トミーテックのジオコレの農家がリリースされたのを機に住宅街の製作を再開しました(第一陣の予告写真に出ていた中に瓦屋根の二階家があり、これが使えるのではと待っていました。この住宅、一応設定では農家となっていますが地方都市などでは案外街中で目にする事もある建物です)
実際に配置してみると、町並みにメリハリが出て見た目に良くなった感じです。
それを確かめた時点で正式に建物を配列しプラスター処理と塗装を行いました。
この住宅街は坂を登って財木町につながる設定ですので、通りも坂道が主体となっています。建物の種類が少ない場合、同一平面に並べても余りメリハリが感じられませんが、地面の起伏に沿って高低差をつけて並べると案外と見られる物のようです。
住宅街の製作中断中に手をつけたのがトロリー線周りの町並みです。
左側の写真を見るとトロリー線の手前側は何もない場所になっています。
レイアウトを運転する場合、手前を走る電車のサイドビューをよく眺められるのでそれはそれでいいのですが今回は線路の両側に建物が立ち並ぶ風景を再現したくなり、あえてベースを手前側に継ぎ足しました。
ベースの上を電車が走る訳ではないのでベース部分は軽量化を優先し、グーパネとスタイロフォームを使いました。このベース部分は真下をJR線が通るのですが、端の部分が上り勾配にかかる為(その分ベースを高くしなければならない)交差点に連続する坂道とし、高さを稼ぐと同時に見た目の地形的な変化もつけています。
後は、その上に街コレの銀行と消防署などの建物を並べました。大掛かりな部分はここだけです。
ここまで出来た段階で実際に車両を配して見ました。
このレイアウトでは電気街セクションに接続する部分の方向からトロリー線を見通せるアングルがあり、丁度、道の真ん中から、こちらに電車が向かってくるのを眺められるようになっています。
実際に眺めてみると、通りの両側に町並みがあるというだけでかなり臨場感が向上します。この時ばかりはやってみて良かったと思いました(笑)
「よ市」の財木町セクションに隣接する住宅街。これの構想は「よ市」を作り始めた段階で考えていました。商店街に隣接して住宅街があるのは当たり前だからという割合いい加減な発想です。
とはいうものの、どんな性質の住宅街にするかについては考えさせられました。最近の街ならマンションや高層アパートは必須ですが、そんなものを置けるスペースもないですし。
何よりも前の年に実家の物置からサルベージしてきたTOMIXやグリーンマックスの住宅キット群を生かしたいという思いもありました。
これらの建物は私が子供の頃に作ってきた物で塗装もなしの素組みという、面白くもなんともない代物でしたが今となってはさすがに街コレと並べても見劣りするので、塗装をし直しウェザリングを施しました。これらの住宅に街コレの住宅を組み合わせて、イメージ出来る町並みは「地方都市の下町」になりました。
そこで、例によってグーパネやスタイロフォームを組み合わせて土台を作り、建物を配列してみました。
まあ、何とか住宅街には見えるのですが、いざ並べて見ると何かが足りない。
何か家々がちまちまと並んでいるだけでまとまりが感じられない。そこまで考えた時に住宅街とはいえ何らかのランドマークが必要なのではないかと思い至りました。
ちょうどその頃(06年6月)トミーテックから、ジオコレと称して農家を中心に住宅キットがリリースされるという情報が入りました。試作品の写真を見ると、その中に昔の邸宅に使えそうな物が散見されます。これなら使えそうとは思いましたが、実際のリリースは半年先との事だったので発売を待つ事にして、住宅街の製作はこの段階で一時中断しました。次の製作はこの半年後となります。
町並みの方のが大体形になってきた所で「よ市」の部分に掛かりました。
「よ市」はお祭りの「縁日」と違って屋台よりも出店が多く、野菜や海産物などが路地売りされる様子をどうするかが、ポイントでした。
