光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
こちらはメインブログのアーカイブとなります。

Nゲージの「ガチンコ」に思うこと(笑)

2017-04-28 05:34:03 | 鉄道模型 

 今月はTOMIXのDD13、C11がリリースされていますが、先日はKATOもC11をリリース、またDD13の後期型も昨年夏頃にKATOが出していて、私も今年の元日に入線させています。
 こんな風にごく接近した時期に同じ形式のモデルが複数のメーカーから相次いでリリースされるというのは昔を知るものからすればすごい時代になったものだと思います。

 鉄道模型、それもプラの量産品となると企画から発売までの期間が比較的長いことが多いですから、概ね1年から半年以内に同一形式のモデル化が出れば、ほぼガチンコ勝負的な競作状態と言っても良いのではないかと思います。

 私がこの趣味を始めた頃は年にふたつか三つくらい新製品が出れば御の字みたいなところがありましたが。
 さて、それではNゲージの量産品で同一形式の競作が始まったのはいつ頃のことでしょうか。

 上述の基準をもとに思い出してみると、私が知る限りでは1976年頃にタキ3000がナインスケールと関水金属でぶつかったのが最初ではないかと思います。
 このタキ3000、片やKATOの細密化の礎を築いた記念碑的なモデル、片や香港製のトミー初のボギー車と言う物でしたが、関水の奴は細密感は見事ながら1両がブルトレ20系と同額の800円。
 一方のトミー製はややラフな造形で手すりなどがないタイプだったとはいえ1両450円と価格と出来の点で結構棲み分けがしやすいラインナップだったと思います。
 とはいえ、トミーと関水のタキを混結射せるのは結構つらい物がありました。当時の私の財政事情だと関水1両に付きトミーが2両くらいの比率で増備した記憶があります(笑)

 ついで有名なのが昭和54~55年にかけてTOMIXとエーダイが激突したキハ58系が印象に残ります。
 それまでキハ20系と82系(どちらもKATO)しかディーゼルカーのラインナップがなかった空白区に投入されただけに、どちらもメーカーのイメージシンボル的な意味合いの強い気合いの入ったモデルでした。
 TOMIXとエーダイのどちらにするか悩んだユーザーは結構いたのではないかと思います。現に中古ショップを眺めているとどちらの58もそれなりの数の出物を見かけますから当時普及していたのは間違いありません。

 やや搦め手ですが西武のレッドアローもTOMIXが完成品、GMがキットという形でほぼ同時期のリリースだったと記憶しています。

 変わり種では阪急6300系がKATOがセミキット、エンドウとしなのマイクロがどちらもブラス車体モデルで競作というケースもありました。
 後にも先にも「ブラスモデルのNゲージ完成品の競作」というのはなかったのではないでしょうか。

 Nゲージの勃興期という時期もあったのでしょう。あの頃は競作と言っても片方が安かったり、片方がキットだったりとユーザーの選択肢としてわかりやすい形でリリースされていましたから自分のライフスタイルにあった(笑)選択がしやすかったと思います。
 そうそう、この頃は24系ブルトレで「TOMIXがプラ、エンドウがブラス」という組み合わせもありました。

 それが「同一形式仕様も価格もほぼ同じ」という形で激突するようになった嚆矢はEF65 1100番台とEF58だったのではないかと思います。
 前者はブルトレブームに乗るという追い風の中で24系25型と同時期にKATO、TOMIX、エーダイの3社激突、後者はEF58ブームの中でKATO、TOMIXの激突という形で進行しました(おかげで2,3年は先行していたエンドウ製品の影が一気に薄くなってしまうというおまけつき)

 モデルのリリースのペースが落ち着き、メーカーも淘汰と寡占化が進んだ90年代以降は競作もそれほど珍しくなくなりました。
 それでも成田エキスプレスE253系辺りではTOMIXのHGに近い細密仕様とKATOのあっさりしているが手慣れたモデル化という形で棲み分けがあった(最近のE259系では逆にKATOの方がカプラーなどに工夫を凝らした仕様でTOMIXに対抗しましたが)りしました。

 ですが21世紀に入ると価格も仕様もほとんど同じレベルでの競作という形が増え、ユーザーを迷わせる事になります。
 まあ、中にはAメーカーのリリースの少し前に駆け込み的に既存モデルの小改良レベルのロコをBメーカーが出したりする事もあるにはあるのですが。

 今回はC11に少し先んじる形でDD13がKATO・TOMIXのほぼ同時期リリースを実現しましたが、実際入線させてみると「殆どクローン状態」と言って良いくらいに造形の差を感じません(もちろん重箱の隅的な間違い探しをやれば違いが分かるのでしょうが)
 互いが競争する事で相互にスキルを上げてゆくのは製品の進歩にとって大事な事は、車とかビデオデッキなどで私も痛感したものですが「1・5卵性双生児(親が違うのでw)」みたいな競作状態にどれくらいの意味があるのかは正直わからない物があります。

 せめてどちらかが細密度を落として安いとか、片方がセミコンバージョンキットだったりとかなら、楽しみの選択肢が増える意味で有難いのですが。
 前にも書きましたが正月にKATOのDD13を買った時は物を前日に見つけていながら「でも春にTOMIXが似た様なのを出すしなあ」と一晩悩んだ(それも大晦日にw)ものです。

 まあ、C11やDD13辺りなら同じ様なのが何両居ても困らないのでしょうが、これが「特定ナンバーの1両しかない機関車」なんかだったりすると厄介ですね。
 今回の思い出ばなし、後半はほとんど愚痴になりました。

KATOとTOMIX ふたつのC11を並べてみる

2017-04-26 05:31:53 | 車両・蒸気機関車
 先日入線したKATOのC11、これと先日入線のTOMIXのC11とを比較してみたくなるのはある意味人情でしょう(笑)

