光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
こちらはメインブログのアーカイブとなります。

GMの映画館を作る その3

2022-10-30 05:23:39 | ストラクチャー
 先日来散発的に紹介している、GMの映画館キットの製作から。

 前回も書きましたが、このキットでわたしがネックの一つに挙げていたのが「看板がいまひとつ」な事です。
 ポップなカラーリングやかっちりしすぎたレタリングなど、見るからにパソコンのラベルソフトで作ったような看板類にはどうしても違和感を感じてしまいます。


 (看板以外のステッカーが非常に使い勝手が良いだけにそこだけが目立ってしまったので猶更かもしれません9

 こういうクラシカルな造りの映画館に似合う看板と言えば何といっても「手描き看板」に尽きます。
 1970~90年代にかけて映画館の看板と言うと写真を手描きでトレースした様な巨大なイラスト看板が主流でした。
 勿論タイトル文字も手書きで、同じ字体でも印刷とは微妙に異なるアナログ感がありました。

 当時、わたしの故郷にあった「映画館通り」はまさにこれらのイラスト大看板の展覧会の様相を呈していて端から端まで歩いているとあらゆるジャンルの物が見られたものです(流石に日活ロマンポルノのはありませんでしたが爆)

 これらはポスターとは比べ物にならないインパクトと鮮やかさは風景の構成要素としても非常に大きなものがあったと思います。

 (もちろん当時は映画館以外でもこの種の手書きイラスト看板はあちこちで見掛けたものです)

 なのでせめて店先の大看板くらいはイラストのオリジナル看板を入れたいと思っていました。

 ですが最近はシネコンの普及やショッピングモール内蔵型の映画館が増え、この種の大看板は一気に廃れてしまっています。
 なので、モデルとなるそういう看板を探すのがまず一苦労になってしまいます。

 ここ半月位製作が中断していたのは看板探しに手間が掛かっていたからですが、それでも先日になってようやく何枚かサンプルを入手できました。
 これをパーツの看板に合わせたサイズに縮小、印刷したうえで貼り付けます。
 併せてキット付属の時刻表やポスター、各種標記も貼り付けてゆくど廃屋同然に見えた建物が一気に映画館らしくなったのには改めて感動です。

 (なお看板そのものに関しては著作権などの問題もありそうなので写真では伏せさせていただきました)

 これでも映画全盛期にはもっともっと派手で手間の掛かっ看板も多かったのですが、流石にそういうのは見つけられませんでした。
 いずれ別な方法が見付かったら挑戦してみるつもりです。

 建物の後半部はバス営業所と全く同じなので工作もそれに準じます。
 ただ、今回は建物の奥行きをどれくらいに設定するか決めかねているので「木工ボンドで仮組み」しています。

駅弁大会・再び「佐賀牛と宮崎牛 牛づくし弁当」から

2022-10-29 05:21:50 | グルメ

 この間スーパーの駅弁大会ネタを出しましたが、今回もやっぱり駅弁ネタです。
 と言うのも、先日紹介したコンテナ弁当を夕飯に食べた翌日、そことは別の系列のスーパーに買い物に出たらなんとそこでも駅弁大会をやっていて驚いたからです(笑)

 田舎の事ゆえ二つのスーパーで別々に駅弁大会をやっているというのはとても珍しく感じた次第。
(さすがに京王百貨店の様なスケール感は期待できませんが)
 系列が違うだけに駅弁のラインナップも前回とは全く異なり同じ駅弁は並んでいませんでした。

 鉄道150年が呼んだ偶然なのか、わたしが駅弁に呼ばれているのかはよくわかりませんがこれはやはり買わずにおれない気分になったのも確かです。

 という訳で今回購入したのは、これまた現住地では縁の薄い九州系。

 「佐賀牛と宮崎牛 牛づくし弁当」
 ネーミングだけでは佐賀なのか宮崎なのかわかりませんが製造元はそのどちらでもない、鹿児島の出水だそうですw
 ご丁寧に「家庭用レンチン対応」だそうですが、それではせっかくの駅弁の気分には合わないのでそのまま頂きました。

 ふたを開くとぱっと見肉丼系の弁当が現れますが、右側がカルビ焼肉、左側がすき焼きと分かれています。
 前者は赤身系で甘辛いたれが食欲をそそりますし、後者はすき焼きらしい甘味のたれに脂身の多い肉が組み合わされひとつで二度おいしいバラエティ感のある弁当です。
 このふたつの肉にはさらにごぼうが組み合わされていて肉の合間に口に入るごぼうの食感が良いアクセントになっています。

