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てらまち・ねっと



 昨日、国立環境研究所が「日本国内での最近のPM2.5高濃度現象について」と題してデータや評価を公表した。
 今話題の「PM2・5」や中国との関係についても触れていた。
 「越境汚染の影響について」という部分もある。
 その整理・評価やいくつかの図を記録しておく。

 ところで、一昨日は、夕方、目がしょぼしょぼした。
 九州大学の竹村俊彦准教授のこれから一週間の予測図をブログ末に記録。
 今日22日や明日23日は、東海から西日本は「やや多い」「多い」が続く。

 (関連)2013年2月3日のエントリー ⇒ ◆中国大気汚染、操業停止も/「スモッグ」PM2.5 中国から日本飛来
     2013年2月6日のエントリー ⇒ ◆中国の大気汚染 専門家「呼吸器や循環器系の疾患がある人は注意」

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●PM2.5基準値超え、最大3割 国立環境研が集計
         朝日  2013年2月21日
 【山本智之】中国で大気汚染を引き起こし、日本への影響が心配される微小粒子状物質(PM2・5)について、国立環境研究所(茨城県つくば市)は21日、全国の観測値の分析結果を発表した。
1月の多い日には大気測定局の3割で環境基準値を超えた。

 西日本で濃度が上昇しており、中国からの越境汚染が影響した可能性が高いとしている。
ただ、影響の少ない関東や東海などで高い日もあり、都市で発生した汚染と越境汚染が複合した可能性もあるという。
 PM2・5は直径2・5マイクロメートル(マイクロは100万分の1)以下の粒子。
肺の奥深くに入り呼吸器や循環器系などの病気のリスクが高まるとされる。
日平均の環境基準値は1立方メートルあたり35マイクログラム。

●PM2・5全国31%で基準値超 1月末、越境汚染の影響と環境研
       2013/02/21 19:42 【共同通信】
 1月31日と2月1日の測定局ごとの1日平均のPM2・5濃度(国立環境研究所提供)
 微小粒子状物質「PM2・5」の大気汚染で、国立環境研究所は21日、1月31日の大気中濃度が全国155測定局の31%に当たる48測定局で環境基準値を超えていたと発表した。
大気中濃度は西高東低の分布を示しており、専門家らは「一部で(中国など)大陸から国境を越えた汚染の影響があった」と結論付けた。
ただ大都市圏では、地元での汚染が重なって濃度が上昇した可能性が高いとしている。

 同研究所によると、1月1日~2月5日について、大気中濃度の1日当たりの平均値を分析。その結果、少なくとも1カ所以上の測定局で環境基準値を超えた日が16日あった。

■ PM2.5問題、中国が打ち出した“秘策”とは
            毎日放送 2013年02月22日(金)
 微粒子「PM2.5」による深刻な大気汚染。日本でも基準値を超える日が続いていたことがわかりました。
 21日午後の北京市内。道路沿いのビルが霞んで、よく見えません。春節が明けて間も無い19日には青空も見えていましたが、比較すればごらんの通りです。

 汚染の主な原因とされる微粒子「PM2.5」。北京のアメリカ大使館によりますと、19日正午は18だった数値は、2日間で急激に増加しました。21日午後6時の数値は271を示しました。これは日本の環境基準のおよそ7.7倍にあたります。
 対応の遅れが指摘されていた中国政府は、21日までにPM2.5の大幅な削減をうたった政策案を発表。その具体策の一つとして名前があがったのが・・・
 「都市部の露天での串焼きを厳しく規制します」(政策案)

 炭などを燃やして出る煙が、PM2.5の一因ということから、露店のバーベキューを禁止して、その煙を抑えようというのですが、市民からは厳しい声があがっています。
 「(Q.露天の串焼き禁止に賛成?)特色がなくなる。特に夏は串焼きは市民生活の一部」
 「原因はこれだけじゃない。車の排ガスや、工場の煙などたくさんある」(北京市民)

 中国版ツイッター「微博(ウェイボ)」でも・・・

 「小さいものを取り上げて大きいものは放っておくのか?」
 「山にいる虎は討たず、山の下にいるスズメばかり討つ」(微博の書き込み)

