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てらまち・ねっと



 ネット上でのパソコンのなりすまし事件がエスカレートしていた。
 「真犯人」につき、昨日の朝、「今日、逮捕か」 とニュースで流れていた。
 
 逮捕後、本人は否認している、という。
 でも報道はいろいろと詳細。

 警察が情報を少しずつ流す。
 警察はそうやって状況を作っていく手法らしい。
 マスコミも、漏れる情報を糸口に、スクープを目指す。

 このようなあたりは、私自身、市民運動でいろいろとやってきて、役所の汚職や不正の時、
 (警察が逮捕した後はもちろん、逮捕前の場合も)
 マスコミの記者から「何か情報はないか」そんな旨の取材を結構受けてきた。
 そんなとき、記者らから「捜査と報道」の一般的な手法や流れ、関係をよく教えられたから、認識している。

 ある汚職事件では、警察がなかなか逮捕しないのでか、日を追うごとに、報道関係者にずいぶん話が広がって、
 当事者周辺への取材も増え・・・・
   ・・・結局は、逮捕に至ったけど。
 
 今回の事件、警察の幹部は、昨年の誤認逮捕という失態もあって、「早く逮捕しろ」と現場にプレッシャーをかけ、
 捜査の現場は、マスコミのスクープで混乱させられたくない、そんな思いがあったらしい。

 この件では、昨年から、産経新聞がまとまった記事を書いている。
     産経
  「いくつかの新聞社やテレビ局が、片山(容疑者)の存在に気付きつつあるようだ」
 警察幹部は、焦りを募らせていた。2月に入ると、片山容疑者が「ネコに首輪をつけた人物」として特定されたことに、報道各社が気付き、片山容疑者宅周辺の取材に動いていた。
 だが、ウイルスの設計図とされる「ソースコード」を記録したマイクロSDカード(記録媒体)付きの首輪をネコにつけるよう、「知らない男に頼まれた」と片山容疑者が“言い訳”をすれば、それを覆すだけの材料を、合同捜査本部は持ち合わせていなかった。
 それだけに、逮捕への決め手がないまま片山容疑者の存在を報道されることを、警察幹部は恐れた


 そんな、逮捕の前後のことを記録しておく。

 なお、ネット犯罪なのでその面からの逮捕に至る経過かと思うと、決め手は「防犯カメラ」と一般事件的。
 その、性能が抜群にアップした「防犯カメラ」の画像解析は改めて、調べてみたい。


(関連) 2013年1月6日のブログ ⇒◆年明け早々の傑作な話題/パソコン遠隔操作事件真犯人のパズル/証拠発見・確保の瞬間を民間人が撮影

     2012年10月19日のブログ ⇒  ◆サイト閲覧も遠隔操作か/犯行予告・脅迫13件、実行を確認/ウイルス復元できず、真犯人が消去か

     2012年10月7日のブログ ⇒  ◆HP書き込みで起訴の男性を釈放/殺人予告、第三者の疑い=ウイルス感染で脅迫文言

     2012年10月8日⇒◆ネット犯行予告、別人関与か 大阪・三重で男性釈放/釈放の2人 同じソフトをダウンロード

    2012年10月11日ブログ⇒ ◆PC感染源ソフト、「2ちゃんねる」経由で入手か /成り済ましPC操作 実行犯特定、困難極め

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●PC遠隔操作:片山容疑者 犯罪予告13件に関与か
     毎日新聞 2013年02月11日
 遠隔操作ウイルスに感染したパソコン(PC)などから犯罪予告が送られた事件で、警視庁などの合同捜査本部は10日、東京都江東区白河4、IT関連会社社員、片山祐輔容疑者(30)を威力業務妨害容疑で逮捕した。一連の事件では4人が誤認逮捕され、「真犯人」を名乗る人物が犯行声明のメールで、今回の逮捕容疑となった1件を含む計13件の犯罪予告事件への関与を認めていた。
合同捜査本部は片山容疑者がメールを送りつけた可能性が高いとみて調べる。

 捜査関係者によると片山容疑者は「全く事実ではありません」と容疑を否認しているという。

 逮捕容疑は、昨年8月9日午前10時40分ごろ、ウイルス感染した愛知県内の会社のPCを遠隔操作。インターネット掲示板「2ちゃんねる」に「コミケ(コミックマーケット)でマジで大量殺人する。ナイフで無差別に刺す」などと書き込み、イベント主催者に警備を強化させるなどして業務を妨害したとしている。この書き込みは警視庁が把握していたが、強制捜査に着手しておらず、誤認逮捕された人はいない。

