tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

Gの夏祭り(7)

2007-08-09 20:04:23 | 日記
そして、翌日。オレは成田空港で、香港の会社の配達人からシリコンゴム製の弾頭をつけた銃弾100発を受け取ると、すぐさま高速に飛び乗り、いくつかのインターチェンジを乗り継いで、人気のない山の中までやってきた。車のトランクからアーマライトM16改造銃を取り出すと、火薬量を1/4に減らした銃弾をローディングした。射程距離は50メートル。木立の間から木に貼り付けた紙の的を狙って試射する。2発を試射したところで、オレは的まで近づいて銃痕を確かめた。同心円を描いた紙の的には、そのど真ん中に2発の銃痕があり、かつ、打ち抜かれた紙の後ろの木の幹にはなんの傷もついていない。シリコンゴム製の弾頭は思った以上に、衝撃が少なそうだった。いつもなら、購入した100発の弾丸の80発を試射した上で残りの20発を実際に使うのだが、日も暮れかけている上、深い山の中とはいえ銃声を聞かれると騒ぎになりかねない。オレは試射を2発のみにとどめて、さっそく夏祭りの会場に向かった。
昨夜と同じように境内は献燈の灯りが浮かび上がり、露店を冷やかす客で境内は大賑わいだった。
昨夜の射的の夜店に着くと、そこには昨日の男がすでに待っていた。オレは小型のレシーバーを男に渡し、男にすべき事を伝えた。話は簡単だ。補聴器型のレシーバーを耳につけ、オレが無線で撃ていったら引き金を絞るだけでよい。打ち落としたミッキーマウスを、昨日の少女を探して手渡す。
オレは、謝礼の10万円の入った封筒を男に渡しながら、以上の説明した。男の話を聞けば、ヤツは無能の会社員で窓際族らしい。暇なので雑文を書いてブログにあげているとのこと。この祭りに来たのも、ブログに書くネタを探してのことらしい。もうすぐオレも、高性能の小型爆弾が使われ出したら個人経営ながら窓際族になってしまうかもしれず、人事ではないような気がして、彼にネタを提供することにした。すなわち、今回の仕事を文章にまとめてヤツに送ることにしたのだ。うまく行けば、宣伝となって仕事の依頼が来るかもしれない。まあ、ヤツとはこれきりもう会うこともないだろう。
(明日に続く)