光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
こちらはメインブログのアーカイブとなります。

鉄道ミステリとNゲージを語る16 「機関車、草原に」とC52

2016-09-30 22:54:33 | 小説
 今回は「急行出雲」所収の河野典生作「機関車・草原に」から

 鉄道ミステリアンソロジーとはいえ、光文社時代の鮎川哲也は推理物に限定せずに幻想譚やSF、怪談まで幅を持たせたバラエティ豊かなセレクトで読者を魅了しました。
 その中でも本作は特に異色なハードSFとして描かれた物です。

 北極海での核爆発事故をきっかけに海浜都市部が殆ど壊滅した未来の世界。
 世界の主要都市は山岳地帯へ移転し都市間は飛行機と大陸間を結ぶ原子力列車の鉄道網でカバーされ、東京をはじめとした旧都市部は半分水没した廃墟として骸をさらしている時代。

 この設定、エヴァンゲリオンの背景設定に酷似した印象がありますが本作の上梓はそれより20年以上前です。

 その廃墟には新時代から取り残された老人たちとまた、中央都市帯から脱走してきた少年少女たちの流浪者の群れが住み着き、その老人の一人である元機関士と少年たちが互いの企みのために旧東京駅の地下で「博物館から引っ張り出してきた蒸気機関車群をレストアする」
 だが廃墟となった東京の無価値さと危険性を感じ取った中央政府はミサイルによる旧東京の爆破・破壊を決行しようとする・・・

 大まかなストーリーはこんな感じですが全編に漂う乾いた筆致とハードボイルドな空気が一種の緊張感と独特な心地よさを感じさせる一篇で短編ながらも「作品世界と一体になった錯覚」を与える読後感をもたらします。

 本作に登場するのは「ロクジロウ」と名付けられたC62、「ゴイチロウ」ことD51、「ゴシチロウ」ことC57、そして「ゴジロウジュニア」としてC52が登場します。
 ・・・ここまで読んで「あれっ?」と思ったSLファンは多かったのではないかと。

 そう、この中でC52は20世紀末どころか昭和20年代に全機廃車になって保存機すら残されなかった「存在しない機関車」なのです。
 作者もそれに気づいたのか作中ではC52の描写は殆ど(と言うか全く)ありません。
 「ただ出ているだけ」と言う随分な扱いだったりします。本作の主人公がD52に因んだ「五二郎」と言う老人なのでそこにひっかけただけと言うのが正直なところだったのではないかと思います。

 まあ物がSFだから「C52が残っていたパラレルワールド」という事でもいいかと思います。

 ですが、私が読んだ感じから言うならC52こそ本作の作品世界に一番似合う外見の蒸機だったと思います。

 C52のNゲージモデルはマイクロエースから16番モデルもしなのマイクロと天賞堂から出ていてその魅力については私もこのブログで何度か語った事があります。
 C52は日本最後の輸入蒸気機関車としてアメリカで作られた8200という3シリンダ機をベースに後の瀬野八入線に合わせて補機に対応した改造を施された物です。

 元々は国産3シリンダ機製造のためのサンプルの色彩が強く(これを基に生まれたのがC53)8200として脚光を浴びたのもわずかな期間。
 C52に改造されてからの晩年は瀬野~八本松間で「峠の後押し」ばかりやらされていたのでファン以外の人には目に触れにくい機関車でした。
 そのせいか大概の蒸気機関車本では非常に影の薄い扱いを受けている悲劇のロコでもあります。


 「元の8200蒸機の優美なボディを瀬野八対応の改造工事で醜くされた」とか悪評も多いC52ですが、その改造による独特の凄味のある異形感は優美さとは真逆の魅力を湛えています。
 例えるならば「走るサイバーパンク」「蒸気で動くモビルスーツ」という趣でしょうか。とにかく停まっていてもパワフルさを感じさせる凄みがあるのです。

 私個人の感想では「日本にこんなかっこいい蒸気機関車があったのか!!」と言うカルチャーショックを与えてくれたのがこのC52です。

 大体、「ミサイルが飛び交い沿線の高層ビルに次々着弾する品川の旧東海道線を破片をかいくぐりつつ子供たちを乗せた無蓋車を牽きながら爆走する蒸気機関車」なんてシチュエーション、C57とかD51よりもC52の方がぴったりくると思うのですが…

「このロクジロウは、自分で食ってたもので、自分で馬力を出し、自分で走る。しかし、こいつの食い物はわしが食わせてやる。わしはできるだけ良質の石炭を、うまいタイミングで食わしてやりこいつに最高の力が出せるように手伝ってやる。
そのわしをこいつは軽々と運んでくれる。これが人間と機械との本当の関係でないのかね。
 最近じゃ都市帯じゃ、自動車道路まで手放しで走れる装置がついとるそうじゃないか。人間は中でテレビをみとるそうじゃないか。いったい、何を根拠に、そんなに機械を信用しとるのかね」
(光文社カッパノベルズ刊「急行出雲」所収「機関車、草原に」239Pより引用)

