は「103系3000番代 川越線」仕様。
 しかもこの仕様の鉄コレの編成は既に製品化されていた様です。

 モデルは名称こそ103系を名乗っていますが、元々は川越線を走っていた72系の970番台。
 これを103系に準じた車体に更新し、後に足回りまで103系の物に交換して103系の仲間になったという複雑な経緯を持った車両らしいです。
 今回のモデルのプロトタイプは平成の初め頃に冷房化改装を行った時の物との事。
 
 前後に二基のクーラーユニットを搭載しただけなのに私の記憶にある103系とまるで違う印象になっている所が面白いモデルです。
 そんな訳で今回のラインナップの中では最も私の琴線を刺激するモデルではあるのですが惜しい事に今回のは先頭車(クモハ102)のみ。
 買ったはいいですがいきなり埋蔵金車両の仲間入りとなりそうです。
 尤もこの佇まいそのものは好い印象なので側線の飾り物としては結構使えそうです。

 なおモデル自体は車番に至るまで過去のリリース物と同じ様ですが、ことによると行先幕くらいは代えているかもしれません。

「読むテツドウモケイ」のはなし・2

2020-02-13 05:58:06 | 思いつくままに・考察
 先日の「読む鉄道模型のはなし」の続きです。
 今回は前回とは違ったベクトルから書いてみようと思います。

 前回紹介した水野良太郎氏の本が出たのは今から40年以上前と言うのは既に書きましたが、実はこの時点でも鉄道模型の専門書はTMS以降の物だけとっても既に30年の歴史を持っていました。
 今だと更に40年分は上乗せされましたから(変なたとえですが)「TMS創刊時に生まれた赤ちゃんが今は後期高齢者目前の年齢」と言うほどの歴史を刻んできたことになります。
 その70年間にはOゲージから16番ゲージ、そしてNゲージへと言う主役交代劇が何度かありましたし、3線交流式から2線直流式へ、ハンドメイドの金属模型からプラ量産模型へ更にはレーザーカッターや3Dプリンタの登場による「同人誌的な少量多品種のマニアック路線キットへと言った変遷もありました。
 ここ30年位の大きな変化はNゲージの普及が引き金となった(と私が勝手に思っている)「工作派とは異質なコレクター派の増加」とネットの普及に伴う「ファンの個人レベルでの情報・意見の発信の発言力の増大」と言うのがあると思います。

 そうした変化、変遷が激しいだけに専門誌や書籍の内容もそれらを反映して時には緩やかに、時には急激に変わってきたと。
 (もちろん量的な面でもこの間にかなりの書籍がリリースされてきてもいますが)
 そうした時代の変化を90年代半ばに「作るコレクターの目線」で俯瞰して見せた「鉄道模型考古学」が登場したのは、そのタイミングと言い一つのターニングポイントとなったと思います。
 それは「作る」とも「集める」とも違う「個々の製品を通して歴史を俯瞰する」と言う視点から鉄道模型を語り得る最初の本の登場とも言えるものでした。
 そしてそれは同時に「読むだけの鉄道模型」がただ読み飛ばすだけに留まらない「テツドウモケイを歴史研究の対象として楽しむ(笑)」と言う第3の方向性を持ちえるようになった瞬間でもあったと思います。

 私自身、趣味の中断時期にこの「考古学」に出会った意味は大きかったと思います。当時は模型に触れても居ない時期だったにも拘らず本書を読む事で「昔の模型を思いだし、思い出と照らし合わせて考察する」と言う楽しみ方に目覚めたのですから。

 実際、モケイ自体に殆ど触っていなかった時期なのにこの本だけはそれこそボロボロになるまで読んだ記憶があります。

 前述の様に鉄道模型の本は既にそれ自体が70年以上の歴史を持つジャンルになりました。
 昔よりも古本屋新刊書の入手が容易になりましたし「鉄道模型本それ自体を集めて楽しむ、研究する」と言う方向性も大いにありだなと言える環境になってきたと思います。
 しかも今はネットでそうした研究成果を発信し、かつそれらを同好の士同士で共有する事も可能ですし感想や考察などもダイレクトに得られますから凄い時代になったと思います。

 ここに来てようやく「読む鉄道模型」の意義のひとつが認識されやすくなってきたと言うのは言えるのではないでしょうか。

甲府モデルの「リニアモーターカー」のキット

2020-02-12 05:51:41 | 車輌・電車
 先日の甲府モデルの記事で紹介していたリニアモーターカー、ML100とMLU002のキット。
 かねて私も欲しかったキットだったのですが念願かなってようやく入手に成功しました。

