司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

差押え品のネットオークション盛行

2008-06-03 18:20:46 | いろいろ
http://www.asahi.com/national/update/0602/OSK200806020033.html

 役所が差し押えした物がネットオークションにかけられており、一大マーケットになりつつあるようだ。

 となると、何らかの手続の際にも、迂闊に廃棄処分するよりも、とりあえずネットオークションにかけてみて、ということになろうか。
コメント

取締役権利義務者の辞任の可否

2008-06-03 17:47:08 | 会社法(改正商法等)
 株式会社アデランスホールディングスの事件で、取締役権利義務者が生じたことから、その辞任の可否が話題となっている。
http://kaishahou.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/post_a20d.html

 旧商法下の登記実務においては、取締役権利義務者の辞任は不可とされていたが、会社法の下でも、「取締役の権利義務を有する者は、その地位が法律の規定により与えられたものであるため、辞任することはできず、また、株主総会の決議により解任することもできない」(松井信憲著「商業登記ハンドブック」(商事法務)406頁)と解されている。

 解任ついては、先般、最高裁の判決が出ている。

cf. 平成20年2月26日付「取締役権利義務承継者の解任の可否(最高裁判決)」

 ここで、株式会社アデランスホールディングスのケースでは、取締役権利義務者が9名、新任取締役が2名であり、定款の規定が「12名以内」の取締役会設置会社であるところから、利害関係人の申立てにより、一時取締役の職務を行うべき者1名の選任がなされれば、取締役権利義務者9名全員が退任(権利義務を負う状態の終了)に追い込まれるようにも思われる。

 しかし、会社法施行に伴い監査役が任期満了となった事案で、仮監査役の選任が認められなかったことから、上記の場合、「取締役権利義務者が存しているので、取締役が欠けたる状態ではなく、仮取締役を選任する必要はない」との判断がなされるものと思われる。

cf. 平成18年5月22日付「会社法施行に伴う仮監査役選任申立は不要」

 したがって、速やかに臨時株主総会を開催して、後任取締役を選任するしかないということになる。
コメント (2)

定時株主総会において選任決議をした会計監査人の就任辞退

2008-06-03 16:27:01 | 会社法(改正商法等)
http://www.c-direct.ne.jp/public/japanese/uj/pdf/10101400/20080602153716.pdf

 定時株主総会において、会計監査人を選任する決議をしたにもかかわらず、当該監査法人から就任を辞退されてしまった、ということである。会計監査人に関しては、権利義務承継規定が存しないので、定時株主総会終結の時から、会計監査人が欠けた状態となる。

 当該会社は、会社法第346条第4項及び第6項の規定に基づき、一時会計監査人の職務を行うべき者を選任しなければならない。
コメント

金融機関、事業承継ビジネスを強化

2008-06-03 09:54:13 | 会社法(改正商法等)
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008060300044&genre=B1&area=K00

 京滋の金融機関が事業承継ビジネスを強化している。「特に京都は株式の分散が進んだ老舗が多い」ため、その点をどう克服するかがポイントとなる。
コメント

「買収防衛策の前に取締役の忠実義務の確保を」

2008-06-03 01:53:27 | 会社法(改正商法等)
「買収防衛策の前に取締役の忠実義務の確保を」
http://markets.nikkei.co.jp/column/rashin/article.aspx?site=MARKET&genre=q7&id=MMMAq7000030052008

 企業年金連合会の立場からの買収防衛策流行に対する警句である。

コメント

新銀行東京、約1000億円の減資

2008-06-03 00:51:47 | 会社法(改正商法等)
http://mainichi.jp/select/today/news/20080603k0000m040103000c.html

 新銀行東京は、欠損を填補をするために、約1000億円の減資を行うことを発表。「減資」といっても、資本金の額の減少手続と資本準備金の額の減少手続を同時に行うものである。

 新銀行東京の最終の事業年度に係る貸借対照表は、決算短信6頁に掲載されている。
http://www.sgt.jp/about/newsrelease/pdf2008/080602a.pdf

 そして、決算期(3月)の後、増資が行われている。
http://www.sgt.jp/about/newsrelease/pdf2008/080423.pdf

 したがって、現在の資本金の額は、金806億9300万円、資本準備金の額は、782億200万円である。

 銀行法及び同施行令により、資本金の額は、20億円以上である必要がある(銀行法施行令第3条)から、目一杯786億9300万円を減少させて、残余について資本準備金の額を減少させる、であろうか。

 なお、資本金の額の減少については、内閣総理大臣の認可を受けなければならない(銀行法第5条第3項)。


銀行法
 (資本金の額)
第5条 銀行の資本金の額は、政令で定める額以上でなければならない。
2 前項の政令で定める額は、10億円を下回つてはならない。
3 銀行は、その資本金の額を減少しようとするときは、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。

銀行法施行令
 (最低資本金の額)
第3条  法第5条第1項 に規定する政令で定める額は、20億円とする。


 なお、減資によって東京都の出資額約850億円が消失する旨の報道があちこちでなされているが、既に消失している(欠損が生じている。)のであって、減資は、単なる会計処理に過ぎない。
コメント