光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
こちらはメインブログのアーカイブとなります。

久しぶりに「修学旅行列車」を走らせて

2020-04-30 05:42:59 | 車輌・電車
(私個人の)思い出の列車をレイアウトで走らせてノスタルジーに浸る新企画の第四弾です。

 前にも書いた気がするのですが、中学の北海道への修学旅行の時に青函連絡船に乗るまでの経路で「修学旅行用列車」に乗った事があります。
 流石に私の母校だけで一列車占領するという訳にはいかず何校かの乗り合わせで仕立てられていましたが、その時の列車は普通にED75が牽く12系。

 修学旅行ではない他の団体さんやなんかも使いそうな汎用車なのが惜しかった。
 それでも鉄道に詳しくない同級生なんかは「ブルートレインだ」とか言って喜んでいましたが、客車の青地に二本線の白帯が入っていればそれなりにスペシャル感はあったろうと思いますw
 (そういえばスハ44時代のはつかりも青地に二本線でしたが)

 さて、東北の田舎学生だと修学旅行列車は12系の独壇場ですが、それより以前東京とか関西方面への修学旅行だと専用の電車があてがわれていて12系どころではないスペシャル感があったものと思います。
 今でも鉄博の玄関先で飾り物になっている155系などはカラーリングから他では見られない暖色系が使われ個性を発揮していると同時に(わたし的に)どうかすると湘南色よりも好きなカラーリングのひとつでもあります。

(1976年版カツミ模型店カタログ3-2Pより画像引用)
 余談ですが大昔のカツミのカタログ(もちろん16番)で二軸のフリー客車とかED58などの廉価版ショーティのモデルに混じって「修学旅行電車」というのもラインナップされていました。
 他のフリーとは異なり車体は(おそらく165系の流用?)20M級なものの床下機器のないまっ平らな床板、2連程度の運転を想定した先頭車のみのラインナップです。
「模型では、修学旅行電車の特徴をとらえ、お子様にも手軽に思い出の電車運転ができるよう自由形としました(昭和51年版のカタログ3-2Pより引用)」などとありましたから当時の都会の子弟でこの手の模型を買ってもらった層はそれなりに居たかもしれません。

 今回の思い出運転はそれらにちなんで修学旅行用列車で纏めてみました。

 もちろんメインは私が乗った事のある「ED75が牽引する12系」本来ならばKATO辺りの最新モデルを出すところでしょうが、今回牽かせるのはTOMIXの12系。
 香港製の腰高で車体下部に床板固定用の丸穴が開いていてカプラーポケットが無暗に長くてインテリアが全くないモデルです。
 なんだか悪口ばかりに聞こえますが「昭和の修学旅行の思い出」で走らせるならこれくらいラフなほうがむしろ懐かしい気もします。

 ペアを組むのはGMのキット組品の155系「こまどり」
 155系もマイクロとKATOから完成品が出ていますが、上述のカツミのフリー電車のノリに最も近いのはGMのモデルと思います。

 更にエンドウ製の近鉄あおぞら号を加えて修学旅行列車が3本行き交います。
 この3つが同じ場所で顔合わせするなんて実車ではまず不可能でしょうからいかにも模型ならではの楽しみと言えます。

 今気づきましたが12系に限らず他の二本も座席がないモデルばかりなので意外と見た目のつり合いは取れているかもしれません。

 ただ、155系とあおぞら号はどちらも動力がエンドウ製なので前回紹介したビスタカーと同様、ギアノイズが凄い。
 これがダブルで耳を直撃しますから夜なんかはかなりうるさそうですw 

レイアウトに賑わいを、そして・・・

2020-04-29 05:38:32 | 思いつくままに・考察
 先月の半ばころのこのブログでモジュールの改修のひとつに「無人状態の風景に人形を追加する」というのを書きました。

 そこで思い出したのですがこれまで私の作ってきたレイアウトやモジュールは一部を除いて「風景のどこかに人混みがある一角があるか人の集まるイベントが設定されている」という特徴があります。

 レイアウトのモチーフに都市を選んでいるからという事もあるのですが風景の活気を表現するのに人間の存在が欠かせないという事も大いにあると思います。かつてはレイアウトにおいて動きのない人形を配置するのに少なからず疑問を持っていたのですが、それが今では人のいない風景が考えられない位ですから。