 ここに書かれている蒸気機関車の魅力を私が気付いたのは本書を読んでだいぶ経ってからです。
 そしていまこれを読み返して見て、現在のこの現状を引き比べる時、うすら寒い感じを受けるのは気のせいでしょうか。

 本作はいわゆるミステリとは異なるジャンルに属するものですが、それでいてもっとも強烈な読後感を残す一篇です。
 未読の方には是非お勧めしたいと思います。

「レイアウト制作の実用材料実用技法」

2016-09-28 05:58:56 | 書籍
 先日の上京の折に見つけた古本から

 「レイアウト制作の実用材料実用技法」(田口 博巳著 SHIN企画・機芸出版社)

 以前「Nゲージマガジン」誌上を毎号のように飾っていた大型レイアウト「富博鉄道」の作者によるレイアウトのシーナリィ造形の技法を纏めた本です。
 一時期レイアウト入門みたいな一般書が数多く上梓された事がありますが本書の場合は実際に大レイアウトをものした作者が自分の作ったレイアウトを例にとって解説している点が特徴的です。
 
 入門書に出てくるレイアウトは大概が本のために小レイアウトを作ってみせる例が大半でそれゆえに一部を除いてどれもこれも同じ様な印象のレイアウトになる事が多い物です。
 ここに登場する「富博鉄道」の場合潤沢なスペースをフルに使ってあらゆるシチュエーションの風景を詰め込んでいるので(一つの風景部分だけでも普通のレイアウト並みの広さがある)それぞれの風景に合わせた形での技法が選べる点でかなり有利です。

 本書に登場する17の記事では例えば、トンネルの製作記事ひとつとっても何種類もの例を挙げてみたり、台枠の塗装では何色もの色を試したりしていたりしますが、これなどは大レイアウトを使っているが故のメリットでしょう。
 活字が小さく本の薄さの割にかなり情報量が多いのですが、それだけにただ読み流していてもとても楽しめる一冊に仕上がっていると個人的には思いました。

 ただ、これを片手にレイアウトづくりをしようとしたら見づらいかもしれませんが(笑)


 あらゆる意味で本書はLets Play Rayoutと並ぶ名著だと感じました。この2冊があれば技法をなぞるだけでもかなりのレベルのレイアウトが作れそうな感じすらします。

ターミナル駅ビルモジュールの建設・15・スポットライト、その他

2016-09-27 05:56:17 | モジュール4

 ターミナル駅モジュールの工事の続きです。

 電飾の方がひと段落ついたのでアクセサリの取り付けです。
 と言ってもその大半は以前作った時の物のつけ直しなのですが。

 ここ数年放置していた為に樹木の埃も半端ないですしフォーリッジ自体の剥離も相当なものです。
 同じ事は高架部分の架線柱についても言えますし、ガードレール部や掲示板類もそうです。

 中には路面電車の停留所みたいに取り付け中に改めて壊してしまった(汗)様な物もあったりするので油断ができません。

 第一、ターミナル駅のモジュールで鉄博モジュールに200人近くいる人間様がこのモジュールには殆ど居ないのです。
 クルマも同様でバス停やタクシー乗り場を想定している癖にクルマは1台もなし。

 これらをどうしたものかと。

 一方駅ビルのライトアップについてはこれまでAC電源からLEDを駆動させる事を考えていたのですが配線が複雑化するのと、明るい環境でのライトアップ効果に疑問が出てきたために別の方法を使う事にします。
 100円ショップで売られている「LEDクリップライト」

 これは本来帽子のつばなどに付けてハンズフリーで夜間活動するためのものですが、レイアウトのベースボードにちょこっと挟む事も可能なのでこれをいくつか買い込んで使う事にします。
 トーチライトとしての用途を想定しているので光の直進性が強いのですがライトアップなら効果的でしょう。

 このアイテム、消防団の夜間活動でこれを使っている団員が居た事で存在を知りました。
 ただ、100円ショップにありがちな事ですが大抵のアイテムが一度売り切れてしまうと次の入荷がいつになるかわからないのであるだけ買ってもまだ足りない場合が問題です。

バスセンターの閉鎖とレイアウトの建物に思うこと

2016-09-25 05:51:39 | 思いつくままに・考察
 盛岡にあるバスセンターが今月いっぱいで閉鎖・解体されるとの事です。

 新宿にこの間開業した「バスタ」の近代感とは対極にある「昭和30年代が未だに生き残っていた様な」レトロな施設でしたが、最近は花巻のマルカンデパートと並んで「昭和の懐かし施設」的にそっちの趣味の方々を中心に話題を呼んでいた所でした。
 私自身学生時代なんかにはバス通学でしたから、ほとんど毎日の様にその前を通ったり、たまには回数券を買いに昔の駅の切符売り場そのまんまの券売所を使ったりとかしていたものです。
IMG_6086.JPGIMG_9349.JPG
 建物の中ほどには駅の改札口にしか見えない出入り口があり長距離バスの客なんかはそこを通って裏手のバス乗り場(これがまた駅のホームみたいな代物だったのですが)に並んだりもしていました。
 先日のテレビで知ったのですが上階には駅の信号所さながらの管制室まであって眼下のバスの並びを監視しながら案内放送もそこからしていたのだそうです。