 この種の車両はディスプレイはもちろんですが作る側にも一種遊び心が要求されると思います。少なくともSLブームやブルトレブームの時だったらスケールモデルで出たとしても積極的に手を出す鉄道模型ファンは殆どいなかったのではないでしょうか。

 このモデル、聞くところでは2度のイベント限定発売でそのどちらも早々に売り切れになったとの由。
 こういうモデルが出せるほどにNゲージの市場も成熟してきたともいえます(笑

 3Dプリンタによる一体整形ボディでMLU002は塗装のみで組み立てすら不要。
 その塗装ですが、車体の中に塗装用の帯治具がついており、これを取り出して使用します。ラインの塗り分けが意外に細かいMLU002の場合この配慮は有り難いですね。

 またML100の方も上下二分割の車体を接着するのみでモールドに合わせて塗装する形です。


 このキットはキット形式とはいえ塗装の仕上がりが肝と言えるモデル。両モデルとも、むしろ付属の展示用軌道の方が工作らしい工作が楽しめると思います(笑)
 なお、両方共既存の動力ユニット(前者は鉄コレのTMー06、後者は津川洋行のTUー9A)が組み込み可能でやろうと思えばNの線路を走行できます。こういう遊び心も運転派にはありがたい部分ですね。
私もできればグランシップまでにはどうにか形にしたいと思います。

「読むテツドウモケイ」のはなし

2020-02-11 05:47:43 | 思いつくままに・考察
 大昔、水野良太郎氏が著書の中で昭和50年代当時の鉄道模型の入門書や専門誌を紹介した折に「専門誌を読むだけのファンも増えてほしい。そしてよく読み込んでほしい」という一節を書いたことがあります。

 学生の折、これを初読した時実は「これはかなり無理な論旨ではないか」と思ったのを思い出しました。この本が上梓された時(昭和52年頃)は専門誌と言ってもTMSのほかは「とれいん」が創刊されて日が浅い時期でしたし専門書といってもその大半がTMSの別冊という状況でしたから。
 (あとは「模型とラジオ」「子供の科学」などの総合工作誌の1コーナーくらい)


 ですが私の場合で言うならその後、20年の趣味の中断期間の間TMSだけは購読を続けていた事は趣味の再開後に大きな糧になっていたのは間違いありません。

 その中断期間に「RM MODELS」と「N」が創刊され専門誌が4誌体制になりましたし、そのそれぞれが別冊という形で纏った作例集やレシピ本をコンスタントにリリース。それとは別にムックなどで鉄道模型を扱う物も出てきました。

 少なくとも水野氏が願っていた当時よりは鉄道模型の専門書は増えましたし地方でも入手が比較的容易になったのは確かです。恐らく、ですがこうした専門誌を読むだけの鉄道模型ファン(「読む模型鉄」とでも名付けましょうか?)もそれに伴い一定の数はいるのでないでしょうか。


 「読むだけ」というのは極端にしても例えば「手持ちの車両が1両、レールが一本しかない状況でも専門誌を肴にイマジネーションを膨らませる」という楽しみ方もあるはずですし、丸々10年以上「基本セットから進んでいないファンでも専門書を参考にプランだけは成長している」というのもあるかもしれません。

 これは鉄道模型だけではなく他のホビー系でも言えると思いますが、殊鉄道模型の場合は車両工作では工具の拡充と技量の問題が、レイアウト派についてはスペースの問題がかなりハードルを上げているのは確かです。事実車両工作派の凄腕さんのワークショップは下手な町工場顔負けの設備を有しているのも結構ありますし、6畳どころか12畳間を占領しているレイアウトなんてのも専門誌ではざらに見る話です。
 お金や手間(そしてお金w)をある程度掛け、それ以上に時間をかけて「鉄道模型を好きで居続ける」熱意(と妄想力)がないとここまでのレベルには達せられないとは思うのですが、そうした情熱を維持し続ける要素として定期的に誰かの作例を見る、読むというのは結構有効に働いくのではないかと思います。


 今だったら同じ事はネットでもお手軽にできますし。


 ただ、問題なのは「読むだけ、見るだけ」で終わってしまうことが果たして良いことなのかと言う疑問ですが。
車両にしろレイアウトにしろ鉄道模型誌はその大半が「自分で作るための工作誌」と言う側面を持っていますし入門書も大半はそうです。
それらを目にして「自分も作ってみようかな、やってみようかな」と思わせられればそれは著者や出版社にしても本望と言えるでしょう。