 量の方は適度に物足りないものの適度に満足感を味わえる一品でした。

NewDays&ベルマートKIOSK鉄コレ 213系5000番台

2022-10-28 05:19:19 | 車輌・電車
  先日の秋葉行きの戦利品から

 鉄道模型関連で言うなら前回(2年半前)によく覗いていた中古ショップもまとめて覗いたのですが、全体としては大きく印象が変わっていないものの一部のショップで鉄道模型の中古の扱いが縮小している所があった反面、逆にこの2年の間に新たに進出してきたショップもあったりして2年のブランクの移り変わりを感じさせられました。

 今回の戦利品も前回の時には出店していなかったショップでみつけたものです。
 NewDays鉄コレ第4弾の701系5000番台

 実は第4弾についてはコロナ禍の最中のリリースだった事と、特にわたしの気を惹くようなものが無かった事もあって手を出していませんでした。
 ですが久しぶりの秋葉でこれらの中古を見つけると、何だか今回の探訪に記念になる様な気がして手を出してしまった次第です。


 今回の鉄コレからはJR東日本だけではなくJR東海の車両もこっそりラインナップに入りましたが(なので今回はベルマートKIOSKでも扱いがあったとか)その中のひとつ、関西本線の213系5000番代をば。

 213系は国鉄時代にデビューした近郊型電車ですが、分割後はJR東海や西日本でも製造されたそうで、どちらかというと西日本の電車というイメージを感じる電車です。

 お面こそ211系に準じた物ですが2扉車。
 ただし主要な機器類は211系と共通化が図られているとのことで全体のイメージも扉の数を除けば211系そのものと言えます。
 とはいえ、動力車がクモハに設定された1M車で3連での編成もクモハーサハークハというちょっと珍しい物です。

 もちろん2連にも対応できますから小レイアウトで使う20M車としての使い勝手も良い電車。211系と並べて運用するのも楽しそうな感じがします(リアルさを置いて考えれば、ですが)


 先頭車のみのラインナップというNewdays鉄コレの常で、モデル化されているのもクハ212−5005。
 とはいえ、関西本線仕様の213系は2連セットが出ているので先頭車の差し換えには対応できそうです。
(因みにJR西日本仕様は通常品の第26弾でラインナップされています)

ようやく夏が過ぎ・・・

2022-10-27 21:17:22 | 日記
 今回は日常ネタです。
 思えば今年の夏は殊の外長かった。

 昼間が30度を超える真夏日を夏の延長と仮定するなら、今年の夏はつい先週まで続いていた感じがします。
 今年は実質的な梅雨明けが7月半ばから終り頃だったそうですが、そこから起算しても丸々2か月以上暑い日々が続いた事になります。

 汗っかきの体質のわたしにとって気候的にこれは辛かった!
 このブログで毎年夏に書いている様に、この期間は昼と言わず夜と言わず暑さと多湿でレイアウト工作をはじめとする大掛かりな工作がほとんどできません。
 加えて昨年まで続いていたストラクチャーを中心とする積みキットの消化、キットメイクやキットバッシュを中心とした車両の工作や加工もネタが払底してひと段落してしまった時期でもあり、工作に対するモチベーションもなかなか盛り上がらない夏でした。

 で、そんな暑さに参りながら思うことは
 「涼しくなったらレイアウトの続きに掛かろう」とか「涼しくなったらあの車両を仕上げよう」とかいった事ばかり。

 そう言う事を考える事自体が、いつの間にかストレスの種になっていた様な気がします。

 流石に9月に入ると朝夕だけは幾分涼しくなりましたが、先日の秋葉原や富士宮行きも、まだまだ昼間の暑さに汗が止まらない状況で、まだまだ夏の延長であることをいやというほど思い知らされました。

 昼間もそこそこ凌ぎやすい気候になったのはようやく今週に入ってからでしょうか。

 愚痴が続きましたがようやくレイアウト加工をはじめとする身体を使った作業に掛かれる気候になってきたのにはホッとします。
 さて、今度こそ汗

「Nゲージモデルで知る小型機関車」

2022-10-23 05:09:13 | 書籍
 先日閉店迫る某大型書店で久しぶりに衝動買いした鉄道模型本から
 「Nゲージモデルで知る小型機関車」(イカロス出版)

