光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
こちらはメインブログのアーカイブとなります。

ウォルサーズの「サンタフェ風貨物駅」

2021-11-30 05:29:02 | ストラクチャー
先日来積みプラ消化のトレンドになっている「赤レンガのストラクチャーキット」
今回はその第3弾です。

物はウォルサーズの「貨物駅・サンタフェ風」
実はこれ、10年以上前に今はなき天賞堂エバーグリーンで購入した中古モデルでしたが、作る機会を逸したまま10年積みプラしていた代物でした。

ところで「サンタフェスタイル」という言葉、意味が分からなかったのでざっくり検索してみたところでは「高温低湿の気候に合わせて土壁に日干しレンガの外壁を使い、手すりや庇に装飾が施された、エスニック系の雰囲気を持った建物」というらしいですが、やっぱりよく分からなかったりします(汗)

前回までのヘルヤン製の工場は塗装はともかく「組み立て自体は箱を組み立てる様なもの」でそれほど手間を要しませんでしたが、こちらは一筋縄では行きません。
壁面ひとつ作るにも、庇を支える支柱や排水パイプを取り付けたり、桟の入った窓ガラスを向きを間違えないように貼り付けるなど結構手間がかかります。

尤も、その反対給付とでも言うか「建物のキットを作っている」と言う充実感が高いのも確かです。
このキットは本屋と倉庫の2軒のパーツが封入されていますが、別々の建物として組み立てることも二つを接着して一棟にしてしまう事も可能。
今回は一体で作る方向で製作しています。

出来上がりは図体は非常に堂々とした物ですが「サンタフェ風の外観が和風の風景の中で浮き上がっている」弱点も併せ持っています(笑)
が、例えば「明治・大正期に建てられたアメリカ風の貨物駅の建物を平成以降に観光施設に転用した」と言う設定でねじ込むことはできそうです。

 試しに日本型の機関車を手前の線路に置いてみても案外悪くない雰囲気でした。

 と言うか、最近は普通の住宅でもこのサンタフェスタイルのものがちらほら出ているそうなので普通の風景でも意外と違和感がないかもしれませんが。

偉大なる凡庸の系譜・番外編 「KATOのトヨタクラウン」

2021-11-28 05:35:44 | アクセサリー
 久しぶりにわたしのNゲージ的な「偉大なる凡庸の系譜」ネタ。
 今回は番外編です。

 先日更新された、WEBマンガの「TEZMO SYNDOROME」の新作は第5話に初登場した麻里の同僚で鉄道模型に興味を持ち始めた「宮浦さん」が主人公の南 風奈から初心者向けのレクチャーを受けるという新展開。
 従来の「旧式Nゲージモデルのあるあるネタ」から「鉄道模型入門」にも舵を切り始めた模様です。

 で、今回私の興味を惹いたのが、風奈の以下のひとこと
 「誰しも同志がふえることは嬉しいものです。宮浦さんの門出を祝して、このクラウン6台セットをあげましょう」

 これについピッと来てしまいました。
 という訳で、今回の「偉大なる凡庸」は「KATOのトヨタクラウン(MS80)」です。

 TOMIXがナインスケール時代にク5000を製品化した時「Nゲージのパーツとしての日本型の乗用車」は未だ発売されていませんでした。
 なので当時は同ブランドのバックマン製自動車セット(コルベットもどきやキャディラックもどきが混じっている)で代用せざるを得ませんでした。
 後にTOMIXで最初のNスケールミニカーとして三菱ふそうバスやいすゞエルフトラックと共に日産セドリック(330)がリリースされましたが、ク5000の積み荷にも使えるとはいえ、本来の用途はレイアウトのアクセサリの性質の強いものだったと思います。

 それから暫くして明確に「ク5000の積み荷」というコンセプトでリリースされたのがKATOのトヨタクラウンです。
 構造は先行のTOMIXやドイツ製のウィキングのミニカーとよく似た「プラの地色丸出しのボディ造形」

 ですがTOMIXと異なり「タイヤがシャシと一体に造形されている」のがKATO製の特徴です。この為に「坂道に無造作に置いても下まで転がらない」という望外のメリットを持ちます(これは後に同様のコンセプトで最近出たY31セドリックやパルサーのミニカーとも共通した構造です)

 これが初登場してからかれこれ40年は経ちますか。登場当初は専門誌に掲載されるNゲージレイアウトのそこここにKATO製クラウンがTOMIXの他車種に混じって配置されているのをよく見かけたものです。

 ですが、それから40年の間に先行のTOMIXセドリックは早々と姿を消し、代わって登場したカーコレクションがそれまでとバージョンアップ感の強い塗装仕上げと、定期的に新車種が補充される体制でレイアウトビルダーの渇を癒すようになりました。更に細々とながら他社も参入してかつての様な「ガイシャばかり右往左往する日本風レイアウト」という光景が消滅した訳ですw

