高橋克典の“法律 だいすきになーれ+ひとり言α”・・・・・ まずは“宅建資格”から

法律系資格を取得しようとする場合、まず民法の勉強はかかせませんね。さらに、好きになって得点源にぜひしたいものです。

R2年12月試験の民法を分析よーくわかる“問6・転貸借”・・・。

2021-04-04 08:39:38 | R02 本試験過去問“よーくわかる”解説
では、今回は問6です。
この問題は、改正点ですが、賃貸借の分野ですから、権利の中でも得意になっていないといけません。

すなわち、時間を掛けて学習しておかなければいけせん。優先順位は権利でも当然あります。
ガクッとするほど、取れていません。
面白いところですし、出る頻度も高い所ですが・・。
・・・・・・・
問6 AはBにA所有の甲建物を令和2年7月1日に賃貸し、BはAの承諾を得てCに適法に甲建物を転貸し、Cが甲建物に居住している場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1 Aは、Bとの間の賃貸借契約を合意解除した場合、解除の当時Bの債務不履行による解除権を有していたとしても、合意解除したことをもってCに対抗することはできない。

2 Cの用法違反によって甲建物に損害が生じた場合、AはBに対して、甲建物の返還を受けた時から1年以内に損害賠償を請求しなければならない。

3 AがDに甲建物を売却した場合、AD間で特段の合意をしない限り、賃貸人の地位はDに移転する。

4 BがAに約定の賃料を支払わない場合、Cは、Bの債務の範囲を限度として、Aに対して転貸借に基づく債務を直接履行する義務を負い、Bに賃料を前払いしたことをもってAに対抗することはできない。
・・・・・・・

正解肢は、肢1ですが、問題はこれよりも肢2とか肢4の方が割合的に多くの人が付けていることがよくわかりません。
こういうのを見ると、きちんと学習するだけで、合格レベルに達すると思うのですが・・・。
冷静に分析してみてから、学習してほしい。

肢1は、判例を条文化したものです。
「賃借人が適法に賃借物を転貸した場合、賃貸人は、賃借人との間の賃貸借を合意により解除したことをもって転借人に対抗することができない」のが原則です。
そりゃそうですね。いっていることと、やっていることがちがってきますから・・。

しかし、その解除の当時、賃貸人が賃借人の債務不履行による解除権を有していたときは、合意解除の形を取っているだけですから、債務不履行の解除として判断できるということで、対抗できないとまずいですね。

肢1が正解で、得点できるでしょう。

では、今後の法律的なセンスを磨く上で、肢2からの検討をしっかりしておきましょう。

肢2ですが、直接の債務者でないCが悪いことをしたのに、Bが悪いといえますか、ということですね。

ここは、初めての判例の出題です。答えを見る前に、自分で考えるのですね。
まあ、同一視できることはあるか、という判断です。

では、これを法律的に理由づけると、「転借人は、賃借人にとって履行補助者にあたるとみて、賃借人は転借人の故意過失について自己の故意過失と同様に賃貸人に対して責任を負ってもいい」のですね。

ちなみに、「用法違反による損害に対する賠償の請求は、貸主が返還を受けた時から1年以内にしなければならない」点は、改正点ではないのですが、初出題の問題だと思います。

肢3ですが、これも判例を条文化したものです。
「賃貸借の対抗要件を備えた不動産が譲渡されたときは、その不動産の賃貸人たる地位は、原則として、その譲受人に移転する」のです。

もちろん、合意があれば、移転しないことができますが、そのための要件をきっちりと覚えておきましょう。

肢4ですが、前払いの点は初めてかもしれません。
「賃借人が適法に賃借物を転貸したときは、転借人は、賃貸人と賃借人との間の賃貸借に基づく賃借人の債務の範囲を限度として、賃貸人に対して転貸借に基づく債務を直接履行する義務を負う」のですが、この場合においては、「賃料の前払をもって賃貸人に対抗することができない」のです。もう払ったから、はらわないよ、といわれるのはずるいですからね。

この前払いとは、ずるい場合ですから、本来なら月末払いになっているのい、たまたま中旬に前払いしたので、払わないよということを認めては、請求する側にとって、「えっ」となるでしょ。
そういう勝手な言い訳は、本当であっても、認めないよということです。

どうでしょうか。これまで出ていない一見細かい論点もどんどん出ますからね。

重要な箇所は、隅々までチェックしておくことになります。

では、また。 



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高橋克典
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高橋克典
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