 田舎のバスセンターの常で中には待合室やら売店やら、中には時計店や八百屋みたいな台に雑誌を並べた本屋なんかがあり、雰囲気は駅そのものでした。
 それでいてそこの周囲1キロ以内には駅どころか線路すらない場所でしたから不思議な感じもしていました。

 その当時から施設の古ぼけ感は相当なものでしたがそれがどこか懐かしいというか不思議な居心地の良さを感じさせたものです。

 現住地に移り住んでからも帰省の折などに用もないのにわざわざそこへ立ち寄ってみたり、そこの前を車で通過しながら「そこがまだある」事に妙な安心感を感じたりもしました。
 実際の話、このバスセンターを含めた繁華街の一角はここ20年ほどの間に角となるデパートが移転したり、ショッピングセンターが取り壊されたりとかで思い出の建物が次々に消えてしまっていましたから。
 言い換えればバスセンターは私にとっての「思い出の街角の雰囲気を残す最後の砦みたいなもの」だった訳です。

 10年ほど前に地方都市の電気街をモチーフにレイアウトを作った時そこの一角にファーラーのビルを並べた時にも私の頭に浮かんだのがそのバスセンターでした。
 実物の形状とは似ても似つかない物でしたが看板などで盛岡バスセンターのイメージを付け加えたものです。

 そんな思い出の多い建物が消えてしまう。
 それを故郷から数百キロも離れた現住地でただ指をくわえてみているしかない事に少し忸怩たる思いも感じます。

 うちのレイアウトの中には同じように「あの頃の思い出を残した建物の雰囲気を(大概が市販モデルの改造なので純粋な再現ではないのですが)反映させた」建物がいくつかあります。
 そうした建物はこれからも増えてゆくでしょう。
 そしてそれらが私の思い出と渾然一体となったレイアウトの街並みとなる時、レイアウトそのものが私の心の故郷になってゆくのかもしれません。

 この次に帰省するときにはあの一角はすっかり変わっているでしょう。

バスコレの「ヒト・ものバス」

2016-09-24 05:49:11 | アクセサリー
 買ってから一月以上経つのですが、今更の帰省の戦利品シリーズ。

 トミカではギャランだセリカだレパードだと景気が良いのですがNスケールのミニカーではこういうのも買いました。

 バスコレの「岩手県北バスのひと・ものバス」という奴
 聞くところでは県北バスとヤマト運輸の連携により路線バスと宅急便の輸送車を兼用したものだそうです。

 要するに路線バスの合造車、ディーゼルカーで言う所の「キハニ」みたいなものですが、鉄道の合造車から連想される「鈍行」とか「普通列車」というイメージとは異なりこちらはれっきとした急行バスで運行されていたりします。

 前の帰省の折にこれが街中を走っている所は見ましたが、まさかこんなのまでがバスコレになるとは。
 モデル自体は現住地の模型屋にもあったのですがやはり買うなら実車が走る地域で「現地調達」の方が気分が出ます。

 それにしてもこの手の合造車、路線バスタイプの車体が似合いそうな気もするのですが長距離バス用の車体を使って妙なスペシャリティ感を出している所が面白い。
 これをベースに「物置き付きキャンピングカー」なんてのがあっても面白そうな気もします。
 まあ、誰がそんなのを買うのかとも思うのですが(笑)

 バスと言えば帰省絡みでもう一つネタがあるのですがそれについては次回にでも。

今月の入線車・しなのマイクロのクモユ141

2016-09-23 05:46:39 | 車輌・電車
 今月の中古入線から

 しなのマイクロのクモユ141。例によってブラスボディの郵便電車です。
 同形のモデルは以前鉄コレのシークレットで似た様な仕様のクモユ143も出ていますが当時はシークレットゆえか中古でもプレミア価格で中々手が出せない物でした。

 それが今回は鉄コレの動力並みのお値段で入手できましたから車体とパンタグラフの分くらいはお安かったのではないかと。

 クモユ自体は郵便専用ボディとも言える物でオユ10が電車化したようなサイドビューに特徴があります。
 ですが、素人には窓の「郵便マーク」がなければクモニと見分けがつかないかもしれません。

 しなののブラスボディに細密を求めてはいけませんが、今の目では結構ラフな造形に見えるかもしれません。
 質感の点でもエンドウ辺りに比べるとやや見劣りしますし。

 その窓周りですが見ての通り鉄格子のプリントが微妙にずれています。
 確かしなのマイクロの荷物電車は「ダイカストの動力ユニットの側面にシールか何かで鉄格子をプリントする」という当時ならではの豪快な構造だったと記憶しています。
 ですのでこの部分の修正やリペアはそれほど手間が掛からないのではないかと。

 動力はいつものしなの動力よりもややスムーズさに欠けますが年式を思うとこれ位のやれはやむを得ないと思います。
 因みにパッケージは「しなのマイクロ」でも「マイクロエース」でもない「マイクロクス」のもの。

 かつてはしなののブランドリーダー的存在の呼称でしたが、いまはマイクロエースの16番モデルの呼称になっています。
 ですので「Nゲージのマイクロクス」というのはこの当時ならではと言えましょう。