 他にも、墓参りで使うローソクや線香までも、規制しようという案も出ているといいます。生活の細かいところにまで言及するなど、環境改善に取り組む姿勢のアピールにやっきになる中国。

 一方日本では、環境省が所管する国立環境研究所が、今年1月から2月初めにかけて、日本で観測されたPM2.5について、環境基準を超えた日が16日あったと発表しました。先月31日には、全国の測定局の31%で、環境基準値を超過したといいます。
 「PM2.5の高濃度現象には、大陸からの越境大気汚染による影響があったと考えられる」(国立環境研究所 菅田誠治主任研究員)

 特に、西日本の各地で高い濃度の観測される日が多かったのです。こうした数値には、日本国内で発生した汚染も含まれるといいます。

 環境基準を越えた日数の割合は、去年と変わらないということですが、今後も中国の空に悩まされる日が続きそうです。(21日23:05)

●中国、都会でバーベキュー禁止? 草案にPM2・5大幅削減明記
    産経 2013.2.21
 中国環境保護省は21日までに、深刻な大気汚染の改善策として都市部での野外バーベキューの禁止などを盛り込んだ政策の草案を公表、意見公募を始めた。
 汚染への対応の遅れに国民の批判が高まっており、環境改善に取り組む姿勢をアピールする狙いがあるとみられる。
ただ中国では路上で鶏肉や羊肉などを焼いて売る露店が親しまれており“バーベキュー禁止令”に反発の声も上がっている。

 草案は、炭を燃やして出る煙などに含まれる微小粒子状物質「PM2・5」を2020年までに大幅に削減させるとの目標を明記。
具体策として「人口が密集する都市部でのバーベキューを法律で禁止」することなどを掲げている。


 環境保護省の関係者は国営通信新華社に「都会ではバーベキューを控え、環境に優しい生活を心掛けてほしい」と呼び掛けた。(共同)

●大気汚染の深刻化、成長率鈍化も影響 中国旧正月、節約ムードで例年ほど盛り上がらず
             産経 2013.2.20
 春節(旧正月)の大型連休が終わったが、今年は華やかな例年と違って、各地ともに節約ムードが浸透していた。
年越しの風物詩である爆竹は、大気汚染の深刻化もあって今年は控えめ。レストランや小売商店の売り上げも昨年の伸びを下回った。生活が豊かになる中で増え続けてきた「圧歳銭(お年玉)」の中身まで、今年は少なかったようだ。(フジサンケイビジネスアイ)

 爆竹はどこも例年ほど盛り上がらなかった。北京市では、陰暦の大みそかから正月5日(2月9日~14日)までの爆竹売上量が31万3000箱で昨年同期より45%も少なかった。毎年、爆竹が目に当たるなどけが人が多く出るのだが、今年はその数も昨年より22%少なかったという。

 春節の伝統行事も控えめだった。ある北京の高げた踊りのチームは「昨年は多い日には1日7回もお呼びがかかったが、今年はさっぱり。旧正月6日(2月15日)になるのに、まだ合計4回だけだ」とさえない。子供たちが楽しみにしている圧歳銭も昨年は300元(約4500円)が相場だったが、ことしは一挙に100元、あるいはそれ以下に下がってしまった。

 商務省が全国の主要な小売店・レストランを対象に調べたところ、大みそかから旧正月6日までの1週間の売り上げは5390億元で前年同期比14.7%増だった。昨年はこの数字が16.2%だったので、伸び率が鈍化している。高級レストランの売上高の減少が目立っていた。

北京のレストランでは、さまざまな節約方法が登場してきた。北京ダックで有名な「便宜坊」は直営の7店で、「注文した料理をすべて食べきったら料金を1割引きにする」キャンペーンを打ち出した。また、いくつかのレストランでは、これまで個室で食事をすると、「最低消費」と言って一定額以上の注文を義務付けられていたが、この長年のやり方を廃止した。