と言うわけでこのふたつを並べてみましたが...
ちょっと離れて見ると「びっくりするくらいに見分けがつきません(笑)」

この間のDD13の時もそうだったのですが、最近のKATOとTOMIXの造形は同じプロトタイプである限りは極めて接近していることを実感します。

強いて言えばKATOの方が黒染め車輪で足回りが落ち着いて見えることくらいが相違点と言えるくらいです。
とはいえTOMIXは「真岡鐵道のイベント列車用」なので車体も足回りもピカピカなのは当然です。


それでも遠目に見れば「ヘッドマークが見分けをつける目印」として機能しているのがなんともですが。

さて、走行性ですがうちのレイアウトを走らせている限りではどちらも普通に走ります。

フライホイール装備のKATOは特にバック運転で停止時の過走がスムーズな印象です。TOMIXのC11もTOMIXのコントローラを使う限りはそこそこ滑らかです。

スロー走行はごく微妙な差ですがKATOの方がスムーズ。

但し同じKATOのテンダー機程ではありません。
そして、KATOのC11にも走りに泣き所があってそれは「最小通過カーブが216R」であること。

棚幡線のミニカーブ(140R)での活躍を期待していた私にとっては残念でした。
TOMIXの方もミニカーブへの対応性は万全と言うわけではないので今回もC11にミニカーブは鬼門のようです。

(マイクロのC11は多少対応します)
今回の比較に関する限り「購入時の個体差を考慮しなければ」KATO、TOMIXのどちらを選んでもそうそう後悔はしない気がします。お金持ちなら「迷ったら両方買え」でもいいかもしれません。

ですが、DD13の時にも感じたことと同じ印象をC11でも感じたのは確かです。
それらについてはまた機会を改めて書いてみたいと思います。

モジュールの再改修・その10 夜景の合体

2017-04-26 00:37:37 | モジュール.1
モジュールの改修から

 これまで紹介して来た二つのモジュールですが前々から書いているように今回はこのふたつを合体させて一つの風景にまとめる方向です。
 ですからこのふたつが合わさった時に風景が違和感なく纏まるかが最初の心配事となります。

 またこれまではふたつのモジュールで別々に進めてきた照明工作の成果がふたつに合わさった時にどういう効果を上げているか(あるいはあげていないか)
 それらのチェックを兼ねて4月最初に日曜日をつぶして合体及び配線作業を試行しました。

 左右のモジュールは間に片側2車線中央分離帯付きの大通りを挟んでいます。
 合体時の違和感を少しでも消すために道路部分を別個のプラシートパーツではめ込む形にしましたが、プラシート同士の継ぎ目の部分が見苦しいのは生憎です。
 全体的に改修前のモジュールよりもバージョンアップ感が薄いのが私の腕の限界みたいなものでしょうか。

 但し、斜め手前から奥を俯瞰するところではそれなりに奥行き感は感じます。
 34階建ての超高層ビルと屋上コンサート付きの駅ビルのマッスがそれなりに効果を上げている様です。

 さて、夜になるのを待っていよいよ照明を通電。

 モジュールの右3分の2くらいのスペースがいきなりのシャンデリア状態になったのは分かっていてもそれなりに感動します(わたしだけ)
 丸2か月近く照明の組み込みだけやってきた甲斐はありました。
 今回は街路灯や車のヘッドライトにまで照明を組み込む腕が無かった分、強すぎるくらいの光量のLEDが組み込まれました。
 パッと見の華やかさは出たものの繊細さには欠けます。

 さらに左側3分の1、テレビ局のある一角は灯り自体が少ないために却って暗さが強調されてしまった面もあります。

 とはいえ、ここまでできた事で改修工事もひと山越えた感じです。
 あとはアクセサリーの組み込みと線路周りのリペアという作業が中心になります。

パソコンの昇天(涙)

2017-04-25 05:14:58 | 小説
先日、このブログを含めてWEB用の文章の下書きに使っていたネットブックパソコンがSSDのクラッシュで昇天いたしました(涙)
 HDDと違いSSDはデータの復元が極めて難しいそうで(なにしろデータの定位置と言う物が無いためどこに必要なデータがあるか探すのに手間が掛かるのだそうです)すが、これまでのデータ自体はバックアップを取っていたので良いとしても「文章打ちそのものが出来なくなる」事態は考えていませんでした。

 このPCもクラッシュまで8年くらい使っていましたが考えてみればそろそろ寿命を考えてもおかしくない時期ではあります。

 そんな訳でブログの方も下書きのペースが落ち込んでしまっています。

 これまでは待合室だろうとクルマの中だろうとちょっとした暇を見つけては文章をちょこちょこ打っていたのですが、それができないというだけでこんなにも更新に影響するとは思いませんでした(汗)

 尤も、個人でやっているブログですから毎日書かなければならない物でもないのも事実です。
 とはいえこの「ちょっとした暇にちょこちょこ書く」と言う形式はわたしの性に合っているやり方だったようでネットブックの昇天以来、そのちょっとした暇と言う奴がどうにも手持無沙汰になってしまっているのに気付いて少々驚いてもいる所です。

 そんな訳で後継機の当てが付くまではこのブログの更新ペースもこれまでとは変わってしまう事が増えると思います。どうかご勘弁を。

「今度はKATO だ!」のC11入線(笑)

2017-04-23 05:05:06 | 車両・蒸気機関車

 今月の初めにTOMIXがC11を出してから早2週間。
 と言いますかテツドウモケイの製品化ペースを考えると「たった2週間のインターバル」と言った方が良いでしょうか。

 KATOのC11もフルリニューアルでリリースされました。
 こちらも登場が待ち遠しかったですが「同じ月に同じ機関車の競合モデルを二機も買う」なんて事は私にとっては初めてなのでこれだけで驚異です(笑)