・・・だから何だと言われても困りますが(汗)

カラーブックス「日本の私鉄・京浜急行」から

2016-09-22 05:42:56 | 書籍
 先日のエキチカ運転会の帰りに入手したアイテムから。


 カラーブックスの古本「日本の私鉄・京浜急行」です。
 うちのラインナップで京急の手持ちはジャンク品同然のGMのキットメイク1000系の8連とKATOの800系の8連位でどちらかというと少数派です。


 ですので今回この本を入手するまではそれほど大した関心はなかったとは言えます。
 が、当時京急と相互乗り入れしていた都営地下鉄5000系とか京成とかがあるのでレイアウト上で「気分だけ京急」を味わうのはやぶさかではありません。

 京王が高尾山行きを中心に「山登り派」の私鉄と化している様に京急の場合は「海水浴派」の編成が売りになっているのが特徴的であると同時に面白い点です。
 この本でも「海水浴電車」にかなりのページが割かれており「電車の本を読んでいるはずなのに気分だけは夏休み」という不思議な読後感を与えてくれるのが収穫ではあります。

 ところでこの本ですが本そのものに私を驚かせたポイントがあります。


 それは表紙裏の著者のサイン。
 これ自体は古本を何冊か買っていればそう珍しい物でもないのですが問題は宛名です。

 「謝・宍戸圭一様」
 これに驚くのは余程年季の行った鉄道模型ファン位でしょう。
 年季の行ってない私ですが(汗)

 宍戸圭一氏と言えば人工ホルモンで博士号を取り、晩年は京大図書館の館長を務められていたとか聞いていますが、昭和20年代(1950年代前半)後半に16番レイアウト「鴨鹿鉄道」で当時のTMS読者の憧れの的だったレイアウトビルダーの草分け的存在。
 しかもその鴨鹿鉄道はモディファイを重ねながら少なくとも90年代後半まで現役だったという和製GD LINEの如き様相を呈していたものです。


 その宍戸圭一博士への献本だとすれば少なくとも宍戸氏自身がこの本を手に取って見ていた事になる訳で何だか恐れ多い気持ちになります。

 ところでその京浜急行ですが先日意外な形でまみえる事になりました。
 それについては次の機会に。


鉄道模型、或いは趣味への「飽きること」におもうこと

2016-09-21 05:27:15 | 思いつくままに・考察
 今回は一種酔っぱらいのたわごとみたいなものです。
 脈絡のない話かもしれませんがそこはご勘弁を。

 最近のKATOは無暗にマニアックと言いますか、国鉄の旧型車両のモデル化が続いています。
 それも殆どゲリラ的にリリースされたりするので予約を忘れかねないほどです。

 それについてはTOMIXにしても似た様なものですが(まさかC11が出るとは)リニューアルされるようですし、全くうかうかできません。
 (ED19なんかは本当に直前までリリースを知らなかったくらいで)

 まあ、それはさておいて。
 
 レイアウトの製作で40年前に買っていたストラクチャーを組み直して並べた時、或いはこの十年ちょっとの間に増備された車両(それも骨董品レベルばかりですが)を俯瞰してみたりするとき、「継続は力なり」と言うある意味わかりきった事が、最近単なる言葉でなく体験としての意味と言う形で実感されます。

 してみるとテツドウモケイに限らず、趣味というものは何事もそうですが先ず「対象が好きである」と言う事が大事な要素であり資格ではないかと思えます。

 逆にいうなら趣味とか道楽について言えば最大の敵は「飽き」ではないかと思います。
 実際、私が鉄道模型を再開した当初一番恐れたのがこの「飽きることへの不安」でした。

 私自身、何事も飽きっぽい人間ですしその危険は大いにあった訳です。
 しかし、趣味を継続させる要因とは何でしょうか。

 ひとつには「興味が途切れない事」が言えると思います。
 或いは常に手を使う事で技量の向上や変質を積み重ねてゆくプロセスと言うのもあると思います。
 (敢えて「変質」と書いたのは私の技量が全く上がっていないからなのですが)

 ですがそれだけとはどうも思えない。

 「ゴールを目指すけれど、一方でそれに拘らない姿勢」というのもあるのではないでしょうか。
 何事もゴールと言う物はあります。
 ですがそれは同時に「ゴールと同時に弛緩が来る」事もまた多い。
 ここで飽きてしまうか、次の展開を考えるかがひとつの分岐点ではないかと思います。
 (こういうのを別名「足を洗う」とか「泥沼にはまる」とも言いますw)

 ですが一方に於いて趣味と言うのは仕事とか実生活と違って「飽きたらいつでもやめられる」
 少なくともそのハードルは低いはずです。

 「好きなだけでは続けられない」これは真理です。
 ですがその一方で「まず、好きでなければ始められない」というのも真理ではないでしょうか。
 「好きでい続ける」と言う事、これが全ての趣味、道楽の原点(スポーツなんかはそうでないと肉体的苦痛だけな筈です)と思います。

 人生の中でそうまでして「好きでい続けられる」対象を見つけられる事は案外難しい事かもしれない。
 不思議と物的に恵まれれば恵まれるほどこれは難しくなる様な気がします。

