光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
こちらはメインブログのアーカイブとなります。

グランシップへの道程

2016-05-31 05:21:43 | 旅行・探訪・イベントなど
 世間様はゴールデンウィークの行楽で賑やかというのにこの連休は(いつもの事ながら)祝日は全て出勤なのでただの「5月第一週」でした。
 勢いモジュール関係の工作は夕食後から寝るまでの時間を割いて行なう形となります。

 「工作」と言いましたが、実は今年はグランシップのトレインフェスタに私の所属するクラブが昨年から参加しているのですが、今年は私も参加できる事になり鉄博風と新作(実は新作と言い難い要素が多いのですが)を持ち込む事になっています。

 そんな訳で今年は1月頃からモジュールの製作と改善に時間を割いている状態でした。
 (新作の方についてはイベントで初公開する予定なのでもう少しお待ちください。まあ、既存の建物を再利用したある意味やっつけ仕事に近いものかもしれないですが)


 課題は多いのにこの期に及んで次々にやり残しや課題が出てくるのはどういう事か(汗)
 今日はモジュールの露出部分にサンドペーパーを貼って見た目の見苦しさの軽減に努めました。

 線路も敷設はしているものの通電・試走のチェックはこれからです。

 おまけに直前になって気付いたのですがモジュールにかまけ過ぎて「走らせる車両の事を全く考えていなかった」事に(汗)
 いつもの運転会ではその場の気分でラインナップした列車を当日に持ち込んでいましたから気にもしていなかったのですが。
 して見ると「ジャンクの花道ツアー拡大版」辺りをまたやりそうな予感が(大汗)

 その他当日の整備機材、コード、更には2泊分の宿泊の備えも要り用でした。

グランシップへ出撃前夜

2016-05-29 05:20:03 | 旅行・探訪・イベントなど
静岡のグランシップでトレインフェスタがあるのですが今年は私もようやく参加できることになりました。
(本来は昨年出られる筈だったのですが急な法事でほぞをかんだ苦い思い出が)

 今夜はモジュールをはじめ機材の積み込みです。

 昨年暮れに来たエスクァイアは正にこういう用途のために存在するといってもいいクルマで600×900モジュールを二段重ねした奴(通称モジュールの「おかもち」)を少なくとも二つは呑み込んでおつりが来ます(二名乗車時)
 おまけにサブトランクもスポーツバッグがふたつは入りますし。今回はそれに加えていくばくかの運転会用の車両とメンテナンス機材も積み込みました。

 これまで私が乗ってきた中で一番収納力があったのは商用車ベースミニバンの初代セレナRVセレクトだったのですが同じ5ナンバーでもエスクァイアは間違いなくそれを上回ります(尤も、フロントエンジンの分全長も40センチほど長いですが)

 さて、いよいよ設営に出撃です(笑)

偉大なる凡庸の系譜・番外編「GMの中型駅」

2016-05-28 05:18:11 | ストラクチャー
 ストラクチャー版「偉大なる凡庸の系譜」
 今回はやや普及度の偏りがある題材と思いますが「私自身がよく使うから」という要素も加味して選びました。

 GMの「中型駅」
 これまた日本初の「本格的な日本型ビルのストラクチャー」として大きな足跡を残します。

 JRの水道橋の駅前に最近各種萌えアニメの原作を提供している雑誌の出版社のビルがあります。
 いつも総武線の電車でそこの前の通るたび、そこの壁面を見て「GMの中型駅だ!」とか思う私は別の意味でおたくですね(大汗)
 それ位壁面の意匠が似ているのですが当時天賞堂のオメガビルも模型化していたGMのこと、この中型駅のプロトタイプも案外このビルかもしれません。

 ですがそれを離れて見ても当時「都会のビルっぽい外見」として非常に高い完成度を見せていたのがこのキットでした。
 前面だけでなく左側面の壁面パーツもいかにも「どこにでもあるビル」のそれでしたし。

 上の写真のビルは新発売当時に駅舎にするつもりで組み立てた殆ど素組みの物だったのですが30年後に「電気屋さんのビル」に改修してしまったものです(恥)
 今でもこれはレイアウトに鎮座していますがかれこれ築38年物になります(笑)

 しかもこのキットの凄い所は「キットのGM」の名に恥じず改造や切り継ぎのしやすい事は無類だった事です。後に追加された「車上駅」も併せるとそれなりにバリエーションが増やせました。
 レザーソウ一丁とセメダインがあれば大概のビルが作れる(当時のGMのカタログに「超高層ビルの作例」があったくらいです)夢のアイテムでした。