 もちろんモチーフによって疎と密のメリハリはつけているつもりですが、人の多い空間を作っている時には独特のわくわく感を感じていたのも確かです。

 もちろんここ10年くらいの間にレイアウト用の人形のラインナップが充実してきたことや割合手軽に入手しやすくなっている事も大きな要因なのですが、その根底にあるのが「風景の中の活気を作りたい」事、逆に言うなら田舎暮らしゆえに感じる「人混みのない風景の侘しさ、活気のなさ」が身に染みているからだとも言えます。

 ですからモジュールが改修されるたびに人口が増えてゆき、秋葉や何かをほっつき歩いていても人形の安売りでもあるとすぐ飛びついてしまう自分がいたりするわけですが。

 そんな目で見ると最近の肺炎騒動がもたらした「繁華街の無人状態」が現実になっている事に少なからずぞっとするものを感じたりもしています。こうした風景は人混みあってのものですし、人が集まる事による活気が風景の大きな構成要素として成り立っている訳ですから。
 よもや人混みの風景がレイアウトの中でしか見られなくなりつつある現実が来る事になるとは、ついふた月前には想像もできない事でした。

 とにかく今は一刻も早い事態の収拾を祈るのみ。そしてそれまでは何事につけても用心しなければなりません。

みにちゅあーとの「ビルB」

2020-04-28 05:27:13 | ストラクチャー
 みにちゅあーとの積みキット消化のはなし

 今回は第3弾として「ビルB」をば。
 商品名としては凡百なのですが、これまた街並みのランドマークになりうる角地のビルのペーパーキットです。

 階段棟屋の付いた角地の3階建てのビルはローカル風景から都会の片隅にも対応できそうな柔軟性を持ちます。
 形状は(私の個人的印象ですが)「ザ・昭和のビル」といった趣。
 昭和40年代初頭の「ウルトラQ 」のミニチュアセットとか「特別機動捜査隊」の捜査シーン辺りにでも出て来そうな「控えめながら存在感のあるビル」の外見です。

 素組みだったので味も素っ気もないように見えますがウェザリングでもするとかなり懐かしさのある佇まいになりそうです

 角地のビルという事で5面の壁を組み合わせ、階段部が別組みとなっているため見た目の単純さに反し意外と手応えのあるキットと思います。
 ペーパーキットのストラクチャーの身上は「薄手の窓枠」プラのモデルがはめ込み窓を使ったり金壺眼になりがちなのに比べると実に細密感とリアリティが感じられて好きな部分です。
 ただこのキットの場合ビルの壁の厚みがあまり感じられず、壁面にメリハリを利かせたプラのビルと組み合わせると相対的に影が薄くなってしまう弱点があります。
 専門誌などで見るレイアウトとかの作例でこのビルはあまりお目に掛からない(もう一つのタイプの3階建てビルはそこそこ見かけますが)のも店頭で見たときの存在感の薄さ


 付属の看板類はすべて架空のテナントですが適度に明朝体を使った看板ロゴはこれまた「昭和30年代テイスト」
 「シスターミシン」には思わず笑いましたが。

 素組みでもそれなりに見られる建物ですが屋上部に手すりとか冷却塔でも組み込むと上から眺める機会の多いレイアウトでは結構映える気がします。

鉄コレの119系「するがシャトル」のはなし

2020-04-26 05:58:33 | 車輌・電車
 今日は先月の初旬、丸3か月ぶりくらいに行きつけの中古ショップを覗いてきた時のはなしです。

 久しぶりという事もあって品ぞろえもそれなりに替わってはいたのですが、今回はその戦利品から。
 鉄コレの119系「するがシャトル」仕様の4連。これに第20弾のクモユニ123(身延線色)も付いています。
 大半N化仕様で動力化もされており、4連時用に片側のカプラーがKATOカプラーに換装されていました。

 これで三千円ちょっとですから見た目ではお得度は相当に高いです。
 ですが店頭で手に取って見ると鉄コレとはどこか違う。



 よく見ると動力が鉄コレ純正でなくTOMIXの動力が付いているのです。
 なので「3扉の前にもクロスシートの背もたれが見える」といういたって斬新なインテリアが見られました(笑)

 また、トレーラーのうち2両は台車の車端側のみが金属車輪、内側は鉄コレ純正のプラ車輪となっています。
 (最近の鉄コレは純正プラ車輪の転がりが悪いことが多いのですが、119系の出た2013年当時はまだ転がりという点ではぎりぎり実用にはなった)


 更にもう1両のトレーラーに至っては床下に「GMキット用と思しきウェイトが直付け」されていたりします。

 持ち帰って線路に乗せると割合勇ましい音を立てて走行はできました。
 ですが、そうなったらなったで今度は動力車の背が妙に低いのが気になり始めました。
 よく見るとTOMIX動力は鉄コレボディに両面テープで止めてあるだけ。
 なんというかふた昔前くらいのGMのキットを組むような要領でN化されていたのです。