 どこかで好きな対象に対する欠乏経験があると案外好きでい続ける物かもしれません。

 初めて鉄道模型を始めた時にもこの欠乏感がありました。
 40年前のNゲージの開始時は特急列車が20系しか組めなかったですし当時人気の蒸気機関車はたった3機種。それどころかディーゼル機関車すら全くありませんでした。
 ですから腕に覚えのあるモデラーは製品化されない車両の自作や改造による増備に血道を上げましたし、それほどの腕のないファンは(わたしなんかはその典型でしたが)ひたすら製品化を待ちわびたものです。

 80年代に入りある程度その渇は癒された。そのはずでした。

 ですが今思い出してみると私がNゲージを中断した30年前は新規参入組を中心に大概の編成が手に入る様になったこの時期と重なるのです。

 これはなぜなのか。

 この事については結論が纏まらないのでもう少し考えてみたいと思います。 
 (写真は本題とは関係ありません)

ターミナル駅ビルモジュールの建設・14・ビル街の差し替え対応

2016-09-20 05:56:03 | モジュール4
モジュール改修の続きです。

前回までと少し工程が前後しますが、電飾を仕込んだTOMIXの総合ビルの組み立てに入ります。
総合ビル3セット半、28階分を繋いだ2棟の本体にテープLEDを組み込んだアルミ棒を貫通させた上で接着。
更に外壁処理と遮光を兼ねてアルミテープを外側から貼り付けます。

1,2階はKATOの高架駅店舗のそれを転用しましたが、こちらは室内照明を考えていない為にドリルを使って開穴。
上屋と併せて34階分を一体化させて本体としました。

展示時にはベースボードに2本のアルミ芯材を突き刺し、同時に配線を引き出して接続するシステムです。
灯りを点灯させると正に行燈状態。

LEDの耐久性とどれくらいの熱が出るか、放熱できるかが鍵ですが。

これを駅ビルの背後に立てて見ると我ながら相当の迫力です。

さて超高層ビルの隣の空きスペースが少し残っています。
当初はここに先日富士で購入したスクラッチのビルを配置する積りでLEDを配線してありました。
後はここに建物を載せるだけで形は纏まるのですが、ここまで来たところでふとある事に気付いたりします。

つまり
「この構造ならドンガラ構造の建物なら何を置いても行けるのでは?」と思い付きました。
ファーラーやフォルマーのキットや最近のジオコレなんかもそうなっていますが最初から床板がなく箱をひっくり返した構造の建物の市販品は結構多いものです。
(むしろTOMIXやジオタウンの様な構造の方が世界的にみると少数派かもしれません)
つまりこれらはレイアウトのベースから配線と光源を引き出してあればすぐにでも配置できる構造な訳です。

今回使うスクラッチのビルもそういう構造なのですが私の手元にもキットメイクやフルスクラッチなどでそうした構造の建物がいくつもあります。
つまり遮光対策さえしっかりしていればそれらのどれもが配置できる事になります。

今までそこに気付かなかったのは迂闊でしたがいざ気付いてみると使える建物が多いだけにムラムラきます(笑)
D
早速旧モジュールで使っていた5階建てのホテルと差し替えて見ました。
迫力の点では富士のビルに負けますが一応は可能な事が確認できました。

これは同時に既に出来上がっているレイアウトやモジュールでもこの手がつかえる事に希望を持たせてくれます。

何しろジオタウンや街コレ建造物の照明組み込みには少なからず気が重い気がしていましたから。

1970年・あの頃の8ミリ映像から・・・

2016-09-18 05:52:07 | 旅行・探訪・イベントなど
昨年の今頃と、今年の初めにも書きましたが亡父が生前に撮りだめしていた8ミリのフィルムが大量に再発掘されまして、今回の帰省でも昨年とほぼ同量のフィルムを持ち帰りDVDに焼き直してもらっていました。

それが先日ようやく仕上がり再びあの頃の思い出に浸りきっていたりします。

昨年発掘されたのは昭和40年代前半が中心でしたが、今回のフィルムは昭和40年代後半から50年初め頃の奴が中心です。実はここまでの文言はさっき上げたサブブログの出だしと全く同じだったりしますが(汗)

こちらは鉄道編で
とはいえ昨年に比べると鉄道の出て来る場面の分量は少ないので動画を上げる訳にはいきません。

盛岡駅の送迎風景に写っていた583系のはつかり
当時はやまびこと並んで盛岡駅の二大スターでした。

この表記にそこはかとない懐かしさを感じてしまう私はおっさんです。

一見(当時としては)どうという事のない映像ですが今観かえすと「ああ、この頃は二軸の冷蔵貨車にコキが繫がっていたのか」とか感慨にふけったりもします。今ではこういう編成は映像か模型の中でしか再現されなくなってしまいましたが。


個人的なノスタルジーの対象は「ホームの上の立ち食いそば屋」だったりします。
こういうのは「間違ってもバス停やタクシー乗り場では見られない」駅ならではの設備ですから当時はとても憧れました。
盛岡には「バスセンター」と言う駅によく似た施設があるのですが今月で終わるそうで。



