http://mainichi.jp/select/today/news/20080603k0000m040103000c.html
新銀行東京は、欠損を填補をするために、約1000億円の減資を行うことを発表。「減資」といっても、資本金の額の減少手続と資本準備金の額の減少手続を同時に行うものである。
新銀行東京の最終の事業年度に係る貸借対照表は、決算短信6頁に掲載されている。
http://www.sgt.jp/about/newsrelease/pdf2008/080602a.pdf
そして、決算期(3月)の後、増資が行われている。
http://www.sgt.jp/about/newsrelease/pdf2008/080423.pdf
したがって、現在の資本金の額は、金806億9300万円、資本準備金の額は、782億200万円である。
銀行法及び同施行令により、資本金の額は、20億円以上である必要がある(銀行法施行令第3条)から、目一杯786億9300万円を減少させて、残余について資本準備金の額を減少させる、であろうか。
なお、資本金の額の減少については、内閣総理大臣の認可を受けなければならない(銀行法第5条第3項)。
銀行法
(資本金の額)
第5条 銀行の資本金の額は、政令で定める額以上でなければならない。
2 前項の政令で定める額は、10億円を下回つてはならない。
3 銀行は、その資本金の額を減少しようとするときは、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
銀行法施行令
(最低資本金の額)
第3条 法第5条第1項 に規定する政令で定める額は、20億円とする。
なお、減資によって東京都の出資額約850億円が消失する旨の報道があちこちでなされているが、既に消失している(欠損が生じている。)のであって、減資は、単なる会計処理に過ぎない。