 この前後の時期TMSを始め専門誌や他社のカタログですらこのビルを使ったレイアウトの作例を見ざる日なしの勢いでした。
 実際私もこの趣味の再開後(つまり21世紀に入ってから)すらこれを4個つないで「ターミナル駅ビル」を作ったくらいですし。

 改造の素材としてのこのキットの貢献度は(私個人も含めて)なかなか大きなものがあります。 

今月の16番・「エンドウのキハ02」のはなし

2016-05-27 05:16:37 | 車両・16番
 先日入手した16番の中古モデルから。

 物はエンドウのキハ02です。
 これは少なくとも昭和50年代頃まではエンドウの16番入門モデルの定番だったアイテムで「これ1両あれば鉄道が開業できる」と言う点でNゲージにおけるTOMIXのキハ02と並ぶ立ち位置を持つモデルです。
 
 あの頃の16番モデルの常で車体は金属製、動力は1軸駆動で「テツドウモケイ」の基本はきっちり押さえたものと言えます。
 同じようなステイタスとしては同じエンドウのB20がありますが両者に共通しているのは「一応スケールモデルである」点。
 他社のモデルが走行性重視の立場とは言え自由形のショーティ主体なのに対してかなり訴求力のある特徴となっていたと思います。

(更に言うならこの2者は「あとからスケールモデルの増備が進んでもレイアウト、又はコレクションのマスコット的存在となるので余り邪魔にならない」という利点ももちます。

 このキハ02、私が16番を始めた頃から折があれば入手したいモデルだったのですがこれまで奥にしろ中古屋にしろ適当な値段のモデルになかなか当たらず何度か見逃してきたモデルであります。
 今回秋葉の某中古屋でやっとこさ出物を見つけたものですが、安いだけあってくたびれ具合も半端ありませんでした。

 ボディは所々塗装の剥離がありましたし走行性も時々突っかかりがあります。
 とはいえ、この種の16番モデルは動力系のリペアや調整が比較的容易である事が多いので敢えて買ってみる値打ちはありそうに思えました。

 16番だけあって手に持つとずっしり重いですし、当時のNゲージ並みに車内はモータとウェイトがぎっしりと詰まっています。
 造形やディテーリングも今の目で見ると細密性がどうこう言えるレベルではないのですが、これ又あの頃の16番らしい朴訥さが感じられるのがこのモデルの人徳と言えます。

 これから追々調整やウェザリング等を試してみる積りです。

カラーブックスから「楽しい軽便鉄道」

2016-05-26 05:14:14 | 書籍
 今回は久しぶりにカラーブックスネタです。
 とはいえ、今回のは先日買った奴なので「思い出の」とはつかないのですが。
 
 No833「楽しい軽便鉄道」

 このタイトル自体、カラーブックスの鉄道物としては異色です。
 「楽しい」とか「素敵な」とかいった形容詞の付いたタイトルはカラーブックスに限らず大人のファンを対象としたあの頃の鉄道本ではなかなか見られません。
(但し多分に情緒的な側面の強かった昭和40年代のSLブーム、50年代のブルトレブームではあったかもしれませんが)

 カラーブックスではこの前にも「軽便鉄道」と言うのが出ていますが、本書はそれ以後、平成4年現在の軽便鉄道の現況がまず取り上げられています。
 ここで特徴的なのは前巻の時には殆ど取り上げられていなかった「遊園地や観光用の軽便鉄道」が増えている事でしょうか。


 昔の様な如何にも玩具然としたキシャが走っていたころとは違い、最近のアミューズメントパークでは見てくれも作りも結構本格的な「鉄道」が敷かれている事が多いですがその萌芽がこの時点で既に表れていた事がわかります。
 また、これまた前巻の頃にはあまり想像しにくかった「保存目的の鉄道」が登場しているのも興味深いです。


 後半は「思い出の軽便鉄道」と題して出版の時点で既に廃止された鉄道(鉱山鉄道を含む)の追憶で占められておりカラー写真も一部退色しているのが一種郷愁を感じさせます。

 ですが読んでいて一番面白かったのは「楽しい軽便鉄道」「軽便鉄道の面白さ」と題して書かれた軽便鉄道全体の魅力を語った章です。
 ただ、分量としてはコラムに毛の生えた程度の分量なので少し物足りない印象で、続きが読みたかった部分ではあります。

 全体に前巻のデータ主体のよりも素朴な意味で軽便鉄道の魅力を読者に伝えようと言う意図が感じられる構成で堅苦しさのごく少ない所に好感が持てる内容でした。
 それゆえのタイトルの「楽しい」なのかもしれません。