 ただ、KATOの場合既にC56やC12をリリースしているのでTOMIXほどの驚きはなく「ああ、やっぱりな」という印象もあるにはあります。


 造形は最近のKATOの例にもれず実にそつのない仕上がりです。
 中でも目を引くのがデフレクター裏側にモールドがされ、デフ自体もNとしては薄手の造形になっている事。
 以前のNの蒸機は強度の関係で厚手のパーツになりがち(ものによってはデフ裏に切欠きを作って見た目にデフを薄く見せるという奇策を使った例もあります)でしたが、実物の蒸機のデフは見た目にもぺナペナなくらいに薄っぺらく見える事が多いので、その意味ではより実物に近づいたとは言えます。

 キャブ下の造形もTOMIXのそれに引けを取りません。また、キャブの窓が半開きになっている所がまた心憎い表現ですね(同形のモデルが2,3両並ぶと「どれも同じ窓の開き方」になってしまいますがw)

 先輪のスポークの表現も見事ですが「TOMIXとうりふたつ」になってしまったのはある意味皮肉ではあります。こちらもTOMIX同様に先輪を集電に使っているらしいので尚更です。
 (尤も、それがベストであるなら2社が同じ構造になるのは当然ではあります)

 今回のモデルはTOMIXが「実物のプロトタイプがイベント運転用のスペシャル仕様」だったのに対し「国鉄時代の普通のタンクロコ」と言うスタンスに徹したモデル化がされている様です。ですのでよく言えば落ち着いた、悪く(?)言えばやや煤けた様な雰囲気で見た目に地味には見えます。

 ですが実機も現役当時はこういう雰囲気の「偉大なる凡庸」的なロコでしたから、特にレイアウト上では「その佇まいを感じさせてくれる」だけでも大いに存在意義はあります。

 肝心の走行性能を書くにはまた足りなくなってしまいましたのでそれについてはTOMIXなどとの比較を交えつつ次回に。

「地球最大の決戦」にレイアウトの夜景を考える(笑)

2017-04-21 05:02:06 | 映画・テレビ
 前回から相当に間が空いてしまいましたが「ミニチュア特撮に見るレイアウト的な魅力」今回は「三大怪獣地球最大の決戦(昭和39年・東宝)」です。
 今回はこれを基にレイアウトの夜景について考察してみたいと思います。

 以前レイアウトの夜景について書いた拙文でこういう事を書いた事があります。

(引用)夜景を語る上で私がかねて着目しているのは昭和30年代~50年代にかけての特撮映画のミニチュアセットの夜景です。

 「ゴジラ」「モスラ」等を始めとして円谷英二が特撮を担当した怪獣・SF映画には夜間の都市破壊のシーンが多いのですがそれらを通して見ている内にある事に気付きました。
 それらの作品の大半が「建物の室内の灯りのないシチュエーション」を選んでいる事です。例えば「ゴジラ」や「妖星ゴラス」の東京水没シーン、「海底軍艦」の丸の内壊滅シーンなどは市民の退避した後の街灯以外の灯りのない設定ですし「モスラ」の渋谷駅周辺は直前にモスラが送電線を切断して停電した状況、「サンダ対ガイラ」に至っては灯りのある所を襲う怪獣の習性に従って灯火管制を敷いていると、「作り手が意識して灯りのあるシチュエーションを避けている」節があります。


(ホビージャパン「大ゴジラ図鑑」P42より画像引用)
 最初は電飾の手間を惜しんでいるのかとも思ったのですが、後の昭和ガメラや84年のゴジラでは建物に灯りの入ったミニチュアセットが出て来るのを観ていてミニチュアの出来はそれほど変わらないと思われるのに夜景が魅力的に見えない事を感じた事から「これは作り手の意識的な演出だったのではないか」と思えて来ました。


 つまり「室内照明だけで魅力的な夜景を構築するのは意外に難しいのではないか」と言う事です。
 ミニチュアの室内灯はどうしても嘘っぽさが強調されてしまう事に作り手が気づいていた証左ではないでしょうか。
(後の平成ガメラの2で「市民退避後の真っ暗な街でガメラが戦う」シチュエーションが復活していますが他の夜景よりもかなりリアル且つ絵になる画面が頻出していました)

 但し、これが逆効果だったケースもあります。「日本沈没」の東京大震災のシーンでは建物の灯りが殆ど無い画面でビルや高速道路の崩壊を描いていましたが、ライティングのせいか何がなんだかわからない画面や妙に寂寥感の漂う光景が目立ちました。
 ですので都市部の場合は適度な室内灯や街灯が必要である事も申し添えておきたいと思います。

 建物のライトアップは最近の建造物でも良く取り入れられている物ですが、当時の特撮映画ではサーチライトや炎の照り返しなどでそれに近い効果をかなり使っている様です。昔の建物は特にそうですが壁面の凹凸が多く陰影がはっきり出やすい建物等は一方向からのライトアップでかなり陰影を強調されたリアルな雰囲気になります。

 街灯でも同じような効果が狙えそうな気もしますが、基本的に下を照らすための灯りなのでライトアップ効果は限定的と思われます。
(昔のウルトラマンのテレスドンやバルタン星人のスチルを参照)


(以上、引用終わり)

 上述の通り黄金期の東宝円谷特撮のミニチュア夜景は意識的に「灯りの多い夜景」を避けている節があるのですが、数少ない例外が本作の「ゴジラが上陸する横浜市街」のそれです。

(ホビージャパン「大ゴジラ図鑑」P80より画像引用)
 セットの広さも去ることながら夜景なのに奥行き感がよく出たパノラミックな構図の市街地は思わずため息が出ます。
 とはいえ、作品全体でこのパートの占める割合は多くありません。精々1,2分と言った所でしょうか。
 但しBDソフトには特撮シーンの没カットが収録されておりその中にかなり横浜のミニチュアシーンが含まれています。これを観るためにBDを買っても損はないでしょう(笑)

