光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
こちらはメインブログのアーカイブとなります。

「おうちでグランシップトレインフェスタ」のはなしその3

2020-05-31 05:13:57 | 旅行・探訪・イベントなど
  昨日スタートしたTwitter上の「おうちでグランシップトレインフェスタ」、昨日来仕事の合間を見ながらチェックしているのですが予想通りと言いますか、参加者が思い思いに写真や動画をアップロードして一種仮想博覧会のノリになっています。

 出展予定だった車両やレイアウトの片鱗を見られたでイベント中止の渇はそれなりに癒されましたし、各自が持ち寄った実車の写真を俯瞰で眺められたのは望外の収穫だったと思います(実際のイベントでこれだけの写真をゆっくり眺めるなんてのはできないですから)

 私も協賛の意味で二本ばかり動画をアップロードさせていただきました。

 それにしても
 Twitter上のイベントとはいえ、各クラブ、各個人が一斉に思い思いの動画や画像、コメントなどを発信しているのはやはり壮観でした。
 これらがスマホの小画面(いや、パソコンの大画面であっても)でなしにリアルなライブ参加だったらもっと楽しめた事でしょう。

 これまでの出場経験から言っても書籍やビデオでは感じきれない、実物の模型を間近に眺め、その空気を共有するというライブ感覚はインドアが本質である鉄道模型の趣味であってもとても重要な事ではないかと思えます。

 それに私にとってはこのイベントは「テツドウモケイを肴に多くの人と飲み明かせる」数少ない(というか唯一w)イベントでしたから、それが楽しめないのはやはり残念と言わざるを得ません。
 次回こそは無事開催できますように。そして次回こそは飲み明かせますように(爆)

 それまでは次回に備えてモジュールの改修と車両の工作に勤しんでいるとしましょう。

「おうちでグランシップトレインフェスタ」のはなしその2

2020-05-30 05:11:20 | 小説
 先日の続きです。
 5月16・17の両日Twitter上で「おうちでトレインフェスタ」が開催されました。

 私の所属しているクラブでも、何人かのメンバーが動画や写真をアップする体制で臨んでいます。
 きっと他のクラブや凄腕モデラーさんたち、鉄道ファンの皆さんも同じ様に明日に向けて隠し玉を用意している事と思います。

 私もここ3日ほど(専ら夜寝る前ですが)動画の作成や編集に余念がありませんでした。
 尤も私の場合は「初めて触る画像編集ソフトに慣れる」という部分で少なからず手間を食ったのですが(汗)
 これまで動画編集というと殆どムービーメーカー頼りだったので他のソフトを見ると編集画面を見るだけで怖気づいていたのです。

 さて、今回アップロードする動画ですが、普段のグランシップでは出せない素材を使いました。

 それは自宅にある、メインのレイアウトを背景に使う事でした。
 このレイアウトを作ったのはクラブに加入する前だったので、モジュールの様に運転会に対応する様な構造になっておらず、下手に持ち運ぼうものならバラバラに爆砕する構造なのです。
 ですが、動画参加の「おうちでトレインフェスタ」ならばそうしたハンデは全くありませんから、自宅固定のレイアウトもトレインフェスタの映像参加ができるわけです。

 何より「何を撮るにも一発勝負」のグランシップと違ってリテイクは出し放題です。
 してみると、動画参加の鉄道模型イベントというのも結構アリな様な気がしてきました。

 元々鉄道模型自体がインドアな趣味であってクラブがいくつも集まってイベントができるようになったとはいえ、イベント参加に二の足を踏んでいる個人モデラー(コンテストに出す自信はなくても、丹精込めたレイアウトを見せてみたい)は結構居そうな気がしますし。
 大会場で行うメインイベントと並行してこうした映像による展覧会があっても面白いかもしれません。

 そんな事を考えつつ動画編集をしていたらすっかり真夜中です。
 明日に間に合えばいいのですが(大汗)

「おうちでグランシップトレインフェスタ」のはなし・その1・・・

2020-05-28 05:08:46 | 旅行・探訪・イベントなど
 本来ならば今頃は今年のグランシップトレインフェスタの搬入の準備に忙殺されているところですが、例の肺炎騒動のおかげで今年はイベント自体が中止。
 今回は先週行われた代替企画のはなしをば

 しかも県境を越えての移動が自粛状態ですから、例年にない動きのない5月になっています。

 とはいえ、今回は一種の代替企画として「おうちでグランシップトレインフェスタ」のキャッチフレーズの元、当初予定の開催期間(5月16・17日の期間限定だそうです)Twitter上で写真や動画を持ち寄り一種のエア「トレインフェスタ」が開催されるとの事。

 私の場合、仕事や家事の方面でも今回の騒動の影響を受けていたため、予定していたモジュールの改修もなかなか進まず、休日製作のペーパーストラクチャーだけが増えている状態なのですが、せっかくの機会でもあるので出品予定や次回の開催に向けた準備などを上げてみようかと考えています。

