大阪地裁平成24年9月13日判決
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=82558&hanreiKbn=07
地裁判決の全文である。なお,本件は,控訴されているようである。
主文は,次のとおりである。
主文
1 被告は,京都地方法務局昭和40年6月14日設立の商業登記中,「阪急住宅株式会社」の商号登記の抹消登記手続をせよ。
2 被告は,その営業上の施設又は活動において「阪急住宅株式会社」の表示を使用してはならない。
3 被告は,営業表示物件から「阪急住宅株式会社」の表示を抹消せよ。
4 訴訟費用は被告の負担とする。
5 この判決は,2,3項に限り,仮に執行することができる。
不正競争防止法の施行期日が平成6年5月1日であることから,次のとおりである。
○ 不正競争防止法制定附則3条1号について
法制定附則3条1号は,「3条‥‥の規定は,この法律の施行前(施行日:平成6年5月1日)に開始した次に掲げる行為を継続する行為については,適用しない。」とし,1号として「新法第2条第1項第2号に掲げる行為に該当するもの(同項第1号に掲げる行為に該当するものを除く。)」と規定している。
したがって,被告の行為が,平成6年5月1日以前に開始されており,かつ,これが継続された行為である場合は,法3条の適用はない(法2条1項1号に該当する場合は除く。)。
そして,本件においてもっとも重要な争点についての裁判所の判断は,次のとおりである。
○ 争点2:被告は,原告営業表示が著名になる前から被告商号を使用する者であるか
以上によると,少なくとも上記の間,被告は,休眠状態にあり,被告商号を営業表示として使用することはなかったことが窺える。
そうすると,被告は,平成6年5月1日以前から,被告商号を営業表示として使用することを継続していたとは認めることができず,原告営業表示が著名になる前から被告商号を使用する者であるともいえない。
※【内藤注】「上記の間」がどの間を意味するのか,不分明である。
商号の登記があっても,継続した営業実態がないとだめ,という判断であるようだ。
cf.
平成24年9月19日付け『「阪急電鉄」が「阪急住宅」に対し「阪急」の使用差止請求訴訟を提起(2)』