 この点、こちらはタイトルこそ素っ気なかったですが同じカラーブックスの「路面電車」(昭和47年頃)の読後感に通じるものがあります。

TOMIXクモヤ443セットから

2016-05-25 05:12:36 | 車輌・電車
 これまた大分開きましたが、先々月の静岡行きの戦利品から

 TOMIXのクモヤ443の2両セット。
 これは「限定品」を名乗っている割には意外とあちこちのショップで見かけるモデルです。
 地方などでは新品が買える可能性もそれなりにありそうです。

 元が既に出ているクモヤ193系の色を塗り替えただけ(ついでにクリーニング機構もパージされています)だったので新品では割高感があってこれまで手が出せないモデルのひとつでした。
 今回ようやく手頃な値段の奴が見つかったのでようやくの入線になります。

 元々が直流電車の塗り替え品なので屋根上はあっさりしたものですが、このカラーリングの電車は故郷のターミナル駅でしばしば目にしていた車両でした。

 サーモンピンクとアイボリーの組み合わせのカラーリングは「警戒色の付いた錆止め塗装」みたいでいささか野暮ったい所があります。
 (実は同じ理由で475系などの急行電車にもそうした印象を持ってしまっています。嫌いではないのですが)
 ですがそこが事業用車らしくて好きなポイントでもあります。

 帰宅後さっそく試走させましたが、M車はともかく元々クリーニングカーだったT車までもが「とにかく重い」
 牽引するM車の負担が思いやられます(笑)

 とはいえ事業用車らしく駅の片隅に居ても様になるのはこのモデルの美徳ではあります。
 そういえばED91を作った時の碍子の余りが少し残っているので追加してみるのも良いかもしれません。

日本型Nゲージの50年と思い出から・トム50000編

2016-05-24 05:09:06 | 車両・客車・貨車
 昭和39年版の「模型と工作・鉄道模型ガイドブック」から50年前の16番モデル工作とそれ以降のNモデルの思い出を語るある意味支離滅裂な企画(汗)

 今回は二軸無蓋車トム50000です。

 先にワム3500の話をした時に「木製車体の有蓋車には50年前の当時でも馴染みがない」なんて話をしましたが、これが無蓋車となると状況は一転します。
 当時はボギー車のトキ15000もバリバリの現役(それどころか私の記憶に間違いなければ昭和40年代の初め頃まではボギー貨車の中で一番よく見掛けた機種だったりします)でしたし、2軸のトム・トラですら木材チップの輸送用を中心に大活躍していました。
 何しろ当時の故郷の駅には木材の積み出し基地も兼ねており、駅本屋のホームの端っこにはこの貨車を動かすためのトラバーサまであった位でしたから如何に普及していたかがわかろうと言う物です。

 但しここで見かけた無蓋車は殆どが戦後製造のトラ90000辺りで大半が戦時中の製造である記事中のトム50000とは異なります。
 あるいはほかの用途でトム50000もあったかもしれませんが今となっては確かめる術もありません。いずれにしろ「二軸の木製無蓋車がポピュラーな存在だった」事には変わりありませんが。

 形態の上ではトラ90000は一応無蓋車ですが上部にチップ積載に対応したケージ状の黄緑色の金網があるのが外見上の特徴です。
 当時はこのケージは取り外し可能と思っていましたが実際はどうでしたか(笑)
 これがなければトム50000とトラ90000の外見はそれほど違わない気もします。

 ですからワム23000と同様「あの貨車の模型化記事」としてそれなりに楽しく読んだ記憶があります。
 「楽しく読んだ」なんて書きましたが、実はこの貨車の製作記事は本書の中でも一番短い「たった1ページ」

 材料は本書でよく使われる白ボール紙ではなく1・5ミリ厚の木材だそうです。
 あの頃は大概の模型屋にあったマテリアルだと思いますし、どうかすると駅弁の箱にでもありそうな材料でしたが今ではなかなか使われない気もします。
 が、荷台内側まで表現しなければならない無蓋車の素材としては適当です。
 「ラッカーの中に歯磨き粉を入れて艶を消しますといっそう実感がでてきます」という説明がいかにもあの頃の模型工作ぽいですね。

 さて、Nゲージのトム50000は前回紹介のワム50000と同様にトミーナインスケールの最初のラインナップのひとつでした。
 2軸貨車の編成のバラエティを付けるには不可欠な車種だけにこれまた登場が歓迎されたのではないでしょうか。