 ノス鉄の登場でここ最近ラインナップの充実が加速傾向な「Nゲージの小型機関車」を題材にしたバイヤーズガイド(ただし生産終了品も掲載されています)です。

 以前から「併用軌道メインのミニレイアウト」や「週刊SL鉄道模型」のレイアウトなんかを作ってきた身からすれば最近の小型機の充実には目を見張るものがあります。
 従来、外国製品に比べて一歩も二歩も劣る印象だった走行性についてもチビロコ用のコアレスユニットやノス鉄の動力ユニットなどの登場でようやく「ミニカーブを安心して走らせられる小型機関車」が揃いつつありますから本書の出版はまさに時宜を得たものと言えます。

 本書ではDD16より小さいくらいを基準サイズとしたスケール機を中心に取り上げています。まあ、実車準拠の話が進めやすいですし、実際にスケール機の充実は著しいものがあります。
 ただ、これらの小型機の大半は運用地域が限られるローカル私鉄の車両が多いので実車準拠の編成だとどうしてもバリエーションが限られてしまう弱みがあります(更に同じ理由で形状に一癖ある様なプロトタイプも多く、やや一般性に欠ける印象を与えてしまうきらいもあります)

 できるなら改造の種ぐるまとして使えるかもしれないフリーのモデルにももう少し光を当てても良かったのではないかという気も少しだけしていますw

 が、この手のジャンル本の製品ガイドとしてはイカロス出版のこのシリーズはユーザーには心強いものであることは間違いありません。

イベント列車で自宅運転会

2022-10-22 05:05:19 | 旅行・探訪・イベントなど

 ここに来てようやく周囲も涼しくなってきたので久しぶりに自宅運転会です。
 今年に入ってから電車ばっかりで機関車の牽引する客車列車にご無沙汰していたのと今月が150年目の鉄道の日という事で少しお祭りめいたものでもと思いまして、いわゆるイベント列車を3本走らせました。

 趣味の再開以来、わたしの手持ちの客車列車ではこの手のイベント列車を何本か中古で入線させているのですが、殊自宅での運転でこれらが走る事はごく少ないものでした。物が中古という事もあってくたびれ加減が半端ない物もありましたし。
 それ以上にこの種の列車を走らせるのはクラブの運転会なんかがふさわしいのに、その機会がコロナ禍からこの方激減しているのも見逃せない要因だったりします。

 加えて、ここ数年はこうしたイベント車両というとOE88か四季島の指定席状態で他の列車の出番が減っていました。

 今月は鉄道150年ですから、自宅の運転会も少しイベントじみたものをやってみようかと。

 10年以上前に入線させていたTOMIXの「サロンカーなにわ」
 製品としてもごく初期のものでしたが、模型としてのくたびれ具合も半端ありません。特に帯の一部がこすれて薄くなっているところなど廃車直前みたいな風情になってしまっています。

 今回の牽引機に関しては実車準拠ではなく、むしろ逆にあり得ない、またはあまり見ない組み合わせで纏めています。なにわの牽引機に選んだのは先日入線のKATOのEF56。
 展望車のデザインから言ってデッキ付き電機が似合うような気がしたからです。

 本線上でなにわと行き交ったのはKATOの「ばんえつ物語」
 これも数年前入線の中古ですが、さすがにこちらはなにわほど草臥れていません。
 牽引機はこれも先日入線のマイクロのED77。実車の引退後にばんえつが入ってきているのであり得ない編成ではありますが、できれば一度くらいは実車でも見て見たかった組み合わせです。
 
 そして、この種のイベント列車のルーツを辿ると昭和の時代のお座敷列車に行き着きます。
 茶色のEF61に牽引させるスロ81お座敷列車は今回の組み合わせで一番ぴったりした雰囲気。

 こちらもデッキ付き電機に牽かせてみたくなりEF57-1にも牽引させてみました。

 これらの列車が行き交う様は最近のラッピング編成のそれとはまた一味違った趣があります。
 ・・・というかこの組み合わせが行き交うとレイアウトにゴールデンウィークでも来た様な錯覚を(笑)

 〆に走らせたのは「あり得ない編成の極北」911塗装のDD54が牽くサロンカーなにわです。

 DD54の持つスペシャル性はこの手のイベント編成との相性もいい上に実車の引退がイベント客車の勃興の前というタイミングもあって「夢編成が組みやすい」利点もあります。

