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てらまち・ねっと



 パソコンの遠隔操作による「なりすまし事件」。
 逮捕された容疑者は「真犯人は別にいる」旨を述べているという。

 その真偽はともかく、ネット犯罪を「監視カメラ」に映った映像の解析から逮捕の糸口を見つけた警察。
 発見した「今の映像解析」は進化した情報処理技術だろう。

 そのもとのネット犯罪を防ぐための対応に関して、
   「ネットへの不適切な書き込みを防ぐために実名での利用を義務付けても・・日本のネット文化が衰退することも考えられる」(産経/ノンフィクションライター、渋井哲也)
 との指摘もある。

 今度の事件は、ネットユーザーにとっては、「被害者になり得る」という意味でも「ネット利用の進化」という意味でも他人事ではないと感じている。

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●遠隔操作事件、FBIがウイルス痕跡の情報提供
              (2013年2月16日17時56分 読売新聞)
 一連のパソコン遠隔操作事件で使われた遠隔操作型ウイルスが米国のサーバーで保管されているのが見つかり、その中に威力業務妨害容疑で逮捕されたIT関連会社社員片山祐輔容疑者(30)の関係先で作成されたことを示す痕跡が残されていたことが捜査関係者への取材でわかった。

 米連邦捜査局(FBI)からの情報提供で判明した。
警視庁などの合同捜査本部は、片山容疑者がウイルスの作成に関与していないか調べを進めている。
 捜査関係者によると、遠隔操作型ウイルス「iesys(アイシス).exe」が保管されていたのは、米国のデータ保管サービス「ドロップボックス」のサーバー。このウイルスの中に、片山容疑者の関係先を示す記録が残っていたという。

●ウイルスに片山容疑者の情報=米サーバーに、FBI押収—PC遠隔操作・警視庁など
             ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 2013年 2月 16日 11:34
 遠隔操作ウイルス事件で、米国のサーバーに保管されていたウイルスのデータに、威力業務妨害容疑で逮捕されたIT関連会社社員片山祐輔容疑者(30)に関連する情報が残っていたことが16日、捜査関係者への取材で分かった。

 捜査協力を依頼された米連邦捜査局(FBI)が見つけ、今年1月に警視庁などの合同捜査本部に提供した。
捜査本部は、片山容疑者がウイルスを作成する際に痕跡を残したとみて調べている。

 また、犯人を名乗る人物が報道機関などにメールで送り付けた写真に写っていたのと同じ人形を、片山容疑者が2011年に購入していたことも判明。捜査本部は同容疑者がこのメールを送ったとみている。
 
捜査関係者によると、遠隔操作ウイルスはインターネット掲示板「2ちゃんねる」で紹介された無料ソフトをダウンロードすると感染する仕組みで、ウイルス本体は米国のサーバーに保管されていた。
 捜査本部から協力を依頼されたFBIがこのサーバーを差し押さえてウイルスを解析したところ、片山容疑者につながる情報が見つかったという。

 一方、犯人を名乗る人物からの自殺予告メールは、昨年11月13日に報道機関などに届いた。同日付の神奈川新聞の上にアニメキャラクターの人形が置かれた写真が添付されており、捜査本部がこの人形と同じ商品の購入者を調べたところ、片山容疑者がインターネットを通じて11年に購入していたことが分かった。 
[時事通信社]

●自殺予告メールと同じ人形購入=逮捕の男、撮影後に処分か—PC遠隔操作・警視庁
        ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 2013年 2月 16日
 遠隔操作ウイルス事件で、威力業務妨害容疑で逮捕されたIT関連会社社員片山祐輔容疑者(30)が、昨年11月に犯人を名乗る人物が報道機関などにメールで送り付けた写真に写っていたのと同じ人形を、インターネットを通じて2011年に購入していたことが16日、捜査関係者への取材で分かった。

 人形と一緒に写っていた神奈川新聞は東京都内でも購入可能で、警視庁などの合同捜査本部は、都内で購入して写真を撮り、メールに添付したとみて調べている。今年1月5日に送られたメールにも、同月4日付の神奈川新聞の写真が写っていた。

