光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
こちらはメインブログのアーカイブとなります。

大レイアウトに思うこと番外編・レンタルレイアウトに思うこと

2017-11-29 05:17:18 | 思いつくままに・考察
 先日来、現住地周辺でにわかにレンタルレイアウトの動きが活発になっている感があります。
 その中のいくつかは実際に私もお邪魔しているのですが、

 この間紹介した行きつけのショップのレイアウトは規模も去る事ながら車で行きやすい地の利の良さ、それ以上にレイアウトの製作、運営をされているご店主のきめ細やかな心配りも相まってかなり遠方からのお客様も多いと聞きます。
 実際先日訪問した時は県外のグループが貸切で使っていましたし。

 興味深い対応として、最近(と言うかかなり以前から)年少者を中心に暴走まがいのハイスピード運転をする客が多い事を見越して「そのためのレイアウトを別に用意した」というのがあります。
 とはいえそのレイアウトも風景造りに気を配った本格的な物で、暴走ユーザー向けをまるで感じさせません。
 実際ここで運転していた方は十分スケールスピードを守っていましたし(いや、そもそもここでそういう運転をしている客を見た事が無いのですが、これは単に私が見ていないだけの話なのでしょう)

 ですが本質的には「形式ではなく実質のニーズに併せてレイアウトを作り分けている」訳で面白い試みです(但し、それゆえにどちらも手抜きができないという意味で製作者は大変と思いますが)
 おそらく、クラブの運転会で子供の運転用のレイアウトを用意して好評だったところからの着想ではないかと思います。

 そういえば首都圏とか故郷の模型屋にある様なレンタルレイアウトはいくつか見ているのですがここほど開放的な雰囲気を感じるものは案外なかった様な気がします。これは周囲が模型店としては風光明媚な環境にある事も無縁ではないのかもしれません。
 案外この辺りにこれからのレンタルレイアウトを考える上でのヒントがある様な気がします。

KATOの丸の内線300形

2017-11-28 05:15:34 | 車両・私鉄/民鉄
この間のRM MODELSのキットの話をきっかけに妙に丸ノ内線づいている当鉄道ですが、またまた丸ノ内線のモデルが入線しました。

こちらはKATOの完成品ですが基本的にディスプレイモデル扱いと言うやや変わり種。
松屋の鉄道模型ショウ2012でリリースされていたという300形です。


造形に関しては最近のKATO製品らしいそつの無い物で見ている分にはほとんど不満はありません。
ですが、これとGM-RM MODELS仕様のキットを混結させられるかと言うと落差もかなり感じられるのも確かです(笑)

特に側面帯のサインカーブの部分が凸で表現されているのは完成品ならでは(キットの方はここはステッカー印刷なので段差が付かないのです)
Hゴムも窓ガラスと一体に成形されており段差は殆ど付きません。
強いて言えば300形の特徴ともいえる独特の屋根周りとルーバーの表現がGMよりもややあっさり目なのが少し物足りなく感じる位でしょうか。

まあ、キットの方もこれと同じように作れるとは正直考えてもいないのですがひとつの「お手本」とでも思ってみようかと。
(とか今から負け惜しみを言ってみる)

RM MODELS付録の営団丸ノ内線を作る・その2

2017-11-26 05:10:02 | 車両・私鉄/民鉄
昔のRM MODELS付録の営団500形工作計画の話・その2です。

このキットが出た前後の時期には専用の動力ユニットを始め、台車や細密加工用のパーツまでリリースされていました。中でも動力ユニットは2モーター搭載のGMとしては先進的なもの。
更に本編成にしか使えないと思われる「メトロレッドの塗料」もあったりします。

今回の計画を立てるに当たって再度チェックをしてみたのですが、そのどれもが見事なくらいに入手困難か入手不能。
ことに塗料などはもし当時の手付かず品があったとしても保存状況によっては缶の中で塗料の劣化やノズルの破損が起こっている可能性があります。これは実際他のGM塗料で「買いたてなのにノズルからぼたぼた塗料が垂れるだけ」というのを経験したことがあるので尚更です。

その一方でモデル作りについてはRM本誌に板状のプラキットとしては史上最高レベルと言っていいくらいの(笑)カラーの組み立てマニュアルが付属していますし、それで足りなければ実際にこのモデルを物した複数のモデラーによる製作記がいくつもネットで見つかります。
この点ではこれまでの車両工作よりも充実しているのは間違いありません。