 上記の点は例えば動力を鉄コレ純正に換え、残りの車輪も金属車輪を調達、交換すれば済むことではあるのですが、今の動力もいったん外して両面テープを貼り直せば(何ならシート部のパーツも外して)腰を上げる事はできそうです。
 と、まあずいぶん粗ばかり書いてしまいましたが、実をいうとこのモデル憎からぬ感じがあります。

 おそらく前のユーザーはGMのキット組の経験者でその時の余剰パーツの一部を転用、あるいはTOMIXの動力をGMのボディに使う位の事をやっていたのではないかと思えます。
 (事によるとKATOカプラーも手持ちの余剰品だったのかも)
 トレーラーの車輪も最低限外側の二軸が金属製であればどうにかNの模型として使えると踏んでいたのでしょう。

 この独特のけちけちっぷりや収納ケース(よく100円ショップで売っている書類ケース、CASCOのウレタンを入れるのによく使うあれです)の仕切りのハイブリッドっぷりを見るとキャリアもそれなりにある方ではないかという印象を受けました。
 何といいますか、こんな風に前のユーザーの顔が透けて見える様なモデルには久しぶりに見えた気がします。

バックマンの「ポーチのある二階家」

2020-04-25 05:57:15 | ストラクチャー
 今回はトミーナインスケール=バックマンのNゲージストラクチャーから。

 このシリーズはナインスケール扱いの当時ですら一般の住宅がタイプ違いで6種類も用意されていて、アメリカ型のファンだったらすぐにでも沿線風景のあるレイアウトが容易にできるようになっていました。
 ですが日本型のストラクチャーがほとんどなかった昭和50年当時、この充実したラインナップはNゲージャーからしてみれば何かの嫌がらせに見えるくらい「使えない建物のオンパレード」に映ったのは間違いありませんw

 ですが前にも書いたように和風の建物類が充実し、また実際見かける住宅にももろにアメリカ風の住宅が散見される様になった今なら、もう少し評価できるのではないかという気もします。
 と、いう訳で今回紹介するのは「ポーチのある二階家」

 家の隅っこにガレージが付いているのはバックマン住宅のお約束の様なもので、さすがモータリゼーションの先進地と思いますw

 その名の通り二階家の右端にポーチが付いているのですが、そこにリクライニングチェアが二脚も配置されているのが楽しい。こういうポーチ(というかベランダ)が付いた家というのも最近ではそう違和感はなくなっています。
 たぶん、ぼてぼての窓枠をアルミサッシ風にでも差し替えれば日本風のレイアウトにも使える(というかこういう建物が少しなら違和感なくなっている)のではないでしょうか。

 それとこのメーカーの特徴で建物だけでなくフィギュアや車もベースに直付けされ、単なるストラクチャーでない「ミニシーン付きの完成品」になっているのは今見てもすごい部分です。
 (尤も、それゆえに造形センスの古さからくる「おもちゃ臭さ」も感じさせるところではあるのですが)

久しぶりに「伊勢志摩ライナーとビスタカー」を走らせて

2020-04-23 05:54:27 | 車両・私鉄/民鉄
(私個人の)思い出の列車をレイアウトで走らせてノスタルジーに浸る新企画の第三弾です。

 
 かつてはお伊勢参りなんて一生に一度行けるかいけないかだった時代もありましたが、岩手と三重という距離の遠さもあって子供時代の私なども「お伊勢参りなんて一生に一度くらいしか行けないだろうな」とか思っていたのですが蓋をあけてみると、職員旅行だ無尽の旅行だなんだと2,3回は旅行しているのですから人間のめぐりあわせという奴は解らないものです(笑)

 でその場合は大概バスを使うのが常でして、その中で「電車に乗って出かけた」というのは一度しかありません。
 たまたま岐阜に住んでいた弟を実家の両親が尋ねた折、(私を含めて)せっかく一家が揃ったのだからと新岐阜から名鉄に乗り名古屋で近鉄に乗り継ぎして行く事になりました。

 往路は当時デビュー間もない23000系の「伊勢志摩ライナー」復路はすっかり近鉄の顔になっていた30000系「ビスタカー」と近鉄づくしの旅行となったわけです。
 ピカピカの新車状態の伊勢志摩ライナーが快適なのは勿論ですが、普通車に乗ってもグリーン車並みの豪華さの車内という私鉄特有のノリは当時結構新鮮でしたし、ビスタカーで「乗客に麦茶が配られるサービス」というのには驚きました。
 (田舎者はこういうもてなしという奴に弱いのです。当時は心底どう反応しようかどぎまぎした覚えがw)

