
この間も紹介した「日本と世界の鉄道模型カタログ」から思ったことを。
今回の話は純粋に私見です。少し変な主張もありますがご勘弁のほどを。
普段自分の触れない(専門誌でも扱いが最近小さい)フォーマットのモデルの現状を知る楽しみもこの本の魅力の一つですが・・・
これを読んでいて驚いた事のひとつに「ライブスチーム、Oゲージ、HOでも外国型の値段が考えていたより安価に感じられた」事です。
この間エバグリなどでHOの外国型を買った時あまりに安さに目を疑った位ですが、元々の値段が安かったから中古でもあの値付けだった訳で案外驚くに値しない事だったのかもしれません。
そう考えると日本型の16番やHOj(それもブラスモデル)だけが異様に高いという現状はどうかと。
何しろ天賞堂のブラスC62の3両分の値段ときたら45ミリゲージの3シリンダー機構を内蔵したライブスチーム蒸気2両分なのです。
大きさが違うのはもちろん、実物と同じように蒸気で走り、実物と同じ機構で動輪を駆動させると言うある意味本格派のモデルと細密なのはいいとしても破損が怖くて走らせる事も躊躇する(それでいて飾るには大きさが中途半端な上にいわゆる「ガニ股」の為に実車とのプロポーションも異なる)モデルが感覚的に近い価格と言うのは不思議としか言いようがありません。

更に外国型と比較しても輸入品のプラ製とはいえ、マレー式のビッグボーイやDBの03蒸気のモデルで10万円を超える物が意外に少ない(関税とか掛かっていないのでしょうか)現実
つまりブラスのC62の1両分の価格でアメリカ型や欧州型なら「機関区が開業できる」くらいの機関車が買える事になります。
(但しHOの外国型でも日本メーカーの輸出用モデルなどは別のようですが)
これほどの価格差があるのに作る側も買う側(特に年季の入ったマニアなど)が特に不自然さを感じていないらしいのはどういう事なのでしょうか。

ブラスモデルはそのほとんどが手工芸品的な色彩が強く、値段の大半が人件費なのかもしれない(とはいえ、キット形式でも結構高価なのですが)ですが、これは少なくとも私の金銭感覚とは懸隔した物を感じてしまいます。
ましてそれらの大半が試走程度しか走らせられていない(ましてやレイアウトに組み込んでいるのは全くの少数派ではないでしょうか。大型蒸気になると精々がお座敷運転で精一杯と思われます。
最小回転半径が700ミリ前後だと家具のスペースを差し引いた実質だと8畳以上の座敷が必要。更に私の経験からの話ですが、そこまで精密な蒸気だとNゲージ以上に路盤の凹凸に敏感なためエンドレスもまともに周回できない物が存在します)
また、以前に他所の運転会などで拝見した中では皮肉な事に「走らせる事で却って玩具っぽさが前面に出てしまう細密モデル」もあるらしい事を知ったのは私にはやや意外でした。

個人的な意見ですがここまで精密に作るのならば思い切ってモータもギアも外してディスプレイモデルに特化してしまった方が良いのではないかと思います。
もっと言うならスケールもHOのレールを転用する前提で16・5ミリゲージ・64分の1位の規格が適当ではないかと。
(これはトミカサイズのミニカーの統一スケールでもありますし、サイズ的には16番とOの中間位でしょうか。尤も、昔はプラモデルメーカーが50分の1のディスプレイモデルをリリースしていた時期がありました)

とは言ってもこれはあくまで勝手な思案のレベルです。別に「これが絶対に正しいからこうすべき」と言う話でもありませんし既に普及している16番やNスケール(これらは私は「走らせて楽しむための最小限のスペック」と捉えています)に水を差す積りも全くない事を申し添えておきます。
・・・ですがもしこの規格準拠のディスプレイモデルが10万位で出ればことによると1両位は目をつぶって購入するかもしれないですね(笑)

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