 しかしそれでもKATOのクラウンはMS80のままずっと生産が続けられ、今でも模型屋の店頭で売られているのを目にする事があります。
 KATO製のNスケールミニカーはその後少ないながらもラインナップを増やしている現状を思うと、同一車種がこれだけ長期に売られ、使われ続けてきた訳ですからこれは凄い事だと思います。

 わたし自身レイアウト用にクラウンは何度か買っていますが、それとは別に「中古のク5000を買うと(積み荷の)クラウンが6台付いて来る」事で補充される場合が結構あったりするからMS80のクラウンだけがやたらと増えているのが現状です(笑)

 40年以上前の車とは言え当時のクラウンはまるで「セダンのお手本」とでも言いたげなプレーンなフォルムを持ちます。流行によってデザインが変化しやすいスポーツカーやミニヴァンと異なり「公用車にも使われる定番セダン」のプロポーションは基本的に遠目で見たら違いが分かりにくいものです。まして10年やそこらの年式の違いなどは猶更目立ちません。
 ですから、特に車に興味を持たないレイアウトビルダーなんか(もちろんモジュール、パイクの製作者も含む)が手軽に使える「日本の乗用車パーツ」としてKATOのクラウンを使い続けている・・・

 KATOのクラウンがこれまで続いて来たのには、案外そういう要因も大きかったのではないかと私は睨んでいます。
 (おまけに最近ではカーコレのお値段の高騰が顕著なために相対的にKATOのクラウンやパルサーに目が向いている要因もありそうですが)

 勿論、レイアウト用のパーツとしても「パトカー、タクシー、ファイアチーフはもとより教習車や営業車としても使えるリニアリティの高さも見逃せないポイントですが。

枕元に新白河駅のパノラマ(笑)

2021-11-27 05:32:28 | 旅行・探訪・イベントなど
 今回は久しぶりに紀行ネタです。

 例のコロナ禍がひと段落(と言うより個人的には単に「第5波と第6波の谷間期間」ではないかと思いますが)という事で、研修会や出張もぼちぼち回って来る様になりました。そのひとつが福島で行なわれることになり、まる2年ぶりくらいに私も県外に出る事が出来ました。
 今回は、その時の言わば「わたし的な余禄」みたいなものです。

 最寄りの宿泊地は東北新幹線新白河駅前の某チェーン店のホテルでした。
 研修後でチェックインしたのが夜の9時過ぎと遅かったので、入った時には気付かなかったのですが、割り当てられた部屋の窓から

 新白河駅の大パノラマ(しかも夜景)が見渡せたのには驚きました。
 しかもベッドはその窓際!

 「はやぶさ」が停車しない通過駅と言う性質上、他のターミナルと違い駅前の周囲が繁華街で賑わうというロケーションではないせいもあって駅の照明が実によく目立つのです。
 しかもホテルは、駅周囲では一二を争う高層建造物で見晴らし感がこれまた最高!
 
 確かKATOのユニトラックの高架駅のモデル(かモチーフ)がこの新白河駅らしいというのは、かねて聞いていましたがその実物を予想もしないシチュエーションで拝めるとは思いませんでしたから、わたしにとっては結構なご褒美です(笑)

 おかげでその夜は「駅を行き交う列車を見ながら缶ビールを一杯」なんてな望外の贅沢を堪能する事が出来ました。
 とはいうものの行き交うといっても基本「新幹線のE5系」「701系の普通列車」「EH500の貨物列車」しか通らないですが(哀)

 ですが、この高さから見る駅周囲の風景はまさにモジュールかレイアウトの俯瞰に通じるものがあります。
 それを実感したのが翌朝。

 黎明から日の出にかけての風景の変化はまさに一幅の画。
 始発の新幹線の通過する様は、自分が「大レイアウトのオーナーになった様な」倒錯した気分を味わわせてくれます。
 (だって、こういうのを模型で再現したくてレイアウトやモジュールを作る訳ですからw)

 という訳で、充実した気分でホテルを出たのですが、
 ある事に気づいて愕然としました。
 「しまった!始発前の軌道確認車が見られたんじゃあ!?」

 気づいた時には後の祭りです(涙)

鉄コレの「長野電鉄8500系鉄道むすめラッピング車」

2021-11-25 05:30:54 | 車輌・電車
 先日古本屋さんで入手した編成ものです。

 わたしも存在を知らなかったですし、行きつけのショップにも殆ど並ばなかった気もしますが「長野電鉄8500系の鉄コレ」に「鉄道むすめ」のラッピング車両があるのを中古コーナーの店頭で初めて知った次第です。

 しかも実車の運用は「令和の元年」だそうで、東急8500の年代差がすごいことになっている気もしますが。

 実際、鉄道模型の新製品はやたらに多くなりどこから何が出ているのかを補足するのが困難ですね汗

 この製品にわたしが注目した理由は例によって
 「N化、動力化、パンタ交換されていて新品よりも安価だったこと」
 そして「東急の8500自体が好きな車両の一つだったから」です。

 試走させた範囲では走行性には問題なし。前ユーザーがパーツを残してくれなかったので「列車無線アンテナのパーツがない」ですが、そこまで気にしていたらキリがありません。

