WESTWOOD -手作りビンボー暮らし-

持続可能な社会とは、必要なものはできる限り自分(達)で作る社会のことだ。衣食住なんでも自分で作れる人が偉いのだ。

ユンボトラブル ログ搬出はまだ途中

2009年03月06日 | ログハウス

3週間ぶりに帰京しました。久しぶりの更新です。
(伐採現場にはネット環境がないのですが、前回記事(カラマツ搬出の様子)は応援に来てくれたM君のe-モバイルを借りてアップしました。)

 ログ材の搬出は2月中に終える予定だったのですが、ヤフオクで買ったオンボロユンボがトラブル続きで一週間分くらいが仕事にならず、結局出し終えることができませんでした。こちらでの用事を済ませたら3月中旬からまた現地へ行って出し切ってしまうつもりです。
 なお、いろいろと高い授業料を払うことにはなりましたが、帰京直前まで四苦八苦してユンボ自体は今のところちゃんと動く状態にはあります。

 自前で伐採による材の調達から始めてログハウスを建てることを考えておられる方の参考になればと、これまでの経緯とユンボのトラブルとその対策を記しておきます。

応援に来てくれたまつたけ十字軍のM君、Mさん、Nさんと。

 作業は、ユンボによる伐倒木の森からの搬出と雑木・粗朶類の片付けです。欲しい木だけをただ切り出せばよいというものではなく、間伐して姿の良い森に整備することがログ材を切らせてもらう条件です。当然のことですが。

なお、森の後方の工事現場に見える黄色いユンボは工事用のもので20トンはあろうかという大型のユンボです。後のユンボトラブルでお話しますが、実はこのユンボと工事現場の方々には大変助けていただきました。ありがとうございました。

 M君、初めてのユンボ体験。さすが現代の若者、シュミレーションゲームでバーチャルユンボ運転をやったことがあるというだけあって、初めてとは思えない操作ぶりでした。テレビゲームも役に立つこともあるのですね。

 また、ブログを見て、まつたけ十字軍の応援団と相前後して東京からTYさんが見学を兼ねて応援に来てくれました。写真を撮り忘れてすみません。

さてお待ちかね?、ユンボトラブルとその対策です。

その1)ユンボ転倒!
 ちょうどTYさんが来てくれた日、ユンボをひっくり返してしまいました。運転していた私は幸運にも怪我は無かったのですが、自重3.5トンもあるユンボ、ユニックで起こそうとしても逆にユニックのトラックの方が引っ張られる始末でした(ある意味、ユニックのウィンチの牽引力の強さを知ることにはなりましたが)。

 後で聞いた話ですが、万一ユンボがひっくり返ったら、ジタバタせずに手すりなどにつかまって下敷きにならないよう成り行きに任すしかないとのことです。私は突然のことに恐怖も忘れてただ呆然としておりましたが、かえってそれが良かったのかもしれません。逃げようとしたりするとかえって下敷きになったり大怪我、場合によっては命にも関わることもあるとか、クワバラクワバラ。

 どうしようもなくて途方に暮れておりましたところ、通りかかった例の工事現場の方が見るに見かねて、助けてあげようと言ってくれたのです。もう、地獄で仏、神様に見えましたね。で、先の巨大ユンボの助け舟を仰ぐことになったわけです。ひっくり返った亀状態のユンボのアームにワイヤをかけて吊り上げ、ヒョイっと起こしてくれました。

 私の場合、幸いにも隣の工事現場に巨大ユンボがいてくれたから良かったものの、ユンボがひっくり返ったらまずお手上げです。少なくともその5倍以上くらいの重量のユンボでもない限り起こすことはできないでしょう。もしあの巨大ユンボがいてくれなかったら、巨大ユンボの業者に頼まざるを得ず何十万円もかかったかもしれません。
 くれぐれもユンボの転倒だけはさせないようにしましょう。私の場合、転倒の原因は、ログ材を引っ張るのにアームを回転で振って引こうとした、しかも地面が引いた方向に緩い下り傾斜だったのが原因でした。ユンボで重い物を引くときは、必ず正面方向で廃土板を下ろして支えアームで引く、これ大事です。

 さらに、倒れた側にラジエターがあったため、倒れた拍子にユンボの冷却ファンの羽の一部がラジエターと接触して曲がってしまい、起こした後もラジエターと接触して回らなくなってしまったのです。しかたないので、曲がって接触している冷却ファンの部分を切りとってようやく復旧しました。まあ、切り取ったのは一部なので冷却機能には問題はなさそうです。