 モデルは砂利を積んだ状態で出ていましたがこの積み荷を外すと内側に床板の筋がモールドされており空車状態にも対応している配慮がされています。

スクラッチの大型ビルのはなし

2016-05-22 05:07:07 | ストラクチャー
 前回から大分間が空いたのですが、静岡行きでの拾い物から

 富士市の中古ショップにあった自作のビル。
 スケール的にはNより小さいのですがかなり堂々とした造形で悪くありません。

 最近、よく各地のレンタルレイアウトなんかでこういった感じの造形のオリジナル建造物を見かけるのでそちらからの流れ物かもしれません。
 鉄道模型と言うよりも建築模型に近いノリの造りです。材質はプラバンと建築模型用のマテリアルの組み合わせと見受けました。
 なのでサイズの割には案外軽いです。
 但しスケールはNゲージというよりもZゲージスケールという方がぴったりでNの近景用としては使えません。

 細部については拍子抜けするほどに細密とは無縁な感じの造形ですが何と言ってもこの堂々としたフォルムが身上です。

 以前から書いているように製品としての鉄道模型用ビルはその大半が「ただの箱」以上の物ではない事が多いのですがフォルムの段階でこれ位配慮のある造形がされていればとか改めて思います。

 実はこれを買ったのは現在工事中のモジュールに使おうかと言う意図がありました。
 これについてはいずれ書く機会もあると思いますが、駅舎とホームだけではどうにも駅前が殺風景だったのですが、これが入るとそれなりに雰囲気が変わり都会らしく感じられたのは嬉しい誤算です。

鉄道ミステリとNゲージを語る3「電気機関車殺人事件」と謎のEF18(笑)

2016-05-21 05:03:40 | 小説
 今回は「下りはつかり」所載の「電気機関車殺人事件」から

 この作品の概要をかいつまむと、終戦直後の時期の上越線を想定したと思われる電化工事の進捗著しい常信線の周辺を舞台に「走行中の電気機関車内で発生した機関士・助手の殺人事件」を追う素人探偵の電気技師の活躍を描いたものです。

 本作の作者の芝山倉平氏は作品がこれ一作だけだったという事もあって最初の頃は正体不明でした。
 後になって明電舎の元会長の故関四郎氏が国鉄勤務時に掛かれていた作品である事が判明、鮎川哲也氏の「幻の探偵作家を求めて」に作者のインタビューが掲載されています。

 それによると山岳地が多く水力発電の利が得られる日本では鉄道の電化が必須であるとの判断から、一般の人々に啓蒙の意味も込めて読者が多い探偵小説の形式で本作を上梓されたそうです。
 探偵小説の執筆動機としてはこの点でもかなり異色です。
 確かに3部構成の小説の2部に相当する部分は、技師である主人公の素人探偵が鉄道電化の必要性を説く話で殆どが費やされていたりします。


 それでいて探偵小説としてもかなり異色な特徴もあって作者の主張を別にしてもかなり興味深い内容でした。だからこそ30年近くを経てミステリとして再評価されたともいえます。

 普通鉄道ミステリではその大半がダイヤグラムを使ったアリバイトリックで、鉄道の機構を殺人トリックに使うものがそれに次いで多い傾向があります。
 本編は後者の部類ですが、電気機関車の構造や無蓋貨車の特徴を利用した殺人トリック自体が専門家でないと思いつかない物なのに加え、トリックに要する犯人の計算が列車の速度や減速率、更には被害者の心理までも文字通り分秒刻みで巧みに計算した「理数系の殺人計画」なのが最大の特徴です。

 一方、その犯人を追う素人探偵も本職が技師なだけにこれまた普通の作家が思いつかない手がかりから犯人を指摘するところが圧巻でした。
 犯人のトリックが暴かれるプロセスで「数式がバンバン出てくる」探偵小説などは今でも相当に異色ではないかと。
 少なくとも「マイクロメーターの計測で犯人を指摘する」というシークエンスは今のところ空前絶後だと思います。

 この部分はぜひ実物を読んで頂いた方が良いと思います。

 さて本作の特徴は上記の点にもありますがマニアが驚くのは主役の機関車がEF18である点です。
 普通の作家ならある程度有名な車両とか列車を選ぶところなのでしょうが、EF58のギア比を変更して貨物、勾配区間の運用に特化した一般には殆ど知られていない(当時なら「どこにでもありそうな」機関車のひとつにしか見えない)EF18を選択するところに作者の手堅さと考証の確かさを感じます。
(とはいえ、前半ではそのEF18が客車列車を牽引していたりするのですが)

