ちゃ~すが・タマ(冷や汗日記)

冷や汗かきかきの挨拶などを順次掲載

村上宣寛『IQってホントは何なんだ?』日経BK

2009年07月11日 15時23分51秒 | 
発達診断を契機に、昔に立ち返ってIQテストの歴史などに再度関心を持っている。
電車の中で読んでいた、村上宣寛『IQってホントは何なんだ? 知能をめぐる神話と真実』(日経BK、2007年)をようやく読み終わる。東京出張の行きのぞみの中ででのこと。歴史から新しい知能理論もふくめて書かれているので、おもしろかった。特に、ウェクスラー系の知能検査の開発や日本での標準化について、言及されていておもしろかった。ウェクスラーはなんおことはない、陸軍の集団知能検査の問題からつくられたものらしい-グレゴリは、「ヤーキース編『アメリカ陸軍におかる心理学的検査』(1921年)を本を通読すれば、ウェクスラがこの本から何ダースものテストを剽窃したのに気づいて、びっくりしてしまうだろう。多くのテスト問題は現在のウェクスラ尺度の改訂版まで生き延びている」と書いている。また、日本での標準化についても、「ひどかった」とのこと、上野一彦は暫定の修正をして手を汚した張本人らしい。そんな裏話も書いてあって、おもしろかった。
目次は次の通り。

第1章 知能とは何か
第2章 知能を測る
第3章 知能は幾つあるのか
第4章 新しい知能理論
第5章 知能テストはどのようなものか
第6章 頭の大きさと回転の速さ
第7章 年をとると知能は衰えるのか
第8章 遺伝で知能が決まるか
第9章 知能の人種差と男女差
第10章 知能テストと勤務成績