 13件の事件では、昨年6〜9月に都内の幼稚園に脅迫メールを送ったり、横浜市や大阪市のホームページ(HP)に襲撃予告を書き込んだりしたなどとして、4人が誤認逮捕された。合同捜査本部は、片山容疑者が4人のPCをウイルスに感染させるなどして遠隔操作していたとみて、自宅から押収したPC4台やハードディスクなどの解析を進めている。

 今年1月に報道関係者らに送られたメールの内容通りに、江の島(神奈川県藤沢市)にいた猫の首輪から記憶媒体のマイクロSDカードが発見された。カードには「以前、事件に巻き込まれたせいで、無実にもかかわらず、人生の大幅な軌道修正をさせられた」とのメッセージがあった。近くの防犯カメラの映像に片山容疑者とよく似た男が映っていたことから解析を進め、猫に首輪をつけたのは片山容疑者と判断した。

 片山容疑者は05年にもインターネット掲示板に殺害予告を書き込んだなどとして警視庁と宮城県警に逮捕され、翌年に実刑判決を受けている。
昨年10月の犯行声明メールでも、動機について「警察・検察を嵌(は)めてやりたかった」などと記載されていた。

 一方、片山容疑者が以前使用していた携帯電話に、記憶媒体を付けた猫の写真が保存されていたことが分かった。遠隔操作事件を伝えるニュースも一時保存されていた。

「真犯人」を名乗る人物が1月1日に報道関係者らに送信したメールのリンク先には、東京、埼玉、山梨の3都県にまたがる雲取山山頂付近に記憶媒体を埋めたとの記述があったが、片山容疑者が実際に昨年11月下旬、同山に車で向かっていたことも確認されている。【小泉大士、喜浦遊、松本惇】

 ◇派遣先のパソコン使い操作か
 愛知県内の会社のパソコン(PC)が遠隔操作された事件で、片山祐輔容疑者(30)が技術者として派遣されていた東京都港区のIT関連会社のPCを使って遠隔操作した疑いの強いことが捜査関係者への取材でわかった。事件に関連するインターネットサイトに同社のPCからアクセスした痕跡があったほか、遠隔操作が行われた時間帯は片山容疑者の勤務中だったことも判明した。警視庁などの合同捜査本部は、同社のPCを押収し、サイトへの接続履歴を解析している。

 片山容疑者は、08年2月から品川区のIT関連会社に勤務。同社によると、昨年春から秋ごろにかけて、港区の会社に派遣されていた。愛知県内の会社のPCから「コミケで大量殺人する」との書き込みが行われたのは昨年8月9日で、片山容疑者が港区の会社に派遣されていた時期と重なる。捜査関係者によると、遠隔操作が行われたとみられる同日午前10時40分ごろの時間帯も片山容疑者は同社で勤務中だった。

 また、事件に利用されたとみられるサイトへの接続記録を合同捜査本部が分析したところ、同社のPCからアクセスした痕跡が見つかった。こうした状況から、合同捜査本部は、片山容疑者が同社のPCを遠隔操作に使った可能性が高いとみて調べている。

 一方、片山容疑者が神奈川県・江の島で猫の首輪に付けたとされる記憶媒体に保存されていたソースコード(ウイルスの設計図)と、愛知県内の会社のPCから発見されたウイルスのバージョンが一致していることもわかった。

●逮捕前日に猫カフェ…防犯カメラ映像が決め手に
                テレ朝 (02/10 17:30)
遠隔操作ウイルス事件で、30歳の男が10日朝に逮捕されました。男は一連の事件で、他人のパソコンを遠隔操作して、その痕跡を消す特殊なソフトを使用して捜査の手を逃れていたとみられています。その結果、4人の無実の人が誤認逮捕されるという問題に発展しました。「インターネット世界」で姿を消していた片山祐輔容疑者ですが、逮捕の決め手になったのは、「現実の世界」で猫の首に記録媒体を取りつけた際の防犯カメラの映像でした。

●片山容疑者、逮捕前日「猫カフェ」で至福の表情
             サンスポ 2013.2.11

●遠隔操作 派遣先のパソコンで書き込みか
    NHK 2月11日
 パソコンの遠隔操作事件で、威力業務妨害の疑いで逮捕された男が働いていた会社のパソコンから、発信元の特定を難しくする特殊なソフトが何度も使われた形跡が残っていたことが捜査関係者への取材で分かりました。
警視庁などは、男が会社から犯行予告を書き込んでいた疑いがあるとみて接続記録などを調べています。男は容疑を否認しているということです。