 節約ムードのきっかけは、習近平指導部が昨年末の党政治局会議で決めた「工作作風改善、大衆との関係密接化」に関する8項目規定。党指導部の活動全般にわたって節約を呼びかけている。同規定は中央指導部を対象にしたものだが、商務省などは一般市民に対しても「節約励行」を呼びかけた。

 もっとも党・政府の呼び掛けだけでは、こんなにも浸透はしない。やはり経済成長率の鈍化、環境汚染の深刻化、高齢化社会の到来などが背景にあり、社会のムードそのものが変わってきたのではなかろうか。(拓殖大学国際学部教授・藤村幸義)

 (独)国立環境研究所/ 地域環境研究センター
              平成25年2月21日(木)/日本国内での最近のPM2.5高濃度現象について(お知らせ) 
  ●日本国内での最近のPM2.5高濃度現象について(お知らせ)  平成25年2月21日(木)

 国立環境研究所は、2013年1月から2月初めにかけて日本各地において観測されたPM2.5の高濃度現象を、現時点で入手可能な観測データとシミュレーションモデルをもとに調べました。

その結果、全国の一般環境大気測定局における環境基準値超過日数(1日平均値35μg/m3を超過した日数)は16日であったこと、
西日本で広域的に濃度が上昇し九州西端の離島でも高濃度が観測されたこと、
観測とシミュレーションモデルの結果を総合すると越境大気汚染が影響していた可能性が高いこと、
大都市圏では越境汚染と都市汚染が重合して濃度が上昇した可能性があること
等がわかりました。

本発表は、PM2.5濃度の概況、越境汚染による影響について速報し、現時点での国立環境研究所としての知見を提供しようとするものです。
本発表の一部は、2013年2月13日に開催された環境省の「微小粒子状物質(PM2.5)に関する専門家会合(第1回)」の資料として使用されました。

日本におけるPM2.5濃度の概況について
環境省の大気汚染物質広域監視システム「そらまめ君」のデータをもとに、2013年1月1日~2月5日における日本全国のPM2.5濃度の概況を調べました。
(注)「そらまめ君」からダウンロードした速報値データを用いて解析したため、今後のデータ等の追加やデータ確定作業により、以下の数値は変化することが予想されます。

(1) 西日本4地域の一般環境大気測定局(以下、「測定局」という。)における日平均PM2.5濃度の平均値と最大値を見ると、期間中に何度となくPM2.5濃度が高くなっている特徴が認められます。特に、1月13日前後、1月21日前後、及び1月30日~2月1日には4地域ともに濃度が上昇して、最大値が50μg/m3を超過する地域もありました。(図1)

図1. 西日本4地域における日平均PM2.5濃度の平均値および最大値

(2)全国の測定局における環境基準値超過日数(1日平均値35μg/m3を超過した日数;以下、同様)は16日でした。 1月13日、21日、30日、31日、2月1日には、それぞれ、27.0%、7.6%、12.0%、31.0%、21.1%の測定局で環境基準値を超過しました。(図2)

図2. 全国の測定局におけるPM2.5濃度の有効測定局数と環境基準値(1日平均値35μg/m3)を 超過した測定局数。なお有効測定局とは1日に20時間以上PM2.5濃度の測定が行われた 局を指します。

(3) 全国の測定局における環境基準値超過日数の地点分布を見ると、環境基準値を超過した測定局が多かったのは九州、中四国、近畿等の地域でした。(図3)

図3.2013年1月1日から2月5日における、測定局でのPM2.5濃度環境基準値(1日平均値35μg/m3)超過日数分布

(4) 全国の測定局における環境基準値超過率(= 超過局・日数/有効測定局・日数)について、2011年から2013年の各1月の結果を比較すると、西日本では2013年は2012年とほぼ同程度であることがわかりました。(表1)

表1.環境基準値(1日平均値35μg/m3)超過率の2011-2013年の各1月の比較。中部以東を 東日本、近畿以西を西日本としました。対象測定局は各年で異なります。

(5)環境基準値超過局が多かった4日間におけるPM2.5高濃度地域は、1月13日は九州中部・瀬戸内・近畿・関東北部、1月30日は九州北部・北陸、1月31日は九州北部・瀬戸内、2月1日は九州中部・瀬戸内・東海でした。これらの結果から、主として九州北部や瀬戸内地域などの西日本で高濃度が発生し、東海や関東北部でも都市域スケールで高濃度になったと考えられます。(図4)


