光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
こちらはメインブログのアーカイブとなります。

今月号のTMSと鉄コレ27弾の近鉄2400系

2019-07-31 05:20:10 | 車両・私鉄/民鉄
 まず最初に昨日入手したTMSの8月号の感想から。

 最初に訂正を書かせて頂きます。
 先月号のグランシップトレインフェスタの記事で他誌に比べてTMSのボリュームが少ない点を指摘したのですが、あの記事は実は二部構成で今月号には前回取り上げきれなかったと思われる作品が車両4、レイアウトが9追加されていました。
 トータルでは他誌に匹敵するボリュームとなった事になります。

 さて、昨日の記事で先月号を基にした「新体制の下でのTMSの変化」について書いたばかりですが、今月号ではさらに本誌の変化を感じさせる部分がいくつかありました。
 特に印象的だったのが今年のレイアウトコンペの総評で、これまでのが全体を俯瞰した傾向の数行の解説に留まっていたのが今年は1ページを割き、個々の作品の感想に重心を置いた内容になっていた点です。
 レイアウトに限らず過去のコンテスト(と言っても山崎主筆の頃ですが)では審査や個々の講評にかなりのページが割かれ、読み応えがあった事を思いだしました。当時のそれには未だ足りないとはいえ、こうした丁寧な対応は良かったと思います。

 実車関連の記事もレイアウトやセクションでやってみたくなるような題材がありましたし、久しぶりに見る宮下洋一氏の投稿もレイアウト派には大いに刺激されるものです。16番車両工作では偶然なのか開閉ギミックを扱った題材が重なっていて読み物としては興味をそそらせるものでした(そういえばNの工作記事が今月はなかったですね)

 この2号を通しで読んだ印象では新体制になってから以前に比べて雑誌としてはアグレッシブになった感じがあります。これが今後どう展開するかは未知数ですが、コンペの講評や編集後記に代表される丁寧さは私個人は好い印象を持ちました。
 

 さて、本題に戻って今回は手持ちの鉄コレの埋蔵金編成から
 第27弾の近鉄2400系をば。

 2400系は近鉄大阪線初の1Mの新性能車として昭和41年に登場した物だそうです。この頃はマルーン一色のボディカラーだったそうですがモデル化されたのは現行塗装の末期仕様という事になるのでしょうか。
 私がモデルでお目にかかる近鉄車はなぜかマルーン一色の仕様ばかりだったのでそちらの印象が強かったのですが、鉄コレがリリースされた辺りからようやくツートン仕様に馴染んできた感じがあります。

 実車は2連6編成が製造されたとの事で原則他の車両との併結で「10両編成の一部」みたいな使われ方だったようですが一部2連での運用もあったそうなので鉄コレの手持ちだけで最小限の編成は組めることになりますし、うちの近鉄車の「優等列車がメインで一般車が極端に薄い貧弱なラインナップ」ではむしろそちらの方が似合う気もします。


 今回は二つの題材をいちどきに載せるという変な構成になりましたが読みずらいのはご勘弁下さい。

新体制下のTMSのはなし+α

2019-07-30 05:17:29 | 書籍

 先月の7月号からTMSが新体制下での誌面になっています。今回の記事は本来今月の頭に書くつもりでいたのがグランシップトレインフェスタ絡みで専門誌を4冊買った為に各誌比較の方を優先したので掲載がつい延び延びになってしまいました。

 もう8月号も出る事ですしここいらがアップのラストチャンスと思います(汗)

 表紙がNゲージ蒸機のフルスクラッチモデルになっているのは鉄道模型を知らない人には意味がよくわからないかもしれませんが、TMS誌上でNの車両モデルが表紙を飾ったのはここ何十年か位見ていなかった気がします。殊によるとTMS本誌としては初めてかもしれません(増刊のプレイモデル・Nゲージマガジンを除く)

 巻頭に特集されたN蒸機の自作記事ですが、こうした題材の場合これまで作者本人の筆になる投稿記事なのが普通ですが、作者へのインタビュー形式で製作の要点を引き出そうという姿勢で書かれています。まあ、モデラーとしては上級者のベテランであってもそれと同じくらいの文才があるかどうかは別問題なのでこうした試みは面白いし、話をうまく引き出せれば却って読みやすいかもしれません(この記事の作者の文才がないという意味ではありませんので念のため)
 ただ、インタビュー形式は地方のモデラーの場合、記者が遠路取材に行かなければならない訳でそれだけのフットワークが続くのか心配ですが。
 
 もうひとつ、気がついたのは「BigBoyの復活」をはじめとして実物記事が僅かながら増えている点。かつての車両模型製作の為の図面記事というよりはレイアウト製作の情景イメージを狙ったかのような風景写真と探訪記事になっています。ページ数が少ないので腰を据えて読む感じではないのですがこの辺は実物鉄道誌のノリにごく近い印象でした。

 これらに象徴されるように7月号のTMSではNゲージ記事の比率が上がっている印象があります。事実車両工作記事はNが2本に対して16番は1本(フリーランス雑感を除く)更にNのレイアウト記事や運転会レポートも加えるとNゲージ主体のような印象すら受けます。
 
 この傾向が続くのか、一時的な現象で16番や他のゲージの記事も増えて来るのかはわかりませんが、その辺りは今日発売の8月号で一端が分かると思います。新体制下とは言っても今はまだ最初の段階なので、これが2号、3号と続くうちにどう変わってゆくのか、定期購読をしている身としては興味深いところです。
 個人的な印象としては、多少不満はあるものの前に比べて堅苦しさは幾分和らぎ、ある程度読ませる方向になっているのは好ましく感じました。