鉄道150年の月に「JR貨物コンテナ弁当」を食する

2022-10-20 05:02:56 | グルメ

 目ぐすりを探そうとして、なにげなく鞄をあけると、夕方京都駅で買った駅弁がそのまま入っていた。
 ビュッフェとか食堂車に入るのはまずいと思い、京都駅で買っておいたのだが、車内では顔に新聞をのせて寝たふりをしていたのでとうとう食べずに持って帰ってしまったしまったのだ。
(中略)
「三時半にチェックインして、四時ごろ、駅弁を買いに行きました。金もあまりないし、旅に出たら駅弁が食べたいと思っていたから。そして六時ごろ部屋で食べました」
(これだと自然でいい。もし、ホテルを出るところや、駅で姿を見られていても駅弁を買いに行っていたといえる。あと、この部屋を掃除した人がごみ入れに駅弁の空があったことを証明してくれるだろう)
(中略)
 夕方に買ったのだが、まだ傷んでいない。考えて見ると、昼に軽い食事をしたきりで、殺人をしたあととはいえ、やはり空腹である。大沢は弁当を食べることにした。

(光文社刊 最新ベストミステリー 山村美紗作 「黒枠の写真」303~304P より引用)

 上記の小説は京都から新幹線を使って東京にいる上役を殺害した犯人が駅弁をアリバイ工作に使うくだりを引用したものです。
 肝心の車内で駅弁を食べていないので旅情に欠けること夥しいのですが(笑)犯人の緊迫した心理描写を想像しながら、部屋の中で駅弁を食べるというのも何か別の感慨が得られるような気がします(そのかわり決してうまいめしにならないのも確かだと思いますが汗)

 というわけで今回は趣向を変えて駅弁ネタです。
 今月は鉄道150周年の鉄道記念日を迎える記念すべき月とも言える月です。

 とはいえ、世間一般の盛り上がりが鉄道100年(昭和47年)の時ほどかというとあまりそういう感じもありません。
 流石に駅とかならそれなりにイベントの告知もありますが、わたしの現住地のような田舎では少なくとも自宅の周囲でそれを感じることも少ないのが現状です。

 ・・・とか思いながら夕飯のおかずを買いに近所のスーパーへ出かけたら
 普段、そこのスーパーではなかなか見ない駅弁フェアをやっていたのに驚きました。
 何しろそのスーパーの半径2キロ以内には線路一本ないのですから意外性も抜群だったりして(笑)

 とはいえ晩御飯を買いに行って鉄道150年を実感するなんて機会もそうあるものではないと思い思わず散財しました。
(何でもかんでも値上げの昨今、駅弁の高さにも驚かされっぱなしですし)

 今回は普段は現住地でなかなか見ない関西系の駅弁から

 神戸のJR貨物コンテナ弁当。
 手に取った時のずっしり感はスーパーの総菜系弁当とは一線を画しますが「何でまたこんなに重いんだろう」と帰宅後開けてみたら、

 そのものずばりのコンテナが現れたのには驚きました。模型としては面白いのですが、あまりにリアルすぎる外観ゆえ、とっさにこの中に弁当が入っているとは想像できないのは確かです(笑)

 ふたを開けると中はすき焼き丼が詰まっています。
 肉が主役なのは当然として焼き豆腐とシイタケの存在が「すき焼き」を主張しているのがなかなかですね。

 味の方は個人的にはお値段相応の風味。味付けは関西らしく(?)幾分あっさり系ですが駅弁の特徴のひとつである「冷たくてもそこそこ美味しい」という原則には忠実だと思います。

 食べ終わった後のコンテナはそのまま弁当箱にも使えそうですが、角ばった箱なので洗うのは大変そう。ここは素直に小物入れとして使うのが吉でしょう。

 でも、上記の小説で犯人が食べたのがこんな弁当だったりした日には、見た目がギャグでしかない気もしますが(爆)

 さて、今回の一連の買い物では他の駅弁もいただいていますがそれについては次の機会に。

ノスタルジック鉄道コレクションの富井電鉄デハ5・デハ7

2022-10-19 05:00:52 | 車輌・電車
 先日入線のノスタルジック鉄道コレクション第3弾から
 実はこれを書いている時点で未だに動力ユニットが来ていないので未だに側線の飾り物状態だったりするのですが。

