司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

特定非営利活動促進法の一部を改正する法律の施行に伴う法人登記実務の取扱いについて

2012-04-12 20:06:29 | 法人制度
 民事月報Vol.67 No.2に,「特定非営利活動促進法の一部を改正する法律の施行に伴う法人登記実務の取扱いについて」が掲載されている。
 
 標準的なケースとしては,改正法の施行の際,理事が任期中であり,その後,理事の任期満了前に改正法対応の登記をする場合であろうが,いわゆる「代表権の全部を制限されている理事について,代表権喪失の登記」をすればよい。しかし,こうした標準形以外に,いろいろなケースが考えられる。

 上記民事月報の記事では,事例ごとに整理されているので,要点のみ取り上げる。


(1)改正法の施行の際,理事の任期が既に満了し,その後任者を選任していない特定非営利活動法人における理事の代表権に関する登記

① 理事全員の任期満了による退任の登記
② 代表権を有する理事の就任の登記

 ただし,②の登記にあたっては,後任理事の選任について,所要の手続を踏む必要がある。
cf. 平成22年3月27日付「医療法人の理事の任期と平成18年改正医療法の経過措置について」



(2)改正法の施行の際,理事の任期満了による後任者の選任はしているが,これに伴う理事の退任の登記及び後任者の就任の登記をしていない場合

① 理事全員の任期満了による退任の登記
② 後任の理事全員について就任の登記 ※①②セットで「重任」を含む。
③ 代表権の全部を制限されている理事について,代表権喪失の登記



(3)改正法の施行の際,理事が任期中であり,その後,理事の任期満了による後任者の選任をした場合

① 代表権の全部を制限されている理事について,代表権喪失の登記
② 代表権を有する理事の退任の登記
③ 後任の代表権を有する理事について就任の登記 ※②③セットで「重任」を含む。


 また,改正法対応の登記がされていない特定非営利活動法人について,代表者事項証明書又は印鑑の証明書の交付請求があった場合,応じて差し支えない,とされている。

cf. 平成22年7月26日付「登記記録上任期が満了していることが明らかな社会福祉法人の理事に係る資格証明書及び印鑑証明書」
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「登記官の目 会社分割と根抵当権」

2012-04-12 16:39:17 | 不動産登記法その他
 月刊登記情報2012年4月号に,「登記官の目 会社分割と根抵当権」があるが・・・通り一編の内容で,視点が全くない。

 次のような問題意識での「登記官の目」を期待したい。

cf. 平成22年10月28日付「根抵当権の変更登記をめぐる諸問題」

平成22年4月13日付「会社分割と根抵当権」
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資格者代理人としての記名

2012-04-12 13:35:03 | 司法書士(改正不動産登記法等)
 資格者代理人として文書に記名する場合には,「司法書士○○○○」のように,資格を表示するのが,ある意味常識であるように思われる。

 しかしながら,司法書士の一部には,昔からの慣習であるのか,登記申請書や委任状に,「司法書士○○○○」と記載せず,単に「○○○○」と氏名のみを記載する例が見受けられる。いわゆる権利証をみても,相当数の司法書士がそのような実務慣行を保持しているようだ。

 ん~,なぜ?

 司法書士という資格とは無関係に何らかの委任を受けるケースでは,もちろん単に「○○○○」と氏名のみを表示すべきであるが,司法書士の職務に関して,資格者代理人として文書に記名する場合には,「司法書士○○○○」のように,資格を表示すべきであろう。

 「登記申請が受理されているから」という理由にならない理由のみで,従来のやり方に拘泥する向きもあるが,司法書士界全体で,実務の在り方を見直すべきであろう。
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