 そういえば前に紹介した「初恋れーるとりっぷ」掲載のまんがタイムきららMAXが発売されました。レイアウト製作で一本漫画を画くという内容なので期待していたのですが、今回はその辺は殆どすっ飛ばされて文化祭前日の準備のはなしになっていたのはやや肩透かし。

 レイアウトも駅周囲のモジュールかセクションと言った感じに纏ってしまいましたし(尤も「萌え漫画」で「ターフ、バラスト、ブッシュ」なんて用語が出て来るだけで結構な衝撃ではありますがw)
 ただ、レイアウトの背景画の効果を落ちに持ってきたのは流石と思いました。これはやってみないと意外にわかりませんから。

天賞堂の自由形Cタンク

2019-07-28 05:30:00 | 車両・16番
先日入線の16番中古モデルのその3です。


前回紹介の宮沢模型2900は「一見自由形みたいなスケール機」でしたが今回紹介のモデルはそれとは逆に「ひょっとしたら実物が存在したのではないかと思わせる自由形」と言えます。

天賞堂の0ー6ー0Cタンク
聞くところでは天賞堂としては初めての日本形16番蒸気らしいですが、造形に関しては実にセンスよくまとめられています。
第一動輪と第二動輪が離れた軸配置はスケールモデルっぽさを引き立てていますし、ほぼ全てがダイカスト製と思われる車体はとてもシャープかつ適度に密度のあるモールドがされ、とても自由形には見えません。


走行性は年式からすれば驚くほどスムーズ。宮沢の2900よりも良いくらいです。しかも事前の微調整なしで普通に走れるのですから品質管理がしっかりしていたという事でしょう。


資料などをチェックして参照したところでは本機はモデルとしては初期のもの(後モデルにはあるバッファーがなくサイドタンクの吸水口が多い)と思われます。
後に先輪を追加したモーガル仕様もリリースされた様ですが、写真を見る限りこれもまた好ましい雰囲気の様です。

流石に年式相応に塗装の剥げやくたびれも見られますが、むしろ現役古典機っぽさも感じられて個人的には気に入っていますw

さて、今年に入ってナローも入れると16番スケールの小形蒸機ばかり何両か揃いました。
入手自体は完全に偶然のきっかけで手に入ったものばかりですが、これらの小型蒸機を手に取っていてふと思った事があります。

それについては考えが纏ったら次の機会にでも。

ちょっと甲府駅へ

2019-07-27 05:26:44 | 旅行・探訪・イベントなど
 久しぶりに実車ネタです。
 この間の週末、所用がありまして車検直前のS660で甲府の駅に繰り出した時のこと

 駅前広場はイベントで花盛り。露店やらステージショーやらと中々に賑やかな風景が展開しておりましたが
 そんなお祭り騒ぎを尻目に私が注目したのが

 JR東海のキヤ95でした。この列車が来るなんて事は事前に知らず全くの偶然でしたが望外の拾い物。

 普通こういう変わった車両が来たなら入場券を買ってホーム上から撮りそうなものですが、それだと肝心の足回りが見られません。
 甲府の駅前は広場と並行して道路が走っておりそこからならホームと反対側から足回りを撮影できるという良い条件がそろっています。
 おまけにご丁寧な事に一部区間では列車を眺められる遊歩道まであったりします。

 ただ、そこではフェンスが目の前にあるのでレンズの大きな一眼レフでの撮影には不向き。むしろスマホのカメラの方がうまくフェンスの目の隙間から列車を捉えられます。
 さて、見るものがキヤ95だけならそれだけで済んでしまう所ですが

 ご存知の様に甲府駅と言う所はJR東日本とJR東海の接続駅と言う性格があるので両方の列車のツーショットが撮りやすい利点もあります。

 なのでキヤ95とE353系のツーショットとか

 211系長野色と313系のツーショットが割合簡単に撮れるという発見もありました。
 こういう風景が素人でも気楽に撮れるというのは私としては有難いものです。


 地方都市のターミナル駅は割とこじんまりした規模でありながら列車のバラエティが豊富な所が何となくレイアウトの駅みたいな雰囲気があって好みですね。同じターミナルでも盛岡なんかは実質「701系のカラバリだけ(あと申し訳程度にキハ110)」だったりするので長く居ると単調だったりするのですが、甲府にはそう言う所が少ない様です(週末だけ走る臨時列車も結構多そうですし)

 おまけに駅前にお城まであるなんてますますレイアウトじみていますね(笑)
 今度半日くらい時間を取ってゆっくり見てみたいものです。

 それにしても、駅前で派手にイベントをやっているのにそれに背を向けてキヤばっかり撮っている変わり者は私しかいなかったのが何とも(笑)

ナインスケールのク5000とクルマのはなし

2019-07-25 05:23:47 | 車両・客車・貨車
 先日中古ショップで発掘した貨車(と積荷w)から

 先日KATOからリニューアル品がリリースされたク5000。
 今ではKATO製のイメージが強いと思いますが、TOMIXになる前のトミーナインスケールのシリーズで初めてのボギー貨車としてワキ1000、タキ3000と共にリリースされた機種でもあります。
DSCN6283b.jpg
 初登場が昭和51年頃なので初期の香港製のモデルですが、やや腰高なプロポーションと全体に安っぽい質感だった事もあってパッとしない出来だったにも拘らず後述の特徴もあってモデルとしては人気だったと思います。
 私自身、今回以前にも何度か中古に当たっていますし。