図4. 測定局で観測された日平均PM2.5濃度の水平分布

(6)日本列島西端に位置する福江島観測サイト(長崎県五島列島)において国立環境研究所が測定したPM1.0相当の粒子状物質の成分5種の濃度を見ると、5成分合計のうち、硫酸塩粒子が約半分、有機粒子が約3分の1を占めており、これらはPM2.5においても主要な成分であったことが推定されます。(図5)

図5. 福江島におけるPM1.0相当の粒子状物質の成分別濃度 (μg/m3)。 
測定された5成分の 総計濃度は、PM2.5濃度の約67%を占めています。また、5成分中、硫酸塩が約48%、有機物 が約35%を占めており、硝酸塩、アンモニウム、塩化物は少ないことがわかります。なお、 PM1.0とは粒径1.0μm以下の粒子を意味します。

越境汚染の影響について
国立環境研究所が所有する東アジアスケールの大気シミュレーションモデル(注)による結果と「そらまめ君」データをもとに、我が国のPM2.5高濃度現象に対する大陸からの越境汚染の影響を検討しました。
(注)東アジアスケールの大気シミュレーションモデル(WRF-CMAQ)を使用しているために空間分解能が60kmと粗く、都市汚染を表現できない場合が多くみられます。

(1)環境基準値超過局が多かった1月13日、30日、31日、2月1日におけるシミュレーションモデルで計算されたPM2.5地上濃度と地上風(いずれも日平均値)の結果から、これらの日には、大陸で発生したと考えられるPM2.5の高濃度気塊が北東アジアの広域を覆い、その一部が日本列島の一部に及んでいる様子が伺えます。(図6)


図6. シミュレーションモデルで計算されたPM2.5地上濃度と地上風。図中の矢印は向きと長さで 風向風速を表し、色は青(10μg/m3)から赤(140μg/m3)でPM2.5濃度を示します。

(2)PM2.5(およびSPM)の観測値とモデル(WRF-CMAQ)による計算値をもとに、日本の8地域における2013年1月5日~2013年1月31日のPM2.5濃度平均値の東西変化を解析しました。その結果、観測値と計算値ともに西高東低の分布を示しており、大陸からの越境汚染の影響が示唆されました。このモデルの結果は、他のモデル(CFORS)の結果と整合的です。(図7)

図7. 日本の8地域におけるPM2.5、SPM濃度の観測値とPM2.5濃度のモデル計算値(2種類のモデル)。観測値も計算値も2013年1月5日-31日の期間平均値です(単位はμg/m3)。

(3)以上のシミュレーション結果は観測されたPM2.5濃度の基本的な時空間変動の特徴をほぼ捉えているものの、その再現性は必ずしも十分ではありません。例えば、図7で示すように、モデル値は実測値よりも5~10μg/m3程度、過小評価しています。従って、今後、シミュレーションモデルを改良した上で越境汚染の影響について定量的な解析を行う必要があります。

(4)【日本におけるPM2.5濃度の概況について】で示したように、西日本で広域的に高濃度のPM2.5が観測されたことや九州西端の離島(長崎県福江島)でも高濃度の微小粒子状物質が観測されたこと、上述したように東アジアスケールのシミュレーションの結果によって北東アジアにおける広域的なPM2.5汚染の一部が日本にも及んでいることを総合的に判断すると、本年1月から2月初めのPM2.5の高濃度現象には大陸からの越境大気汚染による影響があったものと考えられます。
以上のことから、本年1月から2月初めのPM2.5高濃度現象は、2011年2月上旬に発生したPM2.5高濃度現象(注1)、2007年5月に発生した光化学オキシダントの高濃度現象(注2)と同様に、大陸からの広域スケールの越境汚染と大都市圏スケールの都市汚染が複合したことによって発生した可能性が高いと考えられます。但し、その影響の割合は、地域と期間によって大きく異なる可能性が高く、今後、詳細な解析が必要です。


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