 側面のイラストは「コルゲートの上から印刷」という高度なことをやっていますが意外に破綻がなく安心してみられます。
 (まあ、わたし自身が「鉄道むすめ」の興味がそれほどないせいで「どれだけ似ているか」という観点で評価していないのですが)

 昨年末に年越し運転で「ラブライブ!」のラッピング車を走らせた時にも感じましたが、この手のラッピング車は運転会をお祭り騒ぎ的に華やかにさせる効果が大きいと思いますが、この編成も例外ではありません。

モジュール改修の前準備・モジュールの掃除に掛かる2(笑)

2021-11-24 05:28:19 | ミニSLレイアウト
 棚幡線モジュール改修の話の続きです。

 掃除機を買い入れその夜は充電に供したのち、いよいよモジュール(のシーナリィ)の掃除です。

 スイッチを入れてノズルをレイアウト上で這い回らせると、まあ埃が出るわ出るわ。普通のレイアウト上でもTOMIXのレールクリーニングカーを走らせれば結構な量の埃が出るものですが、それを遥かに上回る埃が吸いだされます。

 更にジオコレ樹木のフォーリッジが細片となって剥がれ落ちているのがこれまた多い!ザ樹木は幹や枝振りには文句はないのですが、フォーリッジがとにかく劣化しやすく暫くするとポロポロと地面に落ちてしまい長期の使用に耐えません。
 今回の掃除でその事が実感されます。

 今回掃除に使ったのは埃の掃き出し用の筆、更に掃除機でも吸い出せないくらい貼り付いた埃を摘み出すために模型工作用のHOZANのピンセットも動員しました。ものが細かいだけに精密なピンセットは意外と活躍します。

 適宜掃除機を止めつつ30分ほど続けると、埃とフォーリッジがこんもりと取れました。
 言い忘れましたが、埃メインのゴミは掃除機のフィルターに頑固に貼り付きますから、時々は爪楊枝などでフィルターの埃を掻き出す工程が必要になります。
 普段から他のゴミも吸っている家庭用の掃除機でこの工程はゾッとするものがあるので、レイアウト専用にクリーナーを買い入れたのは精神衛生上も悪くはありません(笑)

 埃が特にしつこいのは道路の端、電柱や街灯の根元、線路際などが特に目立つようです。あとジオコレのザ・人間の一部は表面がべたついてきて「埃の地蔵」みたいになっているものがあるので、ピンセットは重宝します。
(埃の地蔵の隣にいるアイコムの「メタル製メイド」はほとんど埃がついていないので、改めて見るとホラー系のシュールさでしたw)

 10分間掃除機を使ってみると案の定、火の見櫓のスピーカーやら機関区のスクラップの一部を吸い込んでいます。これらはゴミからサルベージしてリペアできます。

 という訳でとりあえずモジュールのクリーニングは進行できました。

583系の思い出

2021-11-23 05:22:24 | 車輌・電車
 前回の485系に続き、KOUさんのブログに刺激されて今回は583系の思い出ばなしでもしてみようかと。

 わたしの583系とのなれそめは昭和40年代初めにさかのぼります。
 以前から折に触れて紹介している機関士の親類が、当時幼少だった私を連れて盛岡機関区や車両工場の裏を散歩していていた折「あれが新幹線の電車だよ」と教えてくれた電車がありました。

 何のことはない、そこには583系の中間車だけがぽつんとあったのですが当時の0系に似たカラーリングに「シンカンセン臭さ」を感じて感動していた当時のわたしがそこに居たりします(笑)
 ですから、わたしにとっての583系の原点は「1両だけ居た中間車」だった訳で今思うとただ事ではありません。

 その親類はその少し後にバルサとペーパーで16番スケールのクハネを1両だけ作った事がありましたが、やはり当時の国鉄マンの目から見ても583系というのは特別な存在だったのでしょう。

 実際に583系に乗ったのはそれから数年後、確か昼間特急の「はつかり」かなにかで仙台まで往復した時です。
 あの頃は寝台に乗る機会自体なかったので583系と言えども「普通の電車」のノリで乗っていたのですが、その時驚かされたのが「ガラス窓が二重になっていて二枚の窓ガラスの間をブラインドがするすると降りてくる」ギミックでした。電車と言うよりまるで飛行機みたいなこの仕掛けの感動は後に乗った200系新幹線よりもインパクトがあったと思います(笑)

 確かに普通車だと「座席が回らない」「背もたれが倒れない」といった短所はありましたが、あの頃の故郷の普通列車は軒並みオハ47とかキハ52ばっかりでしたから、それに比べればまだ快適だったと思います。

 それに当時は夜行の「ゆうづる」ですら「583系の座席寝台列車」なんてのがあり、ある意味では「何のための寝台電車かわからない」ものだった筈ですが当時の乗客はあまり気にせず利用していた様ですし(たまにこっそり寝台を引っ張り出す剛の者も居たらしいですがw)