 ・・・と思っていたのですがこのブログを書くに当たって再読してみたところ驚いた事に本作の掲載は昭和21年。
 EF58ならともかく、EF18はまだ出ていない時期だったのです。
 つまり純粋に架空の電気機関車として描かれていた事になるのですが、作品内に挿入された機関車車内の平面図はデッキの長さなどから見てもEF57かEF58の2軸デッキを想定した一見して実際のEF18にしか見えないものだったのでずいぶん長い間騙されていた事になります(大体にして初読の当時餓鬼だった私が昔のデッキ付き機関車の種類など気にする訳もなかったのですが笑)

 冒頭、事件直前の列車内で主人公が語る機関車の運転やトンネルの描写なども専門的ながら非常にリアルな物でおそらく相当な鉄道ファンが読んでも違和感は少ないのではないでしょうか。

 再発売の文庫版でもこれを読むのは容易と思いますので是非お勧めしたい一篇であります。

そのEF18ですがプラ製量販品はマイクロから出ていますが今回取り上げるのは数年前に中古を入手していたワールド工芸の仕様です。
 EF18とそのベースとなっている旧EF58は機種としてはメジャーな部類であるにも関わらずKATO・TOMIXの二大メジャーから未だにモデル化されていません。後思いつくのはエンドウのキットですがこれも殆ど見かけないですね。

 ワールドの仕様は動力に既製品を用いていますがデッキ周りの細密感で大分得をしている印象です。

KATOの最新型C50の「DVDで盛り上がる(笑)」

2016-05-20 05:01:59 | 車両・蒸気機関車

 KATOのC50ネタ、まだ続いています(汗)
 今回のモデルは50周年記念の特別価格で2万円という事になっています。

 最初第一報を聞いた時は思わず耳を疑ったのですが、その2万円の中の何割かはこの付録(と後述の冊子)に充てられていると思います。

「KATO Nゲージ生誕50周年映像集」のDVD

 内容は初代のC50に始まってこれまでの50年間にKATOがリリースしたモデルの中からエポックメイキングなものをピックアップ。走行風景と共にそれぞれの特徴を解説したものです。

 普通この手の映像ソフトでは模型を扱うものであっても実物の解説で8割がた話が進むのが多いと思いますがこのDVDは清々しい位に「模型そのものの構造や仕上げ工程、新機軸」だけで進行する所が異色であり、かつ面白いところです。
 C50などは初代、2代目、今回の製品でそれぞれ走りっぷりが比較できたりしますし、ホビーセンターに飾られていたヴィンテージモデルが実際に走るところも観られます。
 そこまで古いのに興味が無い向きは富山ライトレールや現行D51498の動力構造の細かさとか和の塗装仕上げの苦労話を聞くのも好いかもしれません。

 で、その一方でこれを見返して「ああ、そう言えばキハ82系、あの頃は先頭車1両しか買わなかったなあ」とか「不動のまんまの初代のEF70の動力どうにかしたいなあ」とか「そういえば『特別車両』まだ買っていないなあ」などの割合どうでもいい思い出に浸ってしまっている私がいたりします。貧乏性ですね。

 とはいえ、このDVD自体はC50の付録だけでは勿体無い気もするので増補改訂版でも出してくれるとうれしいです(C62をはじめ印象深くて人気もあったモデルが案外出ていないので)
 それと今年40周年のTOMIXもこの形式でDVDを出してもらえないでしょうか。

 ところでこのC50の特典はそれだけにとどまりません。
 パッケージから出てきた「謎の引換券」
 夏にKATOが出版する予定のアーカイブス形式の豪華本(約4千円相当)をC50購入者全員にプレゼントして下さるそうです。

 例のDVDと合わせると2万円と言ってもその半分近くが付録・特典に費やされそうな勢いです。
 今回のC50、記念モデルだけあってC50という模型を買うというよりも「Nゲージ50周年記念イベントが自宅でできるお祭りセット」の色彩が強いです。
 ですのでこれを買われた方は各々「自分が最初に買ったNゲージモデルを引っ張り出してC50と並べながら乾杯のひとつもやってみる」位の方がより気分が盛り上がるのではないかと(笑)

KATOの最新型C50で盛り上がる2・時にびっくり、時にビクビク(笑)

2016-05-19 05:00:02 | 車両・蒸気機関車
 前回に続いてKATOの記念モデル版C50のお話から。

 ようやくパッケージから引っ張り出したC50をしげしげと眺めているとなんだか空恐ろしい気分になりました。
 以前のモデルが140分の1前後にややスケールアウトしていたものを正調の150分の1スケールで設計し直した為に旧製品よりもやや小ぶりのサイズで登場した今回のC50ですが、正直な感想として、このサイズでよくもまあここまで細密に作り込んだものだと思います。

