このブログは、先人が能代市風の松原内を調査した、 『植生と植物相に基づく能代市風の松原海岸林の環境保全 近田文弘・梅田市美 自然環境科学研究 2001年発行別冊』 の植物目録に基づいて、能代市 「風の松原」 内の植物を、追跡調査できた範囲内での記録を、アイウエオ順で掲載しているものです。但し、先人が調査したものの中で探しきれないものもあります。絶滅した種もあるようですが、現在調査中ですので、見つけ記録でき次第投稿いたします。又その逆で新種もあり、新種については付け加えて投稿しております。
ムラサキサギゴケ緒言:多年草。
和名は鷺苔で、花の様子と全体が小さいことによる。湿り気のある水田の畦などによく群生している。
葉は根元に集まり、その間から細長い、横に這う枝を出して地面に広がる。走出枝(匍匐枝と呼ばれ、接地していると各節から発根)の茎葉は短くて丸い。根元の葉は倒卵形~楕円形で、縁には不揃いの荒い鋸歯がある。横に這う枝の葉は対生し、ごく小さい。
根元の葉の間から高さ10~20cmの花茎を伸ばし、まばらにいくつかの花をつける。花は長さ1.5~2㎝、淡紫色~紅紫色の唇形。上唇は色が濃く、斜上~直立して2裂する。下唇は3裂し、下唇には黄褐色の隆起した斑紋があり、棒状の毛が生える。茎、萼、花冠に毛や腺毛が生えるが、ほとんどないものもある。雄しべ4個、雌しべ1個。柱頭は上下に2裂し、細毛が生える。
果実は長さ約4㎜のほぼ球形。
種子の両端に玉葱に似た出っ張りがある。
花が淡紫色のムラサキサギゴケは春にはトキワハゼと間違えやすい。トキエワハゼは1年草で走出枝を出さず、花が夏や秋にも見られる。花冠がやや小さく、上唇があまり立たず、上唇先端の2裂が小さく、下唇がほとんど白色に近い。
01. 10年05月06日 ムラサキサギゴケ ムラサキサギゴケの1品種である。母種が紅紫色の花をつけるのに対し、白い花をつけるので区別できる。母種と同じ場所に一緒に生えていることが多い。風の松原の個体は紫色です。
02.12年05月30科 ムラサキサギゴケ 引き抜いてみた姿です。葉は対生です。
03.10年05月06日 ムラサキサギゴケ 根張りは意外とあります。 匐枝を出して殖えるのが特徴。
04.10年05月06日 ムラサキサギゴケ茎に毛があります。
05.10年05月06日 ムラサキサギゴケ 葉の変異ですが、左側から上部の葉で、右側が下部の葉になります。葉は対生し、ごく小さい。丙に翼があります。
06.10年05月06日 ムラサキサギゴケ 葉の裏側ですが主脈浮きでています。
07.10年05月06日 ムラサキサギゴケ 縁には不揃いの荒い鋸歯があり、縁が波を打つような感じです。
08.10年05月06日 ムラサキサギゴケ 葉柄基部に毛があります。また基部は白い。
09.12年05月30科 ムラサキサギゴケ 花茎の淡紫色~紅紫色の色の花をまばらにつける。
10.10年05月06日 ムラサキサギゴケ 下唇は3裂する。根元の葉の間から花茎をを伸ばし、まばらにいくつかの花をつける。花冠は紅紫色の唇形である。紋が帯状に2列に並ぶ。
11.10年05月06日 ムラサキサギゴケ これは上唇弁を切り取った下唇弁の写真です。雄しべ4、は解りますが、雌しべは透明で写っていませんでした。雌しべの先を触ると花が閉じるとあります。こん棒状の毛があります。
12.12年05月30科 ムラサキサギゴケ 雄しべ4個花糸と葯も白色で無毛。雌しべ1個で白色で花柱無毛。
13.12年05月30科 ムラサキサギゴケ 雌しべ1個。柱頭は上下に2裂し、細毛が生える。とありますがどうもこの写真では解りません。
14.12年05月30科 ムラサキサギゴケ 唇弁のこん棒状の毛。
15.10年05月06日 ムラサキサギゴケ 花を裏側から撮ったものです。萼片は5個であり、萼片に毛があります。
16.12年05月30科 ムラサキサギゴケ 1個の萼片で毛があります。
17.11年06月14日 ムラサキサギゴケ 種子は円形~楕円形。両端に玉葱状の突起物があります。
(注):私は植物調査と、写真撮影の技術も、始めたばかりで、ドシロウトも、大ドシロウです。あくまでも個人の趣味で調査したものです。間違った情報が多々あると思いますが、間違いを発見された場合御一報下されれば幸いです。宜しく御願い致します。
参考文献:山渓・日本の野草。