 ただ惜しい事に「二階建てデンシャ」はこの時点ですでにMAXE1系という「新幹線の総二階」に乗ってしまっていたので新鮮さが薄れてしまっていたのはなんともですが。
 とはいえ同じ標準軌の二階建て車でも「人間運搬車」と化していたMAXよりも「観光特急」のビスタカーの方が圧倒的に快適だったのも確かです(笑)

 今回レイアウトで思い出の列車を走らせようと思ってふと思い出したのがその思い出でした。
 幸い伊勢志摩ライナーはマイクロから、ビスタカーはエンドウとTOMIXから出ています。

 今回はこの2列車のすれ違い運航という事で。

 21世紀にリリースされたマイクロがそれなりにスムーズな走りを見せるのに対して、まるでブルドーザー並みのノイズをまき散らしながら走るエンドウのビスタカーの落差よ(涙)
 ですがリリース当時は登場がTOMIXより早かった事もあってエンドウのビスタカーはかなり売れたようです。このタイプのビスタカーはエンドウの中古品は地方の中古屋でも結構見かけましたが、TOMIXの同年式はあまり目にしません。
 走りはTOMIXの方がスムーズですし細密感も高いのですが、遠目で見るとエンドウの印象もそう悪くはないのです。

 こうやってエンドレスのすれ違い運転を数周させるだけですが、それだけで十分楽しめました。
 さて、次回は何でいこうかなと。

「日本の私鉄 都市の電車ー西日本ー」

2020-04-22 05:51:52 | 書籍
 今回はカラーブックスネタから


 今回は「日本の私鉄 都市の電車ー西日本ー」をば。
 タイトルから受けるイメージが今一つあいまいなのですが、本書で言うところの「都市の電車」とは地下鉄をはじめ路面電車、モノレール、新交通システムなどをひとくくりにしたものの総称らしいです。
 現在だと新交通システムは更に増えているので、問題はないのでしょうが、本書が出た昭和59年当時は新交通システムがわずかに二社なのでボリューム的に不十分だったのか地下鉄も都市の電車の定義に含んでいるようです。

 個人的な印象ではやはり地下鉄をこのジャンルに含むのには違和感を感じるところで全体を通して妙な読みずらさを感じます。
(神戸高速鉄道をはじめ、地下鉄というと既存の私鉄や国鉄との相互乗り入れのイメージもあって普通の電車に分類したくなってしまう)
 なのでもっぱら地下鉄だけ飛ばして読むような読み方になってしまいがちになります。

ですが、それならそれで割合面白く読めてしまうので、これはやはりもっと路線が拡充した段階で出ていたほうがよかった、ある意味少し早すぎた企画のような気もするのです。
 案外今だったらもっとバラエティに富んだ構成になっているかもしれません。

 それを別にして、この種の路面電車や新交通システムという奴は普通の鉄道に比べて道路と絡むシチュエーションが多く、したがって電車とクルマが同列に走っているようなヴィジュアル(新交通システムも幹線道路と交差したり、車の群れを睥睨しているようなロケーションが多い)が目立ちます。
 これは鉄道も好きだけどクルマも好きなんて言うへそ曲り(笑)にはなかなかおいしいところでして、昭和50年代後半の日本の路上風景の一端が垣間見られるというメリットもあります。
(写真は本の内容とは関係ありません)

みにちゅあーとの「バイク屋」さん

2020-04-21 05:49:24 | ストラクチャー
 この間から休日工作のメインになっているさんけいのみにちゅあーとのキットから

 今回製作したのは「バイク屋」です。
 角地に建つ少し大きめの個人経営の自転車屋兼業のバイク屋さんという趣です。

 私の故郷にもこれと同じような角地の自転車屋さんがあったので購入の時にはそれに対するノスタルジーもあったと思います。
 角地の店舗のストラクチャーとしては古くはTOMIXの角店、最近ではジオコレやジオタウンでもキットや完成品が出ています(なぜかGMだけは出していませんが)

 普通の店舗と異なり角地の場合建物自体の形状も複雑であることが多く単なる箱でモデル化しても今一つリアリティに欠けるものが多いのですが、この自転車屋さんは屋根の形状やファザードから外れた部分の壁面の造形に角地の建物らしい複雑さが表現されています。
 なのでレイアウトではよくある「上から見下ろすアングルでの見え方」がなかなかいい雰囲気を出してくれます。
 (これに匹敵する完成品はジオタウンの角店位でしょうか。さんけいのキットでは角地の店舗に好ましい造形の物が多いようで食堂などは私も積みプラ化させています汗)