 今回も近所のハードオフに1両出物がありましたが、1000円ちょっととお値段が意外に高く普通なら手を出さない所でした。
 (当時の新車価格は500円前後)
 ですがそれでも手を出したのは「積み荷の車が数台同梱されていたから」です。

 同じク5000でもKATOの初期製品ではこのためにMS80クラウンのミニカーが付いていたのですが、ナインスケール版は同時期にレイアウト用品として出ていた「自動車セット」を積荷に使う様になっていました。


 こちらは8台セットで300円位でしたが、香港製品の本来のターゲットであるアメリカ市場に対応して「ほぼすべてがアメ車(タイプ)」でした。
 これにはリンカーンのHTらしい大型車、コルベットスティングレイタイプなんかがありましたが、今の眼で見るとク5000に積むにはあまりにバタ臭い感じもします。とはいえ当時は他にどこでも手に入るNスケールのまともなミニカーはなかったですし、これら8台を積んだ姿はなかなかカラフルだったのも確かです。

 今回入手のク5000に付いてきたのもそのミニカーセットでした。
 リンカーンタイプの2台はなかったものの他の3種5台はレイアウトでも結構使い出のあるモデルと思います。

 というのも

 国産大衆車サイズのHT

 同じく同サイズのワゴン(ご丁寧にフロントドアの三角窓も付いている)
 実はコルベットタイプも含めて今のカーコレで最も手薄な「70年代車のプロポーションを持った大衆車クラス」なのです。
 (ワゴンはカーコレのカローラ30バンと競合しますがバンは複数車種あった方が情景のリアリティが出ます。第一今のカーコレにはサニー、シビッククラスのモデルが絶無に等しい)

 そんな訳でク5000を買ったというよりも自動車セットに財布を開いたという方が正しい気がします。
 クルマの方はレイアウトで使うとして残ったク5000の方も今回で5両目。これに現行KATOの「ボディカバー付自動車」がそのまま載りますから貨車としても依然使えるモデルです。

鉄コレの205系武蔵野線仕様

2019-07-24 05:21:31 | 車輌・電車
 今回は鉄コレの埋蔵金モデルから
 2月発売のJR東日本の鉄道コレクションから205系武蔵野線仕様をば。

 先頭車メインと言うこのシリーズの特徴そのままに製品化されたのはクハ204 146。
 武蔵野線仕様の205系、通称「メルヘン顔」です。
 前面のブラック部分が曲線ラインなのと、通常縦に配置されているヘッドライト・テールライトを横に配置し全面全体をFRPでカバーする構造にするなどして見た目のリニューアルを施したものとでも言いましょうか。登場当時はそれなりに印象の違うフェイスリフトではあったと思います。


 沿線に東京ディズニーランドがあるのでこういう顔になったという話らしいですが、登場から30年近く経って見ると一体どの辺が「メルヘン」なのか私にはピンときません(笑)
 今ではもっとメルヘンぽい前面の車両があちこちに出ていますし、この辺りも時代の流れと言う奴でしょうか。
 

 鉄コレとしては初の製品化という事ですが、確か似た様なのがKATOから編成物で出ていたと思うので敢えてこれだけを指名買いするメリットはほとんど感じない気もします。


 先頭車だけと言う構成上これだけで編成を組む事は無論できません。鉄道模型として使うというよりもデスクトップの飾り物を想定しているのでしょう。実は以前入手しているジャンク品の中にKATOの205系武蔵野線の中間車だけというのが1,2両あるので、それと組み合わせて側線の飾り物化してしまおうかとか考えています。

コレクターとモデラー、そして鉄道模型の玩具化に思うこと・3

2019-07-23 05:18:12 | 思いつくままに・考察
前回このネタで一席書かせて頂いてから大分間が空きましたが、テツドウモケイにおけるコレクターとモデラー、そして玩具化について思うことの続きを書かせて頂きます。

ですが、前回から大分経つにも拘らず大枠はこれまでのブログとほとんど変わっておらず、それに付け足す事もそう多くはありません。
なので結論の出にくい蛇足的な内容になる事はご勘弁ください。

おまけに今の私は家庭の事情でしたたかヤケ酒を呷った後なので、なおの事愚痴が加速しそうですし。

先ず一つの前提として私個人は自分がモデラーともコレクターとも思っていませんし、鉄道模型が玩具であったとしてもそれこそが美点のひとつと考えている変わり者であるという事です。
ですから、モデラーの考えもまたコレクターの考えのどちらにも共感する部分を持っていますし一方で「そこは違うんじゃないの?」と思える部分もまたあります。

まず、コレクターについてですが、コレクションと言う頚木を離れても、趣味の中で「何かを集める」プロセスはそれが何であれ必ず存在すると思います。
その収集癖を当人が意識化したものが自称・他称を問わず「コレクター」と呼ばれるものではないかと思います。

ですが、コレクションというものは膨大になればなるほど何らかの形でアウトプットが必ず必要になるし、それが無いとどこかで精神的な破綻を招くと言った意味の記事をどこかで読んだ事があります。
その記事中ではコレクションをもとに本を書くとか、博物館を作るという形でその「昇華」の例を挙げていました。ですがコレクターの誰もがそこまで突き抜けられる訳ではない。
個人的な仮説ですがそのアウトプットが尤も手軽に外に向いたものが「自慢」又は「マウンティング」であり、また内に向いたものが「矜持」または「沈黙の中のプライド」と言ったものではないかと考えています。