 犯人を名乗る人物からの自殺を予告するメールは昨年11月13日に報道機関などに届いた。「ミスしました。ゲームは私の負けのようです。今から首つり自殺します」などと書かれ、同日付の神奈川新聞朝刊の上にアニメキャラクターの人形が置かれた写真が1枚添付されていた。

 捜査関係者によると、この人形と同じ商品を、片山容疑者がインターネットを通じて11年に購入していたことが判明した。同容疑者の自宅の捜索では見つかっておらず、事件後に処分したとみられる。一方、人形の下に敷かれていた神奈川新聞は、同容疑者が住んでいた都内でも購入できることが分かった。 
[時事通信社]

●「真犯人別にいる」遠隔操作で逮捕の男が弁護士に
         テレ朝 2/15
遠隔操作ウイルス事件で、逮捕された30歳の男が弁護士に対し、「真犯人は別にいる。自宅や会社から証拠が出るはずがない」と話していることが分かりました。

 片山祐輔容疑者は去年8月、名古屋市の会社のパソコンを遠隔操作し、大量殺人の予告をインターネット掲示板に書き込んだ疑いが持たれています。

 接見した弁護士:「片山(容疑者)の見解によると、真犯人は別にいますよね。そういうものは(ウイルスがパソコンから)出るはずがないと言っていますよ、彼は」

 接見した弁護士によりますと、片山容疑者は、真犯人が記録媒体を埋めたとされる雲取山を去年に訪れたことや、ネコの首輪から記録媒体が見つかった江の島を先月3日に訪問したことは認めているということです。また、片山容疑者は、「警察・検察を恨んだことはない」とも話しているということです。

●遠隔操作の容疑者「職場で匿名化ソフト」 犯罪予告に使用か
          日経 2013/2/16
 パソコンの遠隔操作事件で、威力業務妨害容疑で逮捕されたIT関連会社社員、片山祐輔容疑者(30)の弁護人が15日、同容疑者が「職場で匿名化ソフト『Tor』を使ったことがある」と話していることを明らかにした。
 Torは海外のサーバーを自動的に経由させ、発信元の特定を防ぐソフト。遠隔操作による一連の犯罪予告は片山容疑者が勤務中だった平日の昼間に集中しており、警視庁などの合同捜査本部は、同容疑者が職場のパソコンで犯罪予告を繰り返していたとみて、パソコンの解析を進めている。

 捜査関係者によると、昨年8月9日に名古屋市の会社のパソコンが遠隔操作された事件に関連する無料レンタル掲示板に、片山容疑者の派遣先の会社から接続した記録が残っていた。
Torを使った接続も確認された。

 片山容疑者は2011年11月~昨年9月、東京都港区の会社にプログラマーとして派遣されていた。
 捜査本部によると、同容疑者は容疑を否認しているという。

●【なりすましウイルス】
現実空間に唯一残った痕跡、救われた警察 誤認誘う挑発 新たな「劇場型」異例の経過 

          産経 2013.2.10
 知らぬ間にパソコンが乗っ取られ、犯人に仕立て上げられる遠隔操作ウイルス事件が、誤認逮捕の発覚から約4カ月を経て、「真犯人」とみられる片山祐輔(ゆうすけ)容疑者の逮捕という新局面を迎えた。
捜査は全容解明に向けて大きく動き出したが、事件は警察の捜査力に大きな疑問符を突き付ける結果に。

警察をあざ笑い、捜査を振り回した「新たな劇場型犯罪」を振り返る。


 すべての始まりは昨年6月29日、横浜市のホームページ(HP)に書き込まれた、小学校への襲撃予告だった。
神奈川県警はIPアドレスなどから東京都内の少年の犯行と断定。県警は7月1日、威力業務妨害容疑で逮捕した。
少年は逮捕後も「何もやっていない」と否認したが、送検後に一転して容疑を認める上申書を提出。家裁送致され、保護観察処分が決定した。

