ちゃ~すが・タマ(冷や汗日記)

冷や汗かきかきの挨拶などを順次掲載

人生ムダにこそ

2011年01月02日 17時00分57秒 | 
昨年なくなった森毅の語録、福井直秀編『一刀斎、最後の戯言』(平凡社)を読む。肩肘をはらずに、過ごしていきたいとの思いもあったからだ。
森毅は、大阪的な率直さをもち、東京的な粋があり、かつ京都的な柔軟さをもつ複眼的な人という印象である。数学教育から教育への発言も多い。そのエッセンスを、福井が編集したもの。

教師への批評・・
「教師は堂々とダメぶり発揮してくればよいと思っている。(中略)
 それでは、教師にたいする「信頼」を心配する人もあるが、「信頼される人間」といったものを信頼しない程度には、ぼくだってヒネている。ぼくが信頼するのは、よく失敗したり嘘をついたりしてダメだなあ、しかし人間総体としてやっぱりエエナア、というヤツである。絶対に「正しいことしか言わない」なんて間を信頼できる訳がないじゃァないか。」

遠山啓の言葉の紹介もある・・
「遠山さんの言葉で一番忘れられないのに、「子どものようなおもしろい生きものを、ただで見物させてもらえるのだから、教師というのはいい商売だよ」というのがある。もちろん、教師商売のいやらしさも知りつくした上でのことだ。遠山さんが大学をやめてしばらくしたころ、「先生、近ごろ人相がようならはりましたなあ」とぼくがからかうと、「そりゃ学校をやめると人相もよくなるよ。森君もはやくやめたまえ」と言われてしまった。

まえがき
1.ドラマの中か、現実か?
 1.こんな少年見たことない?
 2.東の旅
 3.京大という劇場へ戻ってきて
 4.学生運動と団交の時代
 5.ついに脱官僚へ
2.「論理」の周りの気分-おもちゃにもなる数学
3.湧出る提案は教師家業のゆえ?
 1.教育の価値を未来に置く
 2.異論の中にも落とし処
 3.ことばの変な使われ方
 4.逆転すべき「常識」たち
 5.教育を遊びに
 6.計れるものとは何かー評価というやっかいなもの
 7.自分が大事
 8.ざしきわらし
 9.笑われてなんぼよー教師という面白き存在
4.風貌は一刀斎、でも二刀流使いの二刀斎
 1.マイナーな自分をいとおしく
 2.二刀流の極意
 3.見える鎖、見えない鎖
 4.笑って、笑われて
あとがき
関連年表
主要著作一覧


ついでに、楠凡之『「気になる保護者」とつながる援助ー「対立」から「共同」へ』(かもがわ出版)も読んだ。2008年に出されてもう3刷りであるから、こういう本に需要があるのかと思った。「粋」「ユーモア」「洒落」がない。「大変さ」の競い合いが、井戸端会議みたいになされることがあるが、そうならないことを願う。




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