ですがその側面はコレクターだけではなくモデラーの方にも多く含まれている要素ではないでしょうか。


モデラーだって苦労して作ったモデルを見せびらかしたり自慢したりしたいという素朴な感情はあると思います(それの上手下手は置いておいてもですが)
或いはコンテストに出したり、同好の士で作品を見せあいながら切磋琢磨するプロセスも大いにあると思いますが
この辺は同じ自慢でも求道系もしくは体育会系のノリでありこの点がコレクターとモデラーを見かけ上異質に見せている要因ではないかと思います。

(コレクターだってある一線を越えると一気に求道系に倒れ込みそうな要素が多いですが)


趣味の本質のひとつには確実に「自慢」の要素が存在するし、それが集め続けたコレクションの羅列であっても、心血を注いで作り上げたモデルだとしてもそれを「自慢したい」という欲求は共通ではないかと思います。
あとはその自慢をどう「見る者に不快感を与えずに処理できるか」の差でしかありません。

モデラーがコレクターの跳梁する現状に対する危機感の根底には工作派が減る事で自分たちのしている事が自慢できる場が狭められる事への危惧と言う側面も多少はある気がしますし、コレクターの中で特にブランド対立が目立つのも同じような背景がある様に思います。つまり意識・無意識にかかわらず「自分を勝ち組・もしくは上級者の方に置きたいという心理」です。
実はこれ自体も誰にでもある当たり前の感情なので、その感情を減らす事は出来でも完全に打ち消す事はまず不可能でしょう。

ですが今のコレクション化の現状を見ていると、売る側がそうした心理に付け込む形でやれ限定品だ、やれレアものだと射幸心に近い購買意欲を刺激する商法を展開しているのは個人的に感心しません。

最近のコメントで鉄コレなどの売り方、集め方が切手のコレクションと共通しているのではないかと言うものがあったのですが、事実切手の世界ですらコレクター相手の偽切手と言うものが流通(有名切手のコピーと言う意味ではなく、実在しない国の切手や存在しない図案の切手を指します)して、またそれを収集対象にしているケースすらあります。これなどは極端な例ですがコレクションの世界が一種闇の側面も持っている事もまた事実と言えます。

一方でモデラーの方にこれを当てはめるとかつて「お神輿じゃあるまいし」と故山崎喜陽氏が表現した様な度を越した細密化や触るのが憚られるほどのウェザリングに象徴される「筆の措き方を知らない先鋭化」とそれを無闇に有難がるマニア心理などが一方にある。
かつてそうした風潮を「高い山があってこそあこがれの対象になる」と言う形で表現した専門誌のコラムがありましたが、私に言わせれば「高いだけで誰も登りたがらない山を見させられている」様な違和感を感じさせるところでもあります。
(まあ、これについては私自身の腕の無さからくるやっかみも多分にあるので偉そうなこともそう言えないですが汗)

ただ、どちらの場合もモデリングとコレクションのそうした闇の部分だけを見て「全てがそうである」と錯覚させてしまう側面もあります。

案外現実はそこまで先鋭的ではないですしどちらの場合も、大概の場合はごく平和だったりするものですが。
というか、全てがそこまで教条化、先鋭化するとあるタイミングで(世代交代の失敗とか極端な高価格化など)その趣味自体が一気に崩壊する事が多いです。

(写真は本題とは関係ありません)

KATOのE353系・それから

2019-07-21 05:25:30 | 車輌・電車

 この春入線したKATOのE353系のそれからのはなしです。

 購入当初、付属編成を動力化した12連を自分のレイアウト(と言うほどでもないただの3連エンドレス)を走らせていたのですが、2,3回に一回くらいの割合で3両目と4両目の間で脱線が頻発しました。
 最初はモデルの故障か何かかと思っていたのですが、付属編成と基本編成を繋ぐカプラーが悪さをしていた事が判明。



 このふたつを繋ぐカプラーは「連結時にカプラーを引き出して首振り状態にする」プロセスが必要なのですが、その際に「車体を押し込みすぎると再び固定状態に戻ってしまう」問題がありました。
 このため確実につなぐには線路に載せる前に一旦3,4両目だけ連結器フリーの状態でつないでしまい、その上で線路に載せるという手順になります。

 リレーラーがあってもこれはなかなか手間なのですが「先ず3,4両目から先に載せてその両側に他の車両を1両づつ繋ぐ」と言う手順になりがちです。
 これがなかなか面倒なのと、これではせっかく動力化した付属編成の魅力が半減してしまう点(分割併結を楽しむならそのプロセスの煩雑化は欠点と言えます)実車で分割併結をしない12連も結構多い事もあったので、先日トレーラーとして付属編成をもうひとつ追加する事にしました。

 E353自体はこの秋に再生産があるのですが、初回とボディの色調が変わっている可能性があるのでどうしたものかと思っていましたが、幸い行きつけのショップに付属編成の在庫が残っていたので初回品と同じ色調のモデルを揃えられたわけです

 それでも最初のうちは「無駄遣いをしている感」が強かったのですが、帰宅後所定の12連を仕立て、エンドレスの内側に動力化した付属編成の3連を配して同時運転をしてみるとこれが想像以上に楽しいのです(笑)

 すれ違いはもとより、線形の関係で実際には見られない「ふたつのE353系の追い越しシーン」なんかやってみると「素朴にワクワクします」(3連のエンドレスゆえの楽しみのひとつですねw)
 これなら動力化した「富士回遊号」仕様も単独で富士急の列車と混ぜ込んで使う事も出来ますし、むしろその方が良い様な気もします。