 後の485系の系譜に繋がるいわゆる「電気釜フェイス」も速そうには見えなかったものの、独特のスペシャル感を感じさせ、当時のわたしには583系のステイタスは485系以上のものがあったのは間違いありません。
 そんな訳で新幹線が開業するまで583系は大スター級の電車だったのです。

 それから時が流れ、新幹線開業も10年目くらいになった折の事です。
 その頃の私も既に社会人で、現住地から故郷まで帰省するときは当然の様に200系の新幹線ばかり使っていました。

 ある時、仙台辺りでふと車窓から高架下を眺めると「切妻電車と化した583系」がずらりと並んでいるのを見てびっくり仰天。
 格好は583系の中間車のそれなのに、窓は二段化された上に通勤電車臭いカラーリング。
 趣味の中断期だったにもかかわらず「これがあの『はつかり』の成れの果てなのか」と妙に哀しい気持ちになったのを記憶しています。

 (尤も、この電車が運用された一ノ関辺りの客にとっては「オハ47や50系の客車列車が電車化した」訳ですからグレードアップ感はあったかもしれませんが)

 本当にこの583系と言う電車はその出会いから絶頂期、更にはその末路に至るまで、常にわたしの関心の的で居続けた電車だったと思います。

 だからこそNゲージでも学研や香港TOMIX、現行HG仕様まで583系を揃える羽目になっている訳で(汗)
 こんな事を書いていたら久しぶりに583系を走らせたくなってきました。

カラーブックスの「日本の私鉄 阪急」(2)

2021-11-21 05:29:05 | 書籍
 カラーブックス鉄道ネタから

 阪急は前にも取り上げましたが、今回のはその第二陣
 「日本の私鉄 阪急」(阪急電鉄株式会社、諸河久共著)

 「日本の私鉄」シリーズも最初の近鉄が出たのは1980(昭和55)年。それから10年以上かけて主要な私鉄を網羅してきたわけですが、1989年頃から二巡目に入った様で近鉄や京成がリニューアル新版として追加される様になった様です。
 今回の阪急が出たのは1998(平成10)年。
 今回は阪急電鉄が制作に参加していますが、前巻と違って他の会社の本と同様に「車両の系譜を年代順に網羅する形式」となりました。
 まあ、車両名鑑として見るならこの方がわかりやすいとはいえます。

 ですが、本書の中で異彩を放っているのは実は後半の方です。

 「大震災を乗り越えて」という一章。
 前巻から本巻の間に起きた阪神淡路大震災は多くの私鉄が罹災し、中でも阪急はターミナル駅が大きく破損したり線路の崩壊や橋梁の落下(新幹線の効果が落下したところまであった)という甚大な被害を受けています。
 本書では被災時の被害とそこからの復旧、復興の流れ(とはいえまだ4年ほどしか経過していないので本書の中では伊丹駅ができていない等「復興途上」を思わせるところも多い)に1章を割いています。

 また、巻末に掲載の形式図と編成表は他社に比べて詳しくなっており実際の編成をモデルで再現するときなどは役に立ちそうです。

 このほか、スルッとKANSAIや他社のりいれなどにページを割いている辺り、全巻で書ききれなかったところを補足しているのは会社も参加して編集している本書ならではの特色かもしれません。
 (そのせいか、宣材パンフレットくささの様なものも微妙に感じますが)

はつかりとやまびこが行き交うひとり運転会のはなし

2021-11-20 05:26:23 | 車輌・電車
今回はひとり運転会ネタから

 先日の平日休は朝から雨に降りこめられまして、予定していた草むしりやら何やらがお休みとなりました。
 めっきり肌寒さを感じる気候で外も昼間から薄暗い状況でしたが、こういう時ならレイアウトの運転を愉しむには逆に好適とは言えます。

 という訳で早速引っ張り出したのは
 KATOの485系とマイクロエースの483系
 それぞれ「はつかり」と「やまびこ」の編成です。

 先日KOUさんのブログを拝見した折、そこでたまたま485系が取り上げられているのを見て「そういえば485系もご無沙汰しているなあ」と思い出したことがきっかけです。

 交直流の特急電車の485系はそれこそ国鉄の電化されている線区であれば理論上どこでも見る事が出来るのではないかと思われるくらいあちこちで見かけた電車だったと思います。
 現に私の故郷では457系や583系と並んで「最もポピュラーな電車」でした。

 昭和の50年代くらいまでは「故郷から上京する」時の選択肢は事実上特急電車の一択状態(もちろん急行もありましたが所要時間が長かった!)でした。
 何しろその特急でさえ、盛岡から上野に行くだけでも朝8時半の電車に乗って到着は午後の二時台。夕方4時台の上野発に乗っても盛岡に着くのは夜の11時台なんてのがざらでしたから。

 その意味では車内で長時間寛げるグリーン車とか食事の時間帯を挟む運用での食堂車の必然性も高かったろうと思います。
 
 当時は「昔のこだま号と同じカラーリングの特急電車」というのはそれだけで大きなステイタスでもありました。
 電気釜仕様の485系は主に「やまびこ」のほとんどすべてと「はつかり」の一部で使われていましたが個人的には「やまびこ」のイメージが強かったと思います(故郷が青森や宮城だったらまた違う印象でしょうが)

