そんな見出しのニュースを15日(月)ネットで見つけた。「英紙サンデー・タイムズ」とあったので、調べてみた。 | |
Brexit ‘will be delayed until end of 2019’ |
Brexitは2019年の後半にずれ込むだろう。
イギリスは2019年の後半までEU残留の可能性。予測されていたよりも、ほぼ1年遅れ。
+++++ +++++
このニュースを読んで考えたことは、イギリスの次の庶民院(下院)総選挙との兼ね合いである。
イギリス庶民院総選挙は、’15年5月に行われたばかり。庶民院の議員任期は5年なので、現議員任期は’20年まで。なお、日本の衆議院同様庶民院にも解散(総選挙)があるが、日本の衆議院より、解散しにくい仕組みになっている。
Parliament normally sits for a maximum term of five years. Formerly, the prime minister could choose the timing of the dissolution of parliament until the maximum term had elapsed, with the permission of the Monarch. However, since the Fixed-term Parliaments Act 2011, terms are now a fixed five years, and an early general election can be brought about only by either a two-thirds majority in favour of a motion for a dissolution, or a vote of no-confidence that is not followed within fourteen days by a vote of confidence (which may be for confidence in the same government or a different one). By this second mechanism, the government of the United Kingdom can change without an intervening general election.
任期満了前の解散は、女王陛下のの許可を得て可能だった。
「2011年の固定任期会議法(?)」により、任期は5年に確定。解散は庶民院(議員)3分の2以上の同意か、不信任投票可決後、14日以内に信任投票可決がないに限られる。ただし、不信任投票の可決後、何らかの内閣改造、政権移動により信任された場合、総選挙をせずに英国政府が「変わる」ことが可能である。
+++++ +++++
現在の英国政府は保守党が単独過半数。よほどのことがない限り、不信任投票が通ることはない。テリーザ・メイ内閣が立ち往生することはないだろう。ただし、EUからの離脱作業がはじまれば、「もう一度投票させて」がどの程度の政治的圧力になるかわからない。
保守党、労働党の次の議席数を占めるのはSNP(スコットランド国民党)である。SNPはスコットランドにおける庶民院議席のほぼすべてを握っている。そしてEU離脱を問う国民投票において、スコットランドの民意は離脱反対である。まだまだ先は見えない。