 これらの写真は手持ちのコンデジの最大マクロでぎりぎりまで寄って(1センチ接写)捉えたものですがそれでもディテーリングに破綻を感じません。
 Nゲージの宿命ともいえる車輪の異様な厚みとアーノルドのカプラーが無かったら模型のスケールを間違えそうなくらいです。
 私の場合いつもならカプラーは互換性重視でアーノルドを使うのですがこればっかりはナックルカプラーに換装したいと思っています。

 過去二代のKATO製C50と比較すると殊ディテーリングと造形に関する限り、まるで別物と言っていいほどのレベルです。50周年のリニューアルだけに現時点でできる事は何でもやったという意気込みはダイレクトに感じられます。

 このモデル、初期型をプロトタイプに「工場出庫直後のピカピカ状態」をモチーフに表現しているとの事です。この種の表現は主にお召列車の牽引機なんかでよく見かけるものですがこのモデルの説明書きにある様に「あまり走らせずに飾って楽しむ用途を想定している」事も関係ありそうです。

 実際、良く言えば「走らせるのが勿体無いくらい」悪く言えば「博物館の飾り物みたい」な印象で扱いには神経質にならざるを得ません。
 いつも以上に「ナンバープレートの装着でどこか壊しそうで怖かった」ですから。
 (実はこの点に関しては個人的に言いたいことも結構あるのですがそれについてはいずれまた)

 前述の通り今回のモデルのプロトタイプは前期型だそうで過去製品化された後期形に比べて25センチほど動輪の軸距が長い仕様との事です。そのせいか旧製品に比べてホイールベースがややのびやかな感じでサイズの小ささも相まって割合安定感を感じさせるものです。

 ただ、そのせいかどうか140Rのミニカーブで試走してみると見事に先輪が脱線しますし、バック運転でもテンダが脱線するので旧モデル(2代目)ほどの機動性はありません。
 ですがそれは別として普通の条件で走らせる限り走行性は実に滑らか。特に低速域で徐々に電圧を上げた時の追従性の高さには驚かされました。
 これまでにもC12やC59などでも走りのスムーズさに舌を巻いたものですがこのC50は更にその上を行きます。

 これを見ていると前述した「ピカピカの外観」と併せて私なんぞからすれば「是非OE88の先頭に立ててやりたい」気分になります。模型としてのスペシャリティ度はC62やD51を凌ぐのではないでしょうか。

 ところでこのモデルの楽しみはモデルそれ自体だけではありません。
 それについては次回に。

KATOの最新C50で盛り上がる(笑)1

2016-05-18 05:53:23 | 車両・蒸気機関車
 昨日は祝日という事でしたが、今回も私にとってのゴールデンウィークとは「ただの4月の月締め」「ただの5月第1週」となります。
 そんな訳で世間ほどには盛り上がらないのがこの時期なのですが今年は違います。

 何しろKATOの50周年記念モデルのC50がリリースですから(笑)
 退勤後、片道20キロ以上クルマを飛ばしていきつけのショップに駆けつけ現物を手にする感動(!)
 新発売のモデルでC62でもなく、EF66でもなく、フル編成のブルトレでもない「普通のC50」でここまで盛り上がったのは多分空前絶後です(初代モデルは別の意味で盛り上がりましたが)

 今回のは特別パッケージ品という事で箱からしてただ事ではありません。
 普通なら4両編成が入りそうなパッケージの中身は「C50が1両だけ」

 箱を開くと中には冊子込みのDVDと本命のC50が収まっています。

 内箱パッケージはサイズこそKATOの通常品のそれですが初回製品に似せたパッケージデザインンとなっています。サイドの品番の所が「ゴム印で打ったみたいな」表現になっている辺り芸が細かいです。
 (実際、昔の関水製品ではこういうのがよくありました。ですから知っている人には懐かしい演出ではあります)

 そしていよいよC50のお出まし・・・なのですが
 今回のモデルはいつも以上に細密感が物凄くて箱から出すのにかなり神経を使います。
 これは私ばかりの話ではなくいつも自ら箱から出して試走テストをしてくださるここの御店主までもがおっかなびっくりで引き出す始末。
 私も箱から出すのに「ピンセットでウレタンの端をつまんで引き出す」なんて事になりました。

 「ただ箱から出す」だけでこの盛り上がり様。
 実際モデル自体、私が見た範囲でも物凄い事になっています。
 あと特典の「濃さ」も。
 それらについては次回以降に。

 休日はないけれど今年の5月第一週は別の意味で「ゴールデン」な週になりそうです(笑)