 いつもなら、動画の編集や写真の整理などはフェスタの後の楽しみなのですが、今回は逆に開催前に仕込みをやらなければならない仕儀になってしまいました。
 ソースの方はこれまでの運転会の映像を中心に、新撮の映像を加えたものにする予定です。

 が、実は昨年暮れにPCを入れ替えたばかりなのですが、バンドルされていた動画編集ソフトをこれまで立ち上げた事がないので、試行錯誤しつつビデオクリップを作ろう(と言うかでっち上げようと)としているところです。
 ですがこれまで使っていたムービーメーカーとは異なり微妙に使い勝手が違うのにまごつき気味だったりします。

 続きは次回に

みにちゅあーとの「蕎麦屋」さん

2020-05-27 05:06:01 | ストラクチャー
 みにちゅあーとのキット消化ネタ第7弾

 今回は「蕎麦屋」です。
 かつては駅前とか古くからある田舎の商店街にはこの手の蕎麦屋さんが必ずあったものです。
 昼飯時に一杯300円のかつ丼とか一枚200円くらいのざるそばとか掻っ込んで午後の仕事に回る営業マンとか地元の農夫のたまり場になっている店。
 今ではこの世界もチェーン店とかお高く止まったそば割烹みたいな店が増え、こうした普段着で行けるお蕎麦屋さんは(特に地方では)本当に見なくなりました。


 私がみにちゅあーとのキットを買いだめして積みプラ化してきた理由のひとつは「店頭で手に取って見て『これは作りたい!』と思った」事。
 ですから、形状とか構造に私の琴線を刺激する物があれば買ってしまうという繰り返しでした。
 そもそもレイアウトに組み込む前提が薄く、強いて言えば「風景の差し替え用のストック」程度の意味合いでしたから、10年ほどの間にずいぶん溜め込んでしまったものです。
 (それに「みにちゅあーと」自体都会の模型屋でしか見ないですから、見逃したら地元では手に入らないという強迫観念も働いています。何のことはない「おのぼりさんの衝動買い」の典型的なパターンですねw)

 それはさておき

 今回のキットは前回紹介の「角地の飲食店」の後で作ったものです。
 そのせいもあるのでしょうか「形態が単調で達成感が薄かった」キットでもあります。

 これは推察ですがこのキットのリリースはラインナップの中でもかなり早い時期の製品化だったのではないかと思います。
 というのも、形状やサイズがどうも街並みコレクションの建物を意識しているように感じられるからで、町コレ(今はジオコレ)の商店街に混ぜ込んでちょうどいい位の構えに見受けられます。
 今ではそんな事もないと思いますが「当初はジオコレの補足的なラインナップから始め、徐々に自社だけで町が作れるくらいに拡充させる」事を考えていたのかもしれません

 実際製作時間も休日昼間の2時間ほどで完成してしまいましたし(その意味ではみにちゅあーとの入門者用キットとしてはこのメーカーのノリを把握する意味でも好適と思います)

 敷地は普通に四角いベース、書店や飲食店みたいに裏に物干し台や増築部があるでもなし。
 形態としては単純ですが一応「二階に座敷のあるお蕎麦屋さん」の雰囲気は良くつかんでいると思います。

 ただ、形態が単純だからと言ってこうした「その他大勢的な店舗」が街並み創生で無意味という訳ではなく、むしろこうした建物がないと「主役ばかりが並び立って目にうるさい舞台」みたいな商店街が出来上がってしまう気がします。

「ゴトウの日」のはなし・それから・・・

2020-05-26 05:03:43 | 車両・路面電車
 先日の「ゴトウの日」に関連した出し遅れネタです。


 日曜のブログで「私の手持ちに510が付くのはEF510くらい」なんて書いてしまいましたがレサレサさんのコメントで名鉄のモ510というのも存在していた事に気づき汗顔の至りです。
 名鉄のモ510と言えば、かつて私が家族に会いに年に2回くらい岐阜市に出かけていた頃、かなりの確率でお目に掛かっていたデンシャでした。

 EF510よりもはるかに馴染みがあり、岐阜市内線廃止の折にはMODEMOの記念モデルまで買っていたというのにこのざまです。
 という訳で二日ほど遅れましたがモ510のはなしも。

 上記の様に家族が岐阜に住んでいた1990年代。
 私自身は鉄道模型の趣味の中断期間だったのですが、春と秋の年に二度岐阜に出かけ(当時の愛車はEF58青大将カラーの日産セレナw)ていたのですが、中央道の土岐ICから岐阜に向かう折、関から先は必ず美濃町線と併進して走っていました。
 私の好みのデザインだった真っ赤なモ600がのんびりと田んぼの中を走っているのを眺めながら並走するのには独特の情緒という奴を感じたものです。