出店の部分はアイコムアクセサリパーツから使えそうな物をピックアップしましたが、それだけでは足りず街コレの魚屋や八百屋の店先部分や店内のパーツを切り出して配列しました。
「よ市」の賑わいの表現に欠かせない人形類は市販品の完成品を使っていました。しかし予算と人形のバリエーションが不足していた所で前にも取り上げたプライザーの未塗装キットの存在を知り早速纏め買いして人数を増やしました。
最近になってトミーテックのジオコレで人形類が安価で出回ってきているのは朗報です。この部分、人数はまだまだ不足ですので今後も人数を増やして生きたいところです。
前回問題となった二つの商店街の建物の密集による閉塞感の問題。建物を減らすのも一法でしたが、街コレの様に単独では寸詰まりでちゃちに見えても並べる事によってはじめて生き生きしてくる性質の建物が多い事、密度を落とす事で却って街らしさが薄れる事等が考えられて、今ひとつ踏み切れませんでした。
そこで考えたのが、二つの商店街の間に樹木を何本か植えて視覚的に分断させる事でした。勿論「森」になってしまっては大袈裟ですので、梢を通して向こうの町並みが見える程度に植え込み場所によっては地面に直接フォーリッジを並べる安直な方法で試してみました。
二つの町並みの間に適度に樹木が植わる事によって閉塞感がやわらげられてきました。
考えてみれば、実際の町並みでも建物や町並みを遮蔽する様に樹木や林がちらほら見えるというのは当たり前に見る風景です。又、樹木は建物に比べると形に定型性が無く見た目の形から大きさや距離を推定させにくい効果があると思われます。
これは私見ですが、レイアウトで樹木を配置するという事は視覚的な「うるおい」だけではなく、適度な遮蔽効果を与える事で無い筈の距離感を出したり、実際よりも町を広く見せる効果もあるのではないでしょうか。
今回の経験で都会風のレイアウトといえども、樹木をおろそかに出来ない事を痛感しました。
様々な角度から配列を検討して、大体の建物の配置も決まりました。建物類は殆どがグリーンマックスとTOMIXの既存品で街コレからは時計店を一軒だけ並べました。
以前にも書きましたが、今回の商店街にはプロトタイプが存在するので既存品とはいえ、実際の町に存在していた建物と雰囲気が似ている物を選択してあります。又、看板類だけは既存品という訳には行かず実際の写真などを元にパソコンのラベル作成ソフトで看板・ポスター類を自作してあります(実は市販の建物でもこれだけで案外印象が変わります)
ここまで出来た段階で「財木町」セクションと隣接する「養源寺坂」の商店街のセクションを完成予想どうりにくっつけて実際の見た目を確認してみました。所が・・・
想像していた以上に二つの商店街と建物の間隔が詰まりすぎ、かなりの閉塞感が出てしまう事が解りました。都会風のレイアウトとはいえ、ここまできつきつだと却ってわざとらしく見えてしまいます。どうにかならない物かと考えたのですが・・・
当ブログの最初で紹介した、「よ市」のある商店街のセクションの製作を思い立ったのは、前回のビル街の仮配置の直後くらいからです。場所は坂のある商店街(養源寺坂)に隣接する部分。竹取坂モジュールでは甘味横丁のあった部分です。
竹取坂のレイアウトを製作して製作の要領を自分なりにつかんだ気になっていたので、何かモチーフのある町並みを作ってみたくなったのが製作の動機でした。
又、養源寺坂の商店街がほぼ街コレだけで構成されてしまっていたので少し性格の違う商店街が欲しくなったという事もあります。
丁度、Nスケールの建造物キットが充実しだした時期と重なり、ある程度自分の思う様な町並みが出来るのではないかと思えてきた事も製作のきっかけです。
(本来ならオール自作で作るのが正道でしょうが、この時点では、市販品に負けないレベルの自作が出来る自信が無かった事もあり、既製品の改造と羅列になっています)
