先日アパートとかのストラクチャーを買った某中古ショップでは同じユーザーからの出物と思われる鉄道模型関連の書籍も何冊か置いてありました。
今回はその中から見つけた一冊から
「TOMIX DIORAMA WORLD」
15年位前に出ていたTOMIXのジオラマ写真集です。
あの頃のTOMIXのカタログを見ると大概、見開きで雄大なジオラマが掲載されていたものです。
本書はそれらの写真をグラビアサイズに纏めたものですが、カタログでは毎年バラバラに掲載されているので何冊か通してみても散漫な印象になりがちなところを大判の一冊に纏めたのですから満腹感は半端ありません。
というよりも「なんでこんな凄いジオラマを今まで見逃していたんだろう」とすら思えるほどです。
その一例として下の写真を。
(上掲書P54から引用)
遠景に冬の平野と山々を配置し、真ん中に川、手前側に駅と小さな町が配された、それだけのものです。
もしこれを実景として見たとしても「どうという事のない普通の風景」でしかないかもしれません。
少なくとも「新日本百景」なんかには絶対出てこない景色です(笑)
ですがこれが「既成品を使ったNゲージスケールのジオラマ(もしくはレイアウトの一部)」となるとこの印象は大いに違ってきます。
少しでもNゲージをやった人間ならこのジオラマの奥行きが常識外れのサイズである事にまず気付くはずです。
手前から奥の鉄橋に掛けての部分ですら優に畳一枚かそれ以上の面積と奥行きを使っているはず。
遠景の山々を入れたら恐らくこのジオラマのサイズは最低でも畳3枚かそれ以上と思われます。
(但し、遠景に強遠近法を使った場合は多少奥行きは小さくはなります。後で読み返して見たら4M四方のスペースを使っているとの事。3畳どころか十畳間のサイズですね)
それだけのサイズのベースに小駅ひとつ分くらいしか敷かれていない線路。
これほど贅沢にスペースを使ったジオラマというのは少なくとも個人のレイアウトでは絶無に等しいと思います。
ですがそれを実行しているからこそずば抜けたパノラマ感とリアリティが実現していると言って良いでしょう。
(上掲書P52より引用)
しかもこのレベルのパノラミックなジオラマがムック1冊分の分量で纏められているのですからこれをゴージャスと呼ばずに何と呼ぶのか。
この事からも分る様に本書に登場する「ジオラマ」は従来のレイアウトとかセクションとかと根本的に異なる発想で製作されている事がわかります。
運転目的のレイアウトでなく撮影目的の、「特撮映画のミニチュアセット」に非常に近いコンセプトなのです。
あとがきを見たら本作のジオラマを製作していたのは「彩美」
東宝作品を中心に映像用のミニチュアセットを手掛けていたスタッフの作品でした。
メーカーの宣材という性質上既成品のストラクチャーや線路への加工には制約があった筈です。
実際、注意して見てもTOMIX製品については大掛かりな加工のものは殆ど無く(少なくとも材料が何か分らないほどのものはない)この点では拍子抜けするほどです。
ですが既成品がただ配置されているだけなのにこれほどのパノラミック感とリアリティ。
驚かされると同時に製作の配置のセンスの良さにも脱帽させられます。
そう、「こういうパノラミックな風景を組み込んだレイアウトをやりたい」というのが私の理想のひとつなのですが本書のジオラマはかなりその線に近い物と言えます。
今回はその中から見つけた一冊から
「TOMIX DIORAMA WORLD」
15年位前に出ていたTOMIXのジオラマ写真集です。
あの頃のTOMIXのカタログを見ると大概、見開きで雄大なジオラマが掲載されていたものです。
本書はそれらの写真をグラビアサイズに纏めたものですが、カタログでは毎年バラバラに掲載されているので何冊か通してみても散漫な印象になりがちなところを大判の一冊に纏めたのですから満腹感は半端ありません。
というよりも「なんでこんな凄いジオラマを今まで見逃していたんだろう」とすら思えるほどです。
その一例として下の写真を。
(上掲書P54から引用)
遠景に冬の平野と山々を配置し、真ん中に川、手前側に駅と小さな町が配された、それだけのものです。
もしこれを実景として見たとしても「どうという事のない普通の風景」でしかないかもしれません。
少なくとも「新日本百景」なんかには絶対出てこない景色です(笑)
ですがこれが「既成品を使ったNゲージスケールのジオラマ(もしくはレイアウトの一部)」となるとこの印象は大いに違ってきます。
少しでもNゲージをやった人間ならこのジオラマの奥行きが常識外れのサイズである事にまず気付くはずです。
手前から奥の鉄橋に掛けての部分ですら優に畳一枚かそれ以上の面積と奥行きを使っているはず。
遠景の山々を入れたら恐らくこのジオラマのサイズは最低でも畳3枚かそれ以上と思われます。
(但し、遠景に強遠近法を使った場合は多少奥行きは小さくはなります。後で読み返して見たら4M四方のスペースを使っているとの事。3畳どころか十畳間のサイズですね)
それだけのサイズのベースに小駅ひとつ分くらいしか敷かれていない線路。
これほど贅沢にスペースを使ったジオラマというのは少なくとも個人のレイアウトでは絶無に等しいと思います。
ですがそれを実行しているからこそずば抜けたパノラマ感とリアリティが実現していると言って良いでしょう。
(上掲書P52より引用)
しかもこのレベルのパノラミックなジオラマがムック1冊分の分量で纏められているのですからこれをゴージャスと呼ばずに何と呼ぶのか。
この事からも分る様に本書に登場する「ジオラマ」は従来のレイアウトとかセクションとかと根本的に異なる発想で製作されている事がわかります。
運転目的のレイアウトでなく撮影目的の、「特撮映画のミニチュアセット」に非常に近いコンセプトなのです。
あとがきを見たら本作のジオラマを製作していたのは「彩美」
東宝作品を中心に映像用のミニチュアセットを手掛けていたスタッフの作品でした。
メーカーの宣材という性質上既成品のストラクチャーや線路への加工には制約があった筈です。
実際、注意して見てもTOMIX製品については大掛かりな加工のものは殆ど無く(少なくとも材料が何か分らないほどのものはない)この点では拍子抜けするほどです。
ですが既成品がただ配置されているだけなのにこれほどのパノラミック感とリアリティ。
驚かされると同時に製作の配置のセンスの良さにも脱帽させられます。
そう、「こういうパノラミックな風景を組み込んだレイアウトをやりたい」というのが私の理想のひとつなのですが本書のジオラマはかなりその線に近い物と言えます。