 そして岐阜市内に入ると当時の主力車だったモ780辺りに混じってツートンのレトロ感あふれるデンシャとよく行き会いました。
 それがモ510だった訳です。

 他の電車とは明らかに違う旧式ボディでありながら最新式に混じって事も無げに走っているその姿はいつの間にか私の中で「岐阜の風景の一部」にすらなっていた気がします。
 沿線のマクドナルドでビッグマックをぱくついている脇を通過するモ510、横断歩道を渡る時に目の前に停まっているモ510、車で市内を走っている時に前方を流しているモ510。
 路面電車という奴が如何に沿線の風景に密着しているか、それを空気として実感させてくれたのがモ510の存在でした。

 今は岐阜市内線自体がなくなっていますが、この趣味を再開した時に路面電車・軽快電車のレイアウトを志向した背景にこの岐阜での体験があったのも間違いありません。

 Nゲージのモ510はMODEMOの製品で廃止の折に出たモデルに飛びついたものです。
 町中でこれを走らせると「周りの風景が何でも岐阜の様に見えてしまう」なんて妙な錯覚を覚えるのもそうした思い出のなせる業でしょう。

ゴナナの日、ゴハチの日、そして「ゴトウの日(大汗)」

2020-05-24 05:54:23 | 車両・電気機関車
 この記事はメインブログで5月10日にアップしたものです。

 聞くところでは5月7日は「ゴナナの日」8日は「ゴハチの日」だったそうでクラブのSNSでは実車・モデルを取り混ぜてEF57 EF58(キハ58やC58も交えて)様々な写真がアップされていました。

 そのトレンドにしっかり乗り遅れたのがかくいう私でして、気づいたときには8日どころか9日も過ぎようとしているタイミング。
 昨日だって「C59(EF59も)」の日だった訳なのに何もできなかったですから。

 そんな訳で旬も過ぎまくった出し遅れ企画を私個人で上げさせていただきます。
 今日は5月10日ですから「ゴトウの日」になると思いますがそれに該当しそうな車両というと私の手持ちでは「EF510」しかありません。

 それも今は亡き(厳密には違いますが)北斗星カラーの奴です。
 数年前、上野以北の電車に乗っているとたまにカシオペア色や北斗星カラーのEF510とすれ違う事がありました。特に北斗星カラーはトレードマークの星マークも塗りつぶされたただの青いEF510と化していて北海道行きの寝台特急が消えてしまった現実を改めて実感させられ侘しさを感じさせられたものです。

 その北斗星カラーのEF510ですが、KATOがこれをリリースした時、たまたま中古の北斗星基本セットを入線させていた関係から飛びついたのですが、とあるトラブルからしばらく走らせていませんでした。
 久しぶりにこれを走らせるのもゴトウの日の取り持つ縁みたいなものでしょうか(笑)

 久しぶりで走らせても最近のKATOらしくスムーズで惰行もほど良く効いてくれます。
 なお上述のトラブルというのはこのモデルの初期の物は台車枠が低すぎて踏切線路で引っかかってしまい立ち往生するというもの。これは走行性を優先した自己責任(爆笑)で台車枠の当たりの部分をカットして対応しています(汗)

 24系の方はKATOの初期製品で室内灯が装備されていた奴で暗い中ではよく映えます。今回走らせている線路は以前紹介のGAKKEN ICSコントローラに繋いでいるので、停車状態でも室内灯が点灯するというご利益があり、今回の運転では重宝しました。
 ただし尾灯も前後で点きっぱなしになりますが。また本来のコントローラと併用するとICS側のスロットルの調整で一種の調光機能も働くようです。

 でも、今日が5月10日なら私の中のクルマ好きな部分がこうささやきます。
 「なら、今日はブルーバード510の日じゃね?」とw

久しぶりに走らせる「弘南鉄道の車両たち」

2020-05-23 05:51:53 | 車両・私鉄/民鉄
 平日休に思い出の編成を走らせる休日蟄居ネタ。

 かつてのNゲージでは完成品として発売される車両モデルというと国鉄(JR含む)か大手私鉄のメジャー級の形式が大半でした。
 勃興期や普及期ではそれも当然なのですが、ある程度メジャーな機種が製品化され多少マイナーな形式もそこそこ製品化され、市場が成熟してくるとなかなか目新しい企画というものに当たらなくなります。

 21世紀初頭のそうしたタイミングに入り込む形で登場した鉄道コレクションは当初はその安さで、のちには「地方私鉄車両の網羅」という形でNゲージモデルのすそ野を広げたと思います。
 何しろ16番ですらろくに製品化されていない地方私鉄の譲渡車やオリジナル車両が次々製品化され、どうかするとスーパーの食玩売り場で手軽に買えたのですからその功績は大きかった。

