司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

「会社分割に伴う不動産の所有権の移転登記等の税率の軽減」の整理

2012-04-05 18:11:42 | 会社法(改正商法等)
 改正後の租税特別措置法第81条第1項の規定に,「なお従前の例による」場合を織り込むと,次のとおりである。このように改正すれば,わかりやすかったのに。


租税特別措置法
 (会社分割に伴う不動産の所有権の移転登記等の税率の軽減)
第81条 株式会社が、平成18年4月1日から平成27年3月31日までの間に新設分割又は吸収分割により不動産に関する権利を取得し、当該不動産に関する権利の移転について登記を受ける場合には、当該登記に係る登録免許税の税率は、財務省令で定めるところにより当該新設分割又は当該吸収分割により当該権利を取得した日以後3年以内に登記を受けるものに限り、登録免許税法第9条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる事項の区分に応じ、当該各号に定める割合とする。

 一 所有権の移転 ①から④までに掲げる場合の区分に応じ①から④までに定める割合
  ① 平成21年4月1日から平成23年3月31日までに新設分割又は吸収分割を行つた場合 1000分の8
  ② 平成23年4月1日から平成24年3月31日までの間に新設分割又は吸収分割を行つた場合 1000分の13
  ③ 平成24年4月1日から平成26年3月31日までに新設分割又は吸収分割を行つた場合 1000分の15
  ④ 平成26年4月1日から平成27年3月31日までの間に新設分割又は吸収分割を行つた場合 1000分の18
  ※ 平成27年4月1日以後に新設分割又は吸収分割を行つた場合 1000分の20

 二 地上権、永小作権、賃借権又は採石権の移転 ①から④までに掲げる場合の区分に応じ①から④までに定める割合
  ① 平成21年4月1日から平成23年3月31日までに新設分割又は吸収分割を行つた場合 1000分の4
  ② 平成23年4月1日から平成24年3月31日までの間に新設分割又は吸収分割を行つた場合 1000分の6.5
  ③ 平成24年4月1日から平成26年3月31日までに新設分割又は吸収分割を行つた場合 1000分の7.5
  ④ 平成26年4月1日から平成27年3月31日までの間に新設分割又は吸収分割を行つた場合 1000分の9
  ※ 平成27年4月1日以後に新設分割又は吸収分割を行つた場合 1000分の10

 三 先取特権、質権又は抵当権の移転 ①又は②に掲げる場合の区分に応じ①又は②に定める割合
  ① 平成21年4月1日から平成23年3月31日までに新設分割又は吸収分割を行つた場合 1000分の1.4
  ② 平成23年4月1日から平成24年3月31日までの間に新設分割又は吸収分割を行つた場合 1000分の1.8
  ※ 平成24年4月1日以後に新設分割又は吸収分割を行つた場合 1000分の2

 四 根抵当権の法人の分割による移転 ①又は②に掲げる場合の区分に応じ①又は②に定める割合
  ① 平成21年4月1日から平成23年3月31日までに新設分割又は吸収分割を行つた場合 1000分の1.4
  ② 平成23年4月1日から平成24年3月31日までの間に新設分割又は吸収分割を行つた場合 1000分の1.8
  ※ 平成24年4月1日以後に新設分割又は吸収分割を行つた場合 1000分の2

2~6 【略】
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会社分割に伴う不動産の所有権の移転登記等の税率の軽減

2012-04-05 17:39:40 | 会社法(改正商法等)
 「会社分割に伴う不動産の所有権の移転登記等の税率の軽減」(租税特別措置法第81条)については,適用期限は延長されるものの,大幅に改正された。会社分割による根抵当権の移転の登記の税率の軽減(旧第81条第1項第4号)は,廃止された。