とあるSNSの閉鎖に思うこと

2016-05-17 05:50:08 | 思いつくままに・考察
 今回の題材はある意味旬を逸した題材なのですがご勘弁を。

 あれからもう大分経つのですが、私も開設当時から加入していたとある鉄道模型のSNSが閉鎖になりました。

 聞くところでは最終的には累計で5万人近くが加入していたそうですが、私の通算ナンバーは500番台。
 かなり初期の頃から入っていた事になりますが、私と同じ頃に加入していたメンバーで閉鎖まで残っていた人は余りいなかった感じもします。
 何しろ私自身、ここ3年半くらいはこちらのブログに集中していた事もあって殆ど書き込みをしていませんでしたから。

 とはいえ、最初の3年くらいの間にコメントや運転会参加などで交流のきっかけを作れた方も多かったのでこのSNSの存在意義は大きかったと言えます。

 ですが、ある程度期間が経つとメンバーの入れ替わりもかなり頻繁になり、一部のトラブルをきっかけに嫌気がさして退会される方もいましたから後半の方ではあまり活発な交流はできませんでしたが。
 それにしても思うのは鉄道、あるいは鉄道模型を題材にしたこの種のSNSの継続の難しさです。

 10年くらい前にはこの種の模型関係のSNSがかなりあったと記憶しているのですが現在までの間に閉鎖されたり活動が縮小している物もかなりある気がします。
 特に私が入っていたSNSなんかは寿命が短い物ばかりだったので余計にそう感じられるのかもしれませんが(汗)

 鉄道と一言で言っても他の趣味に比べればそのジャンルの幅広さと嗜好の差異の激しさは相当に広い物があります。
 それらを単に「鉄道」あるいは「鉄道模型」とひとくくりに纏め上げるのはかなりの困難が伴うという事は傍で見ていても強く感じる所ではあります。

 このSNSでも実際ある時期にはSNSの運営やメンバーそれぞれの趣味の方向性、ファンのマナーにかかわる部分でかなりの軋轢があったのを目の当たりにする事もありましたし、その中にあって私自身がSNSに期待していた「のんきに趣味を語り合う」という事がやりにくくなっていたのも確かです。

 それらの出来事に私自身が直接関係する事はあまりありませんでしたが、それらの出来事を内部の掲示板などで目にするたび少なからず不快の念を覚えたのも事実です。
 鉄道模型趣味などは特にそうだと思いますが、鉄道趣味は全般に各個人の嗜好や趣味の差異が他の趣味に比べて大きい事が多く、しかもそのそれぞれが過剰なほどの自意識を持って趣味の押し付け合いに終始しやすい特性があります。
 これに年齢やキャリアの差、知識量や技術力などの要因が複雑に絡むと単なる論争が感情的なぶつかり合いに発展しやすく、始末に負えない結果に繋がる事も往々にしてあります。

 中でも最たるものが他者を貶める事で自分の趣味、嗜好を正当化、高尚化しようとするスノビッシュな志向でしょう。
 特定の他者に対して「こんなこともわからないのか」という態度をSNSの中で表明する事は本来趣味の世界ではタブーに等しい愚行ではなかったかと思います。

 基本的には各自が自分の好みを持ちつつも他者の嗜好に対するある程度の寛容性がないとこうしたSNSへの参加を継続するのは難しい気がします。
 確かに趣味の世界における自己主張は大事なのですが、他者との交流を目的としたSNS等では何処までが主張でどこからが我儘なのかを自分の中で線引きする位の配慮が必要だったのではないでしょうか。

 それを思うと閉鎖になったとはいえ7年くらいは続いたこのSNSなどはまだよく続いた方の様な気もします。

関水金属のC50が入線する・その5・「ジャンクの花道」走行

2016-05-13 05:59:59 | 車両・蒸気機関車

 ようやく走りを復活させた50年前の「関水金属の初代C50」ですが、先日モジュールレイアウト上を快走(笑)させました。
 運転会では私にとっての恒例になった「ジャンクの花道」運転の中でも極北レベルといえます。
 実はこのモデルを持ち込んだ時「これを走らせようかどうしたものか」と少し悩んだものです。

 何しろ走る様にしたとは言えモータもギアも50年前のまんま。
 一周20メートル近いモジュールのエンドレスを一周できるかどうかすら怪しかったからです。
 なので最初のうちはこれまた初期モデルのオハ31を繋いだ状態でヤード上にこっそり留置してお茶を濁すつもりでした。