 わたし的にそのご利益の最たるものが「弘南鉄道の車両を何編成も入線させることができた」事でした。
 弘南鉄道のある弘前市は私の弟の現住地で、彼の地の風景の一部として定着している東北有数の地方私鉄ですが、従来ここの車両が模型として売られるなんてのは鉄コレ登場以前には想像すらできませんでした。
 ですから、鉄コレの存在なくしてこれが実現できなかったのは間違いありません。

 そんな訳で今回久しぶりに手持ちの弘南の電車群を引っ張り出して走らせました。

 鉄コレの弘南鉄道は通常品で3タイプ5種、オープンパッケージでも数種が出ています。
 それらの大半は東急からの譲渡車で占められているのですがたまに南海や旧国ベースの物もあって地方私鉄特有のごった煮感覚があります。

 弘南鉄道の2路線は元々別個の私鉄として開業していたのを合併した経緯があり二つの路線が出会う場面はないのですがレイアウト上でなら2列車のすれ違いも自在にできるメリットもあります。
 個人的には大鰐線用のデハ6000がいい具合なレトロ感のステンレス車の雰囲気が合って好みです。元南海のモハ1521は本来なら2連での運用だったようですが単行で走らせても独特ののんびり感があってこれも好きだったりします。

 あと弘南鉄道の名物と言えば雪国ならではのED22+キ100の除雪編成ですが、流石にGW後のタイミングでは季節外れ感がぬぐえません(汗)

先月号のTMSから

2020-05-21 05:50:17 | 書籍
 肺炎騒ぎの余波に加えて行きつけの本屋さんの閉店に伴ってうちの近所にまともな本屋さんがなくなってしまい、ここふた月ばかり本屋さんに行くのが億劫になっています。
 まあ、行ったところで密閉度の高い本屋さんでの立ち読みは難しいですし。

 TMSの定期購読自体は閉店前に紹介してもらった本屋さんに引き継いでもらったのですが、そこがまた自宅から10キロ近く離れています。
 そんな訳で最新号のTMSを引き取ったのがつい先日。しかも晩飯の食材購入のついでといういかにも非常時らしい買い方になりました。

 そうやって半月遅れ位で目を通したTMSですが、そこで目を惹いたのが
 「定年、移住、田舎暮らし・・・そして夢のレイアウトルーム」という冒頭の記事です。

 TMSに限らず最近の専門誌は超絶技巧のモデル製作記ばかりという印象でこれはこれで悪くないのですが、休日の蟄居状態に読むにはいささか窮屈なのも確かです。
 ですが今回の記事の様にレイアウトの製作にとどまらず、そこに至る夢の実現の工程をもものした、一代記みたいなホビーライフを描いたものには久しぶりに当たった気がします。

 何しろレイアウトを楽しむために終の棲家の場所の選択、建物自体の建設からはじまり、その中に自分の人生を反映させたレイアウトの製作を落とし込んでいるのですから、そのホビーライフの過程はそれ自体が一つの理想像として私の中に像を結びます。

 まあ、誰もがこのような理想的なホビーライフを送れるという訳ではないでしょうが、少なくとも「こういうホビーライフ」というものを目指したいと思わせるのは悪くないと思います。

 巻末の編集後記によるとレイアウトコンペの審査ではこのレイアウトに消極的な意見があったとの事ですが、技巧や模型としてのセンスとは別に総体としてのホビーライフの中でのレイアウトの存在意義が評価されたというのは画期的な事ではなかったかと思います。
 技巧は技巧として、それとは別のベクトルとして楽しみ方それ自体を趣味の魅力としてアピールするのもこれからは必要になってくるのではないでしょうか。
 (なお、誤解のないように今回のレイアウトが技巧面で劣っているという訳ではない事は強く申し添えておきます)

 特に今回は例の肺炎騒ぎで社会全体が窮屈かつ余裕を失いかけている折でもあるので余計そう感じるのかもしれません。
 いずれにしろ時節柄心にしみる記事に当たった気がします。

 それにしても、同じような田舎暮らしをしている(と思うのですが)にもかかわらずこの記事の様な優雅さとまるで無縁である私のホビーライフって(大汗) 

シンカンセンでテツドウモケイが買えた頃(笑)

2020-05-20 05:43:38 | 書籍
 先日来の肺炎騒動に伴う休日蟄居生活が依然続いているのですが、それの数少ないご利益として普段はなかなか億劫がってしまい進まない押し入れや物置の整理をやる様になっています。
 整理の対象が書籍ばかりなので腕力と体力を結構使うのですが、それでもごくたまに「しまい込んだまま忘れていた資料とかアイテムが再発掘される」なんてのがありますから、そう悪い話ではありません。