 が、今回のモデルはKATOの「はつかり」仕様。ならば相方には483系ボンネット特急の「やまびこ」でしょう。
 似たようなカラーリングな上に中間車だけ見たら見分けがつかなそうな二つの編成ですが、先頭車が違うだけで(あとベンチレーターも)印象が違って見えるので案外見飽きないものです。

 何よりこれらを走らせるだけであの頃の「上京」の気分を思い出せるのが嬉しいではありませんか(笑)

ノス鉄の「富井化学工業バッテリーロコ」

2021-11-18 05:24:37 | 車両・電気機関車
 ノスタルジック鉄道コレクションネタから

 今回のラインナップで最後に紹介するのは「富井化学工業バッテリーロコ」と称する一品。

 見ての通り電気機関車のEB10からパンタを外して自由形の蓄電池機関車に仕立てましたと言うノリの製品です。
 人によってはこの種のフリー機を快く思わない向きもある様ですが、わたし個人としては今回のラインナップで一番「肩の力を抜いた気軽さを感じさせるロコ」と感じました。

 スケールモデルのようなしゃかりきさと言うか、考証にこだわりすぎて窮屈さを感じさせた他のモデルに比べるとこのフリーロコの存在がなんだか清々しさすら感じさせるのだから不思議です。

 マイクロやTOMIXからもショーティ系のフリー機関車は出ているのですが「〇〇形(ここには適当な人気機関車を代入してくださいw)タイプ」と呼ばれるものばかりで面白みに欠けるものが多いと感じます。

 HOと違って運転上の制約が少ないNゲージの場合、お座敷運転ひとつとってもショーティ機をわざわざ走らせなくともスケール機で間に合ってしまう事情も大きいでしょうし、より小型のレイアウトを指向(或いはデスクトップのお座敷運転)するため確信犯的にスケール車体を縮めたBトレインやプラレールアドバンスなどとキャラが被りやすい事(しかもディフォルメが中途半端)もあるのでしょう。

 その点、同じフリーでも(色変えのみと言う安直さに目を瞑れば)形態的にも走行性でも無理が感じられないのが今回の機関車と思います。

 ミニレイアウトに使うもよし、メインラインに並走する簡易線や専用軌道に使うもよし、シーナリィに対する機動性にも優れているモデルと言えるでしょう。

モジュール改修の前準備・モジュールの掃除に掛かる1(笑)

2021-11-17 05:22:41 | ミニSLレイアウト
 先日、台枠をどうにか確保したモジュールの「棚幡線」

 ですが、改修に掛かる前にやらなければならないことはまだあります。

 棚幡線のモジュールは完工からまる8年、運転会の時を除いてテーブル上に鎮座した状態でした。もちろんそれなりの頻度で運転は繰り返しており、それに合わせて線路周りのクリーニングもそれなりにやってきてはいました。

 ですが線路の内側にあるシーナリィの方は基本的に時々掃除機をかける程度で本格的なクリーニングはまる8年殆ど行われていない状態だったのです。

 今回は改修及びイベント出品を行うわけですが、何をするにもきちんとしたクリーニングは必要です。
 ですが、これまでやってきたような家庭用掃除機での作業では吸引力が強すぎる事と、コードとホースがレイアウト上を這い回るが故にかなりの破損は避けられません。

 ですから、クリーニングに際してはまず掃除機を新調するところから始めなければなりませんでした(大汗)

 早速近所のホームセンターや電気屋を回りました。
 必要条件はコードレスであること、吸引力は強すぎず弱すぎず、実用に問題ない範囲で軽量小型であること(もちろんその範囲内で安い事という条件も加わります)

 さらに、店頭でいくつかチェックしている過程で気づいたこと。
 Nゲージスケールの模型だけに吸引中は人間の一人や二人、自転車の一台や二台は簡単に吸い込んでしまうリスクも避けられませんから「ダストケースの中が外から見える事」というのも条件に加わります。

 当然、デスクトップ用のハンディクリーナーが候補になりますが、どこの店でもそういうのは数種類しかなかったので、候補はかなり絞り込まれました。

 結局選んだのは2千円前後の充電式クリーナー。上述の条件をどうにか満たす奴ですが、問題は「連続使用時間は10分前後」「しかも一旦使い切ると充電に10時間かかること」

 まあ、棚幡線だけでなく他のモジュールやレイアウトにも使うであろうことを考え、これを「レイアウト専用掃除機」と割り切り、1日10分のペースで掃除に使えばどうにかなるだろうという見込みで使う事にしました。

「警視庁物語 深夜便130列車」

2021-11-16 05:18:21 | 映画・テレビ
 今回は久しぶりに映画ネタから。
 毎年今時分の時期にはCSのどこかのチャンネルで「鉄道映画特集」か「鉄道ドキュメント特集」が組まれていたのですが、今年はどのチャンネルでもその手の特集がなし。