 さて、動力ですがGMのは入手困難でもサイズの近接する鉄コレの動力ユニット(恐らくTM-06辺り?)なら似たサイズのユニットが割合容易に入手できます。昔のGM合力よりも低速がスムーズなのが取り柄ですがこれとて、台車枠の問題はついて回ります。
 塗料ですが実車よりも明るめになるそうですがMrカラーのモンザレッドが使えそうです。

 実はこの塗料は以前ED91を作った折の車体塗装に使った余りが残っていますし、もしそれが切れてもMrColorの赤の基本色のひとつでもあるのでそこいらの模型店でも調達は割合容易です。

 「作ること自体を楽しむ」という目的が目的なだけに、今回もあまりガチガチな実車準拠にはしないつもりです(と、中間車のキットが見つからない言い訳をしてみる)

 あとは着工のタイミングを計るばかり・・・ですかね(汗)

「関東大震災と鉄道」

2017-11-25 05:08:46 | 書籍
先日購入した鉄道本から。
「関東大震災と鉄道」(内田宗治著 新潮社)


関東大震災に関する本は何冊か持っているのですが、鉄道との絡みでこの震災を俯瞰した本の存在はこれまで知りませんでした。
前書きを読むとわかるのですが本書の刊行は東日本大震災の後。比較的最近の本です。

関東大震災絡みの鉄道事故というと真っ先に思い浮かぶのは地すべりで列車と駅が丸ごと海に崩落した根府川駅の事例ですが、実際には同じ震災でかなりの数の列車が被害を受け、その後の火災でこれまた相当の車両や設備が焼失しています。

本書ではそれらの被害を俯瞰しつつ未曾有の災害に立ち向かった鉄道マンたちの苦闘を描いているものです。
実は本書を初めて知ったのは先日出かけた図書館です。
最初は在館中に軽く読むつもりだったのですが読んで行くうちにグイグイと引き込まれ「これは借りるだけでは足りない」とばかりに帰途、本屋に立ち寄って購入したという(笑)経緯だったりします。

他の本ではこれまで関東大震災では比較的被害がなかったことになっている赤煉瓦の東京駅ですが実際は本震でホームの屋根が倒壊。さらにその後の火災では有楽町と神田の両方から火の挟み撃ちに遭い、極めて危険な状態だったことを初めて知りました。
隣接する鉄道省も焼け落ち、そのままでは被服廠の二の舞になりかねない状況下、残っていた職員が総出で消火と破壊消防、延焼を防ぐために人手だけで留置車両を移動させる事に尽力し危機を脱していたという下りには驚くと同時に感動すら覚えます。


その他貴重品を載せて新橋~浜松町間を移動しながらも奮闘むなしく焼け落ちてしまった急行列車の話、駅長の判断で避難民を無賃乗車させ日暮里まで往復運行を図った上野駅の話なども凄いと思いつつ、それだけの非常処理を行わなければならなかったほどの大災害の全貌が浮かび上がってきます。

これらのエピソードだけでも十分読み応えがあるのですが、加えて地震発生時に被災区域にいたほぼ全ての列車の状況、その後の火災で焼失した駅や施設の状況なども容量良く俯瞰されていて資料としての価値も非常に高いと思います。

大レイアウトに思うこと番外編・巨大レイアウトにときめくはなし(笑)

2017-11-23 05:05:39 | 旅行・探訪・イベントなど
 久しぶりに大レイアウトの考察です。

 今回は実際のレンタルレイアウトから。
 私の行きつけのショップに設置されているレンタルレイアウト。ここのレイアウトは私がこれまで見てきたNのレイアウトの中では一番の規模を誇るものです。

 クラブの運転会に供されるモジュールレイアウトも結構な規模なのですが確実にそれの2倍か3倍はありますか。

 幅も奥行きもたっぷり取られておりフル編成の運転も自在。同時運転本数もかなりの数(完成時には18本同時走行も可能となるそうです)です。
 何しろ対角線上から捉えると一番奥の山がかすんで見えそうなくらいで相当な規模であることが見て取れます。

 レイアウトの工作経験のある方なら恐らく「一度これくらいの規模のレイアウトを作れれば」という気分になること請け合いでしょう。
 何年か前に訪問した折にはまだ山々の造成がされておらず(とはいえかなりの規模の峡谷があったのですが)サイズの割にやや平板な印象でした。


 先日あらためて再訪したところ、そこも抜かりなくかなり大規模な山々が造成中でした。
 これがまたでかいです。
 写真を見るとジオコレの建物がまるで砂粒のように小さく感じられるほどです。


