第2次世界大戦まで、天皇陛下のお体をさして、「玉体(ぎょくたい)」と言い表していた。玉体(=天皇陛下)から発せられる音(=声)で、「玉音放送」である。
日本史の教科書にも取り上げられているが、一般的に玉音放送とは、1945年(昭和20年)8月15日の昭和天皇による終戦の詔書(大東亜戦争終結ノ詔書、戦争終結ニ関スル詔書)の音読放送を指す。当時はTV放送はまだなく、ラジオだけなので「音」なのだ。
8日に放送された天皇陛下の「象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば(平成28年8月8日)」のことを、ジャーナリストの田原総一朗氏が、「昭和天皇の玉音放送に匹敵する・・・」と述べたようだ。ニュースで見た新宿アルタ前の人々がスクリーンを見上げるさまは、終戦の玉音放送を聞き、皇居前広場に土下座する国民の姿と重なるところがあった。社会にあたえた影響は確かにあると思う。
僕たちは見ないふりをしていた問題を、宿題としてあたえられた。
長崎原爆忌。仕事をしながらいろいろなことを考えた。