 角地の建物だけに単純な箱型では薄っぺらになりがちですがこのキットはまず内部に仕切りを作った骨格をあらかじめ作っておき、そこに5面の壁面を貼り付け、最後に屋根を付ける形式です。
 そのため完成させてみると単純な箱型よりもモデルの強度が意外にありお座敷運転でも使えるレベルかもしれません。
 壁面の凹凸は紙パーツを何枚か貼り重ねる事でプラよりも繊細な、それでいてメリハリのある造形の看板建築にしているのが特徴的です。

 この店舗も何らかのプロトタイプがある様ですが看板類は架空のデザイン。とはいえユーザーレベルの工夫でリアリティを与えることは可能ですしおそらく大半のユーザーは実行しているのではないかと思います。

 これも完成させて他の建物の中に加えると街並みのリアリティが一気に高まる人徳があります。
 これも建物自体の形状が一筋縄でいかない所をきちんと表現しているからでしょう。ただの箱状の角店だとこうはいかないと思います。

鉄コレ29弾の南海1000系

2020-04-19 05:22:53 | 車両・私鉄/民鉄
 鉄コレ埋蔵金車両から、今回は第29弾の南海1000系をば。

 今回紹介する1000系というのは実は二代目だそうで初代の1000系はかつて鉄コレ第18弾で出ていた京福福井支社の3000形とほぼ同じ仕様だそうです。
 南海の限定品で旧1000系もでていたそうですから、今回ので新旧の1000系が鉄コレで揃うことになった訳です。


 とはいえデザインで見る限りは新旧の1000系では共通点はほとんど感じられません。
 2代目は1992年に登場し、全車廃車で空番になっていた旧1000系の名前を頂いたという経緯のある車両。おまけにこの時期南海はイメチェン戦略の一環としてそれまでの塗装を現行のものに切り替えているのでますます関連が薄く感じられるのです。

 今回モデル化された2次車の2連は3編成が南海線に在籍していて2連2組の4連または8000系などに併結された6連でも運用されているそうで2連単独での運用はないか少ないというのが実情の様です。
 南海8000系のNモデルはいまのところキット形式でしかでていない様ですから29弾のやつを2組買って4連にするのが一番適当な様です。


 それにしても今回の29弾の中では西武の30000系に負けないくらいカラフルというか派手なカラーリングです。都会的ではありますが。

肺炎騒動に思うこと2

2020-04-18 05:19:35 | その他
 前にこの題材でブログを上げてからちょうどひと月になります。

 その時点では開催の可否が流動的だったグランシップトレインフェスタですが、つい先日今年は中止との発表があり複雑な気分です。

 無症状の感染者の比率が高いといわれる子供や若年者のギャラリーと、重症化リスクが高いとされている高年層が多い参加者が大空間とはいえ密閉度の高い会場で入り混じる事は非常にリスクが大きいのは確かであり、現在も感染者数が漸増している現状を思うとやむを得ない決断だったと思います。

 とはいえ、これまでインドア趣味の極北(笑)だったテツドウモケイという趣味が世間に開かれた存在になり得ること、未知の他者との交流の中で趣味そのものの深化が図られている事を実感してきた身としては残念に思うのもまた確かです。

 今はこの事態の鎮静化を祈るのみ。
 そして個々の心構え、用心をもってこの局面を乗り切るほかはないと思います。

 ですがその一方で「個人が自宅の一室でモデル相手に手を使いながら内なる自分と対話する(なんだか大仰だな)」というテツドウモケイの趣味のもう一方の側面がこの事態の中で再び前面に出てきている事も実感します。
 クラブのメンバーの中にもこの機会に仕掛かり品のモデルの工作に注力している人もいますし、私自身積みプラ状態だったモデルの工作がここひと月くらいの休日の過ごし方として定着してきています。

 しかもそれらの成果や経過をこうしてネットという形で発信することができる点、昔とは違う流れを実感もしています。

 ここ数年の「イベントなどを通した外へ飛び出す趣味としての鉄道模型」という面が表に出ていた中でやや忘れられがちになっていた部分ではありますが、こうした「動中静」と今の状況の「静中動」とが状況に応じて使い分けられるくらいにこの趣味も成熟しつつあるのかもしれません。

 そう思うと今回の試練を無駄にはしたくないという気もします。

 このブログの読者の皆様もそれぞれのやりかた、それぞれの立場でこの局面に対している事と思いますがどうかご自愛ください。
(写真は本題との直接の関係はありません)

