ちゃ~すが・タマ(冷や汗日記)

冷や汗かきかきの挨拶などを順次掲載

三上延『ビブリア古書堂の事件手帳 栞子さんと奇妙な客人たち』メディアワークス文庫、2011年

2019年08月06日 23時33分34秒 | 

ヒロシマに原爆が落とされた日から、74年目。NHKスペシャルで「届け「ヒロシマの声」 遺品と写真が語る物語」をやっていた。亀井文夫監督「Voice of HIROSHIMA」を思い起こした。ヒロシマについては書かなければならないことがある。大野松雄さんのヒロシマでの記憶である。このことは、74年目のこの日に、ここに記しておきたい。

それと重なっているのか判らないが、古書や古書店についての思いが強い。出久根達郎の本、古書店での日記奇譚などなどこれまでも読んできたが、ライトノベル三上延『ビブリア古書堂の事件手帳』をひょんな関係で入手した。ある野生動物学者が古本を処分するというので、奈良の吉野で古本を収集して私設ライブラリーをしようとしている方にもっていってくれという依頼だった。そうも出来ない事情があったが、本を預かったなかに、この本があったのだった。このシリーズ文庫本が5冊くらいそろっていると思われたが、確かめている暇もないので、3冊くらいを取り出していた。幸い、シリーズの最初の本があったので、それを読み始めたのだった。夏目漱石、小山清、論理学入門(青木文庫!)、太宰などの古本をめぐる物語だった。面白かった。確か、これは、以前、テレビドラマでやっていたような。大金持ちの恋人で、プライベーツジェットで海外に行く女優が栞子さんを演じていた。

しかし、その読みかけの本がなくなってしまった(これはよくあること)。いろいろ探してみたが、ない。結局、ブックオフにいって、購入した。ブックオフでうるときは、5円くらいである。購入は100円だった。

というわけで、そのシリーズ第一作を読み終えた。そのなかで、主人公の一人栞子さんは怪我をして入院しているのだが、「わたしの怪我は骨折だけではありません・・・腰椎の神経も傷ついてしまったんです。・・・ひょっとすると一生不自由なままかもしれません」というセリフがある。その怪我はなおるのか、車いす生活になるのか・・・ちょっと古書以外にも興味がそそられる。それで、またつぎの本を読みたいと思った。

このような本に関する語りをしてみたい。


今野浩『工学部ヒラノ教授』新潮社、2011年

2019年08月06日 00時17分28秒 | 

国立大学(正確には、国立大学法人の大学)から、私立大学に移るとカルチャーショックが・・・。まあ、ソンなこともあり、この頃、大学や高等教育の成り立ちや慣行を考えることが多い。当座、「女子」大学の成立が問題意識(「女子」とはなにか?なで、「女子大学」なのか?)。そんなこともあり、ついつい、図書館で手に取ってしまった本が今野浩『工学部ヒラノ教授』である。

工学部、エンジニアなので、感覚がちょっとちがうのだが、異文化なのが面白いとおもうことと、前によんだ森博嗣の思考方法の不思議がちょっとわかったような気がした。以下のもの。

工学部の教え

「決められた時間に遅れないこと(納期を守ること)/一流の専門家になって、仲間たちの信頼を勝ち取るべく努力あすること/専門以外のことには、軽々に口出ししないこと/仲間から頼まれたことは、断らないこと/他人の話しは最後まで聞くこと/学生や仲間をけなさないこと/拙速を旨とすべきこと

東大の工学部長の武藤清の訓示・・・「工学部に良く来てくれた。今日から諸君は僕らの仲間だ。これから訓辞を述べるから、良く聞くように。エンジニアは時間に遅れないこと、以上」

森口繁一学科主任などの組t業訓示・・・「おめでとう。諸君にはなむけの言葉を贈ろう。納期を守ること。これさえ守っていれば、エンジニアはなんとかなるものだ」(「とりあえず出来た分を提出して、率直にわびる」「100%完璧を期すと100時間かかるが、98%なら50時間ですむような場合には、まず98%をめざし、余った時間で残り2%に取り組むことだ」

要するに、時間の問題なのだ(著者の専門は、もともと、応用物理学で、オペレーションリサーチ、金融工学などでの社会工学。意思決定の数理科学ということかな)。。