 これらのシーンには建物の室内灯や街灯、走行する車のヘッドライトがかなり組み込まれているのですが、月夜の光と組み合わせる事でレイアウトの夜景写真でよく見る様な「灯りは分かるが風景が見えない」という無様なカットにさせない工夫をしています。
 
 この作品のシチュエーションは他の作品とは異なり「ゴジラが突発的に出現する」シチュエーションだった為灯火管制や停電と言った設定が使えず、建物の灯りの多いシチュエーションを取り入れざるを得なかったものです。
 
 ですので室内灯や街灯が多い場面設定なのですが、この作品では場面の状況を「月夜」に設定する事で上からの光を効果的に取り入れ、周囲の地形や建物のシルエットを演出しやすくしていました。
 この事に私が気付いたのは最近ですが、これの他にもサンダ対ガイラ、フランケンシュタインなどでは夜景の中で意識的に空が微妙に明るく見える様な演出を取り入れている事がわかります。
(東宝ではありませんが「ガメラ対ギャオス」では「照明弾を使って夜空を明るくしている」と言う設定で同様の効果を得ています)

 不思議な事に84年のゴジラ以降の特撮物では室内光と室外光(街灯や月光、或いは周囲の夜景の照り返し)を組み合わせた画面効果が殆どありません。
 建物全体がはっきり見えてしまうほど明るすぎる平板な外光、街灯より明るく見える室内光の物が多く意識的な演出が感じられません。
 その為ミニチュアの精密さでは勝っているのに妙に薄っぺらな奥行き感のない夜景となっている(無論例外もあるのですが)のが残念です。

 ・・・などと偉そうに書きましたが今やっているモジュールではLEDの灯りが強すぎるのと街灯類が殆どない事から上述の「薄っぺらい夜景」になってしまっているのが何ともです

モジュールの再改修・その9・ビル街の改修

2017-04-20 05:00:12 | モジュール.1

 3月最後の日曜日は雨に開け雨に暮れる一日でした。
 その傾向は4月に入ってもあまり変わりません。むしろ日曜ごとに天気が崩れている感すらあります。
 気候も肌寒く、外へ出るのが非常に億劫に感じられる一日。

 ですが、モジュール改修にはある意味持ってこいの一日であるとも言えます。
 そんな訳でここ最近は日曜日の午前中をモジュール改修に時間を割く事ができました。

 今回の改修はLED配線の仕上げと一部建造物のモディファイ。
 よく考えてみたらここふた月ほどの改修では「鉄道関連施設の工作をまるでやっていない」と言うのに気付かされ愕然としています(笑)
 とにかくひたすらビル、ビル、ビル。

 LEDをハンダ付けし、7年間のほこりを落とし、ぼろくなったところを改修するという繰り返しだったりします。
 成果を感じる一瞬と言えば小分けにブロック化されたビル街のピースを組み合わせて灯りのともるのを見る事位ですか。

 ですが今月の後半は色々と行事や作業が重なっているので日曜日と言えどもなかなか進まないのが目に見えていたりします。困ったもんだ。

TOMIXとKATO、ふたつのDD13

2017-04-19 05:59:46 | 車両・ディーゼル機関車

 先日も紹介したDD13ネタです。

 前回も書きましたが、今年の元日にKATOの現行モデルのDD13を入線させていましたから、先日入線のTOMIXのDD13とは真っ向勝負状態です。
 そこで今回はTOMIXの新型との比較を書いてみようと思いました。

 ・・・なんて思ったのですがこの2両、並べてみると印象がまるで変わりません。
 塗装のトーンが微妙に異なるものの、造形面ではどちらがKATOでどちらがTOMIXなのか咄嗟にはわかりません(笑)
 微妙な造形の違いはあるものの、細かな相違点を挙げてゆくと「まるで「間違いさがしでもやっている様な気分」になりました。それくらい今回のDD13はそっくりなのです。
 TOMIXの方は重連対応寒地形を選んでいたのですがこれは正解でした。KATOと同じ暖地形だったらただでさえ付きにくい見分けがますますわからなくなります。
 まるでクローンと言うか一卵性双生児というか、とても別メーカーのライバル品に見えません。パッケージを入れ替えてしまっても違和感が無いのではと思えるレベルです。

 ある意味、これは模型としては当然かもしれません。プロトタイプがほぼ同じで技術的にも拮抗している感のある二社の強豪なのですから、力を入れれば入れるほど互いにライバルに似てしまう凄さです。
 最近の完成品モデルは細密度の点ではほぼ完成形に近い感じすらしますし、実車を目にする機会もまだ残っていますから、今後ますます造形合戦がエスカレートする様な気もします。


 所で肝心の走行性ですがTOMIXのDD13は合格点でしたが、KATOのDD13は140Rの棚幡線ではポイントと側線の切り替えでポイントを割り込んでしまいました。渡り線のS字カーブもどちらかの台車が脱線します。
 スムーズさもTOMIXに一歩譲るKATOのDD13、走りを堪能するなら最低でも150R以上は必要な様です。

 とはいえ、KATOのDD13もそれなりに気合いを感じる造形と出来ですし「40周年記念モデル」のTOMIXも初代(香港製)とは走りは雲泥の差と言っていいと思います。

C11のゼロヨングランプリのはなし(笑)

2017-04-17 05:55:53 | 思いつくままに・考察
 先日お話しした「パワーパックと機関車の相性」のはなしの続きです。

 先日紹介したTOMIXのC11の走りのチェックではKATOとTOMIXの比較的現用機に近いパワーパックを使いました。
 これまでは単にKATOとTOMIXの相性という観点でのチェックでした。

 「ではそれ以外のメーカー、それも旧型機のパックではどういう反応になるのか」という観点でチェックしたところC11に限らない問題点が浮き彫りになってきた感じがするのでここで上げたいと思った次第です。
 さて「それ以外のメーカー」と書くと如何にもカッコいいですが、こんな実験ができるのも実はここ数年奥などでジャンク品のモデルをまとめ買いした時などに必ずと言って良いほど旧型のパワーパックが付いてくることが多かったからです。