久しぶりに165系を走らせて

2020-04-16 05:17:44 | 車輌・電車
 前回の485系に続いて思い出の列車をレイアウトで走らせてノスタルジーに浸る新企画の第二弾です。


 私の中で485系は主に東北本線で縁のあったデンシャでしたが、現住地に近い中央線となると183系と並び165系が思い出されます。
 本来ならば183系から入る所なのですが、それだと485系と大差ない気がするのでそちらは後回しにして今回は165系から走らせました。

 いわゆる「湘南色」というのは山の緑とミカンのオレンジの組み合わせだったという事になっているのですが、少なくとも中央線沿線ではミカンを見る事が少ない(というか殆どない)ですから、海なし県の山梨や長野を走る115系山スカ色と併せて、本来ならば「場違い感」が出るのは避けられませんw

 ですが刷り込みの恐ろしさと言いますか、山々を縫って走る区間の急行電車というと真っ先に「湘南色の165系」というイメージが先に立つ様になりましたから見慣れるというのは有難い事です。

 尤も湘南色という配色は元々グレートノーザン鉄道の機関車の配色をモチーフにしたものだそうで別にみかんがなくても関係ない事になりますが(そういえば457系のローズピンクとクリーム色は何がモチーフなんだろう?)

 まあそんな御託は置いておいて、

 かつて見慣れていたカラーリングの列車を走らせるというのは想像以上に和むものですね。
 特に夜寝る前にこれをやると中央線の深夜急行「アルプス」なんかを連想してなんだか「鉄道模型版ジェットストリーム」の気分になります(笑)

TOMIXのホキ800のはなし

2020-04-15 05:04:44 | 車両・客車・貨車
 たまに駅の構内などで見かける事があるバラスト散布用貨車のホキ800ですが見かけるたびに存在感を感じさせる車種です。
 写真のモデルは例によって中古ですが付属品一式揃っているので新古といっていいかもしれません。

 モデルとしてのこの貨車の特徴はナンバープレートやエアータンクが後付け別パーツなのに加えて「上級者向け」と称してハンドル・レバーの細かなパーツが付属している事です。

 いつもなら「上級者向け」などと脅されると(笑)つい引いてしまうのですが、あるとないとで印象が違いそうなので挑戦してみました。
 一旦車体を分解する手間とパーツのはめ込み(特にレバー)に要領が要る事でかなり面倒なのは確かでした(一部両手で2丁のピンセットを使って保持する場面もありましたが)がやってみた甲斐はあったようです。

 取り付け前と比べると細密感がかなり違います。とはいえ、この貨車は2両一組なのでこの段階ではもう1両をやらねばならなかったのですが(汗)
 組みあがったホキですが一種の事業用という性質上それっぽい機関車と組ませたほうがさまになる気がします。

 牽引機は当レイアウトだと河合やTOMIXのDCや自作した保線用機のEH10改のED機などが候補に挙がるところ(これらも追って試すつもりですが)ですが今回は手近なところで先日入線していたしなののED17を当てました。
 これはこれで悪くない気がします。

 更にその翌年やはり中古でホキ800が4両入線。これで理論上ホキの6連編成が可能となりました。
 とはいうものの、前のユーザーの手でカプラーがKATOのナックルタイプに換装されていたのでそのままでの連結は無理ですが(汗)
 その一方で全車ウェザリングがなされている上に1両は反射板まで装備という豪華版でした。もちろん後付けパーツはすべて装着済みです。

 おまけにケースはこれまた前ユーザーの手でKATOの貨車ケースに(内貼り加工までした奴)収められており、前ユーザーがかなり大切にしていたモデルである事が見て取れます。

 普通、こんな風に手を加えられているモデルはジャンク品扱いですが、ことこの場合には有難いと言えます。実際驚くほどの安さでしたし。

 こちらはアーノルド標準装備のED17という訳に行かず手持ちのロコでナックルカプラー装備のEF60(これも中古です)に牽かせてみました。
 こちらもなかなか迫力のある編成になります。

 ただ、6両編成が組めるようになったのにどれも空荷状態なのがかえって気になりだしています。ここはウェイトを兼ねて手持ちのバラストでも載せるべき所でしょう。

「子供の科学」と鉄道模型

2020-04-14 05:00:26 | 書籍
先日、中野の古本屋さんで見つけてきた古雑誌から
 昭和40年代前半、50年以上前の「子供の科学」です。
 (正確には1968年の2月号と10月号)

