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高校生の安藤純(神尾楓珠)は自分がゲイであることを隠している。 ある日、書店でクラスメイトの三浦紗枝(山田杏奈)が、男性同士の恋愛をテーマとした、いわゆるBLマンガを購入しているところに遭遇。BL好きを隠している紗枝から「誰にも言わないで」と口止めされ、そこから2人は急接近。しばらしくて、純は紗枝から告白される。 |
「自分も“ふつう”に女性と付き合い、“ふつう”の人生を歩めるのではないか?」
一縷の望みをかけ、純は紗枝の告白を受け入れ、付き合うことになったのだが...
今年下半期、自分的に大注目女優・山田杏奈さんの出演作である。
三浦紗枝(山田杏奈)
山田さんをスクリーンで見るのは「ひらいて」に続いて今年二作目。同作の木村愛より三浦紗枝は、もっと学校にいそうな感じ。普通に存在する女子高生だと思えた。
紗枝はBL好きを隠しながら生きている。そして彼女が好きになったのが純。VVから(彼女から見ると)Wデートで裏切られる。
好きな純がゲイであったという現実を受けとめきれず、戸惑う。かなり大変な高校生活である。
安藤純(神尾楓珠)
設定を理解した上で見ているからだと思うけど、本当にそう見えた。繊細な若者。自分を守り、周囲を戸惑わせないため、壁を築き、懸命に生きる。同調圧力の中、息苦しさが伝わる。普通を求めもがく。
オンラインつながりのMr. ファーレンハイトの自死。そして予期せぬ形で自分がゲイであることが表に出てしまい、自死を図る。
高岡亮平(前田旺志郎)
純の幼なじみ。明確にセリフには出ていないが、純のセクシュアリティーを知っている。
小野雄介(三浦獠太)
一番普通にいる高校生の立ち位置の若者役。純の自死(未遂)の直接的な原因になる。
メインの4人、それぞれがもがいている。
純と恋人の佐々木誠(今井翼)との関係も、アウティングの問題も、現実世界では、あんなにきっちりとは済まないだろう。純と母親みづき(山口紗弥加)が、あんなにすぐわかり合えるとも思えない。純の自死未遂後のクラス討議も---色々感じるところはある。学校の先生目線で見てしまった部分もある。考えさせられることが多い作品だ。
キャスト情報を入れずに見て大正解。
神尾楓珠さん
初めて見る俳優さんと思っていたが、調べるとモーターボート競走のCM(「ボートレーサーになりたい」の主役)の丸刈り青年役。なお、同CMのヒロインは、「ひらいて」の芋生悠さんである。
前田旺志郎さん
あの「まえだまえだ」の弟、俳優さんである。ものがたりの回し役・亮平を演じている。いい若手俳優だ。
三浦遼太さん
なんだか「暗殺教室」の赤羽業役の菅田将暉さんを見たときの印象に似ている。知らない人だけど、存在感を残す俳優に思えた。プロフィールを見て驚いた。KING KAZUと三浦りさ子の息子!
よかった、事前情報なしで。
(文中一部敬称略)
生徒に勧めてもいいかな。