 例えて言うならケーキのレシピ本のような物で「読むだけ、見るだけで終わってしまう」というのは結構虚しい感じがする気がします。たとえ失敗しても不味くいっても「実行してみることそれ自体に価値がある」訳で「仕事や家事ではない、道楽としてのホビー」にはこれが大事なことと思います。
 あるいは「自分の範囲だったらここまでだったらできる」という見極めをつけることにもつながるでしょう。


 できる事ならこうした本を読んで幾分かでも実際に手を使ってもらえるならと思います。

 上で紹介した水野良太郎氏の本が出たのは今から40年以上前と言うのは既に書きましたが、実はこの時点でも鉄道模型の専門書はTMS以降の物だけとっても既に30年の歴史を持っていました。
 今だと更に40年分は上乗せされましたから(変なたとえですが)「TMS創刊時に生まれた赤ちゃんが今は後期高齢者目前の年齢」と言うほどの歴史を刻んできたことになります。
 その70年間にはOゲージから16番ゲージ、そしてNゲージへと言う主役交代劇が何度かありましたし、3線交流式から2線直流式へ、ハンドメイドの金属模型からプラ量産模型へ更にはレーザーカッターや3Dプリンタの登場による「同人誌的な少量多品種のマニアック路線キットへと言った変遷もありました。
 ここ30年位の大きな変化はNゲージの普及が引き金となった(と私が勝手に思っている)「工作派とは異質なコレクター派の増加」とネットの普及に伴う「ファンの個人レベルでの情報・意見の発信の発言力の増大」と言うのがあると思います。

 そうした変化、変遷が激しいだけに専門誌や書籍の内容もそれらを反映して時には緩やかに、時には急激に変わってきたと。
 (もちろん量的な面でもこの間にかなりの書籍がリリースされてきてもいますが)
 そうした時代の変化を90年代半ばに「作るコレクターの目線」で俯瞰して見せた「鉄道模型考古学」が登場したのは、そのタイミングと言い一つのターニングポイントとなったと思います。
 それは「作る」とも「集める」とも違う「個々の製品を通して歴史を俯瞰する」と言う視点から鉄道模型を語り得る最初の本の登場とも言えるものでした。
 そしてそれは同時に「読むだけの鉄道模型」がただ読み飛ばすだけに留まらない「テツドウモケイを歴史研究の対象として楽しむ(笑)」と言う第3の方向性を持ちえるようになった瞬間でもあったと思います。

 私自身、趣味の中断時期にこの「考古学」に出会った意味は大きかったと思います。当時は模型に触れても居ない時期だったにも拘らず本書を読む事で「昔の模型を思いだし、思い出と照らし合わせて考察する」と言う楽しみ方に目覚めたのですから。

 実際、モケイ自体に殆ど触っていなかった時期なのにこの本だけはそれこそボロボロになるまで読んだ記憶があります。

 前述の様に鉄道模型の本は既にそれ自体が70年以上の歴史を持つジャンルになりました。
 昔よりも古本屋新刊書の入手が容易になりましたし「鉄道模型本それ自体を集めて楽しむ、研究する」と言う方向性も大いにありだなと言える環境になってきたと思います。
 しかも今はネットでそうした研究成果を発信し、かつそれらを同好の士同士で共有する事も可能ですし感想や考察などもダイレクトに得られますから凄い時代になったと思います。

 ここに来てようやく「読む鉄道模型」の意義のひとつが認識されやすくなってきたと言うのは言えるのではないでしょうか。

 上の項で今の鉄道模型の入門書について、ケーキのレシピ本を例にして「手を使わない読むだけ」の使われ方への疑問を書きました。
 その時は「ケーキつくりのレシピ本」という例えを使いましたが、ケーキを楽しむにはもうひとつ「有名店のパティスリーのケーキを食べ歩く本」とか「世界の高級ケーキを俯瞰する本」と言うジャンルもまたあります。
 
 これを鉄道模型に当てはめるなら「完成品のコレクション」がそれに相当しましょうか。
 最近では入門書でもコレクターへのガイド的な性格の入門書がちらほら登場しています(特にイカロス出版系)