その盛岡の駅舎。
新幹線の駅になるまではこんなにも空は広かった。新幹線の開通でこの駅舎も5階建てビル相当の高さになりましたが、今ではその駅舎を見下ろせるビルの方がはるかに多くなってしまいました。

その新幹線開業前の時期、でかでかと「0系のイラスト看板」が駅を飾っていたのも懐かしい思い出です。
この当時は「新幹線がみどり色になる」なんて誰も予想していませんでした。

如何に当時の東北が新幹線を待望していたかが伺われますが、因みにこの同じ時期、現在の埼京線近辺では「ムーミンやスナフキンまで動員した『新幹線建設反対』の看板の群れ」が沿線を飾っていましたが。
(たしかあの頃の新聞では住民のコメントとして「開通しても東京見物の田舎者しか乗らない」とまで書かれていた気がw ですが新幹線が開通しなかったら今の私の人生様式もなかった訳なのでやはり新幹線は偉大ではありました)

懐かしいといえば「青函連絡船」もそのひとつ。
当時の故郷では中学校の修学旅行の定番が「青函連絡船に乗って北海道へ」でした。

あの頃の連絡船は「デッキにクルマを積んで航行していた」のに驚いたのも今となっては思い出です。

「レイアウトに飽きる」事におもうこと

2016-09-17 05:49:14 | 思いつくままに・考察

 先日来、レールの余りの話やらレイアウトの掃除の話やら書いていますがこれらの事実は反面として「これ位レールを余らせ、こんなに埃が溜まるくらいにうちのレイアウトは現役期間が長い」という事でもあります。
 現行のクレイドルレイアウトは少なくとも4年線路関係の改修なしで使われていますし、ミニSLレイアウトの棚幡線にしても開通3年目を迎え汚れややれが出ているにせよ今でもほぼ毎日稼働しています。
 (尤も一回当たりの運転時間は笑えるくらいに短いですし、こう暑いとその頻度も下がりがちですが)

 ですが使用頻度を勘案するとこのふたつに関する限り個人のレイアウトとしては割合に使われている方ではないかと思います。

 ここでふと思ったのは以前に書いた事のある「レイアウトの寿命」の件です。

 モジュールとかセクションとかであれば「飾る事」にプライオリティが置かれる事もあるでしょうし、場合によっては「作る事自体を目的とする」ことだってあり得るでしょう。
 ですが自己完結したトラックプランに基づいた「レイアウト」の場合やはり「走らせる事」へのプライオリティはジオラマやセクションより大きいと思います。

 では走らせるためのレイアウトの実用上の寿命、或いは飽きたり面倒になったりして解体されるまでの期間というのはどれ位なものでしょうか。

 大概の場合レイアウトが解体される条件というのは
 「レイアウトに飽きた場合、あるいは我慢できない不満が溜まった場合」「レイアウト自体が壊れた場合」「レイアウトの維持ができなくなった場合」の三つに分かれるのではないかと思います。
 このうち、専門誌などでたまに書かれるレイアウトの末路というのは一番か三番の要因が多かった様に思います。

 一番目の条件では何割かの確率でレイアウト自体が作り直されたり、新調されたりと割合に前向きなのですが三番目となると、鉄道模型の趣味自体が軌道修正されたり終焉したりする意味ではやや後ろ向きとも言えなくもありません。
 それと、以前はごく例外的な条件として存在した「作者やオーナーが死去して」というケースも今後の高齢化を考えると当時よりは現実味が出て来ます。
 これなどは「鉄道模型の趣味が一生ものの楽しみになるまでになった」という意味では一種の成熟とも言えましょう。

 今回問題としたいのはその中でも最初のケースです。

 レイアウトを最初は楽しめていても徐々に、或いは一気に「不満や飽きが来る」というのはレイアウトのオーナーであれば誰もが大なり小なり感じてくる所と思います。
 ですが最近は、どこかに「そこで踏みとどまるか、一気にレイアウトを解体してしまうかの分水嶺」みたいなものがある様な気がしています。

 その要因のひとつに「走行性の劣化」というのが考えられます。
 レールが汚れたり路盤が狂ったりして脱線が頻発するとか配線の劣化や故障などでポイントが作動しなくなる、あるいは勾配の狂いでそれまで登れた列車が登れなくなったりするというのはレイアウトの経年劣化の中でよくあり得る事です。
 その意味では複雑だったりトリッキーなプランを採用しているレイアウトほど劣化のリスクは大きい事になります。

 商売として成立させているレンタルレイアウトならば専門のメンテナンスを常駐させて「仕事として」それらに対処する事もありましょうが、個人のレイアウトではそれらへの対処は製作時に比べても億劫になりがちと思います。
 案外こういう点が「レイアウトへの飽き」の遠因ではないかと。

 私のクレイドルレイアウトの場合、元々が運転会用のモジュールを転用したものなので線路配置は単純なエンドレスが三つだけ。
 それなりにシーナリィっぽい物はありますが本線に関する限り勾配もポイントもなし。
 普通の感覚としてこれだけだったら一ヶ月も走らせていたら飽きること必定のプランな筈ですし、事実このレイアウトの開通(完成に非ず)当時私の関心のひとつが「いつ飽きるかな」だったりもしたものです。