 それはそれで少し残念ですが以前紹介した「警視庁物語」のシリーズの今月放映の分に鉄道ネタが掛かっていました。個人的に拾い物と思いましたので今回はそれを紹介したいと思います。

 「警視庁物語 深夜便130列車」(1960年 東映)

 ある日、今はなき汐留駅の貨物保管庫に留め置かれた天王寺駅発の荷主不明のトランクの中から死後10日を経過した半裸の女性の死体が発見された。
 犯人はもとより女性の身元も一切不明。
 早速招集された警視庁愛宕署の捜査陣は被害者の身元を追って大阪へ、やがて犯人の行方を追って僅かな手掛かりをもとに徐々に捜査網が絞られてゆくのであった。
 犯人は「深夜便の130列車」で情婦と落ち合う事が分かり捜査陣も列車に乗り込むが、この時点で犯人の写真が手に入らなかったために顔も風態も一切不明。一体乗客の誰が犯人なのか?


 ざっくり書くとこういうストーリーです。

 前に紹介した「終電車の死美人」「魔の最終列車」は冒頭の犯行現場が列車の中というだけで鉄道ファンにとっての見せ場も前半30分だけに集中していたのですが、本作は冒頭の汐留駅、中盤に天王寺駅貨物取扱所が登場。
 クライマックスも当時の沼津、大船駅から急行筑紫、ラストの130列車の車内、深夜の東京駅構内と舞台だけで見せ場が満載。
 このシリーズで一番鉄道ファン向けの内容になっています。
DSCN5838.jpg
 冒頭の汐留駅は早朝4時台の貨物扱いの描写が見所。「急行便」の帯の入った二軸貨車の行き交い、ワキ1000からの荷下ろし風景が拝めますし、当時貨物の玄関口だった汐留駅の活気あふれる描写が続きます。ここまででわずか2分なのですが観ている方はここまででもお腹いっぱいになれます。

 引き続いて大阪へ出張する刑事たちが東京駅から列車に乗り込みますが、ここでも当時最新客車だったピカピカのナハ11の姿が登場。モノクロ映画ですがおそらくこのナハはブドウ色の仕様でしょう。

 クライマックスの舞台となる深夜便列車の描写もまた当時の「茶色いEF58が牽引する旧客列車」次位にはダブルルーフのスハ32がつながっているところが泣かせます。

 更には、いかにも昭和30年代と言った雰囲気の夜行列車の車内描写がなかなか。
 あの頃は夜行とはいえ、寝台列車ばかりでなく旧客の座席車で夜っぴて走る普通列車が当たり前だった時代ですが、車内の寝苦しそうな乗客たちの演技、網棚に載った雑多な荷物、それらの群を縫って検札に回る車掌たちのくたびれ具合の演出が「これこれ、昔の列車はこうだった」と懐かしさに浸れること必至です(笑)

 東京駅に到着後のがらんとしたオハ35の車内の散らかり具合(あの頃はタバコを床に踏み消すのも当たり前、読み捨ての雑誌が床に散乱している光景も見かけたものです)も当時を知る者には相当にリアルに映ると思います。

 また、事件と直接関係ないカットですが聞き込みシーンの中に9600やD51が屯する機関区の描写があったり突堤の上を通過するC57牽引の客車列車とか改軌前後の時代の京成電車が通過するカットもあったりしてどうでもいいシーンでも見逃せないのが本作の特徴です(笑)

 配役はシリーズ常連の堀雄二、神田隆、花澤徳衛の捜査陣を筆頭に、今では名前も見かけない地味な役者が並びますが、よく見るとノンクレジットで若き日の奥村公延、山浦栄の姿が確認でき、さらに堀雄二扮する部長刑事の息子の役で子役時代の風間杜夫も登場していたりします。
 特撮ファンには若き日の中山昭二(ウルトラセブンのキリヤマ隊長)と小嶋一郎(初代ナショナルキッド)が目立つところではないでしょうか。

 さらに余談
 何度もロケする映画作品だからでしょう、登場する130列車の牽引機は茶色のEF58なのは共通なのですが機番は異なる2、3種類が確認できました。
 また、東京に向かう130列車の場面の中に「3両目に軌道試験車を繋いだカット」がありました。おそらく終列車後の間合いを使った試験列車を130列車に見立てたカットと思います。

 と、こんな具合に見る人が観ると結構楽しめる一作ではないかと思います(ツッコミどころも含めて、ですが)

モジュール改修前に代用ベースを作ったはなし

2021-11-14 05:54:12 | ミニSLレイアウト
 今回はモジュール改修のはなしから。

 前回書いたように、現在鉄道病院モジュールに使っているパネルを今回のモジュールに使うために同寸法の代用パネルと差し替えなければなりません。さっそくそのための作業に取り掛かります。