鉄道模型誌はグランシップトレインフェスタをどう伝えたか(笑)

2019-07-20 05:22:06 | 書籍
 このブログをお読みの方には当然のことと思いますが、毎月20日前後は鉄道模型の専門誌の発売日です。

 今売られている今月号では今年のグランシップトレインフェスタが取り上げられており、また今回は私好みの特集が組まれているという理由で「N」にも手を出したので久方ぶりにテツドウモケイの主要4誌を全て購入する羽目になりました。

 余談ですが田舎暮らしのデメリットの1つが「一軒でこれらの専門誌を全て扱う店が無い事」です。この4誌を買うのに20キロ近く車を飛ばして書店を3軒回る羽目になりました(涙)

 実は今回は今月から装いを変え始めているTMSのことを書こうと思っていたのですが、上記の事情から昨年以来久しぶりの4大専門誌読み比べをやってみようと思います。

 題して今年のトレインフェスタを専門誌はどう書いていたか(笑)

 今回トレインフェスタを紹介していたのは「N」を除く3誌。
 ボリュームはTMSが4ページ、とれいんが8ページ、RM MODELSが9ページです。

 どれもが参加クラブの作品群のピックアップに費やされていますがここに各誌の特徴が感じられます。

 TMS、とれいんは参加作品の中から特に出来の良いものをピックアップしていますがページ数の関係からかTMSは写真とキャプションが中心。とれいんはページの半分近くを各作品毎に作者からのアピールポイントの分に費やした形式で見た目に読み応えがあります。
 活字が苦手な人には辛い構成ですが、作者の苦心や注目点を文章と言う形で読めるだけにモデラーの参考になるという点では面白いと思います。

 取り上げられた作品数はTMSが車両5、レイアウト・モジュールが16。とれいんは車両が14、レイアウト・モジュールが5となっており同じ工作派でもTMSはレイアウト主体、とれいんは車両主体というカラーの違いを感じます。
 


 これらに対し量的に圧倒するのがRM MODELSで9ページというボリュームの中で車両36、レイアウト・モジュールが25というすごい数。他の2誌が取り上げなかったライブやラージスケールモデル、体験運転コーナーにも意を用いているのが特徴的です。ひとつのクラブで複数の作品が取り上げられている比率も高くこれだけでも相当に華やかさを感じさせます。
 自分の愚作が取り上げられているので遠慮の無い事が書けますが、作品量が多いだけにレベルは他誌に比べて玉石混交、TMS・とれいんの「上澄み志向」とは一線を画しているのを感じます。

 ただ、参加クラブを全て回って取材しているのはおそらくRMだけではないかと思われます。

 これらを俯瞰して感じるのはイベント紹介であってもTMS・とれいんは主に作品志向であるのに対し一見似たような構成でありながらRM MODELSは量で圧倒しつつ「イベントの持つお祭り騒ぎとしての側面」を僅かながらも感じさせる構成になっている事です。

 この2誌に比べると、老舗のTMSは紹介する作品の選択や構成こそツボを押さえた物になっている物の全体のボリュームの薄さで印象も薄くなっています。極端な話「新製品紹介」と大して変わらない様に見えるのが趣味誌らしくない感じもします。

 これでもし「N」が同じような特集を組んだ時にどういう形で紹介されるのは興味あるところですが、雑誌の性質上16番以上を取り上げにくいですからこれまた他の3誌とは違ったカラーになる気がします。

 尤も、Nも含めた4誌の先月号は同日に同じ静岡でやっていた「ホビーショー」の方に軸足を置いていますが(爆笑)

 個人的な意見ですが、この種のイベントの記事ではモデラーの作品やレイアウトを見せる事が中心になりがちですが、それに加えて、せめて1ページくらいは「イベントそのものの雰囲気を感じさせる情景」にも触れて欲しい気がします。会場風景でも良いですし、イベント参加の一般客の表情でもいい。
 インドアな趣味だった鉄道模型の趣味にこういういい意味での「お祭り騒ぎ」の側面もある点を読者に認識してもらう事も重要ではないかと思います。
 この点は他のイベントに比べてマニアでない一般客の比率が高いと思われるグランシップだからこそ、と言う面もあるのですが。
 
 取材される主催側にしてもこれらの記事をきっかけに「来年は出かけてみようかな」と読者に思ってもらいたいでしょうし、いかに凄腕でも今年出た作品が来年も出るわけでは無いでしょうから。

 これは例年のJAMとか今月の同じ号に載った関西合運にも言える事ですが。

レイアウト開業6周年の七夕(笑)

2019-07-18 05:19:23 | ミニSLレイアウト

 今年の七夕はこの所の気候を引き継いでどんよりとした一日。
 織姫と彦星の年に一度のデートは来年に順延となりました。

 ところで、私にとっての七夕は「ミニSLレイアウトの開業記念日」でもあります。

 6年前のこの日は今年とは異なり「記録的な速さの梅雨明け」でした。
 当時、講談社の「週刊SL鉄道模型」のレイアウトをベースに運転会用のモジュールに組み込めるサイズに改修するという形で2年越しの工事を進めていたミニSLレイアウトでしたが、予想外の早い梅雨明けに伴い半月近くも前倒しして七夕に開業させたのも今ではいい思い出です。
 (例年、梅雨明けと同時に猛暑が到来するので、うちではレイアウトの工作は秋の彼岸前後まで休止状態になります)