 子供の科学自体は近日創刊100周年を迎えるのだそうで数ある科学史の中でも群を抜いた息の長さを誇る老舗雑誌です。
 私がリアルタイムでこれを読んでいたのは昭和50年代初めころの一時期。
 「鉄道模型趣味」「模型とラジオ」と並んで「鉄道模型の工作記事が掲載されていた」数少ない雑誌だったことが大きかったです。
 そのころのメイン記事は当時の風潮を反映して9ミリゲージの軽便鉄道の工作が中心でした。(あの頃はNゲージの小型機関車が続々リリースされ始めた時期でHOスケールのナローモデルの最初のブームが始まった時期でもあります)

 ですが当時の私が本誌を読んで覚えたことと言ったら「バナナをフリーザーで凍らせるおやつの作り方」くらいのもので我ながらなんともです(大汗)

 今回入手した子供の科学(略称「子・科」)はそれよりも10年位前の時期ですが私が読んでいたころよりもはるかに活字の分量が多く、相当に読みごたえがあります。
 もちろん今の私のお目当ては「鉄道模型の工作記事」という事になりますが、時期が時期だけにメインストリームは当然16番モデルです。

(誠文堂新光社「子供の科学」1967年10月号73Pより画像引用)
 「1+B+B+1タイプ D型電気機関車の作り方」
 先輪付きのED級の電気機関車ですが「1+B+B+1タイプ」という呼称は当時のTMSや模型と工作でもあまり見たことのないものです。
 子供が作るという前提での工作法の記事ですから材料の種類や図面、図版はきわめて豊富。前に紹介した「鉄道模型の友」のそれに匹敵します。
 今の目で写真を見る限り、細密とかリアリティにそれほど意を使ったものには見えないのですが、今なら出来合いのパーツの組み合わせで済まされそうな「先輪デッキ付きの一体型台車枠をブラスでフルスクラッチ」させる中身になっているのが凄い!
 シャシ(床板)は木製、車体はペーパー製ラッカー塗装というのもあの時代らしいです。

 動力系がどうにかなるなら40,50代のおっさんがこれをもとにブラス工作の練習用に1両自作しても面白いのではないでしょうか。
 (何しろ本誌は対象が当時の小・中学生ですからw)

(誠文堂新光社「子供の科学」1968年2月号73Pより画像引用)

 2月号の記事は12M級小型電車 モハニ92の記事ですがこちらは台車をはじめ市販パーツ利用の比率が高くもう少しイージーなレベルになっています。

 もう一つ興味深いのはレイアウトの製作記事なのですが
 ほかの雑誌(もちろん専門誌を含む)が誰かの製作記とか、配線、シーナリィの技法が重点なのに対し本誌では「レイアウトプランを実行にうつすための注意」という基礎的な部分に意を用いているのが特徴的です。
 ベースの形状の選び方、勾配や引き込み線の設定や複線間隔の取り方など、入門書ですらややおざなりになりがちなところを「雑誌の連載記事」で一章丸ごとつかって説明するのですから読むほうも印象に残りやすいですし、何より解説が丁寧です。
 因みに2月号の記事はは今でもビギナーの頭を痛くさせる「リバース区間の配線の決め方」(笑)

(誠文堂新光社「子供の科学」1967年10月号77Pより画像引用)

 レイアウトの製作法の記事としては間違いなく今でもトップクラスの完成度ではないかと思いますが(以前からの私の持論に矛盾してしまうのですが)もしこれが一冊にまとまった入門書だったら大概のビギナーは面倒くさがって読み飛ばしてしまいそうな部分でもあると思います。
 その意味では雑誌の連載でネタを小出しにして継続して読んでもらうというのは(学校のカリキュラムみたいですが)覚えてもらうのはいい方法だった気もしますが。

 先日の「鉄道模型の友」と言い本誌と言い、40,50年前の工作誌の熱気は凄まじいものがあります。

さんけいの「TamTam岐阜店のキット」

2020-04-12 05:33:50 | ストラクチャー

 休日の蟄居でのインドア工作。
 積みプラ状態だったさんけいのペーパーキットを製作していました。

 その第1号は「TamTam岐阜店」
 数年前に秋葉のTamTamの店頭で存在を知り題材の面白さも去る事ながら「意外にあちこちで見かける建物の形状」に惹かれて購入したのですが、以来ずっと積みプラ状態になっていたモデルです。
 TamTamというと秋葉原や岩槻、仙台等の店が私にも馴染みのあるチェーン店のホビーショップですが生憎私の原住地には店がありません。
 今や家電ばかりかホビーショップまでもが全国展開される凄い時代ですが依然都会と田舎の落差は大きいものがありますね(涙)