 このテストをするまでは増えに増えてゆく旧型パワーパックを前に「これじゃパワーパック公害じゃないか(2年ほど前から旧製品のパックはリサイクル店で買い取ってくれません)」とか毒づいていたのですがまさかこんな形で役立つとは。

 その前にまずチェックしたのは主に路面電車用に使っていたN-DU-201‐CL。
 私の手持ちのTOMIXパックでは一番の高級品ですが加減速のタイミング取りが意外と難しかったので小スペースの路面電車用に使っていたものです。

 これの後継機を使ってチェックされていた方のブログを拝見していましたが、そこでも書かれていた通りかなりスローが効く走りでした。
 「電車の運転台で蒸機を運転する」不自然さが我慢できるなら走りの面ではお勧めできる組み合わせと言えそうです。
 ただしその場合でも低速で「じりじりノイズ」が乗るのは変わらなかったですが。

 さてようやく本題です。
 今回テストに用いたのはトミーナインスケール、エーダイナイン、西沢精機の何れも30年から40年前の旧式パワーパックです。

 アンペア数に違いはありますがいずれも当時のメーカーのスタンダードモデルだったパックでした(これだけあって肝心の関水金属製がないのが何ですが)
 線路は前にKATOとTOMIXのパックでチェックをした同じクレイドルレイアウトのオーバルコース。勾配なしポイントなし最小280Rのカント付、モジュール接合部に若干の段差ありという条件です。

 まずエーダイのパックを接続してレオスタットを回し始めた途端。
 「C11がドラッグスプリント顔負けの急加速でダッシュ」したのには心底たまげました。
 ダイヤル操作を間違えたのかと思い電圧を絞っても効果なし。逆に最大に合わせたら「E5系顔負けの超高速ですっとんで行った」のですからたまりません。
 これではとても鉄道模型の走りとは言えない。

 ところがそのあと西沢製、トミー製のパックを接続して試してみたらどれもこれも「スーパーダッシュモード」で走ってしまいました。

 この結果を見て「これはC11だけの問題ではないのではないか」と思い同様のコアレスモータ機のKATOのC59で試してみると「こちらもゼロヨン加速モードの急発進」をやらかしたのです。
 しかもレオスタットの調節でも速度の制御が殆どできず「停止ー高速ー超高速」の3通りの走りしかできなかったのはC11と全く同様でした。
 (ただ、C11のようなノイズは出なかったですが)

 普通のモータを積んでいるマイクロエースの機関車では多少がさつながらもそこそこ普通の走りが出来ましたからこれはどうやらコアレスモータと旧型パックの相性の問題が大きいのではないかと思い当たりました。

 今回テストに用いたパックの大半は今ではメインで使われる事などほとんどないのではないかと思われるほどの骨董品です。
 あれから40年の間にモータの改良(進化?)やパワーパックの電圧制御の向上などでここ10年ほどの間に出たモデルであれば、大概スローの効いた加減速のスムーズな走りが可能になりました。
 それに合わせて動力系も繊細な物が増え、かつては考えられなかった16番と同等かそれ以上にスローの効くNゲージ蒸機も現実のものになっています。

 ですがコアレスモータなんてのがなかった頃の旧式パックではそういう繊細な動力に対応できる電流を流さない様です(それが悪いという訳ではありませんが)
 なるほど旧式のパックでも走る事は走ります。ですが最新モデル、それもコアレスモータを用いた機種では模型としてみたら現実離れした走行しかできない可能性がある訳です。
 困った事にコアレスモータを使う位のモデルは大概メーカーにとっても細密さを売りにするモデルが多いですから走行性と見た面とのギャップが最大限に開いてしまう訳で。
 (そういえばワールド工芸の小型電機などは台車内臓式のコアレスモータでした。あれがシグナルグランプリ並みの猛加速をする様を想像すると汗)

 一応走る事は走れますから「上位互換性」は保たれている事にはなりますが。

 ただ、キャリアの長いファンで旧式パワーパックをいつまでも使っている方だとこの走りは相当なストレスになりそうなのは確かです(笑)
 まあ、今どきのパックは結構安いですし、どうかすると現行機に近い中古品が半額程度で買えますからこの機会に買い替えれば済む話ですが。
 (逆に最近のパックで旧型車、それもエンドウとかしなのマイクロとかのを走らせると「あれ?こんなにスムーズに走れたっけか!?」と逆の意味で感動する事も多いですから)

 日本型Nゲージ誕生から50年(いや51年目か)意外な形で旧世代と新世代の断絶のような物を意識させられる出来事でした。


TOMIXのDD13寒地形

2017-04-16 05:09:43 | 車両・ディーゼル機関車

 先週来、TOMIXのC11にDD13、今週は鉄道コレクションの第24弾、聞く所では今週末にKATOのC11もリリースの由。

 KATOとトミーテックが寄ってたかって私を破産させようとしている気がする4月です。
 さて、今回はC11と同時に入手したDD13後期タイプ寒地形。
 まさかこのふたつが同時に入荷するなんて思いませんでしたが、C11の方が色々な意味で話題だっただけにDD13の影が幾分薄くなった感があります。

 ですがこちらのDD13は(個人的にですが)全く期待通り、或いはそれ以上の出来に感じられます。
 TOMIXのDD13は暖地タイプと寒地タイプの2種類がリリースされましたが暖地形は元日入線のKATOとキャラが被ると思い今回は見送りました。入線させたのは寒地形ですが結局これは正解だったと思います。

 造形は「いまどきのNゲージ」の細密さ。見た目の破綻は殆ど感じられませんでした。
 走行性能もいたってスムーズで滑らか。ミニカーブも楽々クリアできますしポイントなどでの引っ掛かりも殆どありません。C11と違いコンベンショナルな構造の動力を使っている事もあるのでしょう。
 自宅に帰ってから丸一週間手を付けていなかったDD13ですが先日ようやくナンバープレートを付ける事ができました。ナンバーは617号機を選びましたがこれには特に意味はありません。

 という訳でその後はすでに入線しているKATOのDD13後期形との比較走行などをやりました。
 その際に感じたことは次の機会に。

TOMIXのC11のはなし・その2

2017-04-15 05:07:42 | 車両・蒸気機関車
 TOMIXのC11のはなしその2.