その2)ゴムクローラ(キャタピラ)の破損、逸脱
 私、ユンボなんてまともにさわった事もないまったくのドシロート、今から思えばネットオークションに手を出すなんて、トーシローの先物取引みたいに危険がいっぱい、でした。でもまあ、買っちゃったものは仕方がない、なんたってNC、NRですからね、自己責任てヤツ。

 さすがに現物確認には行きましたよ。ネットで見ていると油圧シリンダーからのオイル漏れを気にしている人が多いようなので、私も一応その辺を注意点として見ました。特に漏れはなさそうに見えたので“良し”としました。だって、3.5トン(バケツ容量0.1立米)クラスで35万円なんて破格。他に入札無かった。やっぱ皆さんよっくご存知なんですね。
 ひっくり返ったユンボ起こせて「やれやれ」とホッとしたのもつかの間、ある日転回しようとしたら今度は左側のクローラ(キャタピラ)が外れてしまいました。歯車にかかってクローラを回す鉄の“コマ”が連続4つも取れてしまっていたのです。

 このユンボ、持って帰ってきて動かし始めた最初からどうも左へ左へ自然に曲がる癖がある。まあ、格安のオンボロだしそのくらいは仕方ない、運転時の左右の力加減の調整でなんとか真っ直ぐにも進めるし、まいっか、と思っておりました。あるときふとクローラの内側を見て仰天しましたね。左右のクローラが違うのです。左のクローラのコマのピッチが大きい!、右の倍はある!。
 どうやら右のクローラは正規のサイズがはまっているのですが、左のクローラはコマ数半分くらいのがはめられていたのです。一応回りはするのですが、歯車とのピッチが合わず(歯車2歯で約1コマ)カタカタ異音はするし当然右に比べて力も弱い。

 ちなみにクローラの規格は(幅、ピッチ、コマ数)で表示されます(勉強しました)。このユンボの場合、(300mm、52.5mm、84コマ)が正しい、一般的には(300、52.5、84)と表記される。左にはまっていたのは数えたら40コマしかなかった!まさかそんなことがされているなんて夢にも思いませんでした。

 これも後で聞いた話。いくつかの中古ユンボの使えるところだけを寄せ集めて1台作り上げてしまう、というのはよくある話なんだそうな。そうして私みたいなトーシローに騙し売ったり(まあ、よく知りもせずに買うほうも買うほうなんですが)、海外に売り飛ばしてしまったりする業者がいるそうな。一般の人でもそれが趣味なんて人もいるらしい。

 ま、そんなこんなで、とにかくユンボが動かなければ仕事になりません。急遽これまた懲りもせずにヤフオクで安いクローラを調達して付け替えました。
 ちなみに、メーカー代理店など“正規ルート”で買うと1本が定価20万円、実質売価17万円前後もしてました。2本だと35万円前後、交換も業者に頼むと40万円くらいはかかるみたいです。ゲェ~。
 アブナイヤフオクでは2本で15万円でした。取替えも応援に来てくれていたまつたけ十字軍の方々の協力でなんとか自力でできましたが、結局このユンボ50万円につきました。おバカなヤツと笑ってやってください。これまた勉強になりました。
 結局新しいクローラのほうは今のところ調子良いです。足回りがぜんぜん良くなりました。

取替え作業の様子です。1人では無理です。2人でもできないことはないでしょうが、3人はいたほうが良いです。

① まず不用のクローラを外します。
アームを横に回して支え、ユンボ本体を地面から少し浮かせます。
張り圧をかけているグリスを出させて張り圧を緩めます。グリスニップルのボルト(このユンボは27mmでした)をレンチで緩めると隙間からグリスがにゅるにゅると出てきて張り圧が緩みクローラがダランとしてきます。

古いクローラを外します。まずプーリー側(歯車でない方)、ついで歯車の方を外します。何分シロートなもんで木の棒を梃子にして2人がかりで外しました。もっとよい方法があるのかもしれませんが。
プーリー側を外してます。

歯車側を外してます。

② 新しいクローラをはめます。
新しいクローラ

外すときとは逆にまず歯車側から、ついでプーリー側をはめます。このとき、はめている2人のタイミングを計った指示で、1人は運転席で歯車をゆっくり回してはまりやすくします。


グリスニップルボルトを締め付け、グリスガンでグリスを注入してクローラを張ります。意外と少ないグリス量(数10ml)で張っていきました。

これで片側完了。もう一方も同様にして取り替えます。

取り外した古いクローラ。赤い矢印で示したように、ピッチが違うのが見ていただけると思います。

今回はここまで。更なるトラブルについては次回。乞うご期待!?