パチン。乾いた音がして、タマが飛び出した。タマはミッキーの眉間を正確に捉えていた。が、しかし、ミッキーは少しも位置が変わらなかった。オレはもう一発タマをこめて、今度はミッキーの耳を狙った。できるだけ高い位置へ衝突エネルギーを与える事で、ミッキーをひっくり返せると思ったからだ。パチン。タマが耳に向かって飛んで・・・・・・。しかし、今度は、タマがそれた。どうやら、打ち出したタマは回転していないため、飛翔するタマの周りの空気の流れに揺らぎが生じ、そのためタマが空中でゆらゆら揺れてしまうようだ。つまりは、回転をかけない様にして投げた野球のボールが、バッターの手前で揺れながらストンと落ちるフォークボールと同じ原理だ。これを防ぐにはタマにらせん状の傷をつけてタマに回転を与えるしかないが、傷をつけたりしたら、中国人のオヤジが怒るだろう。
オレは作戦を変えた。名付けてショットガン打撃法だ。オレはありとあらゆる武器に精通しているから、その武器の欠点をすぐさま見抜くことができる。このライフルの欠点は、タマの重さが軽い事。このために弾道が不安定で、的に当っても衝撃力が弱いためターゲットを打ち落とすことができない。しからば、2丁のライフルを同時に撃って、2個の弾がターゲットに衝突するその衝撃を利用する。最悪のばあい、タマの弾道が不安定でも、どちらかのタマがターゲットに当るかもしれない。
「オヤジ。ライフルをもう一丁だ」
オレは、かがみこんだ姿勢で、動かない右手をなんとか台の上に伸ばして固定して銃を構えると、左手でもう一丁の銃を構えた。台が低いため、無理な姿勢になるのでしばらく構えていると腰が痛くなる。弾が2発ともミッキーマウスに当って棚から転がり落ちるイメージを頭に思い浮かべていると、中国人のオヤジが文句を言ってくる。しかし、オレはサングラスをした目でにらみ返し、オヤジをだまらせる。
引き金を引いた。タマは2発とも、狙い通りに同時にミッキーマウスの頭部にあたった。しかし、ミッキーはその場でぴくりとも微動だにしなかった。
<やるな、オヤジ>
どうやら、ミッキーマウスは、棚に接着剤かなんかで固定されているようだ。だから、タマがあたっても絶対に落ちるはずはない。
オレは大きく息を吐くと、ライフルを台の上に放り投げた。オレは見守っていた女の子に、今日は調子が悪いから、明日、かならず落とす旨を伝えて明日の晩会う約束をした。そして、オレは店のオヤジに告げた。
「オヤジ。また来る」
オレはリベンジを誓ったのだ。
(明日に続く)
オレは作戦を変えた。名付けてショットガン打撃法だ。オレはありとあらゆる武器に精通しているから、その武器の欠点をすぐさま見抜くことができる。このライフルの欠点は、タマの重さが軽い事。このために弾道が不安定で、的に当っても衝撃力が弱いためターゲットを打ち落とすことができない。しからば、2丁のライフルを同時に撃って、2個の弾がターゲットに衝突するその衝撃を利用する。最悪のばあい、タマの弾道が不安定でも、どちらかのタマがターゲットに当るかもしれない。
「オヤジ。ライフルをもう一丁だ」
オレは、かがみこんだ姿勢で、動かない右手をなんとか台の上に伸ばして固定して銃を構えると、左手でもう一丁の銃を構えた。台が低いため、無理な姿勢になるのでしばらく構えていると腰が痛くなる。弾が2発ともミッキーマウスに当って棚から転がり落ちるイメージを頭に思い浮かべていると、中国人のオヤジが文句を言ってくる。しかし、オレはサングラスをした目でにらみ返し、オヤジをだまらせる。
引き金を引いた。タマは2発とも、狙い通りに同時にミッキーマウスの頭部にあたった。しかし、ミッキーはその場でぴくりとも微動だにしなかった。
<やるな、オヤジ>
どうやら、ミッキーマウスは、棚に接着剤かなんかで固定されているようだ。だから、タマがあたっても絶対に落ちるはずはない。
オレは大きく息を吐くと、ライフルを台の上に放り投げた。オレは見守っていた女の子に、今日は調子が悪いから、明日、かならず落とす旨を伝えて明日の晩会う約束をした。そして、オレは店のオヤジに告げた。
「オヤジ。また来る」
オレはリベンジを誓ったのだ。
(明日に続く)