 ところが2012年にこのレイアウトが供用を開始して4年半くらい経つのですが不満はあるものの解体もせずに結構よく走らせている自分が居るのに我ながら驚きます。
 考えてみたらこの4年間、不満はあっても走行不能になる様なトラブルは殆どありませんでした。
 編成によっては脱線したり動力や通電の不十分さで途中停止したりもしたのですが単純なエンドレス、無勾配のこのレイアウトでは最低限のレールクリーニングだけで実質メンテナンスフリーに近い形で使えてきている事が大きいと思います。

 とはいえ、出来るなら3線を交互に行き来できる渡り線と立体交差位は付けたいという本音もあったりするのですが(苦笑)

 ついでに言うならやはりレイアウトにはどんなに貧弱なものであっても「線路周囲に風景がつくられているべき」だとも思います。
 風景があるとないとでは楽しさが根本的に違います。例えジオタウンやジオコレの住宅が沿線にただ並んでいるというレベルであってもです。
 出来ればそれらは運転者の目の高さに列車の台車が来るくらいの高さにセッティングされるのが望ましいでしょう。

 一方、カーブが急でポイントを5個も装備しS字カーブやターンテーブルまで付いてきている棚幡線の場合は少し事情が異なります。
 こちらもご多分に漏れず通電やポイントのクリアでトラブルを生じやすいのですがレイアウトのサイズ自体が小さいのでどこにでも手が届く、邪魔なトンネルや架線柱の類もなし。
 トラブルは多くても「すぐに、確実に対処可能」である事が結果として使用頻度の高さに繋がっている気がします。

 そういえば棚幡線も勾配や立体交差はありませんでした。 

 どうもこの辺りにレイアウトの寿命を決める要素がいくつかある様な気がします。

 そういえばオーディオの話ですが故長岡鉄夫氏のAVシステムの本を読んだ時に「ケーブルは太く短く、接点は可能な限り少なく、徹底的にシンプルな配線に徹する事が高音質の条件」と言った様な意味の事を書かれていました。
 その条件がなされた上で「コンポーネントが正攻法で作られていれば」最高の音を引き出す事ができるともあったと思います。

 各要素に置いて通電状態が大きな影響を与えるという点ではオーディオもNゲージも共通しています。

 とにもかくにも「いつでも編成が最高の走りを楽しめる」事は(走らせるための)レイアウトが長続きできる大きな条件ではないでしょうか。

KATOのC55ととある目論見のはなし

2016-09-16 05:45:15 | 車両・蒸気機関車

 先日の上京での入線車から
 KATOのC55の中古です。

 個人的な感想ですがC55はKATOの蒸気の中でも一種独特の地位を占めている機種と思います。
 先日リリースされたC59はカタログで予告されてから実際に製品がリリースされるまで30年以上待たされましたし、D52等は予告されたのが40年以上前なのに未だに出る気配すらありません。

 実車の人気度の点からいってもC55はかなり後のリリースでもおかしくなかった筈なのにいきなりリリースされたという印象があります。
 しかもC55と言うと大概のファンがイメージする流線型が出ていないのです。
 (以前機芸出版社からリリースされていたエッチング製のキットで対応しろと言うことでしょうか・・・まさかw)
 今回入手したのは門鉄デフ仕様。
 購入した理由は「そこそこ走れて安かったから」
 我ながら随分な購入理由ですがこれには訳があります。

 一昨年の暮れに購入していた「キングスホビーのC53流線型キット」の動力に使いたいという目論見があったからです。
 あのキットは購入以来丸1年以上寝かせた状態ですが、動力に使えるKATOのC55の出物が現住地でも故郷でもなかなかなく、秋葉ですらこれまでなかなか見つけられないアイテムでもありました。
 
 ベースが「あの頃のKATO製品」だけにスケールより大きめになる筈なので出来るだけ早く入手しないとせっかくのキットが宙に浮いてしまう危惧がありました。
  
 今回の入線でやっと計画に一歩近づいた感があります。
 さて、次のハードルはかなり難易度の高そうなキングスのキットをどう組み上げるかにかかっています。 

ジオタウンの日通事務所

2016-09-15 05:43:15 | ストラクチャー
 先日入手した中古ストラクチャーから、前回はTOMIXでしたがこちらはジオタウンです。

 観ての通りの日通事務所ですが良く見ると「日本運送」になっていたりして。
 かつては貨物を扱う駅の周囲には必ずと言っていいほどこの手の黄色い建物を見掛けたものです。
 (それどころか盛岡みたいな県庁所在地のターミナル駅ですら駅前に「日通ブロック」という呼称で呼ばれる一角があったりします)

 それ位に当たり前に見られた建物ですが最近では鉄道の貨物扱い駅の減少に伴い急速に姿を消している様です(単にこの黄色い建物が立て替えられているだけかもしれないですが)
 日通事務所自体はそれっぽいのが津川やジオコレからも出ていますが造形が雑だったりシチュエーションを選ぶデザインだったりします。
 ですからジオタウンのこれはようやく登場した真打ちみたいな存在かもしれません。