 今回紹介するのは富井電鉄デハ5、デハ7です。
 第二弾でもショートタイプの気動車が出ていますが、今回のは電車の仕様です。

 気動車の時は上回りのマッチ箱の様な可愛らしさに対して下回りが妙に重厚すぎて幾分アンバランスな印象がありましたが、パンタを載せた電車になるとこれがあまり気になりません。不思議なはなしです(笑)
 デハ7の前面の雰囲気は鉄コレ第1弾の15M級電車によく似ています。

 こんな電車の似合う様な風景というとわたしなんかは「山の中の温泉街に通じる鄙びた路線」を連想します。
 ジオコレには温泉街のストラクチャーやシーナリィベースも出ているので、或いはそれと組み合わせる事も想定しているかもしれません。

 実は今回のノス鉄でわたしがまず動力化してみたいと思ったのがこの編成でした。
 頼んでいた動力ユニットはいつ届くのやら(汗)

「鉄道ミステリーの系譜・シャーロックホームズから十津川警部まで」

2022-10-18 05:57:01 | 書籍
 今回は久しぶりの衝動買い本のひとつ
 交通新聞社新書の「鉄道ミステリーの系譜・シャーロックホームズから十津川警部まで」(原口隆行著)

 わたし自身、当ブログで「鉄道ミステリとNゲージ」なんて言う無理矢理なネタを続けているだけに本書を見逃すわけにいきませんw

 本書は20世紀直前の時期から現在に至るまでの鉄道ミステリの流れを世界編(専らイギリス物ですが)と日本編に分けて俯瞰したものです。
 俯瞰本なので、ミステリ小説の歴史と鉄道ミステリがその流れの中でどう絡んできたのかを把握するにはよくまとまった一冊だと思います。

 実際、本格推理(昔は「探偵小説」の呼び名が一般的でした)の勃興・発展期は鉄道の発展期と重なるため、ある時期までこのふたつの進歩がパラレルに進行していました。当時のハイテク、時代の最先端だった鉄道を題材にしたミステリが多いのは当然と言えるかもしれません。
 それだけに古典ミステリの中には同時期の(今となっては古典機)鉄道風俗がリアルに描かれている事が多いですし、鉄道描写が作品を彩る背景としてうまく使われているケースも多いと思います。
 

 ただ、これはわたし個人の我儘なのでそのつもりで読んで欲しいのですが、本書に取り上げられている戦前や戦後の一時期の鉄道ミステリ(各作品のあらすじ付き)の紹介で鮎川哲也編のアンソロジーからの引用が多すぎて、同じアンソロジーを読んできた身からすれば少なからず物足りなかったのが残念な点でした。
 (同じ理由で鮎川哲也没後の鉄道ミステリの流れが突っ込みに欠ける嫌いをも感じましたし)

 鮎川哲也自身、載せ漏らした佳作がいくつもある点をアンソロジーの巻末で惜しんでいましたから、せめて本書の中ででもそれらの中の何作かを発掘、掲載してくれるだけでもだいぶ印象が違ったのではないかと思います。

 今回の感想は個人的な文句が多くなってしまってすみませんが、ガイドブックとして古典鉄道ミステリに興味を持っていただくにはなかなかの良書ではあると思います。

キタンクラブの「光る広告トラック」

2022-10-16 05:21:16 | アクセサリー
 久しぶりにNに使えそうなガチャのアクセサリから。

 最近、夜の街を走っているとたまに「花電車みたいな光る宣伝カー」を見かける事があります。
 大概がトラックを改造したものの様ですが、この間故郷で観た奴は「路線バスの車体を丸ごと改造」した様なものもあったりしてジャンルの奥深さに驚かされたりもしています(笑)

 最初のうちは結構面白いと思っていたのですが、現住地のみならず故郷や他の町でもこれが走っているのを見て「全国的に普及しているクルマ風俗」なのだと、最近になって得心している次第(遅い)

 ですが先日ガチャでこの種の宣伝カーがモデルになっているのを見つけた時は流石に「ガチャになるくらいまで普及しているのか」と改めて驚きました。

 物はキタンクラブというところから出ているらしい「光る広告トラック」
 LED内蔵で荷台が光るギミック付きです。

 荷台サイズはNにはやや大きめなのですがレイアウト上の光るアクセサリと割り切るならギリギリ使えるサイズではないかと思います。
 ただ、広告主が「メンズMILK」「ミリオンアイドルプロジェクト」「CLUB KITAN」と実際によくある様な「走る歌舞伎町」系なのがなんとも(笑)