 そんな訳で今回はそうした発掘品から。

 押し入れの本箱の底から発掘したJR東日本の通販カタログ「Train Shop」
 この件に関しては以前コメントなんかでちらりと話しましたし、半完成レイアウト自体については高志国太郎さんのブログでかなり詳細に紹介されていますので詳しいところはそちらを見て戴いた方がいいと思います。
Nゲージ考古学「半完成レイアウトあれこれ」
 こちらでは専ら当時の思い出と改めて目を通した感想をメインに書きます。

 1990年代から現在に至るまで私の暮れの帰省と言えば新幹線を使うのが定番ですが、車内での退屈しのぎによく目を通していたのが座席の背もたれに挟まっている「トランヴェール」と「TrainShop」でした。
 これらは持ち帰り可なので気に入った奴はたびたび持ち帰ったものです(たまにスペーシアを使う時は「TobuMarco」というのが加わる)
 TrainShopの方はJREの通販カタログで暮れの時期だと「宅配おせち」をメインにでっかい本棚やら庭木の切り株を腐敗させる薬剤、あるいは洗車ギアなんかのアイデア商品のオンパレード。
 普通の通販カタログよりも呑気な雰囲気があって結構楽しんだものです。

 ですが2000年代辺りではそれらに混じって「ホビー」「鉄道グッズ」のジャンルで「テツドウモケイ」が通販されていた時期がありまして「ほう、鉄道模型が車内で注文できるのか」なんて驚かされました。
 それがまたどれもこれも高額商品で、少なくとも子供がお父さんにおねだりして買える様な代物ではありませんでしたから「どんな人がこれを注文して買うのだろう」なんて余計な心配をしたりして(笑)

 例えば2003年の4・5月号のメインは「天賞堂の16番」と「メルクリンミニクラブの基本セット」
 
(NRE TrainShop 2003年4・5月号14Pより画像引用)

(NRE TrainShop 2003年4・5月号15Pより画像引用)
 何しろ「1両が25万3千円のC51」なんてのが平然と乗っているのですから普通の人が予備知識なしで見たら仰天すること間違いありません。
 「大正8年試作の国産初の大型蒸機」という煽り文句もマニアック。明らかに趣味人志向の大人向けを狙ったフレーズです。
 ミニクラブはまたこっちで2万9千円の基本セット。Nゲージのスターターセットが1万円台だった頃のそれですからすごい話です。
 で、煽り文句が「知的な趣味を楽しむなら世界最小の鉄道模型 メルクリンミニクラブ」ときます(笑)

 スノッブな大人たちならこういう口説き文句に弱い気もしますが、実際これからテツドウモケイに入門した人はどれくらいいたのか知りたい気がします。
 (この当時でさえメルクリンミニクラブが買える模型屋さんというのは大都市圏を除けば皆無に近かったと思いますし)

 そして2006年の4・5月号になるとメインがNゲージに移行。
 ただしここでの売りは「レイアウトひとつまるごと・車両付き」

 (NRE TrainShop 2006年4・5月号1Pより画像引用)
 こちらは「Nゲージ鉄道模型のパイオニア『KATO』製。古き良き美しい風景が色鮮やかに蘇ります」「今日からあなたも憧れの機関士」「細部まで精巧な作り」と続きます。
 以前のスノッブ臭は薄められ専ら情感に訴える惹句が並びます。

 こちらはKATOのカタログにも掲載されていたデスクトップレイアウトをベースに建物類を追加、C50とスハニ32・オハフ33の列車が付いて13万7千2百37円。
 まあ、ブラスの16番機関車1両よりは安いですし、届いたその日に運転できるレイアウトですから訴求力はそれなりにあります。
 これを読んだ当時は私自身趣味を再開した時期に当たっていたので「金さえあればこういうイージーなのもありかな」とか思いながら目を通していた記憶があります。

 ですがやはり「レイアウトはお仕着せよりも自分でコーディネートした方が圧倒的に楽しいに違いない」とも思えたので結局見るだけでしたが。

 で、こちらの方はそれなりに需要があったのかその年の暮れ、2006年12月号になるとレイアウト自体がモデルチェンジして掲載されていました。

(NRE TrainShop 2006年12・1・2月号14Pより画像引用)

 今度はベースがNOCH製。前作が駅前に何もなかった(ある意味「昭和30年代の古き良き時代のレイアウト」っぽくも見える)のに対しTOMIXの駅舎の据えられた駅前にこれまた当時人気が出始めた頃の「ジオコレ(当時は「街並みコレクション」と呼称)の駅前商店街が配されています。それでいてお値段は21万円にバージョンアップ(笑)
 KATOワンブランドの時よりもかなり賑々しい構成ですが前作のスマートさに比べると「ご近所の誰かが作ったレイアウト」っぽくもありますw
 「Nゲージ鉄道模型のパイオニア『KATO』製の蒸気機関車が美しい風景を走り抜けます」「古き木造家屋が並ぶ昭和の町を再現」「見る角度によって風景が変わります」
 惹句は更に情緒的になっています。

