庵野総監督の「シン・ゴジラ」を、7月30日(土)見てきた。
本作は、各映画サイトやブログでも、賛否両論である。見おわって感じたことは、この映画はSF映画なのか、政治ドラマなのか、記録映画モドキ(ドラマ)なのかということ。
どこを目指したのか、かなり振れ幅のある作品とに思えた。
ものがたり世界に登場する「未確認巨大生物」ゴジラ。突如東京湾に現れ、破壊をつくす。未曾有の大事件、厄介者であるそれに対応し、右往左往する人間、政治家たち。ウェブで映画批評を見ると、政治家たちの様子、自衛隊によるゴジラ攻撃、ゴジラに破壊された街、それぞれが際立っていることが、ほめられていたり批判されていたりする。
メインキャストの長谷川博己さん(内閣官房副長官矢口)、竹野内豊さん(総理大臣補佐官赤坂)、石原さとみさん(米国大統領特使カヨコ・アン・パターソン)がそれぞれいい。
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ややネタバレになるが、、、
ゴジラのビジュアルは納得の出来映え。ただしこのゴジラが、最初から僕たちの見慣れたあれではない。「変態」(「変化」「進化」)するのである。
ゴジラの襲来による津波、都市(一般家屋・高層ビル)崩壊の様子、ゴジラによる核災害は、3.11を思い出させる。
足音は第1作と同じに聞こえた。大地を揺るがす、あの「ズドオン」である。
劇伴にエヴァのもの「流用」されている。もちろん伊福部昭によるものも多用されている。伊福部の音楽、不覚にも涙が出た。
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60年前の第1作のゴジラは「核の落とし子」「人間が生み出した恐怖」の象徴として描かれた。本作のゴジラは「人類のエゴによる環境破壊」の象徴のように見えた。エゴの結果、最も進化してしまった存在、それが本作のゴジラである。
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そもそも「シン」の表すものは何だろう。新、真、神。。。いろいろ考えさせられた。
庵野秀明総監督の「特撮映画」「怪獣映画」「ゴジラへのリスペクト・ラブ満載」の作品。突っ込みどころが満載。でも、それだけ話題になる映画である。本作は子どもだけではなく、大人をターゲットにしたこの夏MUSTものの1本である。
☆4.0以上。