 ですが私の注目点は別のところにあります。
 レイアウトの中央部にあるショッピングセンターがそれです。

 これは実在するショッピングセンターを実物並みに縮尺したものでレイアウトで見かけるショッピングセンターの建物としては文字通り最大のものと思います。
 それだけにこれほどの規模のレイアウトでもかなりのスペースを取っています。
 しかもこれは駐車場の広さは実物より縮小しているのです。

 つまり、如何に大レイアウトと言えども「全てを実物どおりにやろうとするといくらスペースがあっても足りない」と言う事が視覚的に感じられるのです。
 大レイアウトと言えどもどこかで風景の圧縮や視覚的なトリックがないとスペースが使いこなせないと言う事でもあります。

 これは小レイアウトに限らず、大レイアウトでも通用する原則でもあろうかと思います。

 それを別にしても、直線部の伸びやかさはやはり大レイアウトならではの魅力ですし、川幅の広さなどはかなりのスケール感です。
 俯瞰で見るとスペースの奥行きの大きさが印象的ですが、生憎このレイアウトは現在も工事の途上でまだ風景が完全ではありません。
 これが完成した暁にはどういう事になるのか、想像するだけでわくわくします。

 最初の結論に戻ってしまいますが「ああ、これくらいのスペースがあればなあ」と言うため息で今回は締めます。

何をいまさらのRM MODELS付録の営団丸ノ内線を作る・その1

2017-11-22 05:03:51 | 車両・私鉄/民鉄
 今から12年ほど前、創刊10周年を迎えたRM MODELSがその特別号の付録に鉄道模型を付けた事があるのはこのブログの読者には周知のことと思います。

 物は当時はまだモデル化されていなかった営団地下鉄400・500形のボディキット。
 同じキットが二つ揃えば300形も作れるという触れ込みでした。
 当該の通巻122号(2005年10月号)は当時私も買いましたし、そのキットも今でも手付かずのまま手元にあります。両運転台の300か400形を作って単行のまま使っても悪くはなかったと思うのですが、台車や動力ユニットを別買いする手間を惜しんでいるうちにいつしか忘れられたキットになっていました。

 再びこのキットを思い出したのは昨年秋頃に近所のショップで同じキットの出物を見つけた事です。これなら2両一組で500形の2連が組めます。
 きっかけと言うのはある物で、以来あちこちの中古屋でこれの出物が見つかり始めました。いや、本当に出るわ出るわ。
 1年ほどの間にひと編成作れるくらいのキットが集まりました。中にはRMMの後からGMがリバイバル発売したらしい袋詰めのキットなんてのもありましたし。

 ただ、この時引っかかったのは「当の営団丸の内線の編成がKATOの完成品で編成ごと売られている」事でした。

 これが他のユーザーなら、値段が高くても完成度が高く手間もかからないKATO製品を選ぶのが当然です。こう言っては何ですが、仕上がりがモデラーの腕に左右される上に、よほどの凄腕でない限り完成度も完成品より低くなるのが確実なこのキットをわざわざ選ぶメリットは殆どありません。

 ですが私の場合、完成品を買ってまでして熱烈に欲しい列車ではない、それどころかこのキットがなければ500形自体欲しいと思ったかどうか。
 毎度の結論として「作る事それ自体を楽しむ」ための車両工作・編成入線としてこのキットを作ろうと思い立ちました。
 ですがこれについても12年のブランクゆえに越えなければならないハードルが多いのですが。

 (この項随時更新予定)

鉄コレ24弾の電車から・113系と713系

2017-11-21 05:01:35 | 車輌・電車

 この春に入線していた鉄道コレクション第24弾、これは「113系顔の国鉄・JR系の近郊電車」がメインでこれはなかなかに私好みの題材でした。

 今回はこの春のレビューの時に漏らした編成から取り上げたいと思います。
 (そろそろこのブログもネタ切れですかね汗)


 713系900番台長崎本線仕様。既紹介の717系東北本線仕様に似たカラーリングですがこちらは若干淡いトーンです。そう言えば食パン電車の715系も九州と東北でトーンが違っていましたが、それ単独でぱっと置かれると同じ色に見えてしまう時があります。
 717系と違い2両編成ですがこれはこれでこじんまり感が悪くありません。