 このカタログで鉄道模型が扱われたのは大体この時期頃までと記憶しています。以後はもう少し安価な鉄道グッズに取って代わられましたし、TrainShop自体も昨年くらいで打ち止めになってしまったそうで帰省の楽しみのひとつが減りました。

みにちゅあーとの「食堂A」

2020-05-19 05:40:08 | ストラクチャー
 みにちゅあーとの消化ネタ第7弾です

 ものは「食堂A 」角地の飲食店と言った趣の建物です。
 以前紹介したバイク屋さんと並んで駅前や商店街の角地に映える建物のひとつと思います。
 土産物屋さんと併設された食堂は観光地はもちろんですが、普通の街中でも結構見かける頻度が高かった(但し併設されるのは土産物屋よりも万屋的な食料品店かな?)店舗でレイアウトで使うにもかなり使い勝手のいい建物と思います。

 この建物の肝は何といっても屋根回り。
 これほど複雑な構造の屋根を持つ店舗のストラクチャーは他社製品では滅多に見るものではありません。
 こうしたところで手を抜かないのがさんけいさんの人徳と言える気がします。

 
 尤も、その分組み立てには手間と時間がかかりますが、達成感はかなり高いキットと思います。
 前半のほとんどが個々の壁面パーツの組み立てにつぶされ、単調さは否めませんがそれでも出来上がりの壁面パーツを眺めるとこれがどう組み合わされるのかを想像したくなります。
 そして、それらのパーツを組み合わせて建物が一気に立ち上がるプロセスはまさにこのキットの真骨頂。

 素組みでも製作の過程自体が楽しめる点はさんけいさんの人徳と言える気がします。

 組みあがったキットを他社製品も交えた即席商店街に組み込んでみるとそのワクワク感も半端ない。
 どこに定置するかも決めていないのに「ああ、作ってよかった」とか思ってしまいます。

 完成キットの唯一の難点は貼り付けパーツの屋根瓦の小端の白さが目立ってしまう点。ここは説明書にもある様に灰色のマーカーの色刺しが必須です

鉄コレの701系秋田色

2020-05-17 05:50:08 | 車輌・電車
 鉄コレの埋蔵金編成から

 今回はJREのNEWDAYS限定鉄コレ第二弾から701系秋田色をば。

 701系はマイクロの仙台色に始まり鉄コレ、KATOとここ数年拡充著しいジャンルです。
 故郷で走っている電車故、わたしも盛岡色の701系にはずいぶん入れ込む羽目になりました(もちろんKATOの盛岡色も待ち焦がれていますが)

 今回のリリースでは鉄コレとしては初製品化という秋田色。
 先頭車コレクションの性格の強いこのシリーズでは2連を作るのにも苦労する機種ではあります。
 (両方ともトイレ付の車体になる上にパンタ車の屋根が必須。その屋根を提供できる鉄コレの701系も最近は中古の出物が少ないようですし。また3連を再現しようとするとこれまた鉄コレにない中間車を作るのに苦労させられそうです)

 が、秋田色の701系は今のところ20年くらい前に出たマイクロの5両セットくらいしかモデルがないのでそれなりに存在感はあるかもしれません。
 実はマイクロの701系はごく最近に田沢湖線仕様の2連が出ていたことがあり、これが実車同様普通の701系と微妙に異なる先頭部の造形も再現されているので今回の秋田色を並べて「秋田駅周辺の再現」を図るのは可能です
 (同じことは盛岡色でも同様。ただ、どちらの場合も実車のような「異なるゲージを再現できない」ですがw因みに盛岡駅では跨線橋の上から田沢湖線と東北本線の並びが見られるので「ほぼ同一の車体でゲージだけが違う珍百景」が拝めますが)

 モデル自体ですが秋田色の特徴であるピンク色の帯がやや濃いめな感じがします。
 マイクロの秋田色と混結して使うような場合に引っかかるポイントかもしれません。

 という訳で二つを並べてみたのですが、二つのリリース時期の20年の差がもろに出ている印象です。
 やはりというかマイクロの方が造形も大味でドアなどはプラの地色がそのまま出ている様な質感。おまけに帯の色が鉄コレより淡いうえに帯そのものも太目になっています。

 流石にこれでは併結はきつそうです。

KATOの9月の新製品から・・・

2020-05-16 05:47:49 | 車輌・電車
 最近なかなか新製品情報に触れる機会がなかったのですが、先日KATOの9月新製品の情報が得られましてやや複雑な気分だったりします。