 そんな曰くもあって線名も七夕にちなんだ「棚幡線」と命名して現在に至ります。

 その棚幡線ですが主に新車の試運転などを中心にうちのレイアウトの中ではかなり稼働率の高い路線だったのですが、家庭の事情で昨年夏から丸一年休止状態でした。
 と言う訳で、6周年の今年は丸1年ぶりの運転再開のセレモニーも兼ねた物になりました。

 とは言うものの丸1年ほったらかしただけにレールの汚れやレイアウト全体の埃が半端ない状態。埃は掃除機で無理やり吸い取り、レールのクリーニングも行いましたが、いざ試運転を行うと所々に集電障害が起きたのには往生します。
 一度などは電動ポイントが定位で固定したまま動かなくなり「すわ故障か」と焦りましたが、よく見るとフログ部分に近くの樹木からおっこったフォーリッジの破片が挟まって動かなくなっていたなんて笑えないトラブルも。

 そんなてんやわんやを経つつ七夕の夜にようやく開業6周年運転を行う事になります。



 今回は敢えて「お祭り騒ぎに徹する」という事でイベント性の高い車両を中心に纏めました。
 この冬、天賞堂の閉店セールで入線させた「ガルパンラッピング車」もようやく出番が来た感じです(但し車体が長すぎて全線での運転は不可)

 あとは故郷に因んで三陸鉄道を中心とした故郷の近辺で走る気動車なんかも投入して花を添えます。
 (先日入線の「東北エモーション」は車体が長すぎて以下略)

 さて、このレイアウトですが原則雑誌の記事に従って教科書通りに纏めたものですが、6年目になってくると各部のやれが出てくるのと同時にシーナリィに手を加えたくなっています。今回特に気になるのが「秋を想定した季節設定(雑誌の記事もそうです)なのにいまひとつ秋っぽく見えない植生」
 ジオコレの樹木のフォーリッジのもろさ(2年目にもなると本物の落葉よりもボロボロ落ちるw)にも辟易していましたから、他の部分とも併せて第1次改修に入ろうかと考えています。

鉄コレのHB-E210系ハイブリッド車

2019-07-17 05:14:56 | 車両・気動車
 先日発売の鉄道コレクションの第28弾から

 第28弾ではJR東日本のハイブリッド車が3タイプ4両含まれていますが、ハイブリッド気動車と言う珍しいタイプである事と私の現住地がJR東日本の縄張りという事もあってか、ばら売りではこの4両が真っ先に捌ける傾向があった様です。
 この中で小海線で使われたキハE200はいずれ紹介したいと思いますが、今回は仙石線せで運用されているHB-E210系をば



 2011年3月の東日本大震災は東北各地の鉄道にも大きな爪痕を残しました。中でも仙台と石巻を繋ぎ、海岸付近の路線も多かった仙石線への津波被害は大きかったのですが、その後の復旧・運行再開の過程で震災復興事業の一環として仙台始発、東北本線経由で仙石線に乗り入れる「仙台東北ライン」の運行形態が登場しました。
 但し仙石線は直流、東北本線は交流と電気形式が異なる上に一部の接続線に非電化区間があった事から従来の電車が使えず、ハイブリッドの新製車の投入と言う形で運行される事になりました。

 そのために用意されたのがHB-E210系だった訳です。
 そういう意味ではこの車両の登場も震災の影響のひとつと言えるかもしれません。

 鉄コレのキハE200や他所からリリースされたHB-E300なんかに比べるとスペシャリティ感が薄いデザインですが、まとまった数の車両が普通の通勤列車として運用されているこの車両の性格には似合っていると思います(個人的な感想)

 むしろ仙台辺りの東北本線で見るデンシャとしては最もカラフルかつ未来的に見える部類かもしれません。
 モデルは先頭部を中心に造形やレタリングに若干ラフな所も見られ、パステルカラーを多用したカラーリングにやや安っぽさも感じますが気にしなければ気にならないレベルと思います。

 従来鉄コレと言うと旧型車とか私鉄への譲渡車両とかがメインで最新の現行車が通常品としてリリースされるのはあまりピンとこないイメージが私個人としてはあります。

 ところが今回の28弾はそんなイメージを最初から吹き飛ばし、新鋭車イメージの強いラインナップになっています。中でもJR東のハイブリッド軍団のラインアップはその最たるものでしょう。
 そんな事もあって今回の28弾ではこのHB-Eの2連を動力化、N化してしまいました。

 レイアウトで走らせるとこれはこれで一種の未来感はあります(笑)

16番のミニ貨車たちから

2019-07-16 05:09:34 | 車両・16番
 今回は16番の鉄道模型から。

 先日来増備の進んでいる16番中古ですが機関車だけでなく年代物の貨車もいくつか入線させています。

 前のユーザーがかなりの年季の入った方らしく機関車だけでなく貨車群も相当のくたびれっぷりですがそこがまた逆に独特の風合いを出しています。
 私もこれを飾り物にする気など毛頭無いので整備次第走らせようと思ってはいます。


 つぼみ堂あたりのモデルと思われるトとツ、メーカー不明の低床ボギー無蓋車。
 つぼみのBテンダーはもとより天賞堂のCタンクとの相性も良さそうです。



 トとツはナローにでもありそうな短躯の車体がローカル私鉄っぽいですし、ボギー車も実車が存在していたのかはわかりませんが大昔流行った「ムキ貨車」を連想させる雰囲気があります。
 さて、これらに積む積荷ですが、ふと思い立って前に入手していたヴィキングのマスタングコンバーチブルを載せてみました。
昔読んだカラーブックスの「鉄道模型」のフリー貨車の作例に「鉄道会社社長の自家用車の輸送車」という設定のモデルがあったのを思い出したからです。