 材料はホームセンターで市販されている「風呂用の木製スノコ」
 これをベースに上板を取り付けるものです。これは以前、ローカル線風の葉純線のレイアウトを作った時にも使った手です。
 (今回はモジュールの代用ベースとして使っていますが、すのこをちょっとした小レイアウトのベースに使う場合、川や池の掘り込みが容易で地形の変化を作りやすい事、すのこの隙間を使うと配線がしやすい事などから単なるフラットなボードに比べて地形やトラックプランに変化のあるレイアウトが作りやすい利点があります)

 スノコの寸法は800✖️560くらい。上にかぶせる天板の寸法を元のモジュール(900✖️600)に合わせれば僅かなはみ出しで済みますし後からの寸法調整も容易です。

 早速ホームセンターで部材を調達。実はこちらの方もあちこちに「原材料の品薄」の表記があって焦りましたがどうにか2000円ちょっとで揃います。


 ただし元々のレイアウトパネルの高さは40ミリ。今回の組み合わせではスノコの37ミリ+天板の厚みが2,3ミリで0,7ミリの寸法差が出てしまいます。見た目だけならこの程度の段差ですが実際にレールを接続するとやはりレールの波うちが出てしまいます。
 ここは新設のボードの下に段ボールを挟んでスペーサーにせざるを得ません。


 早速元あったモジュールの空きに嵌め込むと寸法的にはピッタリです(当たり前だ)線路類は手持ちのユニトラックをかき集めて対処。

 レールを接続しましたが後から試運転すると「新設部分だけ通電が悪い」問題も発覚しました(大汗)
 線路自体の汚れというよりもユニジョイナーの通電性能の劣化が問題の様子。
 早速ショップにジョイナーの予備を買いに走る羽目になりましたが、交換の効果はありました。思えば手持ちのレールと言っても長いことほったらかし状態でしたし、中古で買ったレールも多かったですからジョイナーの劣化も起こり得るわけです。

 ここまでやったらあとは元のモジュールのシーナリィを元通りに配置。
 こうして雨の休日の午前中を使って半日くらいで自宅のレイアウトも運転再開しました。
 見た目の新鮮味はありませんが「スノコの檜の香り」が運転中のわたしを癒してくれたのは予想外の余録でした(笑)

 ですがこの段階で肝心の棚幡線のモジュール改修が一歩も進んでいないのですが(汗)

ヘルヤンの「機械工場」を作る

2021-11-13 05:50:37 | ストラクチャー
 前回のパン工場に続いて、ヘルヤン製としては日本のNゲージャーにも馴染みのある「機械工場」にも取り掛かります。

 こちらは前にも書きましたがこちらは既製品の「ラウンドハウス(扇形庫)の側壁パーツをそのまま転用」したものなので、その目で見ると「どこかで見たような感」がこれまた強い(笑)

 こちらは元々の成形色がレンガ色なのであえて塗装せず前回も使ったスミ入れ塗料のライトグレイを色差しするだけの下地処理を試しました。
 今でも残っている赤レンガ建造物は大概「築100年選手」がザラですから壁面がピカピカ、スッキリなんて個体に当たることはあまりありません。
 むしろ適当にラフな方がよりそれっぽく見えるのではないかと思います。

 そのほか灰色の窓枠は「デッキタン」灰色が強い屋根板はライトグレイにリペイントしています。

 パン工場の時と同様にこのキットも一番時間を食うのが壁面の下地処理でした(しかもその時間の大半が「乾燥時間」)
 組み立ては素組みでさえあれば1時間も要りません。ただ、形状の個性が強いこともあって複数のキットを切り継いで形状を変える楽しみも大きいと思いますからそうした改造まで手を広げると長いこと楽しめるのではないでしょうか。

 ところでこのキットの完成後のはなしですが、こちらはこちらでレイアウトのランドマークだけでなく赤レンガ倉庫よろしく「ミニカーの展示用背景」としても使っています。

 特にドリフト車とかカスタム車なんかを並べると「赤レンガでオーナーミーティング」なんてイベントが成立しそうで楽しい(爆笑)
 そういう使い方を思いつかせるのも赤レンガ建造物の人徳という奴でしょうね。

今月の入線車 TOMIXのEF58大窓仕様

2021-11-11 05:48:25 | 車両・電気機関車
先日の棚幡線モジュール改修の折、買い物に出た中古ショップで見つけた出物です。

 EF58という機関車、これまでにエンドウやKATOの製品を入線させているのですが「TOMIXのEF58」は兼ねて欲しかった機種でした。

 書籍の写真や何かで見るとTOMIXの「大窓のEF58」にはKATOのそれにない不思議な雰囲気が感じられ、以前から気になっていたのです。
 (エンドウには大窓仕様はありません)

 とはいえTOMIXが最後に EF58を出してから相当時間が空いていますし手頃な中古モデルになかなか出会えませんでした。
 今回ついでのつもりで立ち寄った古本屋さんに「茶色の大窓」があったのは運命かもしれません(笑)
 カプラー交換以外手をつけられていないすっぴんに近い状態でお値段も3000円を切っていましたし。