 何といってもわたし的に目玉と言えるのが「701系1000番台盛岡色」のリリース。

 昨年第一弾の仙台色が出てから1年と経たないタイミングで盛岡色が出るとは思いませんでした。
 何しろ盛岡色はマイクロでも鉄コレでも常にリリースが後回しになっていましたし、前者に至っては最初の秋田色が出てから17年も間が開いていたのですから。

 以前から書いていますが、どこも盛岡色を出さなかったばかりに鉄コレ改造で気が付いてみると3編成も「盛岡色タイプ」を作っていましたからここに来ての決定版のリリースには驚かされました。
 仙台色仕様の出来は昨年のリリース時にわかっていましたから、今回の盛岡色への期待は大です(わたし的に)

 ですが夏の8620から間が開かないリリースのタイミング、KATOは私を破産させる気なのでしょうか(大汗)


 もうひとつ、気になるのが「ローカル線の小型駅舎」と対向式ホームのセット。
 予告のイラストを見る限りは形状も構造もTOMIXの木造駅舎のそれを仮想敵(笑)に設定したようなモデルです。
 確かにTOMIXのそれは最初のリリースから43年(!)が経過するロングランモデルですから、そろそろ今風にバージョンアップしたモデルを出すのはあっても良い頃合いかもしれません。
 従来KATOがリリースしてきた駅舎モデルは細密感は優れていますが、お座敷運転で使うには手軽さが不足している印象もありましたが、盛り土のベース上に駅舎を配した小型のローカル駅なら、例えば基本セットに組み込む駅としては使いやすいと思います。
 (実際、他社の基本セットはそういう構成の物が多かったですから)

 普段のこのブログで情報段階での新製品のはなしはあまりしないのですが、今回は個人的な事情と思い入れで書かせていただきました。

久しぶりに走らせる「223系と221系」のはなし

2020-05-14 05:44:59 | 車輌・電車
 平日休に思い出の編成を走らせる休日蟄居ネタ。

 今回は実車に思い出がないにも拘らず複数の編成を仕立ててしまったという変わった経緯のあるモデルです。
 物はKATOの223系1000番台と2000番台、そして中古モデルのセットバラシを入線させていた221系。
 何れもJR西日本の近郊型電車です。

 ですから東北出身で現在の生活圏も東日本に属する私にとっては実車には何の馴染みもありません。
 では何故これらを増備したかというと、これには私自身のレイアウト趣味の変遷が絡んでいます。

 15年前に最初のレイアウトを製作した時のメイン車種は路面電車と軽快車でした。
 レイアウトと言えども街並みを構築したものが欲しかった事、併用軌道を持っているため街並みとの親和性の高い電車として路面電車と軽快車が似合うレイアウトを製作した経緯があります。
 
 ですから当初は20M級の編成物を走らせることはあまり念頭に置いていませんでした。
 とはいえ、レイアウトの製作を重ねてくると「路面電車がとことこ走っている頭上の高架を編成物の電車が走り回る」いわばコラボレーション走行をやってみたいという欲求も出てきました。
 ですから当初は編成物の電車というのは当時の私の趣味の中では傍流もいいところでその頃の手持ちの編成物は中古で買った415系常磐色くらいなもの。

 あの頃は上記のコラボレーション走行ができるのは年に一回。
 大晦日の年越し運転の折にあちこちに分散していた2つ3つのセクションレイアウトを組み合わせてその外周にTOMIXの複線高架線路を引き回し路面車と編成物を同時に走らせるという贅沢を楽しんでいた訳です。

 ですが路面電車や軽快車の殆どが私の生活圏ではお目に掛かれないものばかりでしたから、それとコラボする編成物も特に思い出の編成とか近所で見かけるデンシャとかには拘りを持っていませんでした。
 むしろ「架空の設定のレイアウトなのだから自分の生活圏とは全く関係ない地域の電車の中から気に入ったデザインの物を選んで走らせよう」というノリで主に中古モデルを物色しました。
 そこで見つけたのが上述のJR西日本の3編成だった訳です。

 223系は3扉の4連という基本セットの組み合わせが手頃だった事と軽快感のあるステンレスボディの造形、JR東とは明らかに異なるシックな配色のカラーリングなどから早い段階で候補に挙がっていたものです。
 丁度同じ時期に2000番台のモデルもリリースされたタイミングもあって2編成を入線させました(複線線路なので微妙な仕様違いの2編成のすれ違い走行ができると踏んでの事です)

 更に221系の方もセットバラシ品を新宿の某中古屋さんで見つけ、すれ違い運転に変化をつける意味で入線させたものです。
 
 この経緯からわかるように私の趣味においてはメインは路面電車系に置かれていてこれらの編成物は「動く背景」程度の意味しかなかったのです。それでもコラボ走行ではレイアウトの情景に変化を与える意味で大きな存在感がありましたし「レイアウトの風景の一部」として私なりの「どこにもない風景」を演出する立役者のひとつでもあったのです。