 当時店頭で手に取った時にはこの岐阜店のほか、仙台店も製品化されていたのですが、そちらは普通の平屋の建物で特徴に欠けていたので二階建て構造の岐阜店を選んだ記憶があります。
 
 ですが、それまで私の作るペーパーキットは大半が「箱を組み立てて終わり」というレベルだったのですが、「外に階段部が二つも付いている建物」というのは結構手強そうな感じがあって二の足を踏んでいたのです。
 実際、これに掛かったのは数日前ですが毎晩寝る前のひと時を使ってやっていた事もあってなかなか進みませんでした。

 先日の日曜日の昼いっぱい使って階段部を一気に組み上げどうにか形にしたというところです。

 このキットのプロトタイプは岐阜に実在するようですが、1階部分が駐車場、屋外の階段を使って店に入る形式の店舗というのは結構あちこちにあるものです。
 例えば静岡なら「清水の鑑定団」岩手なら「盛岡のハードオフ」といった具合。
 この種のホビーショップや中古ショップはほかの建物を転用した形式も多く、例えば元の業種であるプールバーやスポーツ用品店、スポーツジムなどへの転用も容易でしょう。
 ですからこういう形状の建物がキット化されるという事はとてもありがたい事です。

 さんけいのキットですから組み立てはカッターとピンセット、クラフトボンドと木工ボンド、透明プラバン接着用のクリアボンドでもあれば時間さえ掛けて少しづつ組み上げることでだれでも完成できるキットと思います。
 さすがに階段部はNスケールではそれなりに手間がかかりますが、それでも工作の達成感は味わえます。

 現在の蟄居状態で作る様なキットとしてはなかなか良いものと思いました。

 完成したキットを他の建物の間に配置すると街並みのリアリティが一気に高まるのには驚かされました。
 こういう何処にでもありそうでいて意外に製品化されない建物というのがまだまだあるという事に改めて気づかされました。

今月のジャンク車から TOMIXの初代ED61

2020-04-11 05:31:39 | 車両・電気機関車
今回は久しぶりにジャンク級のモデルから。
先月の終わり頃、行きつけの中古ショップで見つけたTOMIXの初代ED61。
TOMIXとは言っても、最初期の香港製モデルの奴です。

今の模型の水準と比較したら側面がまっ平らな動輪とかボディ下部の謎の丸穴とか窓ガラスの入っていないボディとか裏返すとこれでもかと目立ちまくるギアの露出度とか、模型というより玩具と取られてしまいかねないレベルのモデルです。
ですが私個人は最新モデルの細密だけど素っ気ない造形に比べるとなんとなく人間味を感じさせる造形に魅力を感じたりします。
(同じTOMIX=ナインスケールでもED75ではそういう感情が湧かないのですが汗)

さて、このED61「動作がとても鈍いです」とタグに明記されていまして、そのせいで「表示価格から2割引き」という特売品になっていました。
表示価格の時点で2千円ですから2割引きならまあいいかなと。
この時期のTOMIX 香港モデルはモータが日本製に換装され極端に走りの難が出ることは少ないです。

ただしED75の一部がそうだったように経年劣化で動力のダイキャストが「メタモルフォーゼのレベル」にまで変形している事がままあり、以前静岡の中古屋で同形のED61の同じトラブルを起こしていた個体を見かけたことがあります。それまでED75でしかダイカストブロックの変形を見た事がなかったので、少々意外でした。このトラブルは微妙な変形でも走りに影響するのでこのモデルがそれに該当するかが心配事です。

見たところ難はなさそうなので購入。


レイアウト上で試走させると確かに引っ掛かりは感じられますが上から軽く押してやるとモータは結構元気よく回りますし伝達系も問題はなさそうです。露出狂状態のギアにセラグリスを注入、車輪をクリーニングの上ROCOも軽く塗布してみました。素人レベルではとりあえずこれくらいしかできません。


走行性は大幅に改善しました。ただし前進時だけ(笑)
逆行時はやはりギアが若干引っ掛かります。前進・逆行での走行性のギャップはかなり激しいですね。まあそれでも走行時の「モータの焼ける独特の匂い」が嗅げるだけでも70年代Nゲージの気分は味わえます。

前ユーザーの悪戯か、片方の前面帯が銀色でなく、なぜか白で色刺しされているのがご愛嬌。
ひょっとしたら「この向きで走らせないでください」という目印なのかもしれません。という事は前ユーザーもこのモデルの癖を知っていた事になりますか(笑)