 113系2000番台紀勢本線仕様
 先に「113系顔の近郊電車は好みだ」とか書きましたが同じ113系なのに殆ど103系みたいな顔にされてしまったグループです。これは余剰の中間車に運転台を追加した仕様で、時たま地方私鉄で見かける元東急7000系なんかも使っている手法です。それにしてもこの手の改造はどうしてこうも「のっぺり切妻顔」になってしまうのか。
 ただ、こちらの特徴は豪快さすら感じる「一枚窓の前面」
 元々が近郊電車ですから715系ほど違和感が無いのが113系の人徳です。
 それどころか、どうかすると「もともとこんな電車があったのかも」とか思ってしまいかねない説得力を感じてしまうのが凄い。

 実はこのふたつと中央線のクモハ123は動力化もせずに「側線の置物」と化しているのですが不思議なくらいの存在感を見せます。

鉄道カフェ・それから

2017-11-19 05:53:11 | 旅行・探訪・イベントなど
先日紹介した鉄道カフェですが、その後ふた月ほどの間にレンタルレイアウトの方に多少進捗があった様なので先日再訪しました。

 前回観た時にはまだ線路も開通していない工事途上状態でしたが、あれから本線も開通して試運転列車が走れる状態に来ていました。一部にはバラストが撒かれています。IMG_2377.jpg
 建造物の大半はペーパー製ビル街メインの風景なので手っ取り早く出来るペーパービルはなかなか有効なようです。

 エンドレスメインながら風景で見せる方向性の様で本線は原則無勾配。レベルの高低差で立体感を作る方向性のようです。支線は併用軌道も持った地方線風でこちらには勾配があるもののかなり緩やかなものの様で風景の雄大さにも貢献している印象でした。

 工事はまだ途上なのでレンタルレイアウトの開業が待たれます。

ミニチュア特撮の「駅」のはなし

2017-11-18 05:46:25 | 映画・テレビ
久しぶりの「レイアウト趣味から見る特撮映画のはなし」です。


 昨年の話題作だった「シン・ゴジラ」では決戦場に東京駅が登場、そこに乗り入れている列車群の意外な使われ方と併せて非常に印象に残るものになりました。
 よく考えてみると怪獣映画や特撮映画で東京駅が本格的に取り上げられたのは実質的にこれが初めてだったと思います。

 映画を観終えたのはマリオンの11階でしたがそこの窓から見下ろす東京駅方面の風景はまさにたった今観終えたクライマックスシーンを髣髴とさせるものでした。
 この風景を見られただけでもマリオンでこの映画を観た値打ちがあった様な気がします(笑)

 そんな訳で今回は特撮映画に登場する駅に付いて思いつくままに書いてみたいと思います。



 さて、ミニチュアの駅が登場する特撮物はどれだけあるものでしょうか。

 古いところではゴジラ(1954)の品川駅とかラドン(1956)の西鉄ターミナル、モスラ(1960)の渋谷辺り、
 比較的最近ではガメラ3の渋谷、京都駅とかが印象に残ります。

 (講談社「巨大ヒーロー大全集」118Pより画像引用)
 テレビではジャイアントロボの東京駅、マグマ大使の新宿駅が特に目立ちます。因みにこのミニチュアの小田急百貨店の部分は後に「宇宙猿人ゴリ」にも転用されている様です。

 しかし上記の大半は「駅舎のみ」の登場であることが多く線路も含めた駅そのものの魅力をミニチュアでというコンセプトの特撮物は更に少ない気がします。
 「新幹線大爆破」の浜松駅はその意味でかなり渇を癒してくれるスケール感がありますがこれも「鉄道もの」だからでしょう。

(ホビージャパン「大ゴジラ図鑑」36Pより画像引用)
 上述の第一作の「ゴジラ」では品川駅構内のミニチュアが組まれていますが主の描写がゴジラに激突するEF58に費やされているので駅そのものの印象が意外に薄いのが惜しい気がします。
 一方で駅舎とターミナル駅が一体化されている「空の大怪獣ラドン」の西鉄ターミナル周辺は周囲の街並みを含めてかなり雄大なセットが組まれていてクライマックスを盛り上げていますし、「モスラ」の渋谷駅周辺もそれに負けないレベルの作り込みを堪能できます。
 但しモスラの場合、場面が夜でしかも停電していたという設定だったのと破壊のメインがビルに集中した事もあって実際には線路廻りをかなり作り込んでいたにもかかわらずそれらが劇中の画面にほとんど登場しなかったそうでその意味では残念な気もしますが。

 この他では「ゴジラ」や「透明人間と蠅男」などで有楽町のガードが出てきますが駅と言うよりはそこに隣接している日劇周囲の作り込みがメインになっている印象です。


 「妖星ゴラス」の高潮に水没する有楽町駅(?)は高架ホームと線路、打ち捨てられた電車まで表現されていますが市販のレイアウトパーツでは再現できない「微妙にカーブした屋根を持つホーム」が魅力的です。
 俯瞰の見せ方もしっかり決まっていて楽しめます(何を?)