 帰宅後、早速ボードを新調した代用モジュール線での試運転に供しました。
 あとはナンバープレート、メーカーズプレート、スノープラウ、つかみ棒を取り付け。
 ナンバーのない機関車はとにかく間が抜けて見えるものですがこの58も例外ではありませんでした。

 それがナンバーだけでなくつかみ棒やスノープラウをつけてみると印象が一変。この感動はKATOやエンドウでもついぞ感じなかったものです。
 (KATOでも同様のプロセスはあるのですが、あちらのは付けてみても「最初から付いていた様な気がする」違和感のなさが逆に感動をスポイルしていた気がします。まあ、個人の印象ですが。

 大窓のEF58は見慣れた小窓車、あるいは庇付きのお面に比べると「お目目がぱっちりした様な」明るい印象を受けます。
 走行性はあの頃(1980年代)のTOMIXとしては普通のレベル。
 幾分KATOよりも華奢な感じで先台車の追従性が頼りないのとギアなしで遊動している動輪第3軸がフラフラしやすい(つまり台車枠からずれやすい)のが気になりますが、走行を真横から見なければ気にならないかもしれません。

特撮テレビ映画とテツドウモケイ

2021-11-10 05:46:49 | 映画・テレビ
 今回は鉄道模型ネタとしては搦め手といいますか、少々ヘンな話です(汗)
 なのでそのつもりでご笑覧ください。

 最近、CSで1968年放映の「ジャイアントロボ」の再放映があり懐かしさにかまけて毎度視聴しています。

 その中に怪獣が湖畔の線路で重要人物を乗っていた列車ごと飲み込んでしまう話があったのですが・・・
 「なんですか?コレ!」

 飲み込まれる列車のミニチュアというのがフリーのBタイブ電機の牽引する「湘南カラーのクハ165&サロ165」と言う謎の3両編成!
 (それでいて本編の車内描写は個室A寝台だったりするのですがw)
 本作は予算の不足からミニチュアなども可能な限りプラモやオモチャを活用する方針で臨んだそうですが、このミニチュアも恐らくは市販の16番モデルを線路ごと使ったものでしょうか。


 1977年の「小さなスーパーマン ガンバロン」では等身大のヒーローが新幹線をすくうために大活躍する話ですが、救助シーンではガンバロンに呼ばれた巨大メカ「ヒライダー」が列車を丸ごと吊り上げて移動させるという大技を見せてくれます。

 ここで出てくる0系のミニチュアは大きさからみてカツミ辺りの16番モデルではないかと推定されます。


 これも恐らく市販品の改造でしょう。

 1971年の「宇宙猿人ゴリ」のある一話では敵の怪人が蒸気機関車の牽引する貨物列車を乗っ取るシークエンスがありますが実車のシーンはC58なのがミニチュアでは幹線級旅客機のC53が使われていたりして。

 この回ではヒーローのスペクトルマンが怪獣にタキ3000を投げつけて爆破するシーンもありますがこれもモデルの精密さから見て市販品を塗り替えたものではないでしょうか。

 この様にテレビの特撮では16番(HO)を中心に市販のモデルをミニチュアに代用するパターンが多いと思います。
 ただ、作品によっては「列車と分かれば良いんだ」みたいな考証そっちのけの扱いを受ける事が殆どだったりしますが(涙)

 怪獣物ではなくとも円谷プロの「マイティジャック」(1968年)のある一編では敵組織の秘密基地で空中戦艦からの荷物の積み降ろしシーンにDF50っぽい機関車と無蓋車の編成が登場します。

 他に印象的なのは「アイアンキング」(1972年)の第1話に登場する「ロボットとの比率まるで無視で編成ごと吸引ロボットの掌に吸い込まれる新幹線」とか、「スーパーロボットマッハバロン」(1974年)で敵ロボットに襲われた「EF61電気機関車を電車化したような奇天烈編成」とかがあったりします。
 この様な明らかに市販の模型や玩具をミニチュアに使ったのが丸わかりな撮影は昭和40年代(1966年~1975年)前後の作品に集中している様です。
 中にはティンプートの玩具を無理やり使った物もあったりするのですが、模型を使う場合は明らかに細密感が玩具と異なるのでそれなりに見ごたえがある反面、他のミニチュアとの比率の点で無理のある画面作りの物も多く見受けられます。

 劇場映画の場合だとかなり考証された編成なり車両のモデルが出る事が多いのですが予算や手間の制限の大きいテレビ特撮ではどうしても妥協せざるを得ないところもあるのは確かでしょう。

 それでもたまに劇場映画のラージサイズのミニチュアを流用したケース(東宝、円谷系の作品に多い)もあったりするのでそういうのを見つけるのも面白いですが、ちゃちなのが分かっていても市販品を使ったシークエンスで「あっこれはあのモデルじゃないか?」とかツッコみを入れながら観るという見方もありましょう。

 まあ、これはこれで楽しめないことも無いのですがずいぶんとひねくれた見方である事も確かです(笑)
 流石に最近の作品ではそこまでヘンな描写の物はそうそうないとは思いますが。