 人によってはこう言う俗っぽいアイテムを嫌悪する向きもあるとは思いますが、都会の風景の持つ雑多さの表現のためのアイテムと捉えるとなかなか面白い物ではないでしょうか
 (ただし電池の交換の効かない「使い捨てアイテム」である点には注意を要します汗)

2年ぶりに「レンタルレイアウト詣で」を実行する

2022-10-15 05:17:51 | 旅行・探訪・イベントなど

 件のコロナ禍に加えてそれまで行きつけだった鉄道カフェが移転・リニューアル中という条件が重なってしまったのですが、ここ2年くらい「レンタルレイアウトで走らせる」という行為にすっかりご無沙汰していました。

 ですが、コロナ禍の方が幾分収まり、それに伴ってこの間ようやくアキバ行きを2年9か月ぶりに決行できた事がここに来て私の背中を押しています。

 という訳で今回は静岡にS660を走らせて2年ぶりの「レンタルレイアウト詣で」を行ないました。

 今回お邪魔したのはクラブのメンバーの一人がこの春にオープンさせた富士宮市の「Starry Train」
 本来ならもっと早くお邪魔するはずだったのですが、予想外のコロナ禍の進展が影響してしまい今日まで延び延びになっていたものです。

 イベントとしてもグランシップ以来という事もあって、いつになく多くの編成を持ち込みました。

 シーナリィその他は建設途上ですが、線路はどれも運転可能。組線路主体とはいえ、勾配がゆったり取られ走行にストレスを感じることは殆どありません。長編成用からBトレまで幅広く対応できる印象です。
 うちのレイアウトでは限られたスペースゆえに勾配がきつかったり長編成が辛かったりすることが多いので、たまにはこうやってフル編成を走らせるのもストレス解消になります。


 今回は店主が東北在住経験がある事もあって先日の「仙台育英高校優勝」に因んだ「仙石線大会」を自宅に続いて敢行(笑)

 古今の仙石線編成が縦横無尽に走り回りました。

 わたし的に発見だったのが「ミニ車両の走行が案外楽しかったこと」
 普通、ノス鉄などの小型車両短編成はどちらかというと「小レイアウトで間近に眺める」ようなイメージがあり、実際棚幡線でもそういう使い方をしているのですが、ある程度シーナリィのあるゆったりした線路配置の中でこれらの小型車が案外生き生きと見えるのです。
 考えてみれば小型車が走り地方私鉄でも実際には雄大な風景の中を走っている事が多いのですから、大レイアウトでも楽しめて当然なのですが、案外気づかないものです。

 クラブのメンバー同士の気安さもあり、そんなこんなでご店主と駄弁りながら運転しているとあっという間に2時間が経っていました(汗)

 レイアウトはまだまだ進化の途上ですが、書籍や資材も充実していますし、他にない独特の隠れ家感が持ち味のレンタルレイアウトと感じました。

 鉄道の聖地、静岡を探訪の折に立ち寄ってみても面白い所と思います。
 (なお、チラシには木曜定休とありますが、現在は土・日曜日中心に営業中とのことですのでご注意ください)

ノスタルジック鉄道コレクション 第3弾

2022-10-13 05:13:28 | 車輌・電車
 先日、ようやく入荷した「ノスタルジック鉄道コレクション」の第3弾を引き取ってきました。
 前回の第2弾が主に小型の気動車とディーゼル機関車をモチーフにしていたのに対して今回は電化した小私鉄の車両たちと言った趣です。

 その陣容は電気機関車・蓄電池機関車が4タイプ、小型電車3タイプとその付随車(又は客車化したもの)が3タイプ。
 箱買いしてそれなりの動力を充てがうと小私鉄がひとつ開業できそうなレベルです(笑)

 これまでのノス鉄のラインナップを俯瞰して感じるのですが、第1弾のEB10とか第2弾の富井電鉄DB20などはどうにかフルスケールのレイアウトでも入替機などで対応できそうなデザインと設定にはなってはいます。
 が、それ以外の客車、気動車などはフルスケールのレイアウトで使うというよりも独立した小レイアウトで使った方が似合うような印象を受けます。