 あと「世界大戦争」のクライマックスでICBMに吹き飛ばされる東京のカットの中に俯瞰で捉えた東京駅のミニチュアが登場します。こちらもホームや高架周りまで再現されたもののようですが何しろ「コマ送りしないとそれと分からない」くらい一瞬の登場です。
 変わり種ながら結構本格的に見えるのが「八岐大蛇の逆襲」に登場する米子駅。実は俯瞰とアップの別々のスケールのセットが組まれています。
 しかも俯瞰の奴は市販のNゲージモデルをかなり転用していたりするのですが。このふたつを使い分ける事で特撮物としては屈指の駅の破壊シーンが観られるのが興味深いです。

(ホビージャパン刊「大ウルトラマン図鑑」66Pより引用)
 一方で「地底超特急西へ」の新東京駅や福岡のターミナル周辺は細密性よりも未来性を重視した造形が優先されているようです。これはこれで夢があって面白いですが意外とこういう未来性が優先された駅のミニチュアは少ないですね(強いて言えば「怪獣総進撃」に登場する地下鉄モノレールの駅舎が思いつく位ですか)


 これらのミニチュアは私有のレイアウトではまず不可能なたっぷりした構内面積と線路配置を実現したものが殆ど(笑)ですのでリアルさに重点を置いた大レイアウトを志向する向きにはそれなりに参考になるのではないでしょうか。

なんとなく思うこと「オトナの趣味」とはなんぞや?

2017-11-16 05:44:00 | 思いつくままに・考察
 この間の「酔っぱらいのたわごと」の続きみたいなものですので観る人によっては不快に感じる所があるかもしれません。
 ですのでそういうのが嫌いな向きは読み流して頂いた方が良いと思います。どうかご容赦を。

 確かに鉄道模型は玩具よりも高価で、精密で、リアルではありましょう。
 取り扱いや工作でも子供の手に負えないような所もあるでしょう。
 でもそれだけでしょうか?
 それだけで大人の趣味と言えるのでしょうか?
 趣味の世界で大人と幼稚の区分けはどこでつくものなのでしょうか。

 ここから純粋な私見となるのでそのつもりで読んで頂きたいのですが、少なくともそれが知識の量や技術の優劣や、ましてやキャリアの長短でつくような単純なものではない事は確かだと思います。
 こんな事を考え続け(暇ですなあ)最近になってようやく気付いたのですが、趣味の世界において「大人」と「幼稚」を分ける物は「見識」と「センス」ではないかと思う様になっています。

 このふたつは知識の詰め込みや技術の練磨だけでは磨けない(とはいえ知識や技量が不十分でも困るのですが)それらに加えて五感と五体を駆使して積み重ねた「経験値」も必要でしょうし、それはただ漫然と年齢を重ねるだけでも身に付かない。

 見た目の上では子供と同じものを見て、同じものを作って、同じ様に走らせていたとしても内面に感じるものは違う。それを支えるのが見識であり、センスでありそれを持ち続ける事が「大人の趣味」の要件のひとつではないかと思えるのです。そしてそれはどちらも「歳を重ねても磨き続ける事ができる」ものでもあります。

 (その意味で言うなら「趣味人」というのは永遠に成長する事を宿命づけられた存在であり「永遠の子供である事を自覚した存在」であるとも言えます。だからこそ趣味人ほどボケにくいという事は言えそうですが。これは余談)

 それゆえに、それらを根底で支えるのは「鉄道模型を好きでい続ける事」であり、それができるか否かにかかってくると思います。

 それは少なくとも現代の「趣味の世界」で最も大事な事であると同時に難しい事かもしれません。
 ですが見識なしにキャリアや知識だけ詰め込んで行っても、その先にあるのは趣味の世界に権威を持ちこみたがる様な窮屈で詰まらないスノッブ(あるいはマニアック)の世界に陥ってしまうのではないでしょうか。

 かつては一世を風靡したオーディオやバイク、スポーツカーなどが現在当時の勢いを失ってしまっている理由の一つとしてそうした罠に陥ってしまった事があったと私は見ています。
 要するに見識もセンスもないまま齢だけ重ねてしまったマニアが手前勝手な権威にすがって目下の者を馬鹿にするばかりで後進を育てる発想を基から持たなかった事が新たなファン層の発掘を妨げ、結果先細りを自ら招いてしまったという事です。
 そしてそういうマニアに作る側や売る側までもが迎合した結果、一見さんにはどこが楽しいのかさっぱり分からない不思議なアイテムばかりが増え、市場までも先細りさせてしまったというのが現状でしょう。