例によってベニヤ板に建造物を並べ、グーパネでトロリーの線路や、建物のベース面をフラット化させています。この時点では建物の配置は一部未定の部分もあります。
前回の商店街のベースはその後、仕上げとして、プラスター及び塗装で地面(主に店舗の裏側に当たる部分)を処理して仕上げました。この辺りになると、街コレ主体の商店街がどう見てもヨーロッパ建造物の多い竹取坂にはめ込むには違和感がきつすぎるように感じてきました。
そこで当初考えていた竹取坂セクションの一部差し替えではなく、全体のシーナリィ(風景)を全く違った物にしたほうがいいと感じました。たまたま手元に実家から持ち帰ってきた、20年前に作ったきりのビルのキット群があったのでそれらを中心にビル街とそれに連なる商店街のモチーフで行こうと考えました。この方なら予算もそれ程掛からない(というか、廃物利用である程度形になりそう)上に、トロリー類を走らせた時に様になりそうというメリットもありました。
早速それらのビル群(商店街セクションも)を並べて配列を検討しました。前回の竹取坂の教訓から高架駅の奥側には低い建物を置かないように、かつ奥に行くほどシーナリィ(ここではビル群)が高くなるように留意しました。
所が実際に配列すると、これでも未だビルが足りない事が解りKATOを中心にビルを買い足す羽目になりました。
かなり建物が密集した感じになりましたが、雰囲気は出てきたように感じます。
そこで当初考えていた竹取坂セクションの一部差し替えではなく、全体のシーナリィ(風景)を全く違った物にしたほうがいいと感じました。たまたま手元に実家から持ち帰ってきた、20年前に作ったきりのビルのキット群があったのでそれらを中心にビル街とそれに連なる商店街のモチーフで行こうと考えました。この方なら予算もそれ程掛からない(というか、廃物利用である程度形になりそう)上に、トロリー類を走らせた時に様になりそうというメリットもありました。
早速それらのビル群(商店街セクションも)を並べて配列を検討しました。前回の竹取坂の教訓から高架駅の奥側には低い建物を置かないように、かつ奥に行くほどシーナリィ(ここではビル群)が高くなるように留意しました。
所が実際に配列すると、これでも未だビルが足りない事が解りKATOを中心にビルを買い足す羽目になりました。
かなり建物が密集した感じになりましたが、雰囲気は出てきたように感じます。
トロリーのターミナル駅の竹取坂東駅です。こちらのベースはファーラーの喫茶店
キットですが、これも元々は観光センターとして使う予定だった建物です。1階部分が駐車場スペースとなっていた物を改札口兼コンコースに見立て、自動券売機や看板類でそれらしく艤装した物です。
隣接のビルはTOMIXのラウンドビルをベースにファッションビルを想定しました。
この種の窓の大きいビルにはそれっぽい内装が必要ですが、この部分は新聞の折込みチラシなどにあるブティックなどの店内写真を縮小コピーし貼り付けた物です。
流石に近づいてみると粗が出ますが遠目だと結構観られる物になるようです。
駅前に観光バスを屯させると、こんなのでも何と無く観光地っぽく見えてくるから不思議です。
初めてのレイアウトということもありますが、
予め立てたプランに従ってばらばらに作ったシーナリィを合体させて一つのレイアウトにするという今回のコンセプトは
「事前にどんなにシーナリィのプランを煮詰めたつもりでいても実際には合体させないとわからない所も多い」という教訓を残しました。
特に欧州型の建造物を中心にした町並みと、JR駅前の昭和40年代下町風の町並みのギャップは想像以上に激しく、かなり雑然とした印象を与えてしまった様です。
実際に合体させてわかったのは、限られたスペースで、都市型といえかけ離れた要素をあれもこれもと詰め込むと収拾が付かなくなる事です。町並み主体でレイアウトを作る時には出来る限り街の性格とトーンを統一する工夫が必要であると感じました。