遺書 あなたが死んだら会社はどうなる？

　標記は、日経ベンチャー９月号の特集記事。

　とかく、「事業承継」という言葉が用いられるが、これは、子に会社を継がせることを前提として、いかに相続税を払わないようにするかという点に終始しがちである。しかし、企業というのは本来人的結合体であり、「財産」よりはむしろ「経営」という点から承継問題は語られねばならない。
　したがって、経営者は常に「自分がいま死んだら会社（経営）はどうなる？」を念頭に企業経営を行なわねばならないし、もしもの時にはしかるべき経営承継がなされるように布石を打っておかねばならない。
　遺志を明確にという点では、毎年遺言書を書き、更新して行くことが経営を見つめ直すという意味でも重要。また、「会社支配権（株式）の相続」という点からは、単に遺言により相続人を指定しておくのみならず、種類株式（議決権のない株式）の活用により議決権の分散化を避けることも検討する必要があろう。