 が、そうやっている内にやっぱり「途中まででも良いから走らせて見ようか」と言う気になりC50単機で運転して見ようと思いました。
 一応うちのレイアウトのエンドレスは走れていますし、運転会用のレイアウトは線路の保守もそれなりになされています。
 万一の時に補修のアドバイスをくれそうなメンバーも居るので自宅よりは条件は良い筈と思い直しました。

 早速通電するとテンダーモーター機特有のどこか頼りない感じで走りだしました。
 パワーパックの最大電圧を掛けてもよろよろした走りで後から来る電車や貨物列車にぶんぶん抜かれてゆく様はさながら「きかんしゃやえもん」です。

 が、その走りも徐々に安定しノロノロながらもモジュールレイアウト上を2周する事ができました。
 やはりというか走行後はモータを内蔵したテンダー部が熱くなっていましたが、本当によくやったという感じです。


 物がものだけに運転中はクラブのメンバーのカメラの方列が沿線に並ぶ辺り、さながらSLブームの再現みたいでした。

 これまでにジャンク車のレストアを走らせる事は何度もやっていますが今回ほど緊張し、且つ感動した事はありません。
 流石にこの状態で常用運行させる気にはなりませんが、やってよかったと思います。

 運転会後、反省会で集まった地元のショップで4月発売予定の「リニューアルC50」を予約したのは勿論です(笑)


関水金属の初代C50に思うこと

2016-05-12 05:58:27 | 思いつくままに・考察
 さて、先週来の関水金属の初代C50のレストアも走りについてはひと段落という所です。
 この機会にモデルそのものの印象について感じたことを書きたいと思います。

 日本初のNゲージ蒸機という事でこのC50、書籍やサイトでNゲージの歴史を語る際にはよく取り上げられる事が多いモデルです。

 それらの記事に共通して書かれているのは「今のNゲージに比べると細密度で劣るのは仕方がない」物によっては「歴史的価値のみの製品」とまで書かれている事があります。
 私自身これまでそうした記事にどっぷり浸った口ですし、事実現物を目にして「やっぱりあっさりした造形だな」と最初思ったのも事実です。

 ですがこのモデル、不思議とそれ以上の悪印象が湧いてこないのです。
 以前紹介した事のある同じKATOの細密ミニカー、トヨタスープラが「物凄く細密なのになぜか心を打たない」印象だったのとは全く対極なのです。
 細密に作れない分、元の機関車の印象把握、アナログ感覚による模型的なディフォルメに力を入れたという感じでこれが意外と好ましい印象に貢献している印象なのです。

 今でもこのロコを褒める時に必ず出てくる「動輪のスポークが抜けている」なんてのも細密感が出しにくい分を補って余りある効果を出していますし。
 手すり類の表現は殆どないですしパイピングも表現できる最小限と言う趣なのに「蒸気機関車らしさ」を持った存在感は今でも一級のレベルではないでしょうか。

 これまでこのモデルについて持っていた印象の大半は上述の書籍やサイトの写真に依存していた事も大きかったと思います。
 というのも、これらの写真は相当な接写で掲載時に実物よりも大きく感じられる様に載せられている事が多い為に細密感に欠ける部分ばかりが強調されがちだったと今にして思えるのです。
 ですが、実物のC50はやろうと思えば「手のひらに5,6両まとめて乗せられる」程度の大きさである事を考えれば「このサイズならこれ位のディテーリングでも十分」という考えも十分成り立ちます。
 まして、レイアウトでの運転派にとって「数センチ手前で眺めなければわからないディテール」にはそうたいした意味がないのもこの際もういちど認識すべき点ではないかと。

 (わたしは今でも「飾って楽しむなら16番以上のサイズ」と言う考えを捨てていません)

 そう考えるとこのC50、単にヒストリックモデルと言うのに留まらずこれからのNゲージの行き方に一つの指針を与える存在の様な気がしてなりません。
 関水金属の初代C50、手に入って驚き(汗)、分解して驚き、そしてその後でもいろいろと考えさせる意味でも飽きる事のないモデルです。

 とはいえ、今回の入手自体がかなりの偶然の積み重ねに依拠していますし、前述の様に現在の奥などでの高騰ぶりから考えると人に「とにかく手に取って見ろ」とは到底言えないのですが・・・

 予定では今週末にはKATOのNゲージ50周年モデルのリニューアル版C50がリリースされます。
 サイトなどで写真を見る限りは相当に気合いの入ったモデルである事が伺われますが、今回の初代と比較してみるのが今から楽しみではあります。