 実際最近のNゲージ鉄道模型もそうした罠にはまりかけていると思えるのですが、ファンサイドとしてもビギナーを馬鹿にし、素人呼ばわりする事が趣味人としての大人の態度とは私には到底思えないのです。
 (逆に若年ユーザーが年寄りを老害扱いする言質も一部に見られますがこんなのは若いうちには必ずだれでも一度は口にする言葉で、20年もほっとけば逆に自分が言われる側に回る事がわからないからそう言っているのが大半なので、ある程度仕方ない事だと思います。言う側も20年後に後悔すればいいだけの話ですから。
 むしろそういうのが居てくれるうちはまだ大丈夫という気になりますが)

 でもキャリアが長ければ無条件で偉いのですか?
 腕がよくないとやってはいけない趣味ですか?
 もっと言うなら、16番のブラスモデルを1両20万円出してポンと買える事が「大人の趣味」の証しなのですか?
 なによりそうなっていないと「大人」と認められないのですか?

 なんだかこんな事を書き殴っているうちに内容がだんだん自戒めいてきました。
 そもそも、その「見識」とやらがどういう物なのか私自身まだよくわかっていないのですから尻すぼみです。
 結局結論はなかなか出ないものですね(汗)
 (写真は本題とは関係ありません)

「485系電気釜」と笹かまぼこの思い出

2017-11-15 05:40:47 | 車輌・電車

 先日実家から笹かまぼこの詰め合わせが送られてきてここ2,3日食卓の付け合わせをにぎわせています。
 個人的には刺身よろしく軽くあぶった奴をわさび醤油にでも付けて食べるのが好みなのですがそんな食べ方をしていてふと思い出した事がありました。

 今から40年くらい前の事です。
 亡父と一緒に田舎から上京する用事があり、3泊位の日程で485系の「やまびこ」を使いました。
 往路は朝8時半頃に出て午後2時半くらいに上野着だったと記憶しています。子供の私にとってはこの6時間という時間がひたすらに退屈だった(何しろ朝飯時に出て昼食をとってもまだ着かないのですからw)

 それでも行きはまだよかったのです。
 用事を済ませての帰路も「やまびこ」で帰るつもりで上野駅のホームに立ったのですが折り返しで「やまびこ」になる筈の「つばさ」が奥羽本線内の豪雨だかで遅れに遅れ午後2時半発だったのが5時近くまでホームの上で待たされました。かなり待たされた挙句出発時刻が微妙だったせいもあって駅で夕食を摂る事もままなりませんでした。これが後々尾を引くことになります。

 何しろ車内販売のワゴンが回れないほどの混雑レベルでいくら待っても駅弁売りが来ません。食堂車も早々と品切れになりました。
 しかもあの当時はどういうわけかホームの売店が閉まるのがやたらに早く、夜9時以降に停車する郡山以北では停車中にホームに降りても開いている店が無かったのです。
 やっと回ってきたワゴンも駅弁はとっくに売り切れ。食べられるものと言えばおつまみ用の笹かまぼこしかなかったという体たらく。

 昼食以来何も食べない状態でホームの上で2時間待ち、夕方5時過ぎに出発して夜の11時近くまですし詰めの車内に蟄居していた訳です。
 その間口にできたのが「おつまみの笹かま一個だけ」
 これはどうしたって忘れられない思い出になります(笑)

 そんな訳で電気釜フェイスの485系と笹かまぼこが私の中でとても強い結びつきで記憶されています。
 その485系のいわゆる「電気釜フェイス」ですがKATOの「はつかり」仕様をひと編成持っています。

 実はこれが出た当時はまだ485系が現役だった頃なのですが「よく使う電車ほど買わない」という私のへそ曲がりな性癖がものを言ってしまったために実際の入線はこの趣味を再開して3年目くらいの2007年頃になりました。

 まだ室内灯を仕込んでいない(と言うかこれに対応した室内灯自体が売っていない)状態なのですがもし実現したら「レイアウトで電気釜を走らせながら笹かまぼこをかじっている」のはまず間違いのない所でしょう(爆笑)

 そういえば200系と言うと「ビュッフェのカレーライス」E257系と言うと「硬くてスプーンが立たなかった信玄アイス」最近では205系で「シウマイ弁当」といった具合に「車内で食べたものが車両自体の思い出と結びついている」事に気づきます。視覚・聴覚に加えて「味覚」の記憶が加わる分印象に残りやすいのかもしれません。