 TOMIXより後から展開したシリーズだけに構造のそれっぽさの点では先行メーカーを上回ります。
 特に建物本体は「単なる箱に屋根が付いた」レベルの様に見せておいて裏に回れば増築部分が飛び出している構造は「どちらを向いても表情が感じられる」という点で優れたところと言えます。
 ただ、愚直にモデル化したために意外とスペースを食う所はレイアウトで使う上では少し引っかかる部分ではあります。

 それと、プラの地色というかそのままでは黄色の彩度が強すぎて無暗に目立ってしまうのも弱点と言えば言えます。
 何れにしろこういう建物であれば最低限ウェザリングかリペイントは必須でしょう。

鉄道ミステリとNゲージを語る15 鉄道ミステリと0系新幹線

2016-09-14 05:41:03 | 小説

 今回は鉄道ミステリのアンソロジーのいくつかに所収のネタですが同じ題材が多い「新幹線ネタ」を纏めて紹介したいと思います。
 夢の超特急と言われただけあって0系新幹線が登場する、或いは舞台となる作品はあらゆるアンソロジーで登場します。
 それらをちょっと羅列すると

 夏樹静子の「山陽新幹線殺人事件」
 森村誠一の「浜名湖東方15キロの地点」
 大谷羊太郎の「ひかり号で消えた」
 の「まぼろしの指定席」
 星新一の「泥棒と超特急」
 戸板康ニの「グリーン車の子供」
 生瀬勝彬の「孤独な詭計」

 等が出て来ます。
 恐らく短編の鉄道ミステリに限定しても最も多く作品化された題材はこの0系新幹線ではないでしょうか。
 (余談ですがミステリに限らず例えば「東京大地震M8」等のパニック物や実録系の怪談もの、一般の旅行小説等でも0系の登場頻度は高いと思います。そういえばTV化された「消えた巨人軍」も新幹線の乗客消失ネタでした)

 しかもそれらの作品は作品としてのバラエティも多い。
 ここに上げた作品群もダイヤグラムアリバイを使った正攻法のミステリをはじめ「走行中の新幹線から乗客が消える」とか逆に「無人の新幹線に取り残されるミステリ」
 或いは「新幹線爆破計画」があるかと思えば「乗客の子供の正体を旅行中に推理する」なんて物まであったりします。

 やはり高度経済成長の時期の象徴であり、鉄道のコンセプトそのものにも変革を与えただけあって0系新幹線は作家にも魅力ある素材だったのでしょう。
 ですが、これを一々このブログで取り上げていったら「毎回0系新幹線のモデルのアングル違いの写真ばかりになる」可能性も高いのでどう書いたものかと少し思案中です。

 その0系ですがNゲージでは学研が昭和50年暮れに大窓車を製品化して以来、エンドウ、KATO、TOMIX、マイクロエースと各社から製品化されているメジャーモデルです。
 現役当時は鉄道マニアから半ば目の敵にされていた感のある0系ですが、その引退前後からノスタルジーの対象として再評価され、今ではレイアウトや運転会などでスター扱いになっている点で評価の変転が著しい機種とも言えます。

 Zゲージでもエフトイズとプラッツ(動力)によって割合早い段階で製品化されています。

ターミナル駅ビルモジュールの建設・13・輸送用「おかもち」の製作

2016-09-13 05:37:34 | モジュール4

 モジュールの最後の課題の工作から。
 今回のイベントではターミナル駅と鉄博風のふたつのモジュールを持ち込む事にしていますがどちらも結構嵩があるためにふたつを並列にクルマのラゲッジに持ち込むのは効率的とは言えません。

 幸いこのモジュールのベースはKATOの規格品で側面に連結、固定用の穴がいくつかあいています。
 クラブの運転会では3,4個のモジュールを縦バーで連結して積み重ねる、いわゆる「おかもち」状にしているのですがこれの個人用を作ろうと思います。
 (合わせて搬送のしやすさも狙います)

 下段にターミナル、上段に鉄博の組み合わせ。
 超高層ビルは取り外し式で対応するので高さ的には40センチ内外あればどうにかなりそうです。
 後は固定用のボルト・蝶ナットが8個。

 とまあ、ここまでは考えたのですが実際に掛かるとなるとなかなかエンジンが掛からないでいるのも確かです(笑)
 平日休でも使って一気に行ければ・・・とか考えますが。

 考え込んでいても仕方ないのでホームセンターで60センチ長の細板4枚を購入。
 併せて蝶ナットと6ミリ径のボルトを8本仕入れました。

 ドリルで2か所に開穴。
 工程と言っても実はこれだけです。

 ただ、ホームセンターにあった棒がいかにも細くて頼りないので倶楽部のモジュールが4本で済むところをこちらではモジュールボードの穴全てを埋める形で6本作る羽目になりました。

 余談ですがこれまでレイアウトやモジュールを(数だけは)随分作ってきた積りですが、今回のモジュールほど電気ドリルとはんだごてが大活躍している物はありません。