 が、真っ赤なマスタングを積んだ姿はどちらかというと「田舎私鉄の社長のドラ息子が山の中から列車を仕立てて街に遊びに繰り出す姿」しか連想できませんw

「モハようございます」

2019-07-14 05:04:21 | 書籍
 先日入手した古本から

 上京の折に立ち寄る某鉄道ショップではこれまでカラーブックス系をはじめとして地元ではなかなか入手できない書籍や専門誌のバックナンバーが田舎よりも容易に入手できるので重宝しているのですが、それとは別に「帰りの電車の中で読むような肩の凝らない本」なんかを安価に購入する事もあります。

 肩の凝らない本の中には一頃よくあった「鉄道マニアの生態本」なんてのも含まれますが鉄道ショップの場合この手の本はブック●フ辺りより安価に並んでいる事が多くお財布には優しい買い物ができます(笑)

 今回紹介するのは平成20年初版の「モハようございます。あの人はなぜ、鉄道にハマるのか?」(吉田一紀著\オーム社)
 この本が出た頃は「テツ」「鉄分」といった用語がテレビなんかでも取り上げられ始めた頃(人によってはこれを「バブル」と呼称していた向きもあります)
 模型に限らず鉄道趣味というものが単なるマニアックな世界から徐々に一般に認知され始めた時期でもあった一方で「撮り鉄」「葬式鉄」などの起こす問題がクローズアップされ始めた頃とも重なります。
 とはいえ、一般レベルでポジティブにクローズアップされるのは主に「乗り鉄」と呼ばれるジャンルの事が多く(恐らく旅番組や紀行本との相性が良いからと思いますが)他の趣味については相変わらず「ご近所の変わり者」レベルを脱していないことが多かったですが。

 新刊でこの本が出た時、書店の店頭でこれを見た事はあったのですが、どうにも心地悪い感じがして手が出せなかった記憶があります(笑)10年を経て東京の古本屋でこれを見かけてようやく入手した次第。

本書は一般書の体裁で「鉄道マニアの生態と彼らが語る鉄道趣味の魅力」を俯瞰で見られる事を主体に置いています。前書きにもあるように著者自身は鉄道ファンでもなければライターでもないとの事で、様々なマニアに取材し彼らが語る肉声を通してあらゆる角度から見た鉄道趣味の魅力が語られています。

 例えばそれは時刻表であったり音の収集だったり、さらには線路のカーブの魅力とか旧国鉄型とか廃線巡りなども取り上げ、できうる限り広範に鉄道趣味を俯瞰しています。もちろん専門書ではないので個々の記述に突っ込み不足と取れる部分も散見されるのですが、読んでいる分には肩が凝らないのも確かです。

 また、鉄道趣味というのは一種「薀蓄自慢の楽園」的な側面が強く、仲間内だけで通用する専門用語紛いの隠語が行き交い、世間に対する理解そのものを拒否する姿勢が特にSLブームの前後には顕著だった気がしますが、そんな中でも少しづつ世間に対してわかりやすく噛み砕いて趣味の魅力をアピールしようとする流れが始まっている事が本書を通して実感される事。それがこの本を通して読んだ事だったりします。

 ただ、本書に限らずこの種のマニア俯瞰本では大概の場合鉄道模型の記述が他の趣味に比べておざなりだったり知識面でいい加減だったりする事が多く、その意味ではストレスが溜まるといえば言えます(笑)
 まあ、そんなのを気にするのは私くらいなもんですが。

 本書が出てから10年が経ち、その間に秋葉原をはじめ私の原住地にまで鉄道カフェが登場し、CSの民放系チャンネルに必ず鉄道番組が組まれるようになりました。一見して世間的な認知度はそれほど変わっていないように見えますが、鉄道趣味に対する認知度は少しづつ変わってきていると思います。

 もし今こうした形式の本が再び出たとして内容がどう変化しているか、確かめてみたい気もします。

宮沢模型の2900形蒸気機関車

2019-07-13 05:01:29 | 車両・16番
 先日入線の16番中古モデルから。


 宮沢模型の2900形蒸気機関車。
 形式が非常にマイナーな上にプロポーションが独特なこともあって一見すると自由形に見えてしまうロコですがこれでもれっきとした実在の機関車です。

 モデルの初登場は1965年ということですから初期モデルだとすればかれこれ54年ものの16番モデル。何しろKATOの最初のNゲージモデルであるC50と同じ頃のモデルという事になりますから。


 明治期の名機であるB6機関車をベースに先輪を追加して誕生した形式で総勢17両。実は私の故郷の盛岡の機関区にも1両在籍していたそうです。とはいえ、実車の資料を探そうとしても私の手持ちの書籍では写真はおろか記述自体が見つからず、近所で最も資料が充実している行きつけの鉄道カフェで調べてもなかなか見つからなかったのには往生しました(そこまでやってヒットしたのが写真が二枚と10行ちょっとの記述だけ。むしろWikipediaの方が詳しかったりして汗。宮沢模型さんもよくぞこんな題材を見つけたものです)

 2120辺りよりもサイドタンクが長い上にサイドタンク前部に欠き取りがあるせいもあってぽっちゃりとした独特のプロポーション。
とはいえ制式機らしくパイピングやディテーリングは自由形よりも多く凝縮感は感じられます。

 B6ほどスマートではないもののなかなか親しみやすいデザインといえ、レイアウトなどで生き生きするタイプのロコとも言えます。

 走行性は年式を考えるとまあまあ。
 最初は前進は出来ても後進でギアが引っかかりなかなか走らなかったのですが、モーターの搭載位置を調整したら実にスムーズになりました。
 こういう調整がしやすいのが旧式の16番モデルの身上のひとつです(笑)