 大昔のHOのレイアウトではこの種の小型車両に対応したレイアウトの作例が多かったですが、車両のフル編成、フルスケール嗜好の高まりとともに徐々に廃れてしまった(或いはナローに移行した)印象があります。
 ノス鉄のラインナップを見ているとその頃のHOモデルの小型車両への回帰の様なものも何となく感じたりはします。

 或いはレイアウトのインテリア志向に対応してBトレとかZショーティみたいな「トランクに収まるレイアウト」「ギターケースの中のレイアウト」と言った様な「オサレ・カワイイ系のレイアウト」が似合いそうな気がします。
 (但し上記のふたつに比べると少しだけリアル志向なので「大人でも楽しめるホビー」のノリを残してはいる感じもしますが)

 今回の電車系ラインナップもその線には忠実にデザインされてはいますが、メルヘンを語るには聊か可愛げに欠けますし、もっとリアルな方向を語るには逆に愛想に欠ける印象も感じたりします。
 尤も、最初は同じ印象を持った「猫屋線」のナロー車両も後になるほど愛想が出てくるデザインのモデルに変わっていった経緯がありますから、ノス鉄も今後に期待という処でしょうか。

 わたしがノス鉄の車両を増備しているのは専らミニSLレイアウト「棚幡線」での運用を念頭に置いているからです。

 それと照らし合わせると「週刊鉄道模型・少年時代」とか「週刊SL鉄道模型」のレイアウトを持っているかそれに準拠した様なミニカーブ主体のレイアウトを作っている人にはお勧めできるアイテムですし、今後そういうレイアウトを作ってみようかと思っている人にも魅力的なシリーズかもしれません。
 これだと畳1枚の8分の1程度のスペースでも「列車の走るレイアウト」が持てるでしょうから。

 個々のアイテムについては次回以降に。

駅前広場のイベントに思うこと

2022-10-12 05:09:32 | 思いつくままに・考察

 私の現住地から見て一番手近な都会というと八王子か甲府という事になりますが特にクルマで行く場合、駐車場代が安価だったり渋滞に引っかかりにくいメリットを勘案すると甲府に行く率が高くなっています(特にコロナ禍以降は)

 コロナ禍の前だと毎年年末に鉄道の日や交通フェスタのイベントが行なわれていた関係でクラブの公開運転会という形で縁のあるところなのですが、最近は駅前に某量販店がオープンして以来探訪の頻度が飛躍的に上がっているところでもあります。
 さて、ここの駅はごく最近駅前の再開発事業が進捗しており、北と南それぞれにほぼ同規模の駅前広場があるのが特徴です。
 都会と言っても4扉の通勤電車が大量の乗客を吐き出すような駅ではないので、駅前の混雑と言っても高が知れたものですが、それゆえに駅前広場もごく閑散とした雰囲気の場所ではあります。

 特に最近拡充された北口のそれは夕方にもなるとだだっ広い空間が広がり(個人的には)見た目に気持ちのいい空間ではあります。

 ですが最近ここに通う頻度が増えてから気が付いた事があります。
 夏の終わりのある日、たまたま立ち寄ってみたところその広場に人だかりが


 何かのイベントでしょうか地元の高校と早稲田大学の応援団がエール合戦みたいなことをやっていてびっくりしました。
 因みにこの広場は、中央線のホームから素通しの位置にあるので駅からも何をやっているのかわかる位置にあります。

 ですからホーム上の利用者たちも半ば口あんぐり状態(笑)

 
 その次に来た時には何やらミスコンをやっていて、別の意味で華やかな空間が広がっていました。


 そういえば、今年の正月にここに来た時は駅前広場が旧車イベントの真っ最中でわたし自身も堪能させて頂いた事も思い出されます。
 そのうちここでコンサートのひとつもやらかしかねない様な気が。

 同じ駅前広場でも反対側の南口では目立つ物は精々が何とかの反対デモくらいなもので華やかさに欠けるのと対照的な感じもします。

 このように駅前広場が意図的にイベントスペースとして有効活用されているターミナル駅というのは珍しく感じる(少なくとも盛岡や静岡、八王子なんかでは難しいでしょう)と同時にわたしの中で何かがムラムラと沸き立つ気になっています。
 ここで言う「ムラムラ」とは言うまでもなく「これ、レイアウトに使えないかな」という意味ですw

 昔は駅のあるレイアウトの作例でも駅前広場というのは半ば添え物的な空き地であることが多く、駅前広場が魅力的に感じられるレイアウトというのはごく少ないものでした。最近はレイアウトのシーナリィ志向に沿う形でそれなりに作り込まれているものも増えていますが、少なくとも都会風を標榜するレイアウトで駅前広場を積極的に使うものはそう多くはない気がします。