 さて、先日来の記事の流れからするとどうしても避けて通れないのが走行性能に関する件です。
 何しろ入線前からあちこちのブログで走行性能に関する問題が指摘されていて買う前から軽いながらも不安感を感じていましたから。

 特にパワーパックとの相性に関する問題は2社のパックを交互に使ううちのレイアウトみたいな環境では問題になりえます。

 そこでメインのクレイドルレイアウト、ミニカーブメインの棚幡線のふたつでC11を試す事になります。

 線路もユニトラックとファイントラック(ミニカーブ込み)
 パワーパックはTOMIXのN-1000CLとKATOのスタンダードS(どちらもうちでは制式使用しているパックです)

 まずクレイドルレイアウトのモジュール部の直線で。
 発進ではTOMIXとKATOの差はそれほど体感できませんでした。確かにKATOで操作する時に若干じりじりノイズは出ますがわたし的には許容範囲内です。

 但し、足回りが華奢なのか微妙な線路の凹凸(特にジョイント部)では挙動が神経質になります。
 特にモジュールの接合部等によく見られるジョイントの波打ちのある個所では低速で立ち往生しやすい傾向があります。

 おそらくこれはこのモデルの場合、他の機関車より集電できるポイントが少ない事が関係していそうです(後述)
 同じ理由で線路の汚れにも神経質なところがあるので運転前のレールのクリーニングは必須と思います(まあ、それ位ならだれでもやる事と思いますが)
 実際、クリーニングの前と後ではかなり走りが違いました。

 確かにスローはあまり効く方でなく、ノイズも大きい方ですが標準的なカーブでの走行性それ自体はごく普通でした。
 巡航速度で客車を牽くならばどうにか使えるレベルと言えます。

 普通に使う分にはそれほど問題は感じませんでしたが「1万6千円するタンク機はそれなりのスムーズさがなければならない」と思っている向きには不満を感じるかもしれません。
 低速でじりじりしやすいのと加速の滑らかさが今ひとつぱっとしない点を除けばまあまあ使えそうと思いました。

 ただ、これは私が買った個体だけのはなしなので、そこは勘案していただきたいところです。

 さてもうひとつのミニカーブ主体の棚幡線。こちらはN-1000CLを使いました。

 ここでは特にミニカーブのポイント部を中心とするS字カーブがクリアできるかが重要です。
 結論から言うと棚幡線で4か所にあるポイント部でそのうち3か所まででポイントを側線側に切り替えると「先輪がポイントを割り込んで立ち往生」しました。
 2か所あるS字カーブも前向きでクリアできるのは1か所。
 但しいずれもバック運転では問題なくクリアします。

 そのポイントもスプリングが効いている電動ポイントよりも確実に切り替わりフログ部分ががっちり固定される手動ポイント(週刊SL鉄道模型に付属した専用品)の方が幾分楽にクリアできる様です。
 これはC11の先輪の追従性および先輪部に集電機構が内蔵されている点が関係していそうですが、同様の割り込みはKATOのC12やDD13でも時々見られるのでポイント自体の問題も否定できません。
 
 140Rのミニカーブはオーバルを回る限りは専用端梁でなくても問題ありませんでしたが、ミニカーブをよく使うなら専用端梁にしておいた方が無難かと。

 ところでレイアウトの高さが60センチの棚幡線の線路で目の高さにC11を通過させるとその先輪の見え方が良い雰囲気を出しているのに驚きました。
 このC11の先輪パーツはNゲージとしてはかなり華奢な感じで特にスポーク部の肉の薄さは特筆ものですが、低速で走らせていると「スポークの向こうの透けて見え方」がなかなかリアルなのです。
 この点ではC11に惚れこむ値打ちはあるかも。
 但し、これを楽しむには少なくとも目の高さよりやや上のところを走る必要がある(出来ればシーナリィ付きのレイアウトかセクションだと完璧)のが勿体ないですが。


 以下余談
 特に棚幡線では走りがややぎくしゃくしがちなC11ですがおそらく集電の不安定さが原因のひとつと判断。
 集電安定剤のLOCOを試しに塗布してみました。

 その結果、劇的にとはいかないまでも3割から5割増し程度には走りのスムーズさは改善しました。
 このC11は3軸の動輪の内二軸までにゴムタイヤが巻かれていて他の機関車よりも動輪からの集電が弱い可能性があるのでこの手のケミカルチューンはそれなりの効果は上げる様です。

 とはいえ、この手は好きな人は徹底的に使いますが嫌いな人は徹底して使わないので誰にでもお勧めできる方法とは言えません。私とてこれを使うのは余程の場合なので。
 少なくともレンタルレイアウトに持ち込むなら使わない方が無難と思います。

モジュールの再改修・その8・駅ビルの屋上

2017-04-14 05:05:28 | モジュール.1
 モジュール改修のはなしです。

 今回の目玉は私鉄ターミナルビル区画の電飾と一部のディテールアップ。
 中でも私鉄ビルの屋上には「屋上コンサート(と言うかラジオの公開収録)」のミニシーンを据えており運転会の時にはそれなりに目を引く存在でした。