 走らせて楽しく、飾ってもそこそこ様になる量産16番の小型蒸機というのは意外に少ないと思います。

趣味の原点を振り返る57 「趣味の継続と欠乏体験」に思うこと

2019-07-11 05:58:30 | 趣味の原点をふり返る
 久しぶりの「趣味の原点を振り返る」今回は思い出と言うよりも考察に近い中身です。
 割と七面倒くさい内容なのはご勘弁下さい。
 
 テツドウモケイの趣味を再開してそろそろ15年目くらいになりますか、中断前は10年続かなかったですから趣味歴としては再開後の方が長くなったわけです。その間にレイアウトやモジュールも作れば、Nでは困難と思っていた車両工作にも手をだし、16番やZを巻き込む形で現在も進行中です。

 中断前の体たらくを思うと今回はよく続いていると我ながら驚きます。 
 
 してみると「継続は力なり」と言うある意味わかりきった事が、最近単なる言葉でなく体験としての意味と言う形で実感されます。
 何事もそうですが趣味を始めた頃と言うのは先ず「対象が好きである」と言う事が大事な要素であり資格ではないかと思えます。

 ですから趣味とか道楽について言えば最大の敵は「飽き」ではないかと思います。
 実際、私が鉄道模型を再開した当初一番恐れたのがこの「飽きることへの不安」でした。

 私自身、何事も飽きっぽい人間ですしその危険は大いにあった訳です。
 しかし、趣味を継続させる要因とは何でしょうか。

 ひとつには「興味が途切れない事」が言えると思います。
 或いは常に手を使う事で技量の向上や変質を積み重ねてゆくプロセスと言うのもあると思います。
 (敢えて「変質」と書いたのは私の技量が全く上がっていないからなのですが)

 ですがそれだけとはどうも思えない。

 ひとつには「ゴールを目指すけれど、一方でそれに拘らない姿勢」というのもあるのではないでしょうか。
 何事にもゴールと言う物はあります。
 ですがそれは同時に「ゴールと同時に弛緩が来る」事もまた多い。
 ここでそのまま飽きてしまうか(こういうのを別名「足を洗う」とも言います)
 

 なにしろ、趣味と言うのは仕事とか実生活と違って「飽きたらいつでもやめられる」ものです。
 少なくともそのハードルは低いはずです。

 「好きなだけでは続けられない」これは真理です。
 ですがその一方で「まず、好きでなければ始められない」というのも真理ではないでしょうか。
 「好きでい続ける」と言う事、これが全ての趣味、道楽の原点(スポーツなんかはそうでないと肉体的苦痛だけな筈です)と思います。

 人生の中でそうまでして「好きでい続けられる」対象を見つけられる事は案外難しい事かもしれない。
 不思議と物的に恵まれれば恵まれるほどこれは難しくなる様な気がします。

 どこかで好きなものに対する欠乏経験があると案外好きでい続ける物かもしれません。


 そういえば私のもう一方の趣味だったAV(オーディオビジュアルの略)等はまさにその典型でした。
 あの趣味の動機の最大のものは「故郷のテレビのチャンネルの少なさ」とそれから来る「コンテンツの欠乏」が大きな要因でした。
 ですからβやVHSからはじまりDVDやBDまで随分と入れ込む事ができたと思います。

 ですが、現実にテレビが多チャンネルになり、ネットやパッケージソフトが充実して大概のもの(よほどイリーガルな物を別とすれば)が観られるようになるにつれてかつての勢いが失われてきているのも否めません。

 鉄道模型の再開は正にそうしたタイミングに重なっていましたが、思えば初めて鉄道模型を始めた時にもこれと同種の欠乏感がありました。

 40年前のNゲージの開始時は特急列車が20系しか組めなかったですし、当時人気の蒸気機関車はたった3機種。それどころかディーゼル機関車すら全くありませんでした。
 ですから腕に覚えのあるモデラーは製品化されない車両の自作や改造による増備に血道を上げましたし、それほどの腕のないファンは適当な加工と実物との相違に目をつぶる「見たての心」で種類を増やしたものです。

 この状況が変わったのは80年代初頭に新規参入のメーカーが増え、また既存のKATOやTOMIXも急速にラインナップを充実させていきました。特にTOMIXに対抗してKATOがユニトラックをリリースしてからは線路システムも急速な充実を見ていますし、お座敷運転に徹する限り不自由は殆ど無くなりました。

 ですが今思い出してみると私がNゲージを中断した30年前はラインアップが充実し、大概の編成が手に入る様になったこの時期と重なるのです。

あの当時余程マニアックな事を考えなければ、レイアウトで走らせる編成には不自由しなくなった筈なのですが、折角それを享受できる状況が揃ったのに、それと同時にNゲージや鉄道模型に対する興味が急速に失せてしまった事も否定できません
(まあ、一番肝心な「金がない」と言う要因もあるのですが)

 してみると人間とはずいぶんと贅沢なものです。
 欠乏している時はそれが満たされるまで努力したり待ってみたりもするのに、いざそれが満たされると弛緩してしまう事が多い。
 
 むしろ満たされた事をきっかけに次のステップに上がろうとするか否かが趣味を継続する上で一つの分かれ道である気がします。
 まあ、こういうのを世間では「泥沼にはまる」とも言いますがw


 
 (写真は本題とは関係ありません)