 7月29日には大阪市などのHPに無差別殺人予告が届き、大阪府警が8月、吹田市内の男性を逮捕。

その後も警視庁が幼稚園への殺害予告メールで福岡市の男性を、三重県警がネット掲示板「2ちゃんねる」に伊勢神宮への爆破予告を書き込んだとして津市の男性を、それぞれ逮捕した。

「醜態さらさせたい」
 だが、9月下旬、事態が一変する。
襲撃・爆破予告の書き込みに使われたパソコンから新種のウイルスが検出され、遠隔操作できる状態だったことが判明。

 大阪、津に続き、東京地検も逮捕した男性を釈放した。
 そして10月、サイバー犯罪に詳しい落合洋司弁護士と報道機関に、犯行声明メールが届いた。

 「私が真犯人です」と題したメールは、13件の殺害・襲撃予告への関与を示唆。「『(警察に)醜態をさらさせてやりたかった』という動機が100%」ともつづっていた。
 警察当局はメールに列挙された13件の犯行予告を実際に確認。
 10月18日には、警察トップの片桐裕警察庁長官(当時)が誤認逮捕を認める事態に発展した。

 4都府県警は合同捜査本部を設置し、誤認逮捕された4人に相次いで謝罪。検察は男性3人の起訴取り消しや不起訴処分の手続きを取り、少年の保護観察処分も取り消された。

 12月に公表された捜査の検証結果では、インターネット上の住所にあたる「IPアドレス」を過大評価し、供述を十分吟味しなかった不手際を、それぞれの都府県警が認めた。
真犯人は昨年11月、報道機関などに再度メールを送りつけた。「ミスをしました。ゲームは私の負けのようです」などとし、自殺をほのめかす内容だった。

 この時点で、合同捜査本は真犯人が8月下旬、匿名化ソフトを使わずにネット掲示板に書き込むミスをしていたことをつかんでいた。真犯人が初めて見せた「動揺」だった。

 その後、真犯人が動き出したのは、年の改まったばかりの元日午前0時すぎ。
産経新聞記者などに「謹賀新年」と記したパズル形式のメールが送られてきた。解読していくと、袋に入れられた記録媒体の写真が出現。合同捜査本部は写真の位置情報などから東京都奥多摩町の雲取山の山頂付近を捜索したが、記録媒体は見つからなかった。

 1月5日には「新春パズル~延長戦~」とするパズル付きのメールを送信。真犯人が示唆した通りに神奈川県藤沢市の江の島で首輪の付いたネコが見つかり、記録媒体が回収された。

 真犯人は5日のメールで「もうメールはしない」と終結を宣言したが、江の島の防犯カメラがネコと接触する片山容疑者をとらえていた。
 警察当局は結果的に「現実空間」に残した唯一の痕跡に救われる形となった。


●「ネット犯罪捜査手法の確立必要」堀部政男・一橋大名誉教授の話
    産経 2013.2.10
 インターネットを舞台にした犯罪だったが、容疑者逮捕の決め手になったのは防犯カメラの映像という「アナログ」なものだった。
ネット犯罪の捜査が難しいことがあらためて裏付けられた。摘発に有効な捜査手法を確立する必要があるだろう。
例えば容疑者が海外に住んでいたら、捜査はもっと難航したはずだ。ネットに国境はない。
海外諸国とより連携を深めて情報交換を進めないと、こうした事件の解決は難しいのではないか。

●「良心頼るしかないのが実情」ノンフィクションライター、渋井哲也さんの話
        産経 2013.2.10
 警察はこれまで、単純にIPアドレスや通信記録をたどって犯人を特定する手法で捜査していたが、今回の事件で、こうしたやり方では誤認逮捕を生む恐れのあることが露呈した。
今後はパソコンが遠隔操作されている可能性も念頭に置いて捜査すべきだ。
ネットへの不適切な書き込みを防ぐために実名での利用を義務付けても、他人のパソコンを使うなどの抜け道があるし、日本のネット文化が衰退することも考えられる。

結局はネットユーザーの良心に頼るしかないのが実情だ。


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