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例年の今頃(というか昨年の今頃)なら故郷への帰省をやっている頃合いなのですが、今年は昨年とは比較にならない程のコロナ禍の進展ぶりで故郷も現住地も(ついでにその経路沿いの全ての都府県も)緊急事態宣言かそれに準じた状態となりました。
結局今回の帰省は見送りとなりましたが、そうなったらなったで本来の帰省に充てるべきだったまる何日かを自宅蟄居状態で過ごす事となり無聊限りなしの状態と相成りました。
そうなるとこういう機会でもないとできない事をやってみるのも悪くはありません。
そう思い、開店直後で客のいない近場のショップを覗いたのですが。
まさに運命なり。

プラムの16番スケールモデル「小湊鉄道キハ200」のキットが置いてあるのを見つけました。
現住地でプラムのキットが拾えると思っていなかったので、その点では少なからず意外でしたが「何日かの昼間の時間帯にまとまって手を動かす工作」には丁度打って付けと思えます。
まあ、お値段は張りましたが帰省の時のガソリン代よりは安いか(笑)

わたしにとっては16番のキットなんてトラムウェイの玉電デハ60以来ですが、パーツも多く相当に細密感のある構成なので、見るからにデハ60よりも作り出はありそうですねw
キットは中期型。何しろほとんど衝動買いに近かったので動力ユニットや台車枠まで手が回りませんでした。
なので今後走行化するかどうかは未定です。
基本的に素組みで一部必要な塗装は「お天気と相談の上できる範囲で」というゆるゆるな制作方針で臨みます。
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最初の二日間くらいは昼間の時間を使い上回りの工作を中心に行いました。基本、塗装は最小限にするつもりでいましたが室内の釣り手ばかりはプラの地色というわけにいかず白の色挿しをせざるを得ませんでした(汗)

車両中央部の6連の窓は差し替えで全閉、全開、半開の3種類から選んではめ込む事ができるのが芸が細かいですが、今回は片側は全て全閉とし、反対側は適当に半開と全開の窓を嵌め込んで、運行中の雰囲気を出す様にしました。

三日目くらいからは床下機器の製作に取り掛かりましたが、こちらのパーツ構成が半端ない。

素組みでもエンジンや変速機の類まで一々組み立てるので工程の割には時間が掛かりました。16番スケールゆえに床下のゴリゴリ感が凄い。
コレが昔のGMの客車キットだったら「ウェイト兼用の一体型床下機器」をねじ止めして終わり」なのですが(笑)
よく見たら組み立て説明書だって7ページ中4ページが床下機器と台車の工作に費やされていますから、手間が掛かるのは当然ではありました。

足回りはダミーの台車を組み立てるか、パワートラック組み込みで自走できる様にするかのどちらかを選択できる様になっていますがその差し替えも楽そうなので、ダミーの台車も一応製作する事にし、パワートラックが入手できたら随時差し替える方向で考えることにします。
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床下機器の設置には寝る前の時間を縫ってとはいえ、3日ほどつぶしました。
ここのパーツは細かいもののパーツの合いが良く、組み立て自体は楽です。
エンジン回りはパイピングから組み立てるものでNゲージとは異なるノリで工作を楽しめるのが嬉しい。
解説書も図版が多く親切な作りなので見ているだけでも楽しめ、工作が済んでからも取っておきたくなる出来だと思います。
(たまに笑える誤植=誤変換に当たるのはご愛嬌。あっ、人の事は言えないか汗)
こうして現段階では床下と車体の主要部分が形になってきました。
このキットは床板のコンバートでディスプレイ用と自走用のパワトラを使い分ける構造になっていますが、交換自体は仮止めレベルでコンバートできそうです。
なのでディスプレイ用のダミーの台車の工作にもかかる事にします。

小湊鉄道の台車は機器の汚損を防ぐために独特の泥除けがついているのが特徴でダミーの台車にもそれが付いているのは嬉しい配慮。
Nゲージではなかなかこうは行かないですし、16番スケール以上の大きさでないと楽しめない部分と言えます。
ですが、そこまで凝った台車パーツの構成になっているのならダミー台車だけでも実車準拠の13ミリゲージで出しても良かったのではないかな?とか思ってしまいます。
いわゆる「ガニ股論議」にこれ以上首を突っ込む気はありませんが、ガニ股が問題になるのは走らせる模型よりも飾る模型の場合の方が目立つし深刻な気がします。
(これが走らせる場合だったら実車ではあり得ない急カーブをどうかすると実車より高重心で走る13ミリよりは、パーツが豊富で素人でも安定した走りが実現しやすいHOゲージでも良いとは思うのですが)

せっかくコンバートが容易な構造ですから、ディスプレイ用に13ミリ仕様のダミーレールをつけても面白かったかもしれません。
まあ、台車を作る前に書くことではないですが(汗)
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先日書いたように天賞堂のパワートラックで自走化が可能な設計の当キットですが、ダミー台車用のベースとパワトラ用のベースが後から容易に交換可能なことが判明したのでダミー台車も安心して製作できます。

このキットのふたつある台車、一見して同じDT22タイプのように見えたのですが動力伝達用と動力がない方では微妙に構造が異なる設計になっています。
(前者はエンジンからのプロペラシャフトと繋がるデフ部分が台車内に表現されている)
なるほど、台車の部分だけで説明書を2ページも使うはずです。
と言いますか、今回キットを組むまでキハ200が片側台車駆動だと知りませんでした(大汗)
なので、単純なキットメイクでも「同じ台車を二つ作る不毛感」は幾分薄められています(笑)

例によって台車を構成するパーツはかなり細かく、もしこれが半田付けだけで作るキットだったら相当に時間がかかったであろうことは必定。このキットはパーツの合いがいい方なので嵌め込みだけでも十分仮組みができるのが有難いです。
出来上がった台車は実車でも工場の定期整備の時でもなければ見ないような細密感。甲府モデルの車両整備工場なんかに置いてもいいアクセントになりそうです。

ダミー用とパワートラック用で台車取り付けベースのパーツが異なる事は前述しましたが、各パーツは四方の爪で台枠にはめ込む仕様。
これを4つとも嵌め込むとかなり丈夫にはなりますが、今回は将来の自走化に備える事もあってエンジン側の爪を一つ残して残りの3つをカットしてしまいました。
これでも形態は保てますし、後からパワトラを入れるときの交換は容易になります。