鉄コレの「緑の仙石線電車」

2017-11-14 05:31:39 | 車輌・電車


 この夏諏訪湖に出かけた折の戦利品から。

 鉄コレの40系仙石線仕様。もう4年も前のモデルでしたが、幸い地元の模型屋に売れ残りを見つけたものです。
 この系列は大糸線や宇部線仕様は持っていたのですが、仙石線仕様は不覚な事に存在自体知りませんでした(恥)

 山手線色の旧国というのはある種違和感を感じていたのですが、こうして線路の上に置いてみるとこれはこれで結構見られます。

 動力は既に入線している宇部線の動力をコンバート。
 こういう使い方ができるのは鉄コレならではですね(とか言いつつ似たようなことをTOMIXの73系なんかでやってしまっている私)

 ここでは大昔のGMのパーツやステッカーなんかがあったりして望外の懐かしさに浸る事もできました。
 昔はどこの街にでもそうした老舗があったものですが、最近は徐々に少なくなっているのが寂しい気もします。

モジュールの相乗効果に思うこと

2017-11-12 05:29:35 | 思いつくままに・考察
 先日の嵐の運転会で発見したモジュールの意外な御利益から。

 前回紹介しましたが今回の新作モジュールは新幹線高架が本線を跨ぐものでした。
 実はその隣にあったのが私のターミナル駅とビル街のそれだったのですが、運転会が始まり列車が走り出してからそこに行ってみると

 新幹線の高架の後ろにビル街が並ぶ形になりモジュール自体は山岳部をモチーフにしていたのにかかわらず駅の手前の高架部分を思わせる都会的な風景が現出していたのに驚きました。
 特にローアングルの煽りで見ると意外なほどにダイナミックな構図になります。

この二つが隣り合わせになるというのはモジュールの製作中にはどちらも意識していなかったのですが隣り合わせることで視覚的な互いの相乗効果が得られるといういのは意外と同時に嬉しい発見でした。

 そういえば前の月の韮崎の運転会でもゴジラの背景に二つ隣のビル街のモジュールが重なった事もありましたが、その時は「ああ、こういう事もあるのか」くらいにしか感じなかったのですが、今回はそれが(作った側にとっては)もっと強烈なインパクトを与えてくれたわけです。

これは相当に偶然に左右されるとはいえ、まさにモジュールレイアウトでなければ得られない効果といえます。

 モジュールレイアウトはその性質上、限られたスペースにモチーフを絞り込んだシーナリィを配置して「一区間一風景」を原則に作られています。
 これを評してある書籍で「モジュールレイアウトはひとりひとりの絵を並べた展覧会」と表現した方もいたと思いましたが、並んだモジュールのシーナリィの組み合わせによっては「意図せざるパノラマ風景を作れる」という意外な使い方が楽しめるわけです。

 あるいは「離れたところの他のモジュールが借景としての背景になる」効果もあるかもしれません。

これはモジュールレイアウトの展示の上で結構示唆に富んだ事ではないかと思います。上述したように従来のモジュールレイアウトは一つ一つが単独のモチーフで、原則隣にどんな風景が来るか」考えて作られるものは稀です。
繋がった総体としてのモジュールレイアウトの中で異なるモジュールの相互作用というのはこれまであまり考えられていなかった(それは当然ですが)のですが既存のモジュールの組み合わせで製作者すら意図していなかった相乗作用があり得るということを今回の運転会では強く感じました。

嵐の運転会・新作モジュールなど

2017-11-11 05:25:03 | 旅行・探訪・イベントなど
 先日の嵐の運転会の話から。主にモジュール編です。

 今回の運転会の新作モジュールはメンバーの一人が製作したコーナー部の新幹線との立体交差モジュールでした。
 実はこれは既存のモジュールが経年劣化でくたびれてきたためべースと線路を除いてシーナリィを全て差し替えたものだそうです。資材の類も殆ど手持ちのものを活用したのでこれだけのものを10日そこそこの期間でコストも殆どタダ同然だったそうで、それでこれほどのものができたというのに驚かされました。

 新幹線車両は昔出ていたバンダイのスタートレインを転用。
 余談ですがこの製作に際して車両をバラしてみたら外から見えないトイレ部分に便器はもとより洗面台の蛇口までもがモールドされていたそうで意外なほどの作り込みにびっくりです。