 ですが当時はAC電源のLEDが海の物とも山のものともわかりませんでしたからジオコレの照明ユニットでお茶を濁していました。
 これがまたコードが短いのと「電池ボックスのやり場に困る」という弱点がありました。
 昨年の改修からのテープLEDとAC電源によるコードの引き回しの自由度の向上に伴い、先ずはここから手を加えました。
 駅ビル自体は元々照明を考慮したドンガラ状態でしたので、それほど手間は取りません。

 ただ、LEDの光が強すぎるため看板のロゴ灯では眩しすぎるという弱点も付いて回ります。
 尤も、コンサート会場の照明には適当ですが。

 そのコンサート会場、基本的には前回と変わりませんが、前回製作した時に「屋上なのに客の入り口が無い」と言う欠点を指摘されまして
(ステージの真裏に屋上通用口が来ていた)ステージの向きを90度変える事で問題を改善、併せて「運転会のギャラリー側からステージが見える」配置に変更しています。

 電池ボックスをそれらしく偽装していた(それでもばればれ)屋上上屋はこの機会にジオコレの「自動販売機コーナー」に差し替え。
 屋上の売店やスナックでも通る外見の建物なので大いに助かりました。

TOMIXのC11のはなし・その1

2017-04-12 05:02:20 | 車両・蒸気機関車

 先日のユーフォニアム電車のはなしを書いた直後に行きつけのショップから連絡がありTOMIXのC11が入荷したとの由。

 そればかりか発売延期と聞かされていたDD13も同時入荷と言う事でこの日曜日は財布にやさしくない週末となりました。

 さて、今回はまずTOMIX40周年記念モデル第一弾のC11 325号機から。
 ぱっと見の造形と細密感は見事の一語。
 昨年のKATOのC50と並べたくなる位に「いまどきのNゲージモデル」しています。

 こうしてみると最初期のKATOのC11が如何にディフォルメとオーバースケールされていたか(とはいえ基本的な造形を変えずに46年も通用し続けたのはとても凄い事です)
 マイクロのC11も長さはともかく背が異様に高かったですから、今回のTOMIXのC11は造形に関して言えば決定版レベルと言えます。
 (とはいえKATOの新型C11がでたらどうなるか)

 パッケージにはこれでもかとばかりに後付けパーツのオンパレード。
 つかみ棒や信号炎管あたりはともかくエアホースまで後付けとはまるで銀河モデルのディテールアップ並みです。
 それとは別にフロントのばね箱にも予備があって(笑)こちらはヘッドマーク取り付け用です。
 更にTOMIXらしいというか後部端梁が丸ごと交換できるようになっていて「ミニカーブ対応の、梯子が短いバージョン」を選択できます。

 この辺はあらゆる意味でTOMIXらしさが満載と言う感じでした。

 そんな訳でそのTOMIXらしさを堪能すべく早速パーツの取り付けです。
 とはいってもうちの場合「140Rの棚幡線に入線させる」事も大きな目的ですので全部を付ける気はありません。

 ナンバープレートは当然としても、ヘッドマーク用バネ箱とミニカーブ仕様の後部端梁を交換する程度。
 つかみ棒などはこれまで見たどれよりも華奢なパーツなので下手に付けるとすぐ折ってしまいそうだったので今回はパス。
 ダミーカプラー仕様に特化したエアホースも見送り。

 交換や取り付けにはHOZANのピンセットは必須。これはこれまでのTOMIXのHG製品と同様です。
 とにかくパーツが細かいので弾き飛ばさないように神経を使うところです。
 殊に後部端梁交換では「別パーツ化された解放てこと梯子の一体パーツやら全部のATS発電機パーツを配線部と一緒に取り外してつけ直す」なんて工程が加わるので尚更です。
 そして更にはめ込み式の炭庫とキャブを取り外す工程が加わります。

 TOMIXらしさを感じるのはこれらの行程がシステム化された様な感じを与えるところでしょうか。
 おまけにキャブが外れるのでバックプレートはおろか炭庫の運転台側のモールドも堪能できるところは楽しいです。
 (後部端梁を交換しなかったらこういう楽しみがあるとは気付かなかったかも)

 40周年のヘッドマークを取りつけたC11はこれまで入線したどれよりもスペシャルっぽさが感じられます。
 さて、肝心の走りについては次の機会に。
 (正直一番気になるところですので)

線路(あるいはパワーパック)と車両の相性に思うこと

2017-04-11 05:00:33 | 思いつくままに・考察
あちこちのブログなどを拝見していて、また自分自身の経験などから最近気になる事のひとつとして車両と線路、あるいは車両とパワーパックという所で「相性が気になる」と言うケースが散見されるようになりました。たまにとはいえ「パワーパックのメーカーが変わると走りがおかしくなる」とか、「線路のメーカーが変わると脱線が増える」とかを経験すると規格と言うのはどうなっているのか疑問に思うことがあります。


本来のNゲージの規格であれば「どんなメーカーのどんな車両でも規格に準拠していれば同じ線路の上をスムーズに走れる」と言うのが望ましい、と言うか本来の姿と思います。
まあ、いつまでも旧式のパックや動力車を使っていてそれだけを基準に考えられても困るのですが(それだと技術の進歩もなくなりますし)ここで問題に感じるのは「A社の動力に対応した特殊制御パックが他社の車両に使えない(発熱の危険がある)」様な記述をカタログなんかで見かけたり
或いは「B社の車両がクリアできるポイントがA社の車両が通過する時に限って脱線したり無電区間に引っかかりやすい」なんていう明らかに「ブランド間の横断をした使い方をするとトラブルになる事がある」ケースです。

模型とは言っても線路に電気を流してモーターを回し、それをいくつかのギアを介して伝達させるアイテムである以上多少の相性の相違も出てくるのは当然かもしれません。とはいえ、形式上Nゲージの規格と言うのはビデオのVHSとかBDとかに比べると割合緩やかなのか大雑把なのかメーカー毎のオプション規格みたいな差異が結構多い気もします。