 平成24年4月1日改正後の租税特別措置法第81条第1項の規定である。

租税特別措置法
 (会社分割に伴う不動産の所有権の移転登記等の税率の軽減)
第81条 株式会社が、平成18年4月1日から平成27年3月31日までの間に新設分割又は吸収分割により不動産に関する権利を取得し、当該不動産に関する権利の移転について登記を受ける場合には、当該登記に係る登録免許税の税率は、財務省令で定めるところにより当該新設分割又は当該吸収分割により当該権利を取得した日以後3年以内に登記を受けるものに限り、登録免許税法第9条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる事項の区分に応じ、当該各号に定める割合とする。
 一 所有権の移転 イ又はロに掲げる場合の区分に応じイ又はロに定める割合
  イ 平成26年3月31日までに新設分割又は吸収分割を行つた場合 1000分の15
  ロ 平成26年4月1日から平成27年3月31日までの間に新設分割又は吸収分割を行つた場合 1000分の18
 二 地上権、永小作権、賃借権又は採石権の移転 イ又はロに掲げる場合の区分に応じイ又はロに定める割合
  イ 前号イに掲げる場合 1000分の7.5
  ロ 前号ロに掲げる場合 1000分の9
2~6 【略】


 ただし,次のとおりの経過措置が定められている。したがって,平成24年4月1日以降に登記を申請する場合であっても,権利を取得したのが平成21年4月1日から平成24年3月31日までである場合には,「権利を取得した日以後3年以内に登記を受けるもの」の要件を満たす限り,旧第81条第1項の規定が適用される。

改正附則
 (登録免許税の特例に関する経過措置)
第42条 1~4 【略】
5 新租税特別措置法第81条第1項の規定は、株式会社が、施行日以後に新設分割又は吸収分割により不動産に関する権利を取得する場合における同項各号に掲げる事項についての登記に係る登録免許税について適用し、施行日前に新設分割又は吸収分割により不動産に関する権利を取得した場合における旧租税特別措置法第81条第1項各号に掲げる事項についての登記に係る登録免許税については、なお従前の例による。
6~9 【略】


 「なお従前の例による」場合の平成24年4月1日改正前の条文である。


租税特別措置法
 (会社分割に伴う不動産の所有権の移転登記等の税率の軽減)
第八十一条  株式会社が、平成十八年四月一日から平成二十四年三月三十一日までの間に新設分割又は吸収分割により不動産に関する権利を取得し、当該不動産に関する権利の移転について登記を受ける場合には、当該登記に係る登録免許税の税率は、財務省令で定めるところにより当該新設分割又は当該吸収分割により当該権利を取得した日以後三年以内に登記を受けるものに限り、登録免許税法第九条 の規定にかかわらず、次の各号に掲げる事項の区分に応じ、当該各号に定める割合とする。
 一 所有権の移転 イ又はロに掲げる場合の区分に応じイ又はロに定める割合
  イ 平成二十三年三月三十一日までに新設分割又は吸収分割を行つた場合 千分の八
  ロ 平成二十三年四月一日から平成二十四年三月三十一日までの間に新設分割又は吸収分割を行つた場合 千分の十三
 二 地上権、永小作権、賃借権又は採石権の移転 イ又はロに掲げる場合の区分に応じイ又はロに定める割合
  イ 前号イに掲げる場合 千分の四
  ロ 前号ロに掲げる場合 千分の六・五
 三 先取特権、質権又は抵当権の移転 イ又はロに掲げる場合の区分に応じイ又はロに定める割合
  イ 第一号イに掲げる場合 千分の一・四
  ロ 第一号ロに掲げる場合 千分の一・八
 四 根抵当権の法人の分割による移転 イ又はロに掲げる場合の区分に応じイ又はロに定める割合
 イ 第一号イに掲げる場合 千分の一・四
 ロ 第一号ロに掲げる場合 千分の一・八
2~6 【略】
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登録免許税に関するお知らせ(不動産登記関係)

2012-04-05 09:58:11 | 不動産登記法その他
登録免許税に関するお知らせ(不動産登記関係)by 法務省
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00108.html

 租税特別措置法第72条関係及び租税特別措置法第84条の5関係です。
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