 ですがそれから数年の間に私の嗜好は大きく変わりました。
 クラブに入ってモジュールレイアウトを作り始めた辺りから運転会向けの編成物が増え始め、加えて故郷で馴染みだった編成や現住地の地元の編成が次々増備されました(まあ、大半がジャンクか中古ですが)

 そんな中で路面車や軽快車の方が徐々に傍流として行き、いまではそちらの方が滅多に運転されなくなっています。
(ミニSLレイアウトの「棚幡線」やモジュールの中にミニカーブのエンドレスを組み込んでいるのは最近行き場の少なくなった軽快車の救済の一面もあります)
 それに伴い221系や223系の方もこのところ出番がなかったというのが実情でした

 今回何年かぶりにこの3編成を揃い踏みさせて同時運転をやってみましたが、似たような編成ばかりがただエンドレスを回っているだけなのにレイアウト全体が生き生きして見えるのには驚きました。
 3本の通勤電車が行き交うというのはそれだけで風景に活気を与えてくれます。
 これらの近郊電車というのは、派手な優等車やイベント車とは違い「普段着の風景の中でこそ命を吹き込まれる」感覚が強く、それらが行き交うレイアウトの「普通の風景のなかの普通の日常」が表現されるのには独特のわくわく感がありました。
 これには「自分で構成した風景だから」という面も大いに関係していそうです。

バックマンの信号所

2020-05-13 05:43:03 | ストラクチャー
 トミーナインスケールでも売られていたバックマンの懐かしNゲージストラクチャーから

 ここまでで紹介して来たストラクチャーですが吊るしの状態で純粋に日本型レイアウトに使える物はそう多くはありません。
 特に駅関連の建物はどうしてもアメリカ風の灰汁が目立っていて、比較的使いやすそうな給水塔や給炭所でも少し違和感が感じられます。

 ですが今回紹介する建物なら、色を塗り替えるだけでそこそこ和風のレイアウトにも似合いそうです。
 それは「信号所」

 実は今回実物を手に取って見るまで私自身気づかなかったのですが、下半分の赤い塗装が目立っていたゆえにそこにばかり目が行ってしまい形状の好ましさを見落としていたのです。
 この信号所、サイズはGMの信号所キットよりも小ぶりですが形状はなかなかに好ましいのです。

 恐らくですが開拓時代の北海道とかは機関車もアメリカンタイプが主体でしたから建造物にもアメリカの影響を受けたものはあったのではないかと思います。
 GMをはじめとする日本メーカーの信号所はどれも作りがぞんざいだったり裏から見ると微妙にしょぼく見える弱点があったのですが、バックマンのそれは4面の造形のバランスにスキがありません。
 つまりどの方向から見ても同じ密度の造形に見えるところが美点です。

 このモデルはある知り合いからの借りものなので写真を撮るくらいしかしていないのですが、もしこのモデルが私の手の中にあったら一度和風にリペイントしてい観たい衝動にかられますwww

みにちゅあーとの「ビル」第二弾

2020-05-12 05:35:12 | ストラクチャー
 みにちゅあーとネタ第5弾。

 などと大仰に書きましたが、今回のは殆ど一日で出来てしまったので何の自慢にもなりません(汗)
 しかも形態は単純そのものだったりします。

 先日紹介した角地のビルBに対して今回は普通の3階建てビル。
 これは他所のレイアウトなどで使われるのをよく見かけるタイプですが、GMやジオコレなんかのビルが基本的に縦に細長い形状なのに対し「どこにでもある横長の3階建てビル」というのが特徴です。
 見た目にはこれといった特徴は薄く、せいぜい一階部分がガレージになっているくらいなものです。

 ですがこの「どこにでもある当たり前の横長のビル」の製品化はGMもジオコレもジオタウンすら出してきませんでしたからキットの着眼点としては秀逸だと思います。
 こういう形状のビル、私なんかだと「地方都市(私の故郷なんか)の生命保険会社の支店」とか「田舎の建設会社の社屋」でも見かけますし、都市部でも繁華街の片隅なんかにポツンとあっても違和感がありません。
 その意味では非常に汎用性の高い建物と思います。

 しかも説明書の通りに作る限りは正味1時間くらいで完成できますし(それでもジオコレやGMよりは長いですがw)
 不満を上げるなら、以前から書いているように「単純な箱型で特徴がない」くらいなものですし、それも改造でどうにかなりそうなレベルかもしれません。
 (今思い出したのですがみにちゅあーとを改造の素材として使っている作例のレイアウトなりジオラマというのはどれくらいあるものでしょうか?)

 ただ、これまで作ってきたのが割合に癖のある形状のキットばかりだったせいか、今回のビルに関しては工作に伴う達成感が薄かったのも確かです。
 まあ、単純な箱ですから仕方ないですが。