4人の男性が誤って逮捕された遠隔操作事件で、警視庁などの合同捜査本部は、東京・江東区のインターネット関連会社社員、片山祐輔容疑者(30)が、去年8月、インターネットの掲示板に漫画のイベントでの大量殺人の犯行予告を書き込んだとして、10日、威力業務妨害の疑いで逮捕しました。調べに対して片山容疑者は「全く身に覚えがない」と容疑を否認しているということです。

片山容疑者は去年9月までのおよそ半年間、勤め先から東京・港区にあるインターネットの関連会社に派遣されていて、警視庁などが派遣先のパソコンの接続記録などを調べたところ、この期間に、遠隔操作事件でも使われた発信元の特定を難しくする「Tor」という特殊なソフトが何度も使われた形跡が残っていたことが分かりました。

真犯人とみられる人物は犯行声明のメールの中で、去年9月までの3か月間に13件の犯行予告を遠隔操作で書き込んだと明かしています。
警視庁などは、10日、この会社を捜索してパソコンなどを押収し、片山容疑者が派遣先の会社から犯行予告を書き込んでいた疑いがあるとみて接続記録などを調べています。

“まじめで特にトラブルなかった”
片山容疑者は地元の区立小学校に通ったあと、都内の私立中学・高校に進み平成13年に卒業しました。その後、コンピューター技術などを学ぶ都内の専門学校に通っていたということです。
片山容疑者は専門学校に通っていた平成17年、インターネット上の掲示板に「仙台市の小学生を殺す」という殺害予告を書き込んだほか、大手レコード会社を名指しして「ネコのキャラクターの使用を中止しなければ社員を殺害する」と書き込んだなどとして逮捕されていました。片山容疑者は、一連の事件で脅迫などの4つの罪で起訴され、翌年の3月懲役1年6か月の実刑判決を受けました。

片山容疑者が勤めている東京・品川区のインターネット関連会社によりますと、片山容疑者は5年前の平成20年に入社し、プログラムの開発を担当していたということです。
プログラマーとして取引先に派遣されることが多く、遠隔操作によって犯行予行が書き込まれた去年9月までのおよそ半年間は、今回、警視庁などの捜索を受けた東京・港区のコンピューター関連会社に派遣されていたということです。また、健康上の理由で、去年12月初旬から会社を休んでいて、12日から復帰する予定だったということです。
片山容疑者について会社の社長は「勤務態度はまじめで、特にトラブルはなかった。プログラミングなど好きな分野にはとことん打ち込むが、興味のない分野の仕事はやらないタイプだった。社員が逮捕されたことについておわびしたい」と話していました。


●過去に脅迫書き込みで有罪=「人生狂った」警察を逆恨みか—片山容疑者
              ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 2013年 2月 10日 /時事通信社
 パソコン遠隔操作事件で逮捕された片山祐輔容疑者(30)は、2005年にもインターネット上で犯行予告を繰り返したとして逮捕され、有罪判決を受けた。
「捕まるはずがない」「掲示板が盛り上がるのが見たかった」。コンピューターの専門学校生だった同容疑者の当時の供述からは、遠隔操作事件との類似点も浮かぶ。

 片山容疑者は05年10月、ネット掲示板「2ちゃんねる」で殺害予告などを繰り返したとして逮捕された。当時23歳だった同容疑者は、ネットゲームに没頭して大学を中退し、専門学校でパソコンの知識を学んでいたという。

 「自分の書き込みで掲示板が盛り上がり、『祭』になるのを見たかった」。片山容疑者の当時の供述は、遠隔操作事件の「真犯人」がメールで手の込んだパズルを送ったり、突然自殺をほのめかしたりして、捜査当局や世間の反応を楽しんでいた様子と重なる。

 当時は、セキュリティー対策の甘い他人の無線LANを勝手に利用して掲示板にアクセスする手口を使い、「絶対に捕まらないと思った」と供述。
遠隔操作事件では、ウイルスの他に「匿名化ソフト」や「代行掲示板」といった手口で徹底してアクセスの秘匿化が図られており、前回の失敗を踏まえてさらに手口を巧妙化させた疑いもある。

 「無実の事件で人生を狂わされた」「警察・検察をはめてやりたかった、醜態をさらさせたかった」とメッセージを送っていた「真犯人」。
警視庁などの合同捜査本部は、片山容疑者が捜査当局への逆恨みを募らせ、報復目的で一連の事件を起こした疑いがあるとみて調べを進めている。 

