この夏まで一緒に仕事をしていたALTから、出身地のお土産品(ポストカード、音楽CD等)が勤務校に届いた。その中にALTの応援する(?)、サッカーチームのステッカーを見つけた。1枚もらうことにした。
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チーム名は、Portland Timbers(ポートランド・ティンバーズ)という。アメリカMLS(メジャーリーグサッカー,日本ならJ1)に所属するクラブである。
Timbers?
初見で「木こり」と思ったが、木こりはfaller、logger、lumberjack、woodcutterである。どれとも違う。
材木?
おもしろい名前だなあと思った。
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timberを複数形で使う、別の言い方をすれば可算名詞として使う。どんな意味だろう。きちんと調べることにした。
英語の名詞には、不可算名詞と可算名詞がある。通常前者に複数形はない。
不可算名詞
①(製材した)材木,角材,板材
timberは角材・板材などに加工した材木。
woodは樹皮をむき、建築その他の用途に整えた材木。
②[集合的に](建築用材としての)樹木,立ち木
可算名詞
梁(はり)、[複数形で]船材,肋材(ろくざい)
動詞
木材で建てる,木材を用いる,木材で支える(timber up)
間投詞
「倒れるぞ~」
チームのウェブサイトを見てみた。ロゴマークは「木こりの斧」と山並み(?)が描かれている。
現在のチームは2011年シーズンからMLSに加盟。しかし、1970年代にアメリカに存在したNorth American Soccer Leagueにも同名のものがあり、当時のロゴマークも現チームのものに似ている。
チームのマスコットはTimber Joeyという。チームが得点すると、丸太を輪切りにして、ゴールの後ろに並べるらしい。なかなかの徹底ぶりである。
いろいろ調べて見ても、「木こり」の意味はないようだ。*timbが動詞ならば、~する人にもなるだろうが、違うのだ。
「s」の付かない”Portland Timber”ならば、「樹木」「立ち木」であるし、timbersならば、船材、梁である。
・・・どうなっているのかな。
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アメリカには、いわゆる4大ポーツリーグがある。野球、フットボール、バスケットボール、アイスホッケーのリーグである。これらにサッカーを加えて「4.5」という場合もある。
ちょっとでもアメリカのプロスポーツに興味がある人が見ればすぐ気がつくことだが、サッカーはチームのニックネームの付け方が少々異なる。サッカー以外はほぼ「可算名詞の複数形」である。特徴として、以下のことが言える。
・可算名詞の複数形の形にこだわらない。
・抽象概念をニックネームにする。
Impact、Union、United
これらの例はサッカー以外にもあるが、20チームのMLSで3チームは15%である。多いと思う。
可算名詞の複数形は6チームである。
・そもそもニックネームがない。
地名+FC、地名+SC
逆並び(FC+地名)を含めて4チーム。
・植物をニックネームにする。
timber
植物をニックネームにしているのは、Toronto Maple Leafs(アイスホッケー)くらいだろう。
かなりめずらしいと思う。