 ですが、こういう形で駅前広場をイベントスペースとして積極的に活用するというのも面白いのではないでしょうか。
 何もレイアウトに固定する形でなく広場のスペースに差し替え式でイベントやお祭りを飾っても良い訳ですし。
 わたし個人は少なくとも「駅前広場の旧車イベント」は組み込んでみたい衝動にw
 そういえば「公共交通フェスタ」なんてのも最有力の候補ではあります。

ようやく夏が過ぎ・・・

2022-10-11 05:05:23 | 日記

 今回は日常ネタです。
 思えば今年の夏は殊の外長かった。

 昼間が30度を超える真夏日を夏の延長と仮定するなら、今年の夏はつい先週まで続いていた感じがします。
 今年は実質的な梅雨明けが7月半ばから終り頃だったそうですが、そこから起算しても丸々2か月以上暑い日々が続いた事になります。

 汗っかきの体質のわたしにとって気候的にこれは辛かった!
 このブログで毎年夏に書いている様に、この期間は昼と言わず夜と言わず暑さと多湿でレイアウト工作をはじめとする大掛かりな工作がほとんどできません。
 加えて昨年まで続いていたストラクチャーを中心とする積みキットの消化、キットメイクやキットバッシュを中心とした車両の工作や加工もネタが払底してひと段落してしまった時期でもあり、工作に対するモチベーションもなかなか盛り上がらない夏でした。

 で、そんな暑さに参りながら思うことは
 「涼しくなったらレイアウトの続きに掛かろう」とか「涼しくなったらあの車両を仕上げよう」とかいった事ばかり。

 そう言う事を考える事自体が、いつの間にかストレスの種になっていた様な気がします。

 流石に9月に入ると朝夕だけは幾分涼しくなりましたが、先日の秋葉原や富士宮行きも、まだまだ昼間の暑さに汗が止まらない状況で、まだまだ夏の延長であることをいやというほど思い知らされました。

 昼間もそこそこ凌ぎやすい気候になったのはようやく今週に入ってからでしょうか。

 愚痴が続きましたがようやくレイアウト加工をはじめとする身体を使った作業に掛かれる気候になってきたのにはホッとします。
 さて、今度こそ汗

GMの映画館を作る・その2

2022-10-09 05:22:24 | ストラクチャー
 前回紹介したGMの映画館の工作その2です。

 このキットの製作工程は事実上バス営業所に準じるものですが、工作の肝は当然「前面の製作」という事になります。
 前面ファザードの構造から言ってこの建物が建てられたのは映画の黄金時代と言える昭和20年代後半から30年代前半くらいまでではないかと思います。

(入り口と切符売り場がふたつずつありますが映画の黄金時代ではこれでも入り口に行列ができる事もままありました。後に映画が斜陽化してくると切符売り場もひとつになり片方の入り口が閉鎖されるか、或いは一つの建物内を仕切り二スクリーンにしてしまう改造が行われる事もありました)

 わたしの故郷の映画館でもこういう感じの建物はよく見かけた記憶があります。
 上述の通り、このキットのオリジナリティは前面ファザードですのでまずこの部分の塗装から始めました。
 映画館の外壁というと味も素っ気もない灰色のものからレンガ造り風の看板建築の物やらもあったりしますが今回は個人的な印象を優先してデッキタン(木甲板色)を吹いてあります。

 あとは窓枠パーツをクリアボンドで接着。裏側の建物部分はバス営業所と同じ工程なので今回は割愛します。

 ところでこのキットで唯一気に入らないのが「看板シール」
 下の演芸場を想定したものはともかくとしても映画館用の看板は正直頂けません。
 ロゴ自体が同じものでも当時(も今もそうかな?)は看板類はアナログな手描きが主流でしたから、こういう見るからに「プリンターで印刷しました風」の看板は正直似合わない気がします。

 まあ、この辺はそれこそユーザーの腕とセンスの見せ所かもしれません。

 形になった前面部分はこれだけで十二分な存在感を出せます。
 ですが、このあと馬鹿正直に後ろの建物部分を作ってしまうと下手な駅舎顔負けにスペースを食うのでこの部分だけロウレリーフ状にしてしまうのもひとつの方法かもしれません。