●ネットカフェで遠隔操作?パソコン2台押収し解析
         テレ朝 (02/10 17:35)
遠隔操作ウイルス事件で、30歳の男が10日朝に逮捕されました。
男の取り調べが行われている麹町警察署前から捜査の最新情報です。
 (社会部・太田翔記者報告)
 片山祐輔容疑者が頻繁に利用していた東京・秋葉原のインターネットカフェのパソコン2台を、警視庁などが先月18日に押収していたことが分かりました。
店長の男性によりますと、片山容疑者は去年7月以降、7回来店し、9日の夕方もこの店を利用していました。

 ネットカフェの店長:「(Q.利用状況は?)ほとんどが短時間。24分が3回、22分が1回。いたって普通、特に文句言ったりとかも一切ない」
 また、片山容疑者が、勤務先のIT関連会社を病気を理由に去年12月から休んでいて、12日から仕事に復帰する予定だったことも分かりました。
片山容疑者は以前、別の脅迫事件で逮捕された際、犯行の発覚を逃れるため、他人の公衆無線LANを利用して書き込みをしていました。警視庁などは、今回もインターネットカフェなどで他人のパソコンを遠隔操作していた可能性もあるとみて、押収したパソコンを解析するなど調べを進めています。

●【PCなりすまし 翻弄された警察】 (上)捜査の壁にいらだつ捜査本部「ネコに首輪つけただけ」 ウイルス一致で急展開
            産経 2013.2.10
捜査員らに囲まれ連行される片山祐輔容疑者=10日午前、東京都江東区(鴨川一也撮影)
 「ネコに首輪をつけただけで、何の罪に問えると言うんだ」

 警視庁と大阪府警、神奈川、三重両県警の合同捜査本部はいらだっていた。

 遠隔操作ウイルス事件の威力業務妨害容疑で逮捕された東京都江東区の会社員、片山祐輔(ゆうすけ)容疑者(30)の存在は1月中旬、既に浮上していた。

 同月5日に産経新聞記者などに送りつけられた「真犯人」からのメールに、神奈川県藤沢市の江の島のネコに首輪をつけたことを示唆する内容があり、防犯カメラの解析から片山容疑者が特定されたのだ。

 「上層部が、『早く逮捕しろ』と注文をつけてきた。だが、防犯カメラで判明したのは、ネコに首輪をつけた人間であって、誤認逮捕してしまった4人のパソコン(PC)を遠隔操作した人物そのものではない。そんないらだちが、現場の捜査員にはあったんです」

 警察関係者は、こう打ち明ける。

 だが、警察は4人を誤認逮捕した上、2人には自白まで強いたことで、異例の謝罪や捜査の検証結果公表を余儀なくされたため、“メンツ”を保ち、起死回生を図りたい思いがあり、それが警察上層部の早期逮捕の指示の背景にはあった。

ウイルスが一致
 「いくつかの新聞社やテレビ局が、片山(容疑者)の存在に気付きつつあるようだ」

 警察幹部は、焦りを募らせていた。2月に入ると、片山容疑者が「ネコに首輪をつけた人物」として特定されたことに、報道各社が気付き、片山容疑者宅周辺の取材に動いていた。


 だが、ウイルスの設計図とされる「ソースコード」を記録したマイクロSDカード(記録媒体)付きの首輪をネコにつけるよう、「知らない男に頼まれた」と片山容疑者が“言い訳”をすれば、それを覆すだけの材料を、合同捜査本部は持ち合わせていなかった。

 それだけに、逮捕への決め手がないまま片山容疑者の存在を報道されることを、警察幹部は恐れた。

 「片山(容疑者)がウイルスの『設計図』を持っていたことなどを根拠に、ウイルス保管罪の適用も考えました。でも、ウイルス保管罪は他人に“感染”させる目的があることを立証する必要がある。検察は首を縦に振りませんでした」

 警察関係者は現場の苦悩を、こう振り返った。

 しかし、ウイルスが愛知のPCを遠隔操作していたものと一致したことで、捜査は急転直下で進展することとなったという。

大きな十字架に
 警視庁には現在、「捜査支援分析センター」という聞き慣れない部署がある。

 平成21年4月の組織改編で刑事部に置かれたものだが、その任務の中核の一つが「画像解析」だ。

 昨年11月に東京都板橋区で主婦が刺殺された強盗殺人事件など、あまたの事件で防犯カメラが威力を発揮しており、その画像を解析して、事件解決に貢献しているのが、同センターなのだ。