特にNの場合二大ブランドが車両も線路もパワーパックも賄う総合メーカーなだけにシステム同士の対決的な意味合いが加わっている面も問題を複雑にしている気がします。
 皮肉な事に16番の方は車両メーカーと線路メーカーが別々に商売している印象もあってシステムによるユーザーの囲い込みまで考えが及んでいない(あるいは考えていない)感じもあります。線路メーカーは専業ゆえに「どこのメーカーの車両でも安定して走れる」ポリシーで作れるとも言えなくもありません。

昔なら多少がさつでも走ってくれさえすれば最低限の互換性は保たれている事にはなるので、電源や線路と車両との相性などあまり考えなかった所もありましたが、最近はパワーパックひとつとってもよりどりみどり線路も2大ブランドの頑張りのおかげでお座敷運転用としてはかなりの充実度になってくるとやはり次に考えたくなるのは「走りの質感」です。


車両と線路(あるいはパワーパック)のメーカーが変わると走り味が変わると言うくらいなら個性の範囲で済みますが、それでも走りの質感がどのメーカーの線路やパックでも保てるくらいの配慮は欲しい気もします(あくまで「現実的な常識の範囲内で」と言う但し書きが付きますが)

実は先日リリースの某メーカーの機関車の新製品で走行性の不安定さが指摘されるブログに複数当たっており、中でもとあるブログでの店頭でのやりとりで「同メーカーの、それも現行品のパワーパックでの操作を推奨している」と言う店員さんのコメントがあったとの由で。
まさか機関車と一緒にパワーパックも新調しろと(驚)
実はまだ現物が手元に届いていないので、私自身現時点ではそれを検証できない立場なのですがこれが事実とすると結構不安だったりします。

これが機関車とパワーパックでメーカー毎の囲い込みを意図しているとしたらある意味とんでもない話ではあります。
今だって既にカプラーや常点灯照明ユニットでそれに近い事があるのですから。

実はこのブログの前半部は1年ほど前に下書きを書いていたのですが、まさかその後にこういう事が起こっているとは。
何事もわからない物ですね。

「シン ゴジラ」のメイキングを観て・・・

2017-04-09 05:57:59 | 映画・テレビ

 前回からかなり間が空いたレイアウト趣味から見る特撮映画のはなし
 今回は番外編です。

 先日以前から予約を入れていた「シン ゴジラ」のBDがようやく届きました。
 映画館で観た映画のビデオを予約してまで買ったのは何年ぶりでしょうか。


 (一度だけですが「映画の封切当日にその作品のビデオを買って家で夕飯を食べながら初見する」と言う経験もあるにはあります)

 で、届いたその日の内にいっき観。
 翌日は特典ディスクのメイキング(主に特撮w)をいっき観したりします。

 映画館で観た時は大画面の迫力に圧倒されてひたすら呑まれまくる様な感じだったのですが家のテレビで再見するときはどこかしら分析的な見方になります。
 とはいえ本編が勢いと情報量で押しまくる様な展開なのでやはり冷静にはなかなか見られないのですが。


 今回はBDの特撮シーンを観た感想から
 平たく言えば「カイジュウ映画をCGで作る事の意味とメリット」

 今回改めて本作を通しで観て感じたのは「ああ、空が広い」w

 従来のミニチュア主体の特撮でどうしても感じてしまう独特の閉所感がなく、空も俯瞰の地平も実に広々と感じられました。
 なにしろステージの天井も、ホリゾントの行き止まり感もないのですから怪獣映画らしからぬ開放感のある構図が連発。

 これなどはレイアウトを作っている身からすればとても羨ましいところです。

 レイアウトと特撮映画のステージは「広さと高さに制約がある」という共通のウィークポイントを持っています。
 ですから時にはホリゾントに凝ったり、画角の外側にまで(視野に入らないところ)セットを作り込む事で広さを感じさせようと苦心する訳です。
 ところがCGはそれを軽々と飛び越えてしまう。

 ミニチュアセットやレイアウトだと陸上競技場並みのスペースが必要な構図でもCGなら一つの画面で納まってしまう。
 しかも高度千メートルの俯瞰から地上数メートルの寄りまでの一連の流れをワンカットで再現する事も可能なのですから凄い話です。

 この解放感にあふれる画面作りに「21世紀の怪獣映画らしさ」を強く感じてしまいます。

 一方でCGとて決して万能ではなく、場面によってはミニチュアの方が良いという場面(例えば情報量が多いのにその全てがアトランダムに動き回る様なカット。倒壊するビルの中で家具や書類が乱舞しながら一斉に流されてゆくようなカット)もありそれが効果に合わせてCGと使い分けられている事も驚くと同時に嬉しいポイントです。
 (実はその数少ないミニチュア特撮のカットが特報や予告編に必ず出てきている所に「トクサツスタッフの自信と矜持」を改めて感じさせられるのですが。
 ミニチュアはカットが少ない割に通常の特撮映画並みの人的資源と予算が掛けられているらしく、CGとの間の違和感がまるでない(もちろん実景とも)ミニチュア特撮が堪能できます。

 本作の予備知識のない未見のファンの方がいたらどこがミニチュアシーンか探してみるのも一興かと(笑)


 本作がこれほど効果を上げた背景はスタッフが「特撮にもアニメ(CG)にも知悉し、同じセンスを持ってふたつを統一できる演出力を持っていた事」が大きいと思います。
 エヴァンゲリオンもセルアニメの範疇で非常に特撮映画臭い構図やカットの連続でしたが本作は逆にアニメ的なセンスを投入して実写映画を作った事で空気感の統一を図る事に成功しているのではないかと。

 本作が直接レイアウト作りに役立つという訳ではないとおもますが、構図の取り方や視点の設定など間接的にリアルな風景の見せ方と言う点では参考になるのではないかと思います。