 モジュールのコーナー外側から眺めると正面にトンネルを出入りする新幹線の並びが拝めるアングル。
実景でこの角度から車両を見ることはできませんからまさに模型向け、レイアウト向けのベストショットです。

 ところでこのモジュール、私も予想できなかった好効果が得られたのですがそれについては次の機会に。

 ここからは他のモジュールについてのこぼれ話。

 昨年登場の温泉ホテルモジュール。
 内部に加湿器を内蔵して「温泉の湯気を表現」というのが売りだったのですが、当日の異様なほど肌寒い気候にこれがベストマッチ。おまけに出ているのが本物の湯気でしたからメンバーが手かざしで冷えた手を温める場面が時折みられるという意外な実用性を見せてもくれました。


 私が今回持ち込んだ私鉄ターミナルモジュール。
 駅ビル屋上のミニコンサートを覗いてゆくギャラリーが殊の外多かったのが印象的でした。実はステージの手前には会場を乗っ取った(?)某アクションスターがこっそり混じっていたのですが、作った私も忘れていた(恥)のにここを目ざとく注目した人が多かったのが意外でした。


 そして、開場そうそうやってきた小学生くらいの女の子数人のグループ。
 一渡りモジュールを見渡してから一言。
「今日はゴジラが来ていないじゃない」


 そう言い残してそそくさと帰ってしまいました。
 昨年来、グランシップも含めて運転会には必ず持ち込まれていた「ゴジラ」モジュール(今年からは「シンゴジラ」も仲間入り)今回はメンバーの都合からか持ち込まれていなかったのですが惜しいことをしたものです。
 ゴジラ目当てでやって来たギャラリーがいたということは結構人気だったことがうかがわれたので製作者にご注進。
 多分次回からはまたゴジラがくると思います(笑)

今月の一冊「時刻表でたどる鉄道史」

2017-11-09 05:23:49 | 書籍
 今回は久しぶりの鉄道書籍ネタです。 先日入手した鉄道本から。
 「時刻表でたどる鉄道史」(宮脇俊三編著・JTB)

 「無人島に一冊だけ本を持っていけるとしたら何を選びますか?」と聞かれてためらう事なく「時刻表!」と答えられるマニアの潜在数は結構多いと思います。

 私などはそこまではいかないにしても例えば学生時代に余計な本を持っていけない実習先にポケット版の時刻表を持って行くというのは時々やりました。
 日付の変わったくらいの時間帯に寝床の中で「今、この瞬間に何本の列車がどこを走っているだろうか」なんて事を時刻表で検索したり、今から津軽半島のさいはてまで行くとしたら向こうには何時につけるだろうかとか検索したりしているだけで結構よく眠れたりもしたものです。
 こういう時は周囲は静かなほどいい。
 真夜中の静寂に身を委ねながらも時刻表の中での時間は常に生きている事を実感できる(尤もこれは最新刊の時刻表の場合ですが)

 ただの数字の羅列にすぎないのに想像力を掻き立ててくれる意味でも書籍としての時刻表の特異さは一等群を抜いています。
 更に路線図や巻末の広告(主に旅館やホテルなど)までしゃぶりつくすなら半端じゃない情報量になりますから好きモノにとってはたまらない世界ではないでしょうか。


 本書では時代の節目節目のダイヤ改正の中身から日本の社会と鉄道の変遷を語るという、時刻表趣味の教科書みたいな一冊です。
 明治の黎明期からJR発足前後までの期間、速くなったり時には遅くなったり、本数が増えたり減ったり、あるいは路線の新設・延伸や廃止を繰り返しながら目まぐるしくアップデートされてきた鉄道ですが、何年かに一度の大規模なダイヤ改正はそれらの節目節目を象徴する存在と言えます。

 それらを俯瞰した内容の本書は、宮脇氏の平易な文章も手伝って文章量がこのシリーズとしてはずば抜けて多く、しかも情報量もそれに比例して豊富であるにも関わらず、非常に読みやすい一冊です。
 例えば本書に今のポケット時刻表でも組み合わせて読むだけでも過去と比較するだけで日本の鉄道史が把握できてしまうという特典が(笑)

 今では検索ソフトの発達でスマホ一個あれば大概の行き先を検索できますが急を要する時(実際この手のソフトはそういう用途がメインですし)は別として紙の時刻表のページを繰りながら自分なりの旅のプランを愉しむのにはまた別の魅力があります。

 とは言え、そういう楽しみがあとどれくらいできますか。紙の時刻表が無くなるとダイヤ改正に伴う変化を一般の人が認識する機会も減ってしまうような気もするのですが。