tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

屋久島 山の神々

2009-12-01 22:34:19 | プチ放浪 山道編

 
 
 
 

【撮影地】鹿児島県熊毛郡上屋久町白谷(屋久島自然休養林)(2009.11月撮影)
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今日から師走。高度成長期に活躍した全日空の「モヒカンジェット」が20年ぶりに復活し羽田空港を飛び立ったようだ。海外旅行への象徴であった垂直尾翼の「レオナルド・ダ・ビンチのヘリコプター」に、当時はあこがれたものだった。あれから40年。時の流れは速い。。
長らく書きなぐってきた屋久島のトピックスも、そろそろ鎌倉の紅葉の話題に切り替えないと季節に置いていかれそうだ。

屋久島は、別名 「洋上アルプス」と呼ばれ、黒潮の真っ只中から一気に屹立する。島の中央には九州最高峰の宮之浦岳(1935m)をはじめとし、永田岳(1886m)、栗生岳(1867m)、黒味岳(1831m)、扇岳(1860m)、安房岳(1847m)、筑紫岳(1830m)など、1800mを越す山々が重畳と連なり、奥岳として九州最高稜の神域をなしている。
また、奥岳の山々のほかに、島の外周に沿って周囲岸壁からなるモッチョム岳、七五岳、破沙岳、割石岳の鋭鋒、そのほか、愛子岳、国割岳、鈴岳、羽神岳の1000mほどの秀峰が沿岸を美しく彩り、前岳として島の人々の生産活動域を担ってきた。

台風銀座と呼ばれる屋久島。台風は島に莫大な被害をもたらしてきた。山間部では、樹木がなぎ倒され、倒木が道を塞ぎ、海岸線では海水を伴って強風が吹き荒れ、周囲の樹木は塩害でやられて枯れ果てる。人間は自然の前では無力な生き物でしかなく、祈りをささげることしかできない。

屋久島に伝わる「山の神祭り」は、「神様が山を歩き回る日」とか「神様が木を数える日」とか、諸説あるのだが、とにかくこの日は、山仕事に従事するものはガイドも含めて山には入らない。そして、麓で宴を開いて、日頃の山の恵みに感謝をして過ごす。旧暦の正月、5月、9月と年3回行われる毎年恒例の行事だ。

実は山の神が女性であったという伝承は、日本各地、北から南にかけ国土山地に広く分布する。
山村民が守護神として信仰する山の神は、すなわち農神だ。多くの地方で、山の神は年々歳々、山と里の間を去来するという言い伝えがある。つまり、山の神は春に山から里に下り、田の神となって稲作と守り、秋には収穫をもたらして山に帰る。そして、正月には歳神様〔としがみさま〕として、ほかの多くの神様とともに凱旋するのだろう。
良い子には一つ「歳」をくれるが、悪い子は縛って山へ連れていくという、それはそれは恐ろしい神様だ。

恐ろしいものが存在するというありがたさ。人間が頭に乗って愚かなことを仕出かしてしまうことを防いでくれている。
屋久島各地の「山の神」たち。今頃は屋久島の峰嶺で今年の収穫を祝って、正月まで続くおしゃべりでもしているのだろうか。
了。


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