 恐らくこの方向が登場したのは70年代中頃からの「とれいん」のアメリカ型モデルの連載辺りからでしょうか。

 従来の専門誌がコレクターを取り上げるのは前に書いたように(それらが元々「工作誌」「作品展覧会誌」としてスタートしていることから)ほとんどなかった事です。

 この点では一般誌の「アサヒグラフ」「サライ」「ラピタ」などの方がコレクター紹介の比率が比較的高かったように思います。
 まあ「コレクター=強欲の権化」「拝金主義の相場師」というイメージが古くからの工作派や運転派に根強いのも確かなのですが、いずれにしろこれまで専門書の中ではコレクターは日陰の存在だったとは言えます。

 ですが現実のネットオークションなんかで中古モデルやキットメイク品が玉石混交とはいえ非常に活発に取引され「まんだらけのオークションカタログで鉄道模型の特集が組まれる」ようなご時世。
 恐らくネット上で同好のコレクター同士の横の繋がりも増えてきているのではないでしょうか。
 それを思うとそろそろコレクターだけを対象とした専門誌というのもあっていいのかなとは思っています。

  ただ個人的な希望を言うなら、もしそんなのが出てきたとしても闇雲なレア物の紹介に終始し「モデルの相場の吊り上げのお手伝い」として機能されても面白くないです。
 そこで紹介されるべきは「個々のコレクターが各自持っているポリシー」だと思います。

 本来ホビーというのは大なり小なりクリエイティブな物です。ホビーを通して実生活とは異質の視野、見識を広げることがホビーの重要な存在意義と思います。

(実際、そうでなければ「時間を使い、カネを払ってまでして苦労を買うような真似はできない」ですし)
 コレクターの場合、工作派の様に作品を通して語る事はできませんが、集め方のポリシーなら語ることができるし有用だと思うのです。
 その過程で工作派と共通する見識が得られるなら少なくとも今ほどの対立は減るのではないかと言う気もしています。
勿論個人レベルならネットやSNSでもそういう事はできるのですが、ここは「きちんとしたエリミネートを行い上質な上澄みをまとめた書籍」という媒体が向いていると思えますし。

 まあ、この辺は単なる愚痴と言うか希望ですが。

趣味の原点を振り返る・バックマンのストラクチャーのはなし

2020-02-09 05:46:22 | 趣味の原点をふり返る
 今回はちょっとした思い出ばなしから
 ですがこのネタを懐かしむ人と言うと少なくとも40代後半以上の年代の方ではないでしょうか(汗)

 1970年代前半のNゲージのレイアウトというと一部のフルスクラッチを除けば建物類は外国製のキットか完成品を使うというのが一番イージーで手っ取り早いやり方でした。

 その中でもファーラーやフォルマーなどの欧州系とヘルヤン辺りのアメリカ系とがあったのですが、その中から日本風にも使えそうなものをセレクトして使っていた方も多かったのではないかと思います。
 中でも購入しやすさでいえばバックマンの完成品ストラクチャーがダントツでした。

 TOMIX以前のトミーナインスケールは香港製造の貨車や機関車類が有名ですがバックマンのレイアウト用品やアメリカ風ストラクチャーも積極的に取り入れていました。駅関係だけでなく、一般の住宅が複数ラインナップされガソリンスタンドや消防署までモデル化されていました。
 主なラインナップは当時のトミーナインスケールのカタログに掲載されていましたがフルに揃えれば街ひとつ分はゆうに賄えるくらいの種類が出ていました。その中の一部は後のTOMIXに引き継がれたものもあります。

 このシリーズは70年代の当時は模型店ばかりか一部のデパートでも扱いがありましたが、デパートのおもちゃ売り場ではなく切手やコインなどの趣味のコーナー(そういえばコレクション用の切手なんかもデパートで売っていたなあ)に並んでいた記憶があります。
 この辺り、鉄道模型が大人のホビーとして売り込もうとしていた意図は感じられました。
 何より岩手のような田舎ですらバックマンを扱うデパートが複数あったのですから今思えばすごい話です。

 塗装済みの完成品で400円~700円前後で当時としても安価なものでしたが、なんといっても和風のレイアウトに使うには躊躇させられるものが多く、当時の私も「近代住宅」と「新車ショールーム」しか買えなかったものです。
 それらは今でもレイアウト上で他の日本風建造物に混じって現役です。

 ですが最近、それとは別にバックマン物の建物類をいくつか手に取る機会がありました。なので折に触れてそれらの中から紹介できるものもあると思います。