 「2005(平成17)年にロンドンで起きた同時爆破テロでも、防犯カメラが威力を発揮した。防犯カメラは、捜査ツールとして世界中で必要不可欠なものとなっています」(捜査幹部)

 だが、一方で遠隔操作ウイルス事件は、後手後手にまわったサイバー捜査に大きな課題も突き付けた。

 警察幹部はつぶやく。

 「結局、従来通り防犯カメラに頼って容疑者にたどり着く捜査になってしまった。サイバー捜査で容疑者を割り出せなかったことは、警察にとって大きな十字架になるかもしれない」

◇ 前代未聞の誤認逮捕を生んだ遠隔操作ウイルス事件が、全容解明に向けて大きく動いた。汚名返上を図りたい警察当局の捜査は、どう進められたのか。その流れを追ってみた。

 ●PC遠隔操作容疑者逮捕前に警察が情報漏洩していたことについて 国家権力を使った晒し上げ
    ガジェット通信 2013.02.11
昨日早朝、PC遠隔操作事件に関連し威力業務妨害容疑で容疑者が逮捕された。
同容疑者は「iesys.exe(アイシス)」と呼ばれるウィルスソフトを使い遠隔操作を行っていたとみられる。同容疑者のPCから「iesys.exe」ファイルが見つかっており、捜査を進めている段階。

そんなPC遠隔操作事件容疑者逮捕の情報が事前に漏洩していたのではないかとネット上で囁かれている。今回の逮捕は深夜となったが、その少し前に某メディアが報じていたり、前日の日付の時点で容疑者の写真を撮影していたりと時系列的な矛盾が生じる。情報漏洩がおこなわれていれば違法行為であり、また特定媒体にする便宜供与に相当する大変な問題である。

例えばこちらの産経の記事をご覧頂きたい。

    「正直に認めてほしい」容疑者否認に不安も 誤認逮捕の被害者親族
    http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130210/crm13021017440014-n1.htm

写真に使われているキャプションには逮捕前日の日付である「9日、東京都内で撮影された」と書かれている。何故この日に容疑者だと判断でき撮影できたのか。警察からの情報漏洩がなければこれは実現しない。また逮捕後には容疑者を取り囲む各メディアが集まっていた。これも警察により見せしめ行為ではないかとされている。公務員からの情報漏洩は違法行為であり、これらの報道は公務員の違法行為によって成り立っているものなのだ。

今回の事件で警察は誤認逮捕を行い自白を強要、警察は誤認逮捕された人たちの人生を壊してしまった。

この事件の、見逃してならない側面は、これが「警察による冤罪事件」であるということだ。先日警察庁長官の片桐裕氏と警視庁の警視総監樋口建史氏が更迭されたのもこの冤罪事件の責任をとったものと言われている。

警察側としては容疑者逮捕に全力を注いで失点を取り返さなくてはならない。そのため、逮捕時には大々的に祭り上げる予定だったのだろう。しかしそのために情報漏洩をおこなうことを許される時代ではない。これは国家権力を使った晒し上げであり、これまで国民は鈍感だったから問題点の指摘がなかっただけのことである。違法な情報漏洩をもって警察が名誉を挽回するという手法はネット以前の入手できる情報の経路と内容が限られていた人々であれば、喝采を送っていたかもしれないが、もはやそんな時代ではないのだ。「誤認逮捕」「自白の強要」と同様に「捜査情報の漏洩」に関しても、これらはすべて批判されるべき警察による問題行為であり、捜査とはまた別に警察関係者以外の第三者機関によってきちんと検証されるべきだろう。

逮捕後に迅速に情報が伝わるというのであればなんら問題はないが、逮捕前にこういった情報を漏洩する警察の体質は改められなければならない。情報の入口が新聞テレビだけだという古き時代では、もうないのだ。国民自身がその気になれば情報の入手経路をネットで検証でき、問題点があれば指摘できる時代になったのだ。そんな時代にあって、警察による違法な情報漏洩は決して見逃されてはならない。

ここまで大々的に情報を流して逮捕をする警察は、今回の逮捕に相当な自信があるようだ。しかし、今回の逮捕がまたも誤認であったら……想像するのも恐ろしいが、それでもやはり同じようなことが今後も